虫けら屋の「ちょっと虫採り行ってくる!」 -2ページ目

昨日は年に一度の虫屋の同窓会、インセクトフェアでした。

 

…今年は、個人的にはあまり買う物もなく、

開始早々に会場を回った後は、ほとんどブースに座っていました。

持って行った標本は、少しだけ買っていただけましたね。

 

個人的にはウマノオバチ の標本はレアだと思うのですが、

まぁ長い尾(産卵管)のある♀の方がビジュアル的に強烈なのは

自分でも納得なので仕方ない部分はあるのですが、

 

ペアで置いていても、やはり♀の方が注目されて、

「♀の方が姿は魅力的だけど、♂の方がレアなんですぜ」

と熱弁しても、反応はイマイチでしたね(笑)

 

ただ、1頭買って頂けた方もいて、

「売れた」というより、【♂を欲しがる方がいた!】というのが嬉しかったです。

 

前週が予定詰め詰めで

フェアの準備をする時間がほとんどなく徹夜状態だったため、

帰ってすぐに寝たら、そのまま朝まで12時間コースでした…

 

 

皆様、お疲れ様でした。

 

今年は夏の虫の始まりが早く、

地元では6月の下旬にはノコギリクワガタが多数現れ、

7月前半には最盛期を迎え、

なんなら7月下旬にはすでにピークを越えて減り始めていたように思う。

 

その一方で、

今年はノコギリクワガタの個体数やサイズが例年より上で、

以前の記事にも書いたように初めて70mmUPも採集できた。

カブトムシも大きいのが多かったし。

 

 

…とまぁ、

そんなこの夏の地元カブクワ総括はさておき、

その夏の残り香を味わいたくて、軽く夜回りをしてきた。

 

 

夏にカブクワで賑わっていた木を順番に回っていくが、

ノコギリがポツリポツリと見られるものの、

大型はいないし、なんだか寂しい限り。

 

そんなこんなで探しながら行くと、道路脇に小さな黒い影。

この時期はクロゴキブリも多いのでそれかと思ったが、

一応確認…と近づいてみると、

 

コカブト だ。

 

初夏に見ることが多いが、

今の時期も新成虫が出てくるので見られる…と、

よくよく見たら何かを食べている。

 

コガネムシ科の幼虫を食べてる!

 

『コカブトは肉食が強く、他の虫の死骸などを食べる』と知識では知っていたし、

飼育しててもよく共食いをするのだが、

実は野外で肉食してるのを見たのは初めて。

 

しかも、コガネムシの幼虫の状態がかなり良い。

既に死んでいた…というより、

地上に出てきたところをコカブトに捕食されたようにも見える。

 

複数飼育だと弱った他の成虫を襲って食べてしまうこともあるので、

死骸だけでなく、弱った昆虫や、コガネムシ科幼虫のように捕食しやすいものは

野外でも生きたモノも襲っているのかもしれない。

 

 

…それにしても、

こういう知識では知っていたものを、実際にこの目で見るというのは感激する。

昆虫趣味の楽しさのひとつだと思う。

先日、某撮影のお手伝いでとある緑地に行ってきた。

暑いさなかに朝から日没頃までの長丁場だったので

なかなかに大変だったが、

一方で良い経験にもなった。

 

…で、そんな中の夕方。

 

撮影の合間の休憩というか時間待ち中に、

ビビビビビーッ!!と突然のけたたましい声にそちらを見れば、

薄暗い林の地面で転げまわるアブラゼミの姿。

なんだろう…と薄暗い中よくよく見れば、

アブラゼミにオレンジ色の影がしがみついている。

 

あッ!

