沢島監督が調子を取り戻した快足の傑作!東映京都「家光と彦左と一心太助」中村錦之助/中村賀津雄 | 東映バカの部屋

東映バカの部屋

東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんにちは。

 

 

今朝の5時に勤務を終え、水曜日8時の始業時迄の休みなのですが、寒冷前線の影響で肌寒い上に比較的雨量の多い天気となっています。

 

 

北国ではそろそろ暖房の使用が始まったり、布団や衣服を冬用に入れ替えたり、自家用車のタイヤを冬用に交換したりと云う季節…因みに暖房と布団・衣服の用意は済んでいますので、次回の休日は天気に恵まれれば夏用タイヤから冬用タイヤへの交換を行う予定です。

 

 

去年は11月中旬に季節外れの積雪となっていますし、俺の勤務先は「積雪の際、夏用タイヤでの出勤は厳禁」ですので…

 

 

 

さて本日は此方の作品です。

 

 

 

「家光と彦左と一心太助」(「中村錦之助版・一心太助シリーズ」第四弾)昭和36年1月3日公開・小国英雄脚本・沢島忠監督・東映京都制作。

 

 

VHS化作品ですが未DVD化で、有料動画配信も行われていません。

 

 

 

 

 

 

※KINENOTEの作品案内は此方から

 

 

 

沢島監督は自著内に於いて、関係者や観客等々の評価は良かったものの(俺も「好きな作品・面白い作品」と思っています)当作品の最前に演出を手掛けられた​​​​​​​「海賊八幡船」では相当に難儀し…

 

 

 

 

 

 

​​​​​​​「森の石松鬼より恐い」では中村錦之助(後の萬屋錦之介)と喧嘩をもしてしまった位「不調」であったとお話をされていました。

 

 

 

 

 

 

その調子を完全に取り戻したのが、この「家光と彦左と一心太助」なのだそうです。

 

 

 

将軍・徳川家光(中村錦之助)の座を脅かす為に、実弟の徳川忠長(中村賀津雄→現・中村嘉葎雄)の側近達が水面下で暗躍していた事を察知した錦之助御大の側近である彦左衛門(進藤英太郎)は一計を案じ、容姿が瓜二つの「彦左の子分」である魚屋の一心太助(錦之助御大=二役)と入れ替えた事で生ずるドタバタ喜劇!

 

 

この類の作品は現代劇・時代劇を問わずに多くの作品が存在していますが「錦之助御大の見事な演じ分け」「実の兄弟同士が素の兄弟愛をそのまま生かしたかのような心情を曝け出す素晴らしい終盤」「殿様病を治そうと、将軍が太助に入れ替わっているとも知らずにとんでもない行動に出る太助の仲間達やお仲役の北沢典子」等々、息をも付かせぬ面白さと楽しさに溢れています。

 

 

細かな内容は忘れてしまいました。しかし、当方で何度も書いていますし映画好きの著名人や一部の映画評論家・識者もお話をされていますが「内容を思い出せなくても忘れてしまっていても「あの作品は面白かった(楽しかった)」と言える事こそが娯楽映像作品の王道かつあるべき姿」ですし、当作品はその「王道」に当て嵌まる娯楽時代劇の傑作です。

 

 

 

事実、沢島監督は「この作品では錦之助御大とは一度も喧嘩する事無く、二週間で完成させ、正月作品として大当たりし、完全に調子を取り戻した」と回想されていました。

 

 

そして「お仲役」は新東宝出身の北沢さん…「一心太助シリーズ」に於いて「お仲」は北沢さんの他に中原ひとみ・渡辺美佐子が演じ「東映京都三人娘」の桜町弘子・丘さとみ・大川恵子が配されなかった事について沢島監督は「この三人は印象が少し違っていた」との事です。

 

 

 

