=第133回= 『三十九夜』 感想 | 3110 - 映画研究会

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会長の3110です。

地獄の9月末を満喫中です。

来月から始まる禁書3期が楽しみだけど、多分こっちじゃ放送しないんだろうなぁ……。

 

     ε=ε=ε= ヾ(*~▽~)ノ

 

 

   『三十九夜』

  

1935年 88分 監督:アルフレッド・ヒッチコック

 

  ※画像をお借りしています

 

  〔あらすじ〕

 ミュージックホールでは、ミスターメモリーという、驚異的な記憶力を持つ男の芸が会場を湧かせていた。

 やがてヒートアップした客が暴動を起こすが、その騒ぎはひとつの銃声によってますます大きくなってしまう。

 騒ぎを抜け出したハネイの前に現れた謎の女性は、彼の家までついていくと、自分は諜報員であると語った。

 イギリスのとある機密情報が外国へ持ち出される危機に瀕していると女性は言うが……。

 

     ε=ε=ε= ヾ(*~▽~)ノ

 

 

ほい、〈マスターピース・コレクション〉ではありませんが、今回もヒッチコック作品です。

〈ミステリー劇場〉の方も未観のものがまだまだあるので。

 

感想ですが、すげー面白かった!

ヒッチコックお得意の巻き込まれ型サスペンスの元祖です。

その割には影が薄いような気がしなくもないけど。

 

 

まあ内容濃い割には短めの作品ですからね。展開が駆け足になってしまうのも仕方ないと言えば仕方ない。

例として、登場人物が総じておしゃべりなんですよね。

「そんな簡単にしゃべっていい情報なのか?」 と、その辺が気になっちゃう人はいるかもしれない。

 

 

私もまったく気にならなかったわけじゃありませんが、全編ヒッチコックらしさにあふれた、素晴らしい映画だったと思います。

 

本作も例にもれず、男女の出会いから始まります。

 

しかし驚いたことに、ハネイを巻き込んだ女性はあっという間に退場してしまうんですよねぇ。

巻き込まれサスペンス第一段にして、珍しい展開。

 

というわけで、中盤までは巻き込まれたハネイだけが行動します。

ヒッチコック作品に欠かせない美女がいないじゃないか!

と思ったそこのあなた(私も)。

実はこれ、二重巻き込まれ型サスペンスなんです。

第一段なのにいろいろと変化球くれるじゃないかヒッチコック!

 

ある女によって無関係の事件に巻き込まれた男が、別の無関係な女を事件に巻き込む。

ワクワクする展開ですよもう。

 

の場面、一緒に逃げるまでの流れが予想通りすぎて笑いました。

 

 

短尺なので、話はせわしなく進むのですが、早すぎないテンポで楽しめました。

短い尺の中に伏線もたっぷり散りばめられています。

 

ところどころに挟まるユーモアもバッチリ効いていますね。

でたらめ演説のシーンなんて最高です。

 

 

登場人物も魅力的な人物ばかりで、文句なしです。

『鳥』(第132回)や『舞台恐怖症』(第125回)と同じくらい気に入って、最近私の中のヒッチコックランキングが怒涛の勢いで更新されています。

 

 

     ε=ε=ε= ヾ(*~▽~)ノ

 

それにしても、邦題の意味がわかりません。

原題の『The 39 Steps』は劇中“39階段”と訳されていますし。

 

 

続く……胸ポケットの○○が銃弾を防ぐの、実は古典だった