2015. 2 NO.44 はらたつきり と はらたつのり
数年前と言ってもかなり前の話だが、長男が就職し東北に赴任するとき、見送る妻が泣き出した。戦地に送り出すわけでもあるまいしとあきれたが、不覚にももらい泣きしそうになった(涙もろくなったことに老いを感じる)。
普段旅行に誘っても四の五の言う妻であったが、長男のところに遊びに行こうと言うと、二つ返事。数か月後長男と函館で待ち合わせした。
ロープウェーで親子3人函館山に登ったが、あいにく雨模様で霧がかかり、長崎、神戸と肩を並べる夜景が台無しだ。夢中は楽しいが、霧中は興ざめだ。
妻と初めて海外に連れ立った時も、香港島のビクトリア・ピークに向かうもあいにく霧がかかり、頂上付近からの眺望は臨めなかった。
銀行員時代にゴルフをしていたときも、ゴルフ場に向かう車の中で雨が止んでよかったと思った矢先、コースに出るとフェアウエイに霧がかかりスタートができない。なんとも言えず腹立つ霧だ。
巨人軍の原辰則監督の采配は「はらたつのり!」とは昔の話。監督としての実績は日本一が3度。WBCの優勝もあり、あの長嶋監督を上回っているのだから。昨年も9/26にリーグ優勝を決めた。監督への賞賛一色と思われたが、翌日グループ傘下のスポーツ紙が松井秀樹元選手の来期の入閣はないと報じた。11/22には白石オーナーが2016年以降の有力監督候補として松井選手の名を挙げたと報じられ、来期の指揮をとる原監督に失礼とのコメントがネットで寄せられていた。終身監督どころか、巨人軍に複雑な想いの松井選手を恩師として逆らえない長嶋監督を使い原監督の後釜に球団が急ぐと見えるのは、あの1億円口止め問題が尾を引いているとしか思えない。
ファンには申し訳ないが、他山の石として我々が教訓とすべきことは、よからぬ筋に脅されたら、すくに警察に相談すべきだということ。ドラマで弱みを握られた女性が体を求められそれに応じるのを見たとしたら、ゆすられるネタが増えるだけと岡目八目で分かるだろう。自身のこととなると客観的に見れないものだが、同じことだ。大金を出せばと思うかもしれないが、蛇の道はへびであり、こんないいカモはいないとその筋に広まるかネタとして売られてしまう。
相手は警察には相談しないだろうと見くびっているのだから、私ならその場で警察に電話しようとする。背負っているものが大きいとしても、腹をくくり警察に相談すべきだろう。我々庶民も日頃から想定外のことが起きれば親身になって対応してくれる警察、弁護士、医師ら信頼できる相手を地縁・人縁・血縁を駆使し確保しておきたい(依怙贔屓とかの話ではない。知っている人ならばより力になってあけだいと思うのが人情という話)。それが私生活におけるリスク管理というものなのだろう。
そもそも浮気しなければとは言うつもりはない。人気芸能人でモテるハズなのに妻以外には目もくれぬ、高島忠夫さん、関根勤さん、三浦友和さんら「聖人」たちは稀だ。赤信号は渡るな!てなことを言っても守らない人はいるものだ。英雄色を好むとも昔から言われてもいる。ただ、女は怖いということを肝に銘じるべきであろう。
か弱い筈の女も怒髪天を衝くほど腹立てれば、怒りの炎をフラッシュオーバーさせる。そうなれば恥も外聞もなく、怖いものが無くなる。元愛人に変な性癖を暴露された政治家やバナナでTVから消えた解説者など潰された男どもは少なくない。
小沢一郎代議士の和子夫人は「公開離縁状」を支援者に送った。夫人は橋本龍太郎元首相夫人と並び称されるほど賢妻の誉高く、地元の選挙民からも絶大の信頼を寄せられているだけにその衝撃はドラキュラの胸に十字架を杭打ちしたのと匹敵する。かの田中角栄元首相をあれだけ信奉していたのであれば、なぜ私生活においても角栄氏と同じようにできなかったのか。家も守れない者が国を統治することはできないではないか。
「私の体の上を通り過ぎた」というフレーズは女性固有のもの。女の人は何もなくても後で損をしたと思いがちだ。
我が大学の先輩故宇野宗佑元首相は、首相としては有能との評されたが、指3本で、あっけなく失脚したとみられている。「浮気は男の甲斐性だ」と思っている人には、呑むならではないが、「ケチるなら、乗るな! 乗るならケチるな!」と言いたい。お金だけではなく、相手が恐縮するほど情愛も注いでもらいたいものだ。間違っても見下してはならぬ。北野武監督はその模範との評判らしい(漢・高倉の健さんがウマが合うのだから、きっとそうなのだろう)。そのようにする自信がないのなら火遊びは止めておきなはれ!
見かけによらず短気で好戦的な私は、男どもとよくぶつかるが、女の人とは喧嘩しない。何度かきついメールをもらうことがあったが、火に油を注ぎ相手の腹立つキリがなくなってもと反論も言い訳もしない。沈黙を守り、相手が言い過ぎたかと思うのを待つ。さすがに妻とは言い争いはするが、翌朝には「あれ!? まだ怒っているの?」とこちらから歩み寄り怒りの炎をすばやく消し去る。亭主の古傷を妻がフラッシュバックする前に。
限りなく粗大ごみに近い居候としての今の身の上ではもちろんのこと、結婚当初のご主人様扱いのときからそうしていた。それが夫婦和合の秘訣だと思っていたが、親戚によると母親に対してもそうしていたらしい。私は覚えていないのだが、母親が生前「腹立つが、憎めない」と言っていたとのことだ。女は怖いということを最初に母親から教わったのかもしれない。