月が満ちるまで 感謝の気持ち 4
本当に、バカな息子だよ……
風花、許してやってね
ぽろぽろ泣きながら、おばあちゃんは言った。
魂の抜けたお父さんを見るのは辛かった
そう 言った。
お母さんの想い
お父さんの想い
両方、よく分かるのだと。
誰が悪いわけでなく、みんな自分に正直に生きてきた。
ひどいお父さんだと思う時もある
ひどいお母さんだと
それでも
生まれて来たことに意味があるなら
生きていくことに意味があるなら
自分の命と引き換えにわたしを産んでくれた
お母さんの分も生きていかなければいけない気がする
きっとお母さんは、自由に生きなさいって言ってくれると思う。
誰より
自由に生きてきたから
「ね、ふーかっ聞いてる」
ぼんやりしていた。
「えへへっぼーっとしてた」
呆れ顔のちはやがいた。
「まったくもぅ……もう一回言うからね……」
何気ない日常。
感謝している。いつも、いつも。
風花、許してやってね
ぽろぽろ泣きながら、おばあちゃんは言った。
魂の抜けたお父さんを見るのは辛かった
そう 言った。
お母さんの想い
お父さんの想い
両方、よく分かるのだと。
誰が悪いわけでなく、みんな自分に正直に生きてきた。
ひどいお父さんだと思う時もある
ひどいお母さんだと
それでも
生まれて来たことに意味があるなら
生きていくことに意味があるなら
自分の命と引き換えにわたしを産んでくれた
お母さんの分も生きていかなければいけない気がする
きっとお母さんは、自由に生きなさいって言ってくれると思う。
誰より
自由に生きてきたから
「ね、ふーかっ聞いてる」
ぼんやりしていた。
「えへへっぼーっとしてた」
呆れ顔のちはやがいた。
「まったくもぅ……もう一回言うからね……」
何気ない日常。
感謝している。いつも、いつも。
月が満ちるまで 感謝の気持ち 3
写真を見つけたちはやが、声をあげる。
「かっわいい!七五三じゃない」
着物姿のおばあちゃんと、わたし。小花を散らした着物が珍しくて、かわいくて脱ぎたくないとだだをこねた。
会う人みんな、優しい顔で見守ってくれていた。
「ちはやも写真あるでしょう」
「まあね。かわいくてビックリするよ~」
にこにこしながら他の写真も見ている。
どれも、おばあちゃんとのツーショットを選んでいた。
遠足、運動会、入学式。
アルバムには穴が空いてしまうけれど、いつも見れるように身近に置いておきたかった。
「口元がおばあちゃんかなぁ…風花の目はお母さんからかな」
「……うん、当たり。目はよく似てるらしいよ」
自分でも嫌になるほど。
写真でしか知らないお母さん。どんな声をしていたんだろう。
わたしにどんな言葉をかけてくれたんだろう。
お母さんのお腹で、どんな言葉を聞いていたのだろう。
知らない世界に生まれおちるわたしを、優しく抱き寄せてくれたのか。
お母さんが生きていてくれたなら、お父さんもわたしを憎みはしなかった。
お母さんの命と引き換えに産まれてきたから。
どちらかしか助けられない
そのぎりぎりの選択で、お母さんのだした答え。
それは
正しかったのか、わからない。
乳飲み子を抱えた男親は、自分の母親に面倒を頼む。
一緒に暮らした日々で、
お父さんの記憶はたくさんの本と後ろ姿。
お母さんにそっくりだという、わたしの顔を見ると、なきべそをかいた子供のような顔をした。
見ると、思いだすから。
お母さんをとても愛していて、忘れられない……
楽しかった記憶を……
だんだんと離れていったお父さん。
そんなお父さんを、おばあちゃんはバカ呼ばわりした。
「かっわいい!七五三じゃない」
着物姿のおばあちゃんと、わたし。小花を散らした着物が珍しくて、かわいくて脱ぎたくないとだだをこねた。