 

モンスズメバチだ。

よく見かけるキイロスズメバチやコガタスズメバチなどは、

生きた虫を狩る場合は、蠅やミツバチなど

自分より小さな虫を獲物にすることが多い。

 

一方、

モンスズメバチはセミやトンボなど自分より大きな虫に果敢に飛びついて

獲物にすることが多い

 

…ということを 知識として知ってはいた が、

その狩りの現場を実際に見たのは初めてだった。

本や図鑑で知っていても、

こうやって自分の目で見ると感激がある。

 

知っていること と、実際に見たり体験したりすること違う

 

…と、改めて思った。

9月23日(土・秋分の日)、大手町サンケイプラザにて

毎年恒例のインセクトフェアが開催されます。
 

毎年秋にサンケイプラザの3F・4Fの2フロアを貸し切って開催されている、

世界トップクラスの規模を誇る有名な昆虫フェア(即売会)です。

ご存知の方には今更かもしれませんが、

知らない方のために説明しますと、
多くの個人や業者などが1~数卓ずつのスペースを借りて出店する 昆虫市 です。
 

売られているのは昆虫標本が中心ですが、

カブクワ等の生き虫や、採集・標本関係の道具、昆虫書籍、グッズなど、

それぞれのブースで昆虫関連の様々なものが売られています。

 

お客さんは1,000円の入場料を支払って中に入り、

あーだこーだと言いながら会場を回り、

気に入ったモノがあったらその場で購入。
 

値段は各出店者が自由に決められるため、

市場価格よりかなり安く手に入る事もあります。
散財しやすい人は、最初に予算を決めておいた方が良いかもしれませんね。
 

その一方で、

値段との折り合いで迷いに迷って購入したら

別の人の所でもっと安く売っていた…なんて事もあったりします。
 

でも

「もっと安いのがあるかも」と会場を回っているうちに

最初のが売り切れてしまう事もありますので、なかなか難しい。
 

その辺を含めて「市」を楽しみましょう。
 

フェアはネットオークション等とは異なり実際に虫を見て選べますし、

購入したら意外なオマケを付けてくれることもあります。

(必ずではないので、期待はしないように)


販売主とも直接話せますので、

飼育や標本作製のテクニックなんかを聞いたり、

仲良くなれば「まとめて買うから少し値引いて」なんて交渉をしたりもできます。

(…値引いてくれるかどうかは相手次第ですが(笑))


また販売者や来客の中には業界で有名な方も結構いますので、

そういった方とお近付きになるチャンスでもあります。

買う気がなくても、

これだけの昆虫標本を見られる機会はそうそうないので、

昆虫展気分で見て回るだけでも楽しいです。

 

 

ちなみに、

この大手町インセクトフェアは毎年9月23日に開催されています。
(※例外的に日程がズレたこともあります)


大手町インセクトフェア
9月23日(土) 10:00~16:00

大手町サンケイプラザ

〒100-0004
東京都千代田区大手町1-7-2

 

インセクトフェア公式Twitter

(1) インセクトフェア公式(@insect_fair)さん / X (twitter.com)

…なお、場内は撮影禁止です。

たまに勝手に撮影してSNSに挙げている人なんかがいるみたいですが、

トラブルの元なのでやめましょう。

購入していない売り物を売り主の許可なく勝手にネットに挙げるのもアウトですし、
他の来場者が写った写真を勝手にネットに出すのもアウト。

 

また、中にはかなり高額な標本も売られていることがあります。

ぶつかったりして標本を壊すと弁償…なんて可能性もありますので、

場内で走ったりフザケたりは厳禁です。

 


 

…で。
これも毎年恒例ですが、

今年もワタクシ「虫けら屋」屋号で出展いたします。
 

ブース場所はまだ分かりませんが、

「虫けら屋」の名前で1卓出しておりますので、

お時間がございましたらお立ち寄り下さい。

(※席を空けている場合もありますので、何卒御了承下さい)

標本中心のいわゆる“虫屋さん”の間で、

甲虫やカメムシなどの一時保管や簡易展足等によく使われるのが

「タトウ」というアイテムです。

まぁアイテムと言ったってカット綿を紙で包んだだけなので、

本当に簡単な物なのですが。
 

どういうものかと言うと、死んだ昆虫をカット綿に並べ、

それを半紙や新聞紙など吸水性が良く通気性のある紙で包んで乾燥させ、

軟化するまで保管しておくという保管・整理用品です。

 

