コストパフォーマンスの高いCD | 800文字

コストパフォーマンスの高いCD

 子どもの頃は少し潔癖症だったのか古本が苦手だった。誰が触っていたかわからない本が妙に汚らしい感じがして手に取れなかった。知っている友達から借りた本は問題なく読めた。また、図書館の本は少し汚い感じはしたが結構借りて読んでいた。ただ、図書館の本に落書きを見つけたらそれだけで嫌になった。これらのことを考えると、不特定多数の人に無秩序に扱われていた可能性が古本を必要以上に嫌悪した理由かもしれない。

CDについても同じで知人やレンタルCDショップから借りたものは大丈夫だが、中古CDには抵抗があった。ところが、大学生になるとそれが一変する。

大学の近くにディスクユニオンという中古CDショップがあった。通常中古CDはあきらかに人気のない企画ものを中心に安売りされる。ちなみに、大阪の中古CD屋で西川きよし師匠の息子さんのCDが20枚くらい50円で売られているのを見たことがある。その価格と20枚も売れていたと言う事実のふたつの意味でびっくりした。ところが、この店はなんでこのCDがというものが結構安売りされていて(例えば、プライマルスクリームの「Screamadelica」が800円とか)、当時あまりお金がなかった僕は入り浸っていた。

その中でも一番コストパフォーマンスが高いのが、コクトー・ツインズの「Heaven Or Las Vegas」を300円で買ったこと。すでに1000回は聞いているので、1回再生あたり0.3円。なんというコストパフォーマンスの高さだろう。このアルバムをきっかけに全作品を聴いたが、この作品が現時点での最高傑作と思う。幻想的ながらもキャッチーなメロディ、攻撃的ではないのに妙に野心的な音。これ以前の作品は個人的には暗く実験的過ぎるし、これ以降はポップすぎると思うのでちょうどいいバランスが保たれている。ヴォーカルのエリザベスの高揚感ある清潔感あふれる声も潔癖症な僕にはとても心地よい。

 


Primal Scream
Screamadelica
Cocteau Twins
Heaven Or Las Vegas