会長の3110です。
室内で過ごす時間が増えたであろう皆様に、閉ざされた空間が舞台の作品を紹介していきたいと思います。
第188回にも該当する作品がたくさんあるので、そちらもどうぞ。
―=ΞΣ((( / ・ω・)/
『バルカン超特急』(第57回)
1939年 97分 監督:アルフレッド・ヒッチコック
走っている列車が舞台のサスペンス作品。
ヒッチコックがイギリスにいた頃作られた作品で、アメリカ時代のようなスケールの大きな話ではないものの、よく練られた脚本と癖のある登場人物たちがマッチしており、非常に完成度が高いです。
窓に書いた名前や、お茶の袋など、スマートで鮮やかな伏線回収の数々には惚れ惚れします。
『第十七捕虜収容所』(第149回)
1953年 120分 監督:ビリー・ワイルダー
ドイツの捕虜収容所を舞台にした作品。ドイツ軍のスパイだと疑われた主人公が、本物のスパイの正体を暴くお話。
戦争とかスパイとか聞くと、難しくて暗い話を想像するかもしれませんが、本作では捕虜収容所でのアメリカ兵たちの暮らしが面白おかしく描かれており、笑いどころもたくさんあります。
登場人物は多いですが、みんな個性的でキャラが立っています。
『ダイヤルMを廻せ!』(第165回)
1954年 105分 監督:アルフレッド・ヒッチコック
舞台作品を映画化した作品で、長台詞がめちゃくちゃ多いです。
本作の面白いところは、殺人事件や謎解きではなく、殺人のシミュレーションが話のメインだということ。
殺人の提案者と実行犯が殺害現場にて、どんな風に相手を殺すのか入念に確認するのです。
肝心の殺害シーン(殺されるのは別人だけど)や、事件解決のシーンは結構あっさりなのに、とても見応えのある作品です。
『博士の異常な愛情』(第18回)
1964年 93分 監督:スタンリー・キューブリック
攻撃命令を受けた戦闘機と、それを止めようとする作戦室、気が狂った将軍が籠城するアメリカ軍基地の3つの場面で話を回すブラックコメディ。
登場人物は大体無能。有能な人物は身動きがとれない。
離れた人物と連絡が取れないことがいかに重大な問題かがわかる作品です。
『エイリアン』(第8回)
1979年 117分 監督:リドリー・スコット
『エイリアン』シリーズ第1作。
だだっ広い宇宙に漂う船の中で、未知の生物に船員が一人また一人と襲われていく恐怖を生々しく描いています。
本作や『ジョーズ』を観て思うのは、恐怖の対象はあまり画面に映らない方が怖いということ。
姿もはっきりわからない。いつどこから襲ってくるかわからない。そういう見えない恐怖が全編通してのしかかってきます。
『13日の金曜日』
1980年 95分 監督:ショーン・S・カニンガム
キャンプ場で起こる連続殺人を描いた作品。とにかく低予算臭がすごい。
主人公が誰かわからないまま、淡々と人が殺されていくので、盛り上がりという盛り上がりは特にありません。
しかし、上記にある「見えない恐怖」は本作にもあって、特に意味がないように思われるヘビやいたずらのシーンも、実は恐怖を引き立てるいい味になっています。
『ダイ・ハード』(第32回)
1988年 132分 監督:ジョン・マクティアナン
ブルース・ウィリス演じる不幸な刑事が、たった一人タンクトップ姿でテロリスト集団と戦う話。
閉ざされたビルという舞台がよく活かされた脚本で、ジョン・マクレーンのテクニカルな戦いが楽しめます。
アクションはもちろんのこと、マクレーンが唯一の味方であるパウエル刑事と無線でやり取りするシーンや、写真や時計などの小物を使って描かれたモリーの心情描写など、登場人物一人ひとりが見せる人間らしさも本作の魅力の一つだと思います。
―=ΞΣ((( / ・ω・)/
数が多いので今回はここまで。
今回は比較的古い作品を紹介しましたが、後編では平成以降の作品を紹介します。
後編はこちら