私は愛犬達との生活を始めてから4年が経つのですが、その間、
- 健康でいて欲しい
- 生活を楽しんで欲しい
- 美味しいものを食べて欲しい
という思いで、「ワンコファースト」の生活を送ってきました(今日は代々木公園でワンコ達が大好きなボール遊びをしました)。
この「ワンコファースト」というのは、
- 外食、旅行など、できるだけ長い時間を一緒に過ごす
- 健康でいてもらうために最善を尽くす
ことで、私はそのために様々なことを自分なりに調べてきました。
最近はドッグフードの安全基準やフィラリア対策について調べたんですが、その結果として、私は『ペットビジネスの世界』に対して少なからず不信感を持つようになってしまいました。
【フードの安全基準について調べた内容】
とは言え、フードやフィラリア対策は、飼い主が自己の責任でどうするかを判断することができるからまだマシで、それらと違って、狂犬病の予防接種は法律で義務付けられており、飼い主が「自分で考えて決定すること」が認められていません。
でもそれってどうなんですかね。
私は国民(飼い主)に強制するなんて、よほどの合理性がない限り認められるべきではないと思っています。
ですので、自分なりにその合理性を検証するため、
- 国際的なワクチンガイドラインにおける狂犬病の取り扱い
- 類似国のイギリス(島国の清浄国)における狂犬病ワクチンの取り扱い
- WHO(世界保健機構)の狂犬病のレポートにおける集団免疫70%に関する記述
- 日本の検疫制度と不法上陸犬の頭数、野良犬の頭数、室内飼いの犬の割合などの統計データ
- 人に対する発症防止策(曝露後ワクチン)の実施件数とその効果
- 日本の行政の狂犬病対応ガイドライン
などを確認してみたんですが、調べれば調べるほど、日本全国津々浦々、すべての犬に狂犬病予防接種を強制していることについて、「はぁ?他にやりようがあるんじゃね?」と思うようになっています。
ただ、そのあたりについては次の機会ということにして(笑)、今回はとにかく私がムカついている
- 飼い主に対して「社会的責任を果たせ」などと言って強制してくる側の責任
について書きたいと思っております。
1.強制する側の責任
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、以前は人に対する予防接種も「予防接種法」で義務付けられていました。
それが今は「努力規定」になっているのですが、「強制する側の責任」を考えるうえで参考になるのが、この「予防接種法」の改正の経緯です。
厚生労働省の資料で経緯を見ると、法制定時は罰則規定ありの義務規定だったのが、その後に罰則規定が廃止され、さらに平成6年(1994年)に努力規定に改正され現在に至っています。
厚労省の資料には法改正の背景として「公衆衛生や生活水準の向上」と書いてありますが、それが理由ならタイミングが遅いと思ったので調べてみたところ、米国研究製薬工業協会の「日本のワクチン政策の変遷」という資料に、予防接種東京集団訴訟における国の敗訴が法改正の背景であると書かれていました。
敗訴の2年後に法改正されているので、タイミング的にもピッタリですな。
この判決について裁判所のホームページで検索したところ、
- 接種率を上げることに重点を置き、予防接種の副反応の問題にさほど注意を払わず、予防接種の副反応や禁忌について周知を図らなかった等、禁忌者に予防接種を実施させないための十分な措置をとることを怠ったことが国の過失である
とされています。
つまり、「副反応等について周知し、禁忌者に予防接種を実施させないための十分な措置をとること」が強制する側の責任である、ということなんだと思います。
ここで当ブログをご覧いただいている愛犬家の皆様への質問です。
狂犬病予防接種の副反応がどのようなものかご存知ですか?
因みに、私は積極的に自分で調べるまで、ほとんど何も知りませんでした。
それでは、人のワクチンで「有罪」となった厚生労働省は、狂犬病ワクチンの副反応についてどのように周知をしているのでしょうか。
同省の「狂犬病Q&A」には次のように書かれています。
ここには、
- 獣医師は重大な副作用等を知った時は報告義務がある
- 年間の副作用の件数は18件、予防注射頭数は468万頭である(平成27年)
- 副反応は一過性のもので、過敏体質の場合、まれにアレルギー反応やアナフィラキシー反応がある
とあるので、これを見たほとんどの人が「副反応については心配しなくても大丈夫」と思うのではないでしょうか?