他の出演者は、北龍二・桜町弘子・松浦築枝・木暮実千代・吉川博子・風見章子・赤木春恵・高松錦之助・平幹二郎・尾上鯉之助・明石潮・山形勲・薄田研二・香川良介・徳大寺伸・田中春男・中村錦司・長島隆一・沢村宗之助等々です。

 

 

 

余談ですが、調べて見ると昭和63年に東映制作・ANN系列で放映された同名のテレビドラマが鈴木則文/志村正浩の共同脚本・舛田利雄監督・仲村トオル/酒井法子/高橋英樹出演で制作されている事が解りました。

 

 

VHS化がされていますが、俺は未見です。

 

 

 

 

 

 

配役は「当時の人気ぶり」を考えると妥当ですし、仲村さんの雰囲気からは確かに似合う様に感じます。

 

 

しかしそれ以上に「ソクブン監督・志村監督と云う、娯楽の名手であり実績十分の盟友が生み出した脚本」「動画の監修/原案迄をも手掛けられる守備範囲の広さを誇る舛田監督の手腕」に惹かれます。

 

 

 

最後に…11/3(土)4(日)の二日間に於いて、東映chの番組の一部が「スカパー!経由の場合」に限り無料放映されます。

 

 

動画/特撮番組以外の顔触れは…

 

 

●11/3(土)11:00~12:50「木枯し紋次郎・関わりござんせん」(「木枯し紋次郎シリーズ」第二弾。字幕付きHD放映)

 

 

 

 

 

 

※東映chの作品案内・放映日時案内は此方から

 

 

 

●11/3(土)20:00~21:20「大学の石松・女群突破」(「大学の石松シリーズ」第四弾)

 

 

 

 

 

 

※東映chの作品案内・放映日時案内は此方から

 

 

 

●11/3(土)21:30~22:30「大学の石松・太陽族に挑戦す」(「大学の石松シリーズ」第三弾)

 

 

 

 

 

 

 

※東映chの作品案内・放映日時案内は此方から

 

 

 

●11/4(日)12:00~14:00「はぐれ刑事純情派・第10シリーズ」第一話(二時間スペシャル版。字幕付きHD放映)

 

 

 

 

 

 

※東映chの作品案内・放映日時案内は此方から

 

 

 

●11/4(日)19:00~20:00「清水次郎長(竹脇無我主演・テレビドラマ版)」第一話(字幕付きHD放映)

 

 

 

 

 

 

※東映chの作品案内・放映日時案内は此方から

 

 

 

●11/4(日)20:00~22:00「現代任侠史」(HD放映)

 

 

 

 

 

 

※東映chの作品案内・放映日時案内は此方から

 

 

 

「現代任侠史」以外は未だにDVD化がされていない(一部VHS化された作品が有ります)貴重な作品ばかり!

 

 

「木枯し紋次郎」は原作者の笹沢左保先生が「紋次郎役は文太さんが一番似合っていた」と言わせた傑作かつ、中村英子のデビュー作!

 

 

そして「現代任侠史」は遺恨を抱えていた石井輝男監督と安藤組長が顔を合わせた作品かつ「女囚さそり」の印象が非常に強かった時期の梶芽衣子が見せた「普通の若い女性の心情を等身大で演じた点」が、俳優陣の芝居以上に見所となるかと思います。

 

 

更に「はぐれ刑事純情派」はBS朝日やテレ朝ch等々でも放映される機会が多い作品ですが「古き良き時代の感覚を最終シリーズまで固持し続けた(第1シリーズの制作・放映は昭和63年ですが)平成時代に放映された刑事ドラマでは明らかに一番の出来と質を誇っている、この様な現代だからこそ繰り返し観続け伝え続けて行くべき作品」「何時の時代に於いても、幅広い年齢層が安心して楽しめる作品が必要不可欠である事を「水戸黄門」等々と共に伝え続けた作品」と思っています(俺は「現在の同時間帯の代表作品」となっている「相棒シリーズ」よりも遥かに好きですし、評価をします)。