記事「4S条解講義の利用方法」の(1)イで言及した記事です。

 

1.“未知の問題”の読み方・解き方

 (初学者の方こそ、)日本語として意味の分からない言葉は読み飛ばし、知識がなくてもできる限り感覚・日本語力で解く。

現場思考力(cf.記事「4S条解講義のコンセプト」③④⑤と⑥との間)が最もよく鍛えられます。

 

2.時間管理

(1)

問題を解く時間は、本試験の1年度分の制限時間÷1年度分の問題数で、1問当たりの制限時間(約2~3分)を算出し、それより早く解けるようにする。

∵“本試験にできる限り近いことをする”のが、司法試験系合格に最も直接的かつ効率的だからです。

 

(2)

ある問題を解いた(年)月日と、その1問を解くのにかかった所要時間をどこかにメモっておいて、くり返し解く際は“自己ベスト”を更新できるように努める。

∵ある問題を解いた(年)月日からくり返し解くために戻ってくるまでの期間を把握することで、どのくらいの期間が空くと正解できなくなるのか、どのくらいの期間が空いても正解できるのかのデータを収集でき、短答直前期のスケジューリング等に役立つからです。

∵“自己ベスト”更新を目指すことで、実力が伸びるのはもちろん、正答率とは別の自己評価要素ができて、モチベーション・達成感の源泉を増やす効果があるからです。

 

(3)

問題を解いて、解説を読む(下記※参照)時間の合計は、どんなに長くても、1問当たり15分くらいにとどめる。

※解説に出てきた条文番号の条文については、その文言全体を条解テキスト等でザっと“見る”等も含む。

※解説読みは、間違った部分と、せいぜいあやふやな部分だけに絞る。

短答対策では、同じ問題に戻ってくるまでのスピードが最重要(これが遅いと、問題を解く能力・感覚と記憶が薄れてしまい蓄積できない

→1問当たりにかける時間は、極力短くすべきです!
 

 

3.周回方法

(1)

まずは、①1問単位で正答率100%(肢ごとの正誤判断で間違っても、正解さえできればよい)にする(この段階で、司法試験の短答足切りラインを超える人がほとんど)。

余裕があれば、②肢単位で正答率100%を目指す(その途中で、予備試験の短答本試験に合格する人が多い)。

さらに余裕があれば、③肢単位で適切な理由をつけて正答率100%を目指す(ここまで行けたら万全)。

※②をちょっとやってみて、③とあまり変わらないと思ったら、③の方法で進めてよい。

 

(2)

上記①(②)③各段階の中では、1度正解した問題は次の周には解かない。
∵知識がなくても感覚・日本語力等で解けたら、それらの要素はそう簡単に変わらないので、次周でも正解できる可能性が高い。
短答対策では、同じ問題に戻ってくるまでのスピードが最重要(これが遅いと、問題を解く能力・感覚と記憶が薄れてしまい蓄積できない

周回する度、くり返す対象となる問題を減らすことを最優先!
∵①→(②→)③と段階を移行する際には“リセット”して、1度正解した問題も含めて解くことになる。

 

(3)

ア 科目ごとに潰すのが“基本形”。

(ex)ある科目で上記(2)の方法で①1問単位で正答率100%に達するまでは、次の科目に進まない。

短答対策では、同じ問題に戻ってくるまでのスピードが最重要(これが遅いと、問題を解く能力・感覚と記憶が薄れてしまい蓄積できない複数科目を並行すると、同じ問題に戻ってくるまでのスピードが半分とかになってしまう。

 

イ ただ、科目ごとだと膨大すぎて、同じ問題に戻ってくるまでかなり時間がかかる(ex.民法)なら、分野ごと等に細分化して潰していくのもあり。

最小単位は、条解講義各回ごととか。初学者の方は、まずこの最小単位の最も低いハードルから始めることを強くオススメしますノッてきたら、単位を徐々に大きく、ハードルを高くしていってもいいですし。

記事「4S条解講義のコンセプト」に引き続き、4S条解講義の

2.効果を最大化するための利用方法

について説明します。

 

まず、できる限り、ノンストップで流してください。

下記(2)以外は、見直し・聞き直しも厳禁です!

