ビリー・アイリッシュ
今回は現代の売れっ子ミュージシャン、ビリー・アイリッシュについて書いてみたい。もしかすると年寄りの独りよがりな感想かもしれない、ピント外れだと思ったら笑って忘れて欲しい。
2001年生まれのビリー・アイリッシュは15歳くらいから音楽を続けている。もし自分が10代だったら絶対夢中になるだろうし、年齢とは関係なく音楽がとても素晴らしい。
彼女の音楽は、4つ上の兄であるフィニアス・オコネルと2人で制作していて、「ビリー・アイリッシュ」というイメージ自体が、プロデューサーでもある兄貴と2人で作った作品のようなところもある。
シンガーソングライター&ポップアイコン、繊細なパンクねーちゃん、緻密な人工物と生身の人間性の両立という印象で、最初はビョークやアヴィーチのような北欧の人かと思った。
あとは、とても守られているニルバーナのカート・コバーンという感じもしたな。
彼女は2017年頃のシングルで注目された。
2018年にアメリカのシンガーソングライター、カリードとコラボした「lovely」という曲は、最初のピアノがフィリップ・グラス(最後にリンクを入れておきます)を思い出させてとても印象的だった。
Billie Eilish, Khalid lovely
ビリー・アイリッシュは、これまでに3枚のスタジオアルバムと2枚のEP、コラボレーションを含むたくさんのシングルをリリースしている。
17歳のときにリリースした2019年のファーストアルバム『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』は、完璧な内容だと思う。現代人の何かを代表させながら、最先端の売れる音でパーソナルな曲を彩る能力があり、弱さと強さの微妙なバランスをうまく両立させている。
このアルバムは最初に何か変な声の曲?があって、次に大ヒットした「Bad gay」が入っている。この曲は、とてもキャッチーなのに実験性の強いところが素晴らしい。
bad guy
アルバムからのセカンドシングル「When the Party's Over」は兄が書いた曲で、とてもデリケートな曲調が印象的だ。
ビデオはビリーがコップの不気味な黒い液体を飲み干し、それが彼女の体から染み出してくるという、何だか象徴的な映像になっている。
もしかするとビリー自身には、パブリックイメージとは逆に自己主張はあまりないのかもしれない。ささやくような歌い方を聞いてどこかそう感じた。
静かに家に戻っていく私は
ただ一人ぼっち
私は嘘をつけばいい
「私はこれが好き、こういうのが好きなの」
when the party’s over
2021年にリリースしたセカンドアルバムは売れ線の音をあまり入れない落ち着いたタッチになっていて、現代的でありつつも、どこか古典的なシンガーソングライターの作品のようだった。
とても良いと思ったが、どこかダークで繊細すぎるこのアルバムが、10代のアメリカ人のあいだで最も人気のあるアーチストの2枚目で、それが世界中で広く受け入れられるということに後追いだが少し驚いた。
その次の年には2曲入りのEP『Guitar Songs』をリリースした。音の感じはセカンドアルバムと似ている。
ビリーの友人が事故にあって、そのちょうど1か月後の12月30日に書いた「The 30th」という曲は、わずか約半年後にはリリースされている。爆売れしている中で意識的にスピーディーに発表する感じも、現代のシンガーソングライターである彼女っぽい。
私を呼んだことを、あなたが覚えていないことは分かっている
でも私はあなたに、とても可愛いって言ったの
病院のベッドで、あなたが言ったことを覚えている
あなたは怖かったって
そう、私も怖いの
The 30th
2024年にリリースした3枚目の『Hit Me Hard and Soft』も、とても良くできている。
作品性が強く、昔のレコードのA面とB面みたいに前半5曲と後半5曲に世界が分かれている。後半はスターになりすぎた自分のことを歌っているのかもしれない。
ビリー・アイリッシュは、ネット上のライブ映像が多い。どこか孤独な感じが拡大して見える巨大なスタジアムもあれば、親しみやすさが良く見える小さなスタジオの演奏もある。
両方とも彼女の別の良さを出すことが出来ているが、ここではスタジオで少人数の前で演奏しているA面(笑)の「BIRDS OF A FEATHER」。
兄貴のギターに加えて、ベース、ドラム、3人のコーラスでのビリーは、プロモーション映像とは違ってただ自然に音楽を演奏している。
BIRDS OF A FEATHER
「ビリー・アイリッシュは、兄貴との作品だ」、みたいなことをビリーは言っているが、実際の彼女が壊れやすいだろう人だってことは、その部分をデフォルメした映像を見て世界中の人が知っているだろう。
ビリーは2026年の時点でもまだ24歳だ。これからも良い音楽を作っていくに違いない。
カレン・カーペンターやマイケル・ジャクソン、カート・コベインのようには下らない音楽ビジネスにスポイルされず、彼女なりの幸せな人生を永く歩んでいくことを祈っている。
BLUE









