=第125回= 『舞台恐怖症』 感想 | 3110 - 映画研究会

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会長の3110です。

せっかく時間があるのに、なんとなく映画を観る気力がありません。

昨日夜遅くまでパソコンいじってて目が疲れたからでしょうか。

 

     ε=ε=ε= ヾ(*~▽~)ノ

 

 

   『舞台恐怖症』

  

1950年 110分 監督:アルフレッド・ヒッチコック

 

  ※画像をお借りしています

 

  〔あらすじ〕

 演劇学院生のイヴは、友人であるジョナサンを車に乗せ、逃亡していた。

 ジョナサンは、愛人のシャーロットが犯した殺人の現場で目撃され、警察に疑われているらしい。

 海辺の別荘にジョナサンをかくまうイヴだったが、彼女の父親は、シャーロットがジョナサンを殺人犯に仕立て上げたのではないかと考える。

 イヴは父にジョナサンを任せると、世話係に扮し、単身シャーロットの監視を開始する。

 

     ─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ コ コ マ デ!

 

 

ヒッチコック作品にしては比較的長めの作品ですね。

観た感想ですが、めっちゃ面白い!

しかし、なんで低評価なんだ!

 

と言ったものの、評価が低めな理由はなんとなくわかります。

だって本作、ミステリーにおける禁じ手というか、反則技使ってますからね。

それがどんな反則なのか、ネタバレになるんで詳しくは書けませんが、言うなれば『逆ユージュアル・サスペクツ』ってとこでしょうか。

うーん、逆でもないか。

 

 

上記のあらすじではよくわからないと思うので、もうちょっと具体的に書くと、

  

 ジョナサン(画像右)がイヴに助けを求める

→事情を訊くと、愛人で舞台女優のシャーロット(画像左)が夫を殺してしまったらしい

→不自然に思われないよう、ジョナサンはいつも通り舞台を演じるようシャーロットに勧める

→衣装に血がついていたので、代わりの衣装をジョナサンに持ってこさせる

→その際にジョナサンはシャーロットの世話係に目撃されてしまう

→ジョナサンに殺人の疑いがかかり、警察に追われる

→イヴに助けを求める

 

とまあ、こんな感じです。

 

それにしても、観終わった後にこの冒頭を思い出すと、してやられたって感じですね。

多分硬派なミステリー,サスペンスファンは憤慨するでしょう。

しかし、演出の裏をかいたというか、抜け穴をこじ開けたような真相には感心しました。

私は好きですよ。

 

 

さて、もちろんこの超絶変化球の展開も大好物なのですが、登場人物も魅力的な人ばかりでしたね。

どいつもこいつも頭キレッキレなんですよ。警察でも探偵でもないやつらがことごとく。

 

上記のシャーロットにジョナサンもそう。

ジョナサンが助けを求めたイヴに、彼らをかくまったイヴの父親も。

果てにはイヴに買収されたシャーロットのお世話係まで↓(画像左)

  

シャーロットと知り合うスミス警部補↓(画像左)も、他に比べて大したことないと思いきや……

  

このキレ者達がお互いに腹を探り合い、誰かは私欲のため、また誰かは真相を知るため、意図せず事件をかき回すのです。

終始展開されるこの心理戦は、実に見ごたえのあるものでした。

 

みんな完璧な策士ではなく、ところどころ抜けてたり、詰めが甘いところもよかったですね。

 

 

話も結構複雑で、ちゃんと観ていないとややこしいと思います。

私もあまりややこしい話は好きではなく、『三つ数えろ』なんかはまったく話についていけなかったのですが、本作はあまり気を張らずとも楽しめました。

『三つ数えろ』とは違い、随所に笑えるシーンがあったからだと思います。

 

 

賛否は分かれるでしょうが、なんでもありが許せる人にはおすすめの作品です。

 

 

     ε=ε=ε= ヾ(*~▽~)ノ

 

評価されていないのが残念でなりません。

個人的には『バルカン超特急』(第57回)の次に好きなヒッチコック作品です。

 

 

続く……こういう禁じ手を使った作品、増えすぎない程度に増えてほしい