今回は最近読んだ「フェイクニュース 新しい戦略的戦争兵器」から現代の新しい戦争"ハイブリッド戦"について書いてみたいと思います。

 

 


1. 戦争の事を知る意味
2. ハイブリッド戦とは
3. ハイブリッド戦を防ぐには


 


1. 戦争の事を知る意味


「戦争を知らない者に戦争は防げない」という言葉があります。

例えば、交通事故を防ぐには、車の仕組み、道路・交通状況、運転者や歩行者の心理を知る必要があると思います。
犯罪であれば、犯罪の内容、地域の傾向、犯罪者や被害者について知ることが、防犯につながります。

ところが、"戦争"となると、日本では第二次大戦に関する情報が多く紹介され、"現代の戦争"がいつ、どこで、だれと、どうやって起こるのかという議論が非常に少ないと感じます。

戦争を防ぐには「戦争の悲惨さ」とともに、「現代の戦争のあり方」を知る必要があると思っています。


2. ハイブリッド戦とは


ハイブリッド戦とは、1999年に中国軍の将校が「超限戦」という本で提示した概念で、政治、経済、宗教、心理、文化、思想など社会を構成する全ての要素を兵器化するという考え方です。

 
 
事実今では、実際の戦闘は25%しかパワーをかけずに、それ以外のハイブリッド戦に75%のパワーをかけているという研究結果もあります。

 

実はこの考え方自体は新しいものではなく、孫氏の兵法でも「戦わずして勝つこと」が重要視されています

古今東西の戦乱の世の中では"調略"というものが、非常に重要視されてきました。

 

 

 

日本の戦国時代でも有名な武将は政治、経済、宗教、心理、文化、思想を巧みに利用して、"戦"以外の方法で領土を増やしています。

 

 

(武田信玄や豊臣秀吉の調略は有名ですね)
また、日本の近代では明石元二郎大佐が日露戦争の情報戦で活躍し、一個師団相当の活躍をしたと言われてています。

 


では、現在のハイブリッド戦では具体的にどういった手段が使われるかというと、例えば次のようなものです。

1)マスメディアを設立し、対象国を混乱させる情報を発信する(真偽を混ぜて発信)
2)対象国の議員を買収
3)対象国で自国に親和性のある組織を支援し増やす
4)ネット工作員をWebサイトやソーシャルメディアのコメントで心理戦に活用
5)外国の政府、会社、マスコミにサイバー攻撃を行なう


【参考】ウクライナ危機に見るロシアの介入戦略
ハイブリッド戦略とは何か
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=2ahUKEwidgeOexeLgAhUKV7wKHd9eCH4QFjAAegQICRAC&url=http%3A%2F%2Fwww2.jiia.or.jp%2Fkokusaimondai_archive%2F2010%2F2017-01_005.pdf%3Fnoprint&usg=AOvVaw2Eohf6GVGQhgOeTHkJgaig

特に、注目したいのが4)で、フェイクニュースを混ぜたり、問題意識・不安・怒りをあおるような情報操作を行うことが戦略的に研究され、お金と人員を投資して行われていることです。

フェイクニュース(誇張や一面のみ伝えるも含む)は、その広がりに比べて、それを打ち消す検証や訂正の方が拡散スピード圧倒的に遅いことが実証されています。
ですから、非常に効率的な兵器といえるでしょう。

また、注意点としては、すべての情報操作は、保守と革新どちらの側にも行われるという事です。
結果として、自国の利益になるなら、相手国の敵対勢力への支援することがあります。
(相手国を過激にさせて孤立させ、自国の介入の正当性を保証する等)


3. ハイブリッド戦を防ぐには

 


フェイクニュースによる情報操作を防ぐには、現在有効な手段がは無いと言われています。
なぜならフェイクニュースは、広がりに比べて、検証や訂正の方が拡散スピード圧倒的に遅いからです。

そんな中でもっとも基本的な対処方法は、個人が情報リテラシーを上げることです。
私が考える、フェイクニュースに対するリテラシーのポイントは3つだと考えます。

 
■リテラシーのポイント

①価値観・情報元を偏らないようにする
自分の価値観のみのニュースにしか触れないと、事実一面しか分からず、認識を誤らせます

 

 

ある事柄に、賛否両方の情報に接し、理解すること(共感する必要は無い)は、

 

 

背景のフェイクニュースを流す側の思惑に辿りつくのに必要な事です。


様々なイデオロギーの情報に触れつつ、客観性がどの程度かを加味して多面的な情報に接することが。

②情報源を検証する
重要なニュースは、必ず一次情報を確認する必要があります。
特定のまとめサイトや、ネットニュースはイデオロギーが色濃く切り取った見出しを付けたり、ミスリードしたり、まとめかたに偏りが顕著です。

 

また取り上げるニュース自体も、イデオロギーを強化するものが選ばれます

 

ですから、そういったサイトの情報でなく、一次情報で全体や本質の確認が必要になります。


特に、感情的に気持ちいいニュース(怒りや、道徳、価値観を強化するようなニュース)は、恣意的に加工されている可能性が高く、出どころと元のニュースのニュアンスに注意が必要と考えます。

③誰が得をするか考える

 

プーチン大統領がオリバー・ストーン監督とのインタビューで話していましたが、国際情勢はどの国にどんな影響があるかを考えれば、極秘情報などなくても、誰でも理解できるものとのことです。

 

 
フェイクニュースや、イデオロギーが強いニュースには必ず大小ハイブリッド戦の影響があると考えます。
この際は、そのニュースで引き起こされる行動によって、どの人や国がどんな利益があるのかを考えてみると、構造の一端が理解できるのではと思います。


ミレニアル世代のネット環境の影響で考える力が落ちていますので、日本でも学校でこういった考える情報に接する教育が急務と思っています。
リテラシーをもって情報に接することができる人が増えることを願っています。
結果それが平和につながるからです。

 

 

 

 

 

 

皆さんは「ベンジャミンフランクリン」という人を知っていますか?

 

もしかしたら教科書に出ていたのを覚えている方がいるかもしれませんが、18世紀アメリカで活躍した政治家、実業家、学者で活躍した人です。

 

この人の自伝は今でも役に立つ多くの事が書かれているのですが、その中でも 1728年に考えた、身に着けるべき13の徳というのは、現在にも通じるもので、時々見直したくなります。


1. 節制:頭や体が鈍くなるほど食べないこと。はめをはずすほどお酒を飲まないこと。

⇒ 飽食の時代だからこそ、ハイパフォーマンスを出すには必須だと思います。