「北斗星」の旅路~噴火湾をゆく③
(続き)ただ、どうしても急ぐ人は、函館か森で後続の「スーパー北斗1号」に乗れば札幌には約1時間早く着く。実は、八雲の手前で「北斗星」は「スーパー北斗」に追い抜かれる。
特急が特急に追い抜かれるというのはおかしな話だが、昔ながらの寝台特急と、今の電車やディーゼルカーの特急では走行性能が全然違う。「カシオペア」も「トワイライト」も、同じように特急の通過待ちをする。
「急ぐ旅ではない」
寝台特急に乗るには、このような覚悟も必要だ。
八雲から20分ほどで長万部に到着。「オシャマンペツ」は、アイヌ語で「カレイのいるところ」という意味だ。今は、「かにめしを売っているところ」になっているが…。
森の「いかめし」と並び、デパ弁大会で人気の長万部の「かにめし」、昼間の特急なら車内販売でも売っているが、「北斗星」では売っていない。どうしても、という人は、札幌駅前の西武の地下で売っている。
長万部で函館本線と別れ、室蘭本線に入り、相変わらず噴火湾の道を行く。
人影ひとつない海岸に、カモメの大群がひしめくように羽根を休めている。
今は穏やかな初夏の海だが、冬なら波も強く、憂鬱な荒海の表情に一変する。(続く)
特急が特急に追い抜かれるというのはおかしな話だが、昔ながらの寝台特急と、今の電車やディーゼルカーの特急では走行性能が全然違う。「カシオペア」も「トワイライト」も、同じように特急の通過待ちをする。
「急ぐ旅ではない」
寝台特急に乗るには、このような覚悟も必要だ。
八雲から20分ほどで長万部に到着。「オシャマンペツ」は、アイヌ語で「カレイのいるところ」という意味だ。今は、「かにめしを売っているところ」になっているが…。
森の「いかめし」と並び、デパ弁大会で人気の長万部の「かにめし」、昼間の特急なら車内販売でも売っているが、「北斗星」では売っていない。どうしても、という人は、札幌駅前の西武の地下で売っている。
長万部で函館本線と別れ、室蘭本線に入り、相変わらず噴火湾の道を行く。
人影ひとつない海岸に、カモメの大群がひしめくように羽根を休めている。
今は穏やかな初夏の海だが、冬なら波も強く、憂鬱な荒海の表情に一変する。(続く)
「北斗星」の旅路~噴火湾をゆく②
(続き)北海道の地名は、札幌、釧路、網走など、アイヌ語の地名に無理矢理当て字をしたものが多い。
その中で、森の次の停車駅八雲は異色だ。日本神話に出てくるような地名だが、それもそのはず、八雲の地名は和歌が由来。
名付けたのは、尾張名古屋の徳川慶勝。尾張家は徳川御三家のひとつでありながら、いち早く明治政府に従い、明治後、慶勝の指導のもと尾張徳川家が開拓したのが八雲だ。
八雲は北海道の酪農発祥の地であり、北海道土産の定番のひとつ、バター飴もこの土地から始まったとか。
八雲には、「ケンタッキーフライドチキン」が経営する「ハーベスター八雲」という、地産地消をテーマにしたレストランもあり、噴火湾を眺めながら、普通のケンタッキーにはないピザなども食べられるそうだ。
八雲を発車した「北斗星」は、相変わらず噴火湾に沿いながら、ひたすら北上を続ける。
僕などは、延々と続く海を見ているだけで退屈しないが、興味のない人なら、そろそろ嫌気がさしてきて、遅いだの何だのと文句を言うかもしれない。
でも、函館から札幌までは遠いのだ。距離で言えば、東京から豊橋までとほぼ同じだ。
しかも、「北斗星」は新幹線ではないのだ。(続く)
その中で、森の次の停車駅八雲は異色だ。日本神話に出てくるような地名だが、それもそのはず、八雲の地名は和歌が由来。
名付けたのは、尾張名古屋の徳川慶勝。尾張家は徳川御三家のひとつでありながら、いち早く明治政府に従い、明治後、慶勝の指導のもと尾張徳川家が開拓したのが八雲だ。
八雲は北海道の酪農発祥の地であり、北海道土産の定番のひとつ、バター飴もこの土地から始まったとか。
八雲には、「ケンタッキーフライドチキン」が経営する「ハーベスター八雲」という、地産地消をテーマにしたレストランもあり、噴火湾を眺めながら、普通のケンタッキーにはないピザなども食べられるそうだ。
八雲を発車した「北斗星」は、相変わらず噴火湾に沿いながら、ひたすら北上を続ける。
僕などは、延々と続く海を見ているだけで退屈しないが、興味のない人なら、そろそろ嫌気がさしてきて、遅いだの何だのと文句を言うかもしれない。
でも、函館から札幌までは遠いのだ。距離で言えば、東京から豊橋までとほぼ同じだ。
しかも、「北斗星」は新幹線ではないのだ。(続く)
「北斗星」の旅路~噴火湾をゆく①
(続き)森を出ると、右手に噴火湾が続く。
地図を見てもらえばわかるが、「北斗星」はこの先、苫小牧の手前までほぼ噴火湾沿いに走る。
風光明媚な海沿いの風景を満喫できるのはいいが、函館から札幌までのルートとしては、北→東→北と走るこの海沿いルートは実は遠回りになる。
真直ぐ札幌へ北上する、本来の函館本線のルートの方が距離は短いのだが、山間の悪路で単線のうえ、急勾配や急カーブが多いため、ほぼ全線が複線化されている海沿いルートの方が所要時間は短く、現在の特急は全て海沿いルートを走る。
ただ、山沿いルートは、緊急時のバイパスとして行き違い設備などが整備されていて、実際、有珠山噴火で海沿いルートが長期間不通になった時は、昼間の特急のほか、「北斗星」と「カシオペア」も山沿いルートで迂回運転した。
この時思ったのだが、最後部に展望個室のある「カシオペア」と「トワイライト」は、上りの場合は個室が機関車の真後ろになってしまうから、片道を山沿いルートで運転すればいいのではないか?
なお、将来新幹線が札幌まで延びると、距離の短い山沿いルートを通ることになり、室蘭や苫小牧、温泉で有名な登別は通らなくなる。(続く)
地図を見てもらえばわかるが、「北斗星」はこの先、苫小牧の手前までほぼ噴火湾沿いに走る。
風光明媚な海沿いの風景を満喫できるのはいいが、函館から札幌までのルートとしては、北→東→北と走るこの海沿いルートは実は遠回りになる。
真直ぐ札幌へ北上する、本来の函館本線のルートの方が距離は短いのだが、山間の悪路で単線のうえ、急勾配や急カーブが多いため、ほぼ全線が複線化されている海沿いルートの方が所要時間は短く、現在の特急は全て海沿いルートを走る。
ただ、山沿いルートは、緊急時のバイパスとして行き違い設備などが整備されていて、実際、有珠山噴火で海沿いルートが長期間不通になった時は、昼間の特急のほか、「北斗星」と「カシオペア」も山沿いルートで迂回運転した。
この時思ったのだが、最後部に展望個室のある「カシオペア」と「トワイライト」は、上りの場合は個室が機関車の真後ろになってしまうから、片道を山沿いルートで運転すればいいのではないか?
なお、将来新幹線が札幌まで延びると、距離の短い山沿いルートを通ることになり、室蘭や苫小牧、温泉で有名な登別は通らなくなる。(続く)