動物の安楽死について考えてみた(1) | しちふくのひとやすみ

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獣医師&獣医鍼灸師&レイキヒーラーである
しちふくの感じたいろんなこと

毎日 動物たちと接していて

命というものに深く向き合っています。


いつからか安楽死について考えるようになりました。

 

動物の安楽死については

様々な意見があると思います。

 

たった一つの正しい答えはないと思います。

 

とても難しい問題ですが、

私なりの考えを述べさせていただきます。


今回は、ご家庭で家族の一員として

暮らしている動物さんに関してのみ

意見を述べさせていただきますわんわんにゃー



1回では書き切れないので、

数回に分けて書かせていただきます。

 

 

まず、3つの文献を読んでみました。

 

いずれもPDFファイルが公開されています。

 

論文タイトルにリンクを貼ってありますので

興味のある方はお読みください。

 

不治の病にかかったペットは安楽死させるべきか

著者:杉田陽出  

 

ペット安楽死に関する獣医師の意識調査

著者:杉田陽出、入交眞紀

 

不治の病の治療に対する飼い主の期待についての質的研究

著者:矢野淳ら

 

以下、青文字は引用部分、

黒文字は私の考えです。

 

 

ライン  ライン  ライン  ライン  ライン  ライン

 

 

「不治の病にかかったペットは安楽死させるべきか」

という論文によると

 

1995年が総理府が告示した

「どうぶつの処分方法に関する指針」では

安楽死とは

「苦痛の無い状態で死を誘致する行為」

と定義されています。

 

ここでいう苦痛とは、肉体的苦痛だけでなく

精神的苦痛も含まれます。

 

実際に動物病院で安楽死をするときは

麻酔薬を少しずつ、大量に注射して

文字通り「眠るように」旅立たせます注射

 

飼い主さんの腕の中で旅立っていく子もいます泣

 

 

家庭で飼育されている動物が安楽死の対象になる状況は

 

1 飼い主の病気や死亡、転居などにより

    引き取り手が見つからない場合

 

2 動物自身が病気や事故などにより

    健康回復の見込みがなく

    苦痛を伴う病状が継続している場合

 

3 先天的な障害を持って生まれてきた場合

 

4 問題行動の修正が不可能な場合

 

5 飼い主に治療を継続するための経済的余裕がない場合

 

6 介護が困難な場合

 

等があります。

 

 

1は、最近は動物保護団体の皆さんが

熱心に活動されていて、新たな飼い主さんと

幸せに暮らす子も増えてきているのではないでしょうか?

 

動物保護団体さんたちには頭が下がりますおじぎ

ありがとうございます。

 

 

2に関してはこれから話を展開していきます。

 

3に関しては、残念ながら

安楽死を選ばざるを得ないかもしれません。

 

4に関しては、NHKの番組で

問題行動のある犬専門のトレーナーさんが取り上げられ

話題になりましたね。

 

あの方法が正しいかどうか賛否両論あると思います。

 

あの番組の直後に、

今回私が読んだ

「ペット安楽死に関する獣医師の意識調査」

という論文の著者の一人の

入交(いりまじり)先生とお話をする機会がありました。

 

入交先生はアメリカの動物行動学専門医の

認定資格を持っている獣医師です。

 

入交先生は、あのトレーナーさんのやり方には

疑問を持っているようでした。

 

入交先生が一緒に暮らしている犬は

以前は別な家庭にいましたが、

噛み癖がひどく、

飼い主さんも噛まれて怪我をして

入交先生が引き取った犬だそうです。

 

叩いたり罰を与えたりするのではなく

動物行動学の理論に基づいて

行動療法を行った結果、

今では噛み癖もなくなり、

幸せに暮らしているそうです。

 

 

5に関しては、動物と暮らし始める前に

お金のこともきちんと考えてほしいと思います。

 

高度医療はお金がかかりすぎても、

最低限の医療は受けさせてほしいと思います。

 

 

6に関しては、いろいろな状況があるでしょう。

 

大型犬の介護は本当に大変そうです。

抱き上げて寝返りを打たせるのも一苦労です。

 

夜鳴きがひどい場合には、

飼い主さんも眠れなくて

辛そうにしています。

 

夜鳴きに関しては、以前報告したように

コロンは漢方薬で改善しました。

 

 すべての夜鳴きが漢方薬で改善するとは

限りませんが

色々工夫してみる価値はあると思います。

 

動物の安楽死については、

1回では語り切れないので、

何回かに分けて書こうと思います。

 


お時間のある方は

お付き合いくださいませおじぎ

 

 

 

 

 

 

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