Little Friends -451ページ目

「北海道フリーパス」の旅~最終日Vol.40

(続き)今、日本国内ではバターが入手困難になっているが、バターの材料である牛乳を増産したくても、酪農家が減っているうえ、このところの原油と穀物相場の高騰で作れば作るほど赤字になってしまう。値上げされたチーズも、さらには牛乳も、やがて品薄になるだろう。

この国の政治の無策ぶりのツケが、今になってまわってきているのだ。

これは、単に政権与党が交代するくらいでは解決できない、本当に深刻な問題だと思う。

そして、世界規模で見れば、確実に食糧不足に陥ろうとしている現在、このまま手をこまねいていては大変なことになるだろう。

第二次世界大戦だって、当時の帝国主義だけが原因ではなく、世界恐慌後の経済混乱の結果、食糧や資源を求めて他国を侵略してきたのだ。

鳥や獣は食べ物を巡って命がけで争う。人間だって同じだ。

車内販売の客室乗務員から買ったコーヒーを飲みながら、さっきのムカつく団体や、この先の日本の食糧事情などをぼんやり考えていたら、ますます陰鬱な気分になってきた。

列車は音威子府を過ぎ、空にはほんの少しだけ、太陽の残像が残っているだけ。

窓の外が完全に暗くなる前に、稚内で買った「かにめし」を開けた。(続く)

「北海道フリーパス」の旅~最終日Vol.39

(続き)牧草ロールの中には、白や黒のビニールで包まれたものもある。

これは、おそらく発酵させてサイレージという発酵飼料にするものだと思う。

サイレージというと、サイロで密封して作るデントコーンという飼料用トウモロコシのサイレージが一般的だが、牧草のサイレージもある。普通の牧草よりも栄養価が高いのだ。

広大な牧草地に、ロールがたくさん転がっている風景は、いかにも雄大かつ牧歌的で、先ほどのおバカな観光客の団体も喜んでいたが、北海道の酪農は危機的な状況にある。

食糧自給率が低いこの国で、牛乳と乳製品は、ほぼ国産で賄ってきた。そのほとんどは北海道産だ。

だが、牛乳の消費が伸びないため、酪農家は毎年生産調整を強いられ、販売価格も自分たちでは決められない。

生産コストだけがかさみ、後継者難もあって、離農する酪農家が増えている。(続く)

「北海道フリーパス」の旅~最終日Vol.38

(続き)自由席はいたって空いていた。今まで帰路はずっと自由席だったが、「スーパー宗谷」は自由席が1両しかないし、利尻や礼文は花のシーズンだから、観光客も多いと思って指定を取っていた。

でも、団体が自由席に乗るわけがないし、個人の観光客はおとなしいから、最初から自由席にすればよかった。

西日の照し始めた宗谷本線を、「スーパー宗谷」は身をくねらせながら慎重に進んでゆく。

車窓には、行きと同じく原野と牧草地。今が収穫期の牧草のロールが、あちこちに転がっている。

昔は、1個30㎏くらいの牧草の梱包を紐をかけて作り、倉庫に人力で積上げておく。

牛に与える時はいちいち紐を外していたが、今はロールごとトラクターで運んで、そのまま牛に与えるから便利になった。だが、あのロールを作るには専用の機械が必要で、借金をして買わねばならない。(続く)