皆様、こんにちは。
本日3時に勤務を終え、月曜日15時の勤務開始時迄の休みです。初めに私事ですが、明日以降暫くの間更新を休止します(相変わらずの業務過多、そして今週以降の週末及び連休中は多くの予定が入っている上に連休明けは土曜出勤がある為。それ以降の状況を見て再開します)。尚、皆様の記事にお伺いする事はあるかと思いますのでその際は何卒宜しくお願い致します。さて本日は2月/3月の東映ch内で初放映されている未ソフト化/未配信作品を…約2ヶ月前に公開した記事の再投稿です。
「花札賭博・猪の鹿三番勝負」昭和45年2月11日公開・成澤昌茂(東映chの作品案内では成沢昌茂名義)脚本・鷹森立一監督・東映東京制作。

女壺振りの足を洗い銀座の中堅キャバレーの雇われマダムとして奮闘していた野川由美子がこの店に逃げ込んで来た元・ホステスを悪徳暴力団組長・小池朝雄とその一味から救う為に一度限りの壺振り勝負に挑みますが劣勢…しかし「野川さんを壺振りに、そしてオンナにした」梅宮辰夫がこの場に現れた事に救われ勝負をモノとしたもののこの先は茨の道に、更に自らの生い立ちと実父をも知る事となる物語なのですが…平たく言ってしまえば野川さんの役柄は江波杏子主演で永田大映時代末期の救世主と言わんばかりに連作した大ヒットシリーズ「女賭博師」の大滝錦子(序盤数作品は様々な名前が使われましたが途中から統一化)に近い上に、野川さんが自ら主演した、俺は後に大映・東映が参入した女賭博師モノの始まりはコレだと思っている日活「賭場の牝猫シリーズ」の味も加えられている作品。口が悪い方々は「二番煎じ」「アウトロー路線が売り物の東映が他社を模倣なんて…」と言われるかと思いますが俺は大いに結構だと思います、全世界中の作品は模倣・真似事のオンパレードかつ元とされた作品が優れていた証明ですしお互いが切磋琢磨していい発想・観客目線第一の満足を求めるのは当然、ましてや当作品が制作された時代は独自発想の脚本もきちんと出来る方々ばかりでしたから問題無し!
従って野川さんは東映京都「緋牡丹博徒」「女賭博師」両シリーズの主演・藤純子(=富司純子)と比べると百戦錬磨でもなければ経験値・勝負度胸・イカサマへの対応力等々は相当に劣り、周囲に助けられる事が非常に多いですが困った人間を見捨てられず頼まれると嫌とは言えず自らも未熟者と若いホステス達と一緒に成長しようとする等々の人間性に魅力がありますし(遺児となった元・ホステスの男児をホステスの橘ますみ・夏珠美・小林千枝やオカマ野郎と共に育てている程なのですから…しかし、その男児の十八番が高倉健の「唐獅子牡丹」だったのには大爆笑!でも、営業時間中は銀座の酒場で焼き芋屋を営む伴淳三郎に預けていた上にテープで「唐獅子牡丹」を幾度となく聴かされていたとなれば仕方がありません。尚、このバンジュンも物語の行方の大きな鍵を握る一人)小池さんの実妹で此方も女賭博師の宮園純子の心を大きくぐらつかせる程。余談ですが野川さんの本来の主戦場は日活、吉永小百合を筆頭とするグリーンライン・パールラインの女優陣の人気には及ばなかったものの、その美貌と確かな演技力で他社から引っ張りダコかつ親・東映派を自認していたとか、但し全裸は頑なに拒絶したそうですが…苦しい時代を経験しながらも着実な道を歩み実力を高めた事で日活の清純派女優陣以上の評価を得、長く活躍をされているのですから結果的には良かったなぁと思います。
そして「夜の青春シリーズ」「夜の歌謡シリーズ」「不良番長シリーズ」等々で「女を泣かせる梅宮」の異名を手にした辰ちゃんですが、その合間に制作された「辰ちゃん主演の硬質作品」での実力を遺憾なく発揮!今でこそ芝居巧者として語り継がれてはいますが(硬質芝居でもスタンドプレーでもサラリと遣ってしまうから尚更いい!)当時は東映ファン以外には「辰ちゃん=軟派役者」と見られていた可能性が非常に高い為、野川さんに惹かれて初めて東映上映館に足を運んだ方々は度肝を抜かれたかと…更に言うなら鷹森監督が手掛けられた事もいい方向に行った要因かと思います。血生臭さを殆ど感じない構成ですから深作欣二・佐藤純彌等々では逆効果。「千葉真一の子守唄シリーズ三部作」で程々のアウトロー演出に親子の物語を巧く絡めて仕上げた手腕が生きています。東映ファンからは物足りなさを指摘されそうですが、東映作品にこれから足を踏み入れようとする方々には最適な一本です。尚、当作品の翌年に同じく東映東京が野川さん主演で「尼寺博徒」を制作していますが、此方は10数年前に東映chで放映されてから音沙汰無し…俺は此方もかなり気に入っていますので何れ再放映して貰いたいです。