Little Friends -452ページ目

「北海道フリーパス」の旅~最終日Vol.37

(続き)怪訝そうな顔でデッキに向かう添乗員を、僕はずっとにらみつけていた。怒鳴られた方も気分は悪いだろうが、こっちはもっと気分が悪い。

僕は、いつも見ず知らずの他人を怒鳴るワケではないし、今の御時世、そんなことをしたら、いつ刺されるかわからない。

だが、この添乗員の場合、いいトシこいて、しかも胸には社員証。名前を出せば、誰でも知っている大手の旅行会社だ。そんな会社の社員が、そこらのバカヤンキーと変わらない非常識ぶりだから頭にきたのだ。

添乗員は、ツアー客の行動をたしなめる必要もあるし、安全を守る義務もあるはずだ。その添乗員がこのザマでは、会社のレベルも知れたものだ。

帰ったら、この添乗員の会社に抗議の電話をしてやろうと思ったがやめた。僕がこの会社を使わなければすむだけの話だ。

さっきまでと一転して、団体客は声をひそめて話している。

僕は荷物を持って席を立った。車掌を煩わすのも面倒だし、黙って自由席に移った。結局、往復ともバカな観光客がらみで引越すハメになった。

旅先で楽しいのはわかるが、その土地で暮らす人間もいるし、観光客だから迷惑をかけていいわけではない。だから、海外でも嫌われるのだ。(続く)

「北海道フリーパス」の旅~最終日Vol.36

(続き)定刻16時51分、「スーパー宗谷4号」は稚内をあとにした。途中から日が暮れて外も見えなくなるし、同じ道のりを引き返すだけだから、暑さと疲れでウンザリ汗

車内は空いていたが、僕の乗った2号車は、次の南稚内で団体客がドヤドヤ乗り込んできて、さらにウンザリ汗汗

僕の隣にこそ来なかったが、前後も横も団体が座った。のんびりまったり旅を終えたかったのに…。

どうやら、千歳に飛ぶ予定だったのが、機材の関係で欠航になり、急きょ列車に変更したらしい。それはお気の毒だが、騒々しくてかなわない。

頭にきたのが、たった1人だけの添乗員。予定が変わって大変なのはわかるが、客席で平気な顔で携帯を使っている。車内放送でも、通話はデッキで…と案内しているし、添乗員の仕事がいくら大変でも他の乗客には関係ない。

3度目の電話でさすがにブチ切れた。

「電話かけんならデッキ行け!このヤローむかっ

にぎやかだった乗客は、いっせいに静まり、おびえたように僕の方を見ているが、怒鳴られた添乗員はそのまま話している。

「聞こえねーのか、コラむかっむかっむかっ

さらに怒鳴ると、乗客の1人が添乗員の腕をつかみ、デッキへ行けと目で合図した。(続く)

「北海道フリーパス」の旅~最終日Vol.35

(続き)駅前で「かにめし」の写真を撮り、洗面所で汗だくの顔を洗う。少しはさっぱりした。

改札が始まると、そそくさとホームに向かった。早く冷房の効いた車内に入りたい。

帰りの席も行きと同じ2号車。行きはオバサンがうるさくて引越したが、帰りは平和に過ごしたいものだ。席に荷物を置き、写真を撮りがてらホームの端の喫煙コーナーで一服タバコ

線路脇の柵に、スズメが1羽ちょこんと止まっている。日本中どこにでもいるスズメだが、冬の厳しい最果ての地に住むスズメは大変だろう。

(続く)