(つづき)
1階奥の展示室は圧巻でした。
四方を白い漆喰に囲まれた正方形の空間は
高い高い天井。
自然光のみの空間。
中谷ミチコ
「影、魚をねかしつける」
中谷さんの作品にはじめてであったのは
横浜トリエンナーレだったかな?
石膏に「浮き彫り」ではなく「くぼみ」で表現する彫刻作品。
見るたびにとてもとても不思議な感覚になります。
繊細な自然光の下から
かすかな陰影でゆんわりと浮かび上がる
少女たち。
寄りあいながら
魚をねかせようとしているらしい。
「魚」は何だろう?
海や水は母性の象徴。
海に住まう魚はその子供として
命そのものをつなぐ種族を超えた物語なのかしら。
観る角度によって
彼女たちの表情、視線が変わっていくのです。
そしてこの作品は
「触れられる作品」。
実際にこのように触れていいのです。
視覚からの情報と(出っ張っている?)
触感がズレる(凹んでる⁈)
もう一つの作品。
「デコボコの舟」
鯨のようにも見える「舟」。
「くぼみ」に色がほどこされています。
大きく枝を広げる1本の木。
中谷さんの作品に登場する
静かな不安をかき立てる黒い鳥たちの羽ばたき。
ここに寝かしつけられ少女に抱えられた魚が。
舟の側面に刻まれた少女たちは
不安気に寄り添うように見えます。
少しずつ動きながら観ると
少女たちの表情も少しずつ変わっていきます。
私の歩みにあわせて
そっと生きているかのように。
場所を変えながら
少女たちと視線を交わして語り合うみたいな時間。
高い高い天井。
その下には
大理石が敷き詰められています。
薄墨のまだら模様の大理石と
淡い桜色の大理石、
壁際から螺旋を描くように並べられ・・・
その中心には
球体のようなものが埋め込まれています。
地球?脳みそ?
この直下には
生前の秋野さんと藤森さんが
天竜川の河川敷で採取した石が埋められているそうです。
その真上に採光の窓を設えたピラミッド。
そのことをスタッフの方から聞いたとき
この美術館じたいがパワースポットなのだと思いました。
だって、
美術館のスタッフのみなさまが
本当に素敵で、
優しくて、
ホスピタリティに満ちた方々ばかりだったから。
遠方から訪れた私にとって
その対応はあまりに嬉しくて
天使しかいないのかよ・・・
何度も思ったから。
スタッフの方にすすめられて
大理石の床に座ってのんびり鑑賞。
(続く)
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