会う人みんな、優しい顔で見守ってくれていた。
「ちはやも写真あるでしょう」
「まあね。かわいくてビックリするよ~」
にこにこしながら他の写真も見ている。
どれも、おばあちゃんとのツーショットを選んでいた。
遠足、運動会、入学式。
アルバムには穴が空いてしまうけれど、いつも見れるように身近に置いておきたかった。
「口元がおばあちゃんかなぁ…風花の目はお母さんからかな」
「……うん、当たり。目はよく似てるらしいよ」
自分でも嫌になるほど。
写真でしか知らないお母さん。どんな声をしていたんだろう。
わたしにどんな言葉をかけてくれたんだろう。
お母さんのお腹で、どんな言葉を聞いていたのだろう。
知らない世界に生まれおちるわたしを、優しく抱き寄せてくれたのか。
お母さんが生きていてくれたなら、お父さんもわたしを憎みはしなかった。
お母さんの命と引き換えに産まれてきたから。
どちらかしか助けられない
そのぎりぎりの選択で、お母さんのだした答え。
それは
正しかったのか、わからない。
乳飲み子を抱えた男親は、自分の母親に面倒を頼む。
一緒に暮らした日々で、
お父さんの記憶はたくさんの本と後ろ姿。
お母さんにそっくりだという、わたしの顔を見ると、なきべそをかいた子供のような顔をした。
見ると、思いだすから。
お母さんをとても愛していて、忘れられない……
楽しかった記憶を……
だんだんと離れていったお父さん。
そんなお父さんを、おばあちゃんはバカ呼ばわりした。
月が満ちるまで 感謝の気持ち 2
「ふうちゃん、何してんの」
机の上に材料を出したところだった。ほんと、目がはやい。ちはやは。
土台になるカラーボード、細工につかう厚紙、カッター、はさみ、接着剤。
「これから写真のコラージュを作ろうと思って」
「へえ~~面白そう。デコるの」
キラッキラのラインストーンを散りばめた、おばあちゃんがよぎる。
想像のなかでは、豹柄パンツに蛍光紫のシャツ、ちりちりパーマの派手な姿になっている。
「ううん。おばあちゃんにあげるつもりだから」
ふるふると頭を振れば、その凄い姿が追い払えそうだった。
「カワイイに年齢はないんだからね。むしろぜひ、やんなさい」
はいはいと流しながら、色紙に下絵を留めていく。
花の図案だ。
おばあちゃんの大好きな花。
いくつか作った下絵を拡大と縮小のパターンをつくり、コピーしてある。
花びらやがく、おしべやめしべの下絵がある。
いろんな色を重ねたら、きっとカワイイ。
「風花、器用だね。これなんか細かい」
やわらかい花びらを三層に重ねるつもりだった。
誰かに 褒めて貰えるのは嬉しいな。
机の上に材料を出したところだった。ほんと、目がはやい。ちはやは。
土台になるカラーボード、細工につかう厚紙、カッター、はさみ、接着剤。
「これから写真のコラージュを作ろうと思って」
「へえ~~面白そう。デコるの」
キラッキラのラインストーンを散りばめた、おばあちゃんがよぎる。
想像のなかでは、豹柄パンツに蛍光紫のシャツ、ちりちりパーマの派手な姿になっている。
「ううん。おばあちゃんにあげるつもりだから」
ふるふると頭を振れば、その凄い姿が追い払えそうだった。
「カワイイに年齢はないんだからね。むしろぜひ、やんなさい」
はいはいと流しながら、色紙に下絵を留めていく。
花の図案だ。
おばあちゃんの大好きな花。
いくつか作った下絵を拡大と縮小のパターンをつくり、コピーしてある。
花びらやがく、おしべやめしべの下絵がある。
いろんな色を重ねたら、きっとカワイイ。
「風花、器用だね。これなんか細かい」
やわらかい花びらを三層に重ねるつもりだった。
誰かに 褒めて貰えるのは嬉しいな。