半紙や藁半紙など無地の紙で作った方がデータが書きやすくて良いのですが、

旅先などで半紙が手に入らない場合は新聞紙でも構いません。
その場合は、できるだけ印字の少ない部分が表になるように折り、

見やすくデータを書き込みます。
 

なお、

広告チラシなどツルツルした紙は吸水性・通気性が良くない場合が多く、

あまり向いていません。
吸水性・通気性の悪い紙だと、

中の虫が乾燥せずにカビたり腐ったりしてしまう可能性があります。


さてタトウの作り方ですが、

材料は薬局で売っているカット綿と、

百円ショップで売っている習字の半紙の2つだけです。

(あるいはホームセンター等で売っているわら半紙)

 

カット綿を半紙で包むように折ります。

上の写真に折線が見える通り、

「下側→上側→右側→左側」と順に折り、

最後に右側の袖を左側の袖に挟み込んで(もしくは差し込んで)完成です。
 

とっても簡単。

 

(※ちなみに、この折る順番については人によってクセがあり)

(異なる順で折る人もいます)

タトウが折れたら、

表側に、中に入れる虫のデータを書き、

あとは中の虫を乾燥させるだけです。

 

…ちなみに、

タトウに並べる前に、虫の各関節を一度しっかり動かして

死後硬直が解けているのを確認しておいた方が、

後で軟化展足する時にやりやすくなります
 

遠征などですぐに展足できない時や、

一度乾燥させてから軟化展足したい時など、用途は多いです。
 

自分などは、虫は一度タトウでしっかり乾燥させてから

軟化展足をする場合が多く(その方が展足後の乾燥期間が短くて済む)、

このタトウを非常に多用しています。
 

更に、このタトウをタッパー等に入れておけば保管場所も少なくて済み、

誤って破損させる危険も少なく、非常に効率的(防虫剤を忘れずに)。

 

その際に、

タトウの表にデータを書いておくようにしないと、

後から何処で採った虫だか分からなくなってしまうので、必ず明記します。

 

 

また、原則的に1タトウ1データ にしましょう。
 

 

色々な場所で採った虫を同じタトウに入れてしまうと、

万一タトウの上で虫が転がったりした時に、

どれがどのデータだか分からなくなってしまう危険がありますので、

同じタトウには同じ日・同じ場所で採った虫しか入れない

というようにした方が安全です。

また、タトウの大きさに決まりはないので、

入れる虫の大きさや数によってサイズを好きに変えられます。
自分の場合、2種類の大きさのタトウを使い分けています。

・大きい方はカット綿そのままのサイズを藁半紙で包んだもの
・小さい方は、カット綿を1/3サイズにカットして、100均の半紙1/2切で包んだもの

…です。

 

ミヤマクワガタやタガメなど大型種を入れる場合や、

小型種でも大量に採れた場合は大きなタトウを使用し、

コクワガタ1頭とか小さな虫が少量の場合には小さいタトウを使用しています。

展足が追い付かない時、すぐに展足する余裕がない時、

まずはタトウで保管しましょう。

また、

小型の昆虫などではタトウの上で展足し、

そのまま乾燥させて台紙に貼り、マウントする場合もあります。
つまり、押さえ針を使わないで、このまま綿の上で展足してしまうワケです。
 

小さい虫の標本の作り方ついては

また後日、記事にしたいと思います。


保管から展足まで使えるお手軽アイテム「タトウ」。
便利ですよ。



※ちなみに、「タトウ」という名の由来は、

着物を包む和紙から来ています。
 

着物は和紙に包んで保管するのですが、

それをタトウと言い、同じ折り方をするのでこちらも「タトウ」と呼びます。


…ところで近年、

薄いプラスチックケースに綿を敷いて同じように保管使用する

「プラタトウ」なるものも出てきていますが、

名の由来から考えると、これはタトウと呼んで良いものか…

 

……悩むところです(笑)