でも、これまでいろいろ調べてきた経験上、私はこのような話を素直に信じることができないので、動医薬品検査所のホームページで副作用情報を確認してみました。
同HPのデータベースで「狂犬病」と打って検索すると、4種類の薬が表示されます。
そして各薬品名をクリックして表示された副作用の一覧が以下の通りです。
一番右の「転帰」をご覧いただきたいのですが、「死亡」だらけなんですよね。
【KMバイオロジクス社製】
【微生物科学研究所製】
【日生研製】
【松研薬品工業製】
もちろん副作用情報は上記画面コピーがすべてではなく、2002年5月以降の20年間で4社合計406件が当該HPには掲載されています。
次に、「この406件が副作用の全てなのか」についてですが、私は下記理由により報告されない事例があると思っています。
- 獣医師等がすべての副作用を知っているとは限らない(例えば死亡した場合、すべての飼い主が獣医に報告に行くわけではない)
- 副作用によるものと疑われる疾病や障害、死亡を知ったとしても、報告するか否かは獣医師等が「保健衛生上の危害の発生または拡大を防止するために必要があると認めたとき」に限られる(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律68条十の2項)
ここで改めて厚労省のQ&Aを確認します。
私はこれを見て、
- 接種率を上げるために、副作用を実態より軽微なものに見せようとしている
と感じますし、このような最悪のケースについて一切触れない周知の仕方を見る限り、裁判で指摘された過失に対する反省が活かされているとは思えません。
結局これって、
- 接種の対象が人ではなくて「犬だから」
なんだ、と私は脳内で結論付けています。
それでは、国は狂犬病予防接種の副作用の責任の所在についてどのように考えているのでしょうか。
厚労省のQ&Aは下記のとおりです。
この回答によると、お役人は
- 関係者に故意過失がなく、原因がワクチンによる副反応以外考えられず、健康被害、死亡が避けられなかった場合は、損害賠償が生じる主体はない
と考えているようです。
もうこれって、ちょっと何言ってんだか分からないです、私は。
繰り返しになりますが、狂犬病ワクチンは国が飼い主に法律で義務付けているものです。
そのワクチンの副反応が原因で死亡したような場合であっても、
- 製薬会社
- その薬を承認した国
- 接種をしても問題ないと判断した獣医
の誰も責任を負わないという総無責任体制で、強制された側のワンコと飼い主に泣き寝入りしろ、っていうのが役所の理屈なわけです。
彼らはこれが人のワクチンであったとしても同じ主張をするんですかね。
知らんけど。
次に、実際に起きた副作用に対する関係者の対応を確認します。
2.関係者の副作用への対応
ここではトイプードル(我が家のワンコ達と同じ犬種)の死亡例における製薬会社や獣医師の見解や対応を4件ほど紹介します。
結論を先に申し上げると、
- 注意喚起(死亡について触れない従来通りの内容)
- 情報収集(集めた情報がどう活用されているか不明)
というのが「お決まりの対応」になっているようです。
素朴な疑問ですが、このような対応を繰り返していて、事故は減るんですかね。
私は何年たっても何も変わらないと思うので、もし我が家のワンコ達に健康被害が生じた場合は、副作用の事例(犬種や年齢、性別、投与時の健康状態や既往歴などをデータベースで確認できます)を調べ、類似の事例が見つかった場合、注意喚起されているにも関わらず「接種可能」と判断した獣医師に対する善管注意義務違反を問えないか、弁護士相談をしようと思っています。
【事例①】
【事例②】
【事例③】
【事例④】
3.最後に
ここまで長々と書いてきましたが、私は飼い主に対して「社会的責任ガー」などと上から目線で言ってくる人達が、
- 自身の責任を果たすつもりがあるのか
- そもそも自分たちに責任があると思っているのか
すらよく分かっておりません。
判例を見る限り、禁忌について十分に周知していくことが強制する側の責務であるはずなんですが…。
次に紹介するのはイギリスのペットショップのホームページなんですが、そこには狂犬病ワクチンは他のワクチンより長期的な合併症のリスクが高いため、海外へ行くなどの正当な理由がない限り、打つべきではない、と書かれています(私のつたない英語力ベース)。
日本の行政や民間は、このようなリスク情報を発信しているんでしょうか。
正直、私は日本の飼い主は「国ガチャ」でハズレを引いていると思っております。
随分と長くなってしまったので、今回はここまでにして、次は
- 国際的なワクチンガイドラインにおける狂犬病の取り扱い
- 類似国のイギリス(島国の清浄国)における狂犬病ワクチンの取り扱い
- WHO(世界保健機構)の狂犬病のレポートにおける集団免疫70%に関する記述
- 日本の検疫制度と不法上陸犬の頭数、野良犬の頭数、室内飼いの犬の割合などの統計データ
- 人に対する発症防止策(曝露後ワクチン)の実施件数とその効果
- 日本の行政の狂犬病対応ガイドライン
を紹介し、私が日本の狂犬病政策を理不尽だと思う理由について書きたいと思っております。
それがいつになるかは分かりませんが…。