五日間の有給休暇を取得し父島へ旅行する予定であったものの、船便に乗り遅れてしまい都内をふらついていた長野県内の信用金庫の行員・森田水絵でしたが、そんな時出逢ったのはエリートサラリーマンの道を捨て女房・水木薫と離婚協議中であった職工兼ヨットハーバー管理人の坂元貞美…二人はその晩に情交に至りましたが、一夜妻であった筈の関係は翌日、翌々日も続いて行った上に森田さんと水木さんの間には不思議な人間関係が出来上がっていたのです。そして水木さんの交際相手を含めた四人でバーベキューを行った翌日の早朝、水木さんは長野へ帰郷するのですが…
この頃のロマンポルノは急速に普及した家庭用ビデオレコーダーとAVの影響をモロに被っていた上に熟練の制作関係者や役者が一般作品に移行した関係で人材不足に陥っていた苦難の時…従って宿敵である筈のAV女優を起用(AV女優の演技力向上に寄与しています。逆に日活主催のコンテスト等々で入賞した女優陣は極短期間で引退したりと踏んだり蹴ったり)疑似本番でなく本当に交尾を行った作品が存在(映論が問題視して横槍を入れ、現場側の真摯さを奪い取った行為は如何なモノか?映倫側が猛省すべき)この頃の我国の映画会社では唯一監督希望者を入社させ育てる(これは日活が誇るべき功績です)女性でも受け入れ易い一般的な恋愛ドラマの要素を取り入れた作品を制作等々と試行錯誤を続けていました。当作品は従来からのロマンポルノやピンク映画を観慣れた方々には物語・性描写共に物足りなさを感じるのは必至かと思いますが、この類に足を踏み入れたいと思っている・過激な描写が苦手等々の方々には受け入れられ易いでしょう、何せ性描写よりも心理描写に重きを置いていますし「現代にも直結する思考の変化と多様化・画一的な価値観を好む我が民族の特徴等々の狭間に立たされ将来の行き先が定まらぬ男女の出逢いがどう結実するかが主題」と感じました。又、当時大人気だったセクシーアイドル・森田さんの姿を堪能するのみでも価値がある作品と思います。