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もうすぐお正月

 祖父が死んでからお正月はあまり楽しくなくなった。祖父が特別好きだったというわけではなく、祖父の死でこれまでの親族間の求心力がなくなり、ギスギスした関係が表面化したためだ。祖父が生きていたときは、みんなでお金をかけて「おいちょかぶ」(それにしても、5、6歳児に「おいちょかぶ」をやらせるとはすごい教育方針だ)をするなど、それなりに楽しく過ごしていた。祖父の死後は険悪な雰囲気の中、親族が集まって食事を食べるだけになった。正月は夜に母がいつも泣いているのがすごく嫌だった。

 おそらく遺産相続で少しもめたのだと思う。父が長男だが末っ子で姉二人に頭が上がらないという理由もあったのだろう。それにしても新年早々、子どもに気づかれるほどの嫌悪感をむき出しにするなんて、底の浅い人たちだと思う(そして、その血が自分と息子たちにも流れているということが時に耐えがたくなることがある)。

 小学校も高学年になると、そんなろくでも食事会を避けて、一人で映画を見に行くことが増えた。夕方6時くらいの回を見て、9時過ぎに帰ればちょうどお開きになっていて、おざなりな挨拶をするだけで叔母達からお年玉ももらえて好都合だった。ただ、正月映画は内容の薄い大作映画やご年配向けの映画が多くその選択には結構苦労した。

 ある正月に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を観に行った。細部にこだわりのある、よくできたとても楽しい映画だったが、すごく混雑した館内に一人で観に来ているのが自分だけのような気がして妙に寂しかった。映画の中のアメリカ人特有の過剰なまでの仲のよさもその寂しさを助長した。今でも、USJでデロリアン号に乗ると妙に気分が悪くなるのはそのときの感情を思い出すからかも知れない(そんなわけないか)。

せめて正月くらいは子どもたちがいつまでもくつろげる家庭を作りたいと思う。


ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
バック・トゥ・ザ・フューチャー


J2降格

 セレッソ大阪のJ2降格が決まった。今年の戦力から考えて17位という結果はありえないので本当に悔しい。昨年優勝争いしたチームからファビーニョが抜けただけでここまで落ちるなんて、サッカーというスポーツは本当にバランスが重要なのだと思う。

 しかし、昨日の塚田監督の采配も意味不明だった、所用がありNHK衛星で観戦していたのだが、解説の原さんやアナウンサーの指摘がいちいちごもっともで情けなかった。「古橋をもっとゴール近くでプレーさせるべきですね」という原さんに対し、怪我の西澤に代えていつも通り柿本を投入。ここはサイドの選手を入れて、大久保、古橋の2トップにして欲しかった。「柿本の落とすボールの精度が低い」という実況に泣きたくなった。

宮本に代えて河村のときもアナウンサーの「この交代の意図は?」という質問に原さんは少し困っていた。なぜ、あの場面で同じボランチを交代?代えるなら運動量が落ちていた名波じゃないの?名波が90分プレーできないのは監督自身がこれまでの采配で証明しているのでは?極め付きは、古橋に代えて徳重の投入。その後、チャンスはないまま終了。交代前の「古橋に得点の可能性を感じますね」という原さんのコメントがこれまた悲しい。

最後も原さんが「ここはキーパーも含めて全員で攻めるべきでしょう」、と熱く語っているのに監督はいたって冷静。西澤が怪我を押してあそこまで頑張りを見せたのに奮起できないということは、戦う集団を作りきれなかったのだろう。フロントと監督の責任はとても重い。福岡と比べてがむしゃらさが足りなかった。試合終了後、一番悔しいであろう森島選手のうなだれた選手の労をねぎらう姿が、昨年最終節とダブって本当に悲しかった。

 2001年の降格時は天皇杯があったのに今年はそれすらない。おそらく、移籍する選手も多いだろう。これまでにないクラブの危機だが1年での復帰を祈って応援したいと思う。


日活
セレッソ大阪オフィシャルDVD 2002シーズンレビュー J1復帰への激闘録

コストパフォーマンスの高いCD

 子どもの頃は少し潔癖症だったのか古本が苦手だった。誰が触っていたかわからない本が妙に汚らしい感じがして手に取れなかった。知っている友達から借りた本は問題なく読めた。また、図書館の本は少し汚い感じはしたが結構借りて読んでいた。ただ、図書館の本に落書きを見つけたらそれだけで嫌になった。これらのことを考えると、不特定多数の人に無秩序に扱われていた可能性が古本を必要以上に嫌悪した理由かもしれない。

CDについても同じで知人やレンタルCDショップから借りたものは大丈夫だが、中古CDには抵抗があった。ところが、大学生になるとそれが一変する。

大学の近くにディスクユニオンという中古CDショップがあった。通常中古CDはあきらかに人気のない企画ものを中心に安売りされる。ちなみに、大阪の中古CD屋で西川きよし師匠の息子さんのCDが20枚くらい50円で売られているのを見たことがある。その価格と20枚も売れていたと言う事実のふたつの意味でびっくりした。ところが、この店はなんでこのCDがというものが結構安売りされていて(例えば、プライマルスクリームの「Screamadelica」が800円とか)、当時あまりお金がなかった僕は入り浸っていた。

その中でも一番コストパフォーマンスが高いのが、コクトー・ツインズの「Heaven Or Las Vegas」を300円で買ったこと。すでに1000回は聞いているので、1回再生あたり0.3円。なんというコストパフォーマンスの高さだろう。このアルバムをきっかけに全作品を聴いたが、この作品が現時点での最高傑作と思う。幻想的ながらもキャッチーなメロディ、攻撃的ではないのに妙に野心的な音。これ以前の作品は個人的には暗く実験的過ぎるし、これ以降はポップすぎると思うのでちょうどいいバランスが保たれている。ヴォーカルのエリザベスの高揚感ある清潔感あふれる声も潔癖症な僕にはとても心地よい。

 


Primal Scream
Screamadelica
Cocteau Twins
Heaven Or Las Vegas