会長の3110です。
京アニのことがかなりショックで、正直あまり気分がよくないのですが、途中まで書いたこの記事だけ今のうちに投稿したいと思います。
メンタル的に、今投稿しないといつ書き終えられるかわからないので。
―=ΞΣ((( / ・ω・)/
というわけで、これまで観たヒッチコック作品のランキングトップ10を書いていきます。
対象の作品は前回の記事を参考のこと。
10位 『フレンジー』(第169回)
1972年 116分
『マーニー』、『引き裂かれたカーテン』といまいちな評価が続いたヒッチコックは、『トパーズ』で完全に過去の人の烙印を推されてしまいます。
『フレンジー』は、そんなヒッチコックの復活を象徴する作品と言われています。
恒例の巻き込まれ型サスペンスですが、過去のヒッチコック作品にはあまりない過激な暴力描写が多いので、人を選ぶ作品だと思います。
私は基本そういう映画はあまり好きではないのですが、本作はなかなか面白いと感じました。
主人公がクズなんですけど、主人公の周りにいるクズじゃない人たちの方が不幸な目に遭うので、全然主人公を応援できないです。
こういう点でも珍しいタイプのヒッチコック作品ですね。
9位 『ハリーの災難』(第135回)
1955年 99分
イギリス流のブラックジョークが炸裂した作品で、アメリカではあまり受けなかったものの、ヨーロッパ(特にフランス)で人気が出て長期間にわたって上映されたそうです。
死体が何度も埋められては掘り返されるお話で、全編通してコメディ色強めの作品ですが、伏線とかもしっかり張ってあり、なかなかクオリティの高い脚本でした。
登場人物もみんな個性的で、好感が持てる人ばかりです。
8位 『サイコ』(第134回)
1960年 108分
おそらく最も有名なヒッチコック作品ではないでしょうか。
ヒッチコックが自分プロデュースで製作した、低予算モノクロ映画です。
言ってしまえば、巨匠が自主製作映画を撮った感じです。宣伝などにもかなりこだわったとか。
モノクロである理由は先述した通り低予算だからなのですが、本作が名作になったのには間違いなくモノクロであることが関係していると思います。
他のヒッチコック作品の例にもれず、本作も斬新な演出で驚かされる場面が多々あるのですが、それが白黒の画面にとてもよく映えるんですよ。
そして、シャワーシーンばかりが注目される本作ですが、話の内容もとても斬新で面白いんですよ。ネタバレだから特にどの辺がとか言いませんが。
7位 『舞台恐怖症』(第125回)
1950年 110分
ヒッチコックが久々にイギリスで製作した作品。
1回目観た時はめちゃくちゃ面白いと思ったんですが、2回目はなぜかそうでもなかったような……。しかしヒッチコック作品の中ではトップクラスに好きな作品であることには変わりありません。
ミステリーにおける禁じ手を使った作品なので、硬派なミステリーファンは怒り狂う内容かもしれませんが、本作の「ピッチャーが回れ右してマウンドから球場の外にボールを投げ込む」ような内容は嫌いじゃないです。
何より気に入ったポイントは、登場人物がみんな頭のきれる曲者であること。そんな人物たちが、互いに腹を探り合う様子がとても面白いです。
6位 『ファミリー・プロット』(第161回)
1976年 121分
ヒッチコックが監督を務めた最後の作品。
最終作の割に影が薄く、あまり話題にならない作品ですが、私はめちゃくちゃ面白いと思います。
主人公はインチキ霊媒で詐欺まがいの商売をしている2人組の男女で、同じく2人組の連続誘拐犯とコミカルな頭脳戦を繰り広げます。
ミステリーとしてもコメディとしても中途半端さはなく、2つの異なるジャンルがバランスよく共存しています。
『フレンジー』もすごく好きな作品ですが、ヒッチコックの最後を飾る作品としては、やはり本作が相応しいと思います(後味的な意味で)。
5位 『ダイヤルMを廻せ!』(第165回)
1954年 105分
舞台が原作とあって、内容も脚本も舞台っぽい部分が多々見受けられます。特に、長台詞がめちゃくちゃ多いので、集中していないと話についていけないかもしれません。
初めての観賞では少し疲れるかもしれませんが、ちゃんとついていくととても面白い作品です。
サスペンス映画の大半は、犯罪が起こってから解決するまでが一番面白いと思うのですが、本作はどのように殺人を犯すか説明する場面が一番面白いと感じました。
とはいえ、終盤も盛り下がりを見せるわけではありません。怒涛の伏線回収には痺れましたね。
4位 『見知らぬ乗客』(第16回)
1951年 101分
ヒッチコック黄金期の始まりを告げる作品と言われています。
怖さで言ったらヒッチコックの中でもトップクラスだと思います。
本作に登場するサイコ野郎ブルーノは、役者の演技と、目線を巧みに使った演出がマッチしていて、非常に不気味です。
演出に関しては1番好きかもしれません。
3位 『鳥』(第132回)
1963年 120分
怪獣とかではなく、ごく身近にいる動物が登場するパニック映画としては、元祖と言えるのではないでしょうか。
60年代に本作を映画化するのは、相当大変だったはずです。
ホラー色の強い作品にもかかわらず、人間パートのドラマはとてもしっかりしていています。ホラーもドラマも中途半端じゃないのは本当に素晴らしいと思います。
ちなみに本作、終始鳥の鳴き声が聞こえる意外は、一切BGMが使われていません。前作の『サイコ』は音楽が非常に重要な要素になっているので、観比べてみると面白いと思います。
2位 『三十九夜』(第133回)
1935年 88分
ヒッチコックの巻き込まれ型サスペンスは、ここから始まったと言ってもいいでしょう。
短尺で展開もテンプレばっかりなんですけど、テンポもいいし伏線もバッチリ、おまけにユーモアも随所に用意されていて、文句のない出来だとお思います。
サスペンスのお手本みたいな作品で、起承転結がしっかりしているので、初めてのヒッチコック作品におすすめです。
1位 『バルカン超特急』(第57回)
1938年 97分
私の中の1位はこれしかないです。
『三十九夜』はサスペンスの定番みたいな面白さですが、本作は逆で、終始変化球です。
事件にかかわる人物はやや多めなんですが、それぞれがまったく違う方向からまったく不本意に事件をかき回す様子が面白い。
登場人物はみんな魅力的だし、話もわりと明るめの作品なので、本作も初めてのヒッチコック作品におすすめしたいです。
時代も時代だし、銃撃戦のところとかいろいろとしょぼい部分もあるんですけど、そういうところも含めて、私はヒッチコックの中でこれが一番好きです。
―=ΞΣ((( / ・ω・)/
いかがだったでしょうか。
定番からは少し外れたランキングだったと思いますが、もし好みが同じ人がいたら嬉しいです。
全開から結構間があいてしまってすみません。
今年度中はこのくらいの更新ペースになると思います。
続く……全作品観るのはいつになることやら