安楽死について考えてみた(3) | しちふくのひとやすみ

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獣医師&獣医鍼灸師&レイキヒーラーである
しちふくの感じたいろんなこと

一般家庭で家族の一員として暮らしている

動物さんの安楽死について考える

シリーズの3回目です。

 

シリーズ1回目こちら(1)

シリーズ2回目こちら(2)

 

皆様から魂のこもったコメントをいただいています。

 

胸が震える思いがしています。

 

悩み悩み書いています。

 

参考文献はシリーズ1回目に書いてあります。

 

文献からの引用文は青文字

私見は黒文字で書いてあります。

 

 

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日本人と欧米人では安楽死に対する考えが大きく異なるようです。

 

アメリカで報告された調査結果によると、

悩んだ末に90%以上の飼い主が安楽死を選び、

自然死を選んだ飼い主は

ペットの死期を伸ばしたことや

苦痛を伴う死に方をさせたことに罪悪感を持つ。

 

 

カナダでの調査結果によると

ペットの死後、

自然死を選んだ飼い主よりも

安楽死を選んだ飼い主のほうが

悲嘆の程度が軽く、

ペットに対する愛着が強いことが判明している。

 

 

カナダでの別な調査によると

最近犬か猫を亡くした飼い主の84%が

安楽死はペットの命を絶つ人道的な方法であると信じている。

 

 

 

日本人を対象にした研究によると

安楽死の決断に葛藤し、

ペットの死後もその選択が正しかったか

苦悩する飼い主が多い。

 

 

 

 

日本とオーストラリアで大学生を対象に

「獣医師から不治のケガや病気にかかっている

 動物の安楽死を提案された場合、

 飼い主はそれに従ったほうが良い」

という意見をどう思うかという

質問を投げかけた結果がある。

 

「不治の病にかかったペットは安楽死させるべきか」より引用(リンク先はpdfファイル)

 

 

日本人は「どちらかというと」という迷いを含んだ

意見に回答が集中する傾向が見られ、

「どちらかというと」の表現を含む2つの選択肢では

賛成意見よりも反対意見のほうが多く選ばれている。

 

一方、オーストラリア人は、

「そう思う」という明確な賛成意見を表す

回答の割合が最も多く、

次に「どちらかというとそう思う」という、

やはり賛成意見の回答の割合が多い。

 

オーストラリア人は安楽死を受け入れる姿勢を示し、

日本人は迷いつつも反対意見が多い

という傾向が観察される。

 

 

 

 

別な研究では

日本人獣医師とイギリス人獣医師に

質問した結果があります。

 

「飼い主からの要求があれば、

 健康な動物を安楽死させるか」

という質問に

日本人獣医師の63%が「いいえ」と答え、

イギリス人獣医師の74%が「はい」と答えている。

 

「飼い主の許可がなくても、苦痛を伴った、

 重症または末期症状の動物を

 安楽死させるか」という質問に

日本人獣医師の97%が「いいえ」と答え、

イギリス人獣医師の88%が「はい」と答えている。

 

ペットの安楽死処置に対しても

日本人獣医師は慎重であるが、

イギリス人獣医師は、飼い主の許可の有無にかかわらず

安楽死処置に肯定的な意見を持っている。

 

 

 

日本人と欧米人の考え方は

どうしてこんなに違うのでしょう?

 

 

欧米人の動物観には、

動物や自然を人の支配下に置く

ユダヤ教・キリスト教の思想の影響があり、

 

日本人の動物観には、

動物や自然と人の間に

明確な境界線を引くことを控える

仏教や神道の影響がある。

 

 

人には動物の命をコントロールし、

動物の苦痛を取り除いてやる義務があると

考える欧米人は動物の安楽死を行う。

 

欧米人の思想では、

動物を致死させることよりも、

動物に苦痛を感じさせることを

虐待ととらえる傾向がある。

 

日本では、

人が動物の命を絶つこと自体を

虐待と考える傾向があるように思われる。

 

人為的に致死させるよりは

たとえペットが苦しんだとしても

自然死を選び、

最後まで看取るという考えが

日本人には受け入れられやすいのではないだろうか。

 

安楽死を容易に行う欧米人の姿勢に

批判的な日本人の意見からは、

動物の命を第三者である人が

決めてしまうことに対する違和感と、

動物に自然な死を迎えさせることこそが

そのクオリティーオブライフを尊重することになる

という思想が読み取れる。

 

 

 

欧米人は

自然は人間がコントロールするもの

と考える傾向があり、

 

日本人は

人間は自然の一部である

と考える傾向があるようです。

 

自然と人間との関係に対する

日本人と欧米人の考え方の違いが、

死生観、安楽死感の違いに

表れているのではないでしょうか?

 

 

今回の安楽死について考えるシリーズの

2回目をニューデリーさんがリブログしてくれました。

 

 

そのリブログ記事の中で、

ニューデリーさんが

欧米人の二人のアニマルコミュニケーターさんの

ことを紹介してくれています。

 

そのアニマルコミュニケーターさんたちは

動物たちが安楽死を望む場合もある

というような内容のことを言っているようです。

 

 

私が日本人のアニマルコミュニケーターさん

から聞いた話では、

動物たちは最後まで生きることしか考えていない

というお話でした。

 

以前、一度だけ、治療中の

動物さんとつながったことがありました。

 

その子は肺がんの末期で

もう何日も何も食べてなくて

なんで生きてるのか不思議なくらいの状態でした。

 

その子はお母さんと二人暮らしだったので、

自分が死ぬとお母さんが一人ぼっちになることを

心配していたようです。

 

お母さんのことを「お母さん」ではなく

対等のパートナーと考えているようでした。

 

その子が私に伝えてきた言葉は

「僕ガ守ル・・」という言葉でした。

 

どんなに呼吸が苦しくても

ご飯を食べられないほど辛くても

早く死にたいとは微塵も思っていませんでした。

 

少しでも長く生きて

お母さんを守るんだという

強い意志を持っていました。

 

その時のブログ記事こちら「僕ガ守ル」

 

 

 

欧米人のアニマルコミュニケーターさんとつながった

動物たちは欧米人の価値観の中で暮らしています。

 

そのため、安楽死を容認する気持ちが強いのかもしれません。

 

 

日本に暮らす動物たちは

日本人の価値観の影響を受け、

安楽死という概念を持たない傾向があるのかもしれません。

 

 

この記事を読んでくださった方の中に

アニマルコミュニケーターさんがいらしたら、

ご経験やお考えを教えていただけると助かります。

 

 

今回の安楽死について考えるシリーズには

多くの方からコメントをいただいたり

リブログしていただいたりしています。

 

皆様からの魂のこもったご意見をお聞かせいただき

私もこのシリーズに誠心誠意向き合っています。

 

今しばらくお付き合いください。

 

次回に続きます続く

 

 

 

 

 

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