・美術品を見るためにも「源氏物語」の最低限の「教養」が必要だというのは、最近痛感している。ましてテレビ大河ドラマも始まるとかだし・・と適切な「源氏物語の入門本」を探した。・・・そこで、「あまり肩が凝らずに、しかし、その本質にはかなり迫れる」と過去のシリーズで体験した、「解剖図艦」をよんでみることにした。

 

「源氏」は、最初の数章を読んだが、「なるほど面白い」、しかし高貴の人の色恋沙汰に最後までつきあうのも大変だな・・というのが正直な心境。ただ、平安時代の時代背景は良く分かってくる。こっちは、もっと、読み込んでから感想を書こう。美術ライター佐藤晃子さんが文章をかいている。

 

・本屋さんも売り込み方が上手だが、隣に積んであったのが「百人一首解剖図艦」。

「百人一首」には馴染みがあったので、一種、懐かしい気分で手に取った。もちろん、一つ一つの歌の作者解説、歌の背景の解説など詳しく読み込んでいくと、なかなかに面白い。コラム、年表もついていて、話がおもしろくなる。「漫画本で日本史を乗り切ろう」とかいう疚しい下心ではないので、ご容赦を・・・。

 

紫式部関連の人々が詠んだ歌も11首含まれているそうだ。(紫式部が女房として仕えていた一条天皇の中宮・彰子のグループ、一条天皇の皇后・定子のグループ、及び、一条天皇を取り囲む高官(藤原家)のグループ。)

 

・pp.188-189には、「歌人の系図」という事で、100人の歌人の属しているグループが図示してある。天皇家(臣籍降下した皇族の子孫なども含む)、藤原家(特に北家)両方で8割強・・。なるほど!文化面でもほぼ独占状態だったわけだ・・。まあ、選んだのは藤原定家(北家出身)ではあるが。