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Born in the South Osaka

だんじりが嫌いだ。と言っても岸和田市民にけんかを売っているわけではなく(滅相もない)、自分の地元のだんじりの話。そのだんじりは僕の生まれた時から町にあったわけでなく、小学校6年生のときに突然現れた。共有の土地を売ったか何かしてお金が入ったので、町で買ったと記憶している。伝統も何もない、ただ、持ちなれないお金が入ったために買っただんじり。その成り立ちから僕にとっては嫌悪の対象だった。
けれども、子ども会に参加している小学生としてはだんじり祭りに参加しないわけにはいかない。特に両親はテンションが上がりまくっているのだから、「行かない」なんて言えば「偏屈もの!」とか言って殴られかねない。しぶしぶ参加した。ところが、僕は体が大きかったので、だんじり上に乗ることはもちろん、曳くことさえさせてもらえなかった。後ろの「てこ」という棒を持ち上げて方向転換する役割を担わされた。
これは小学生にはなかなか渋いチョイスだ。曳いて駆け回る爽快感なんてものはゼロ。ただの力仕事。おまけに体に棒がぶつかって痛い。大人になって思えばそれはそれで渋い役割だと思わなくもないが、あいにくそこまで僕は老成した小学生ではなかった。というわけで僕のだんじり嫌いは決定的になった。
さらに、僕が中三のときに、だんじり小屋が家の目の前に移転してきた。お盆を過ぎると鳴り物の練習が始まりうるさくて受験勉強どころではない。練習期間中はヘッドホンで音楽を聴いて我慢したが、祭り本番でついに爆発した。祭り期間の3日間中ブルース・スプリングスティーンの「Born in the USA」を大音量でリピートで流し続けた。家の周辺はだんじりの鳴り物とボスのだみ声が混じりあい奇妙なグルーヴをかもし出していたに違いない。アルバム収録の「My Home Town」を聴くと今でのそのときのことを思い出す。



Bruce Springsteen
Born in the U.S.A.

Koganei park life

1年ほど前に小金井公園の近くに住んでいて、ジョギングのコースとしてよく利用していた。小金井街道沿いの入り口から江戸東京たてもの園を通って、スポーツ施設のあるあたりを大回りし、五日市街道沿いに2周すると僕の足でちょうど1時間程度かかる。夕方から夜にかけて走ると少し暗すぎるのが難点だが、背の高い木々がたくさんあって、森の中を走っている感じでとても気持ちいい。

その小金井公園で、昨年9月24日に最高のジョギング体験をした。朝から降り続いていた雨が小降りになったので走りに行く。すると、ハナレグミの無料ライブが「いこいの広場」で行われていた。小雨の中、永積タカシの優しい声を聞きながら、いつもよりゆっくりとしたペースで走るととても気持ちよかった。特に「嘆キッス」から「明日天気になれ」のあたりでは走っていてテンションが上がりまくった。いつもとはコースを変えて「いこいの広場」を4周ぐるぐると回る。

正直、SUPER BUTTER DOGのときにはイロモノバンドだと思っていた(のちに「さよならCOLOR」を聞いてこの評価は一変する)。「家族の風景」を始めてラジオで聞いたときは、その歌詞と歌声が心に残り、すぐにネットで検索した。父の仕事がうまくいかなくなっていて「どこにでもあるような家族の風景」がもはや、自分の手に届かないものになっていたことも影響していたのかもしれない

走り終わるとちょうどアンコールだったので、屋台でビールを買って飲みながら聴き入った。「音タイム」が流れてきたときは鳥肌がたった。あちこちで観客がシャボン玉を飛ばす。すごくリラックスした時間。日比谷公園や代々木公園だとこういう雰囲気は出なかったと思う。小平市と小金井市の境にある公園だからこそ出せる味わいがあった。




小金井公園園内マップ

東芝EMI
hana-uta fes.
Hanaregumi, ハナレグミ
音タイム
ハナレグミ
日々のあわ
ハナレグミ

帰ってから歌いたくなってもいいようにと思ったのだ。


ハナレグミ
hana-uta (DVD付)

滑稽なまでに過剰な美しさ

 一時期携帯にプリインストールされていたケイト・ブッシュの「嵐ヶ丘」で毎朝目覚めていた。さんまさんの「恋の空騒ぎ」で流れていることもあるが、この曲を聴くと思わず笑みがこぼれてしまい、穏やかな気持ちで目覚めることができた。ケイト・ブッシュを思い出すと僕はなぜか笑ってしまう。

 ケイト・ブッシュは高校2年生のときのK君に教えてもらった。「すごく才能があって、美しいのにわざとジャケットでは変な格好をしている。安っぽい産業ロックばかり聴かないで、こういう奥深い人の複雑な音楽をおまえは聴かなければならない」という風に紹介してくれた。長男で兄のいなかった僕にとって、早熟なK君は兄のような存在だった。彼からはケイト・ブッシュだけでなく、ウディ・アレンのシニカルさもナスターシャ・キンスキーの美しさも教えてもらった。

 あとで調べてみるとケイト・ブッシュも早熟なアーティストだった。デビュー曲がいきなりイギリスで1位になって、アルバムも大ヒット。当時アメリカン・ロックしか聴いていなかった僕にとって、こういう複雑な曲がヒットするということ自体が驚きだった。

僕がケイト・ブッシュの音楽から感じるのは滑稽なまでに過剰な美しさだ。特に「Running Up That Hill」のイントロからずんずんと迫ってきて、サビの部分で爆発する構成が好き。そのドラマティックな構成に心が打たれるものの、そこまでに必死に歌わなくてもいいのでは、そこまで作りこまなくてもいいのではと、薄笑いが出てしまう。

思えば、K君にも過剰なところがあった。シニカルですごく頭がよくて、いつもヘッドホンで音楽を聴きながら怖い顔で歩いていた。あまり、器用に世の中を渡っていくようなタイプではなさそうだが、美しく生きているのではと思っている。


Kate Bush
The Dreaming
Kate Bush
Lionheart
Kate Bush
The Hounds of Love (+6 Bonus Track)
Kate Bush
The Whole Story
ケイト・ブッシュ
天使と小悪魔
Kate Bush
The Sensual World
Kate Bush
The Red Shoes
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