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「北斗星」の旅路~遥かなる北の都へ①

(続き)左手の車窓は丘陵や山の風景が続いてきたが、登別から少し行くと、一際高い山が見えるようになる。

標高1041㍍の樽前山で、駒ヶ岳や有珠山同様、今も活動を続ける活火山だ。

北海道には火山が多く、それゆえ噴火の被害もある反面、日本一の温泉王国でもある。

社台一帯には、社台ファームなどの牧場が多く、「北斗星」からも、のんびり草を食む白黒まだらの乳牛たちや、軽やかに駆けるサラブレッドの姿を見ることができ、北海道に来たことを実感できるだろう。

僕の場合、牛や馬よりも、ストーブ用の煙突と大きな灯油タンクを備え、何より冬の雪の重み対策として、瓦のない家々が建ち並んでいるのを見ると、北海道らしさを実感できる。

森からずっと眺めてきた噴火湾から遠ざかり、北海道らしい家々やビルなどが少しづつ増えてきて、10時19分苫小牧着。

かつて僕が1年ほど暮らした王子製紙の企業城下町だが、最近は港湾事業のほか、トヨタやいすゞなどの自動車工場も誘致されている。

苫小牧と言えば、ミートホープというありがたくない話題でも有名になってしまったが、楽天で活躍するマーくんの母校、駒大苫小牧高校だってある。(続く)

「北斗星」の旅路~噴火湾をゆく⑦

(続き)室蘭の中心部は、先ほどの小さな鞆(えとも)半島の先にある。

北海道の他の地方都市同様、室蘭も中心部の空洞化が進み、アーケード街など今にも崩れ落ちそうなほど荒廃していて、とても驚いた記憶がある。

東室蘭はその室蘭中心部への玄関口で、国道沿いには大きな郊外型店舗も多い。

東室蘭では2分停車、ここで最後の運転士交代。

ここからは架線の張られた電化区間だが、「北斗星」は函館からのディーゼル機関車がそのまま先頭に立つ。

「ピィーッ」という電気機関車の鋭い警笛と違い、2両のディーゼル機関車は、どことなく哀愁のある「ピョー」という警笛を長く鳴らし、静かに東室蘭を後にした。

JR貨物の機関車が憩う鷲別を速度を上げて通過、15分で登別に到着。

洞爺とともに、道内有数の温泉地だが、旅館のチェックインは午後だから、降りる人は少なかった。

ずっと海岸沿いを走ってきた「北斗星」だが、東室蘭から先はほんの少し内陸に入り、平行する国道の先に噴火湾が見え隠れする。

「毛ガニ」と書かれた土産物屋の看板や、大きなパチンコ屋などが散在するようになり、国道36号線を走る車の量も増えてきた。(続く)

「北斗星」の旅路~噴火湾をゆく⑥

(続き)キーホルダーは、以前のJR北海道持ちの「ロイヤル」で実際に使われていたもので、本皮だから、丈夫で使いこなすほど渋い色合いになり、僕は「北斗星」のデビュー以来、ずっと愛用している。

現在のものは三代目で、予備にもうひとつ新品も持っている。これらは、道内の「北斗星」車中でしか販売していないが、キーホルダーはまだ販売しているとのことだ。

右手に大きな白鳥大橋が見え、その先に島のような半島が見えだす。室蘭の中心部だ。

大きな工場と煙突、貨物の留置線の横を通り抜け、東室蘭9時32分着。

室蘭は、釜石と並ぶ新日鉄の本拠地だ。工業都市だが自然も豊富で、地球岬沖ではホェールウォッチングが楽しめるし、僕は「北斗星」の中から、新日鉄の工場の横を歩くキタキツネの親子を見たことがある。

もっとも、札幌にすらキタキツネはいるのだが。(続く)