できればn倍速で…徐々に速くしていくと、段々慣れてきますよ~たぶん2倍速くらいまでならいけると思います。

 

(1)直前期以外

ア 目的と受講方法

 4S条解講義を受ける主目的は、短答過去問に出てくる知識を「見た・聞いたことがある」状態にすることで、短答過去問を解くハードルを下げる点にあります(記事「4S条解講義のコンセプト」の①)。

→この目的を達成しさえすればいいので、4S条解講義については、その内容を記憶する必要も、“理解”する必要もありません。

 むしろ、知識を記憶・“理解”したいといった欲望に打ち克ち、

分からないことは分からないままにしておく

のが、客観的には最も効率的です。

 だって、講義で説明した知識を記憶・“理解”しなくても、記事「4S条解講義のコンセプト」の①~⑤の超シンプルな方法を使えば、絶対に本試験問題≒過去問が解けるようになりますから(cf.記事「知識の理解≠知識が使える」)。特に、手持ち法的ツールがほぼない初学者段階で、知識を“理解”・記憶するのに時間を浪費するのは、効率が悪すぎます。私も受験生時代、これでだいぶ時間を浪費してしまいましたが、その時間で短答過去問をもっと解いておけば…と今でも後悔しています。

 あるいは、本試験問題≒過去問が解けるようになった状態こそが、本試験で求められる“理解”ができている状態なのだ…という捉え方もできます。

 

 捉え方はどっちでもいいので、とにかくインプット講義なんてn倍速でサッサと終わらせて、真に効果的な試験対策:短答過去問潰し(cf.記事「4S条解講義のコンセプト」の①~⑥)に、一刻も早く移ってください!

(cf)記事「OUTPUT>INPUT~試験対策の効果

 

※分からないことが気持ち悪くて、どうしても我慢できないならば、分からないところに付箋でも貼っておきましょう。

 ただし、付箋に何かメモるなら、そのメモには極力時間をかけないこと!その時間で短答過去問を1問・1回でも多く解いた方が、よほど疑問が解消される可能性が高いです。

 何より大事なのは、短答過去問を解くこと以外は、効率の悪い(下手したら有害な)短答対策であるということです(cf.記事「4S条解講義のコンセプト」の2か所目の赤文字)。

 

イ 復習

 とにかく、短答過去問潰し(cf.記事「4S条解講義のコンセプト」の①~⑥)です!!

 より具体的には、記事「短答過去問の潰し方」をご覧ください。

 

ウ 4S論文解法パターン講義との関係

 『4S基礎講座』を受講していただいているなら、

ある科目の4S論文解法パターン講義(アウトプット)全回受講

↓後に、

その科目の4S条解講義(インプット)を受講

していただくと、さらに効果的です。

(cf)記事「OUTPUT→INPUTの正統性~間違いの効果

(cf)下記画像=4S条解テキスト(憲法)はしがきの〔効用〕部分

 

(2)直前期

 短答直前期には短答対策(≒短答過去問潰し)が、論文直前期には論文対策(≒論文過去問+4S論文解法パターンテキスト潰し)が、口述直前期には口述対策(cf.記事「R1予備論文合格発表を受けて」)が、ある程度は進んでいるでしょう。

・その対策をやり切ったら、

あるいは

・その対策をやる気が(一時的に)なくなったら、

4S条解講義をn倍速で視聴し直してみてもいいかもしれません…4S≒4A受講生から、「直前期の総まとめに効果的」だという声を結構いただいているので(cf.記事「インプット講義(4S条解講義)を全回無料公開します!」)。

 

理論的には、上記過去問等を“完璧”に潰し切れたら、それ以外には何もいらない状態になります…短答・論文・口述合格に必要な知識は常に短答過去問の範囲内ですし、過去問+4S論文解法パターンテキスト潰しで解法パターンも網羅できているからです。

 

ただ、法的知識が問題単位でとっ散らかっているように感じる段階では、①司法試験系合格に必要充分な知識を、②本試験で使う「条文」そのものと関連づけ、即戦力として“使える”形で整理・網羅する4S条解講義(cf.上記画像=4S条解テキスト(憲法)のはしがきの〔効用〕)が効果的です。

この①②が、直前期に4S条解講義を利用する目的です。

(cf)記事「OUTPUT>INPUT~試験対策の効果」の最終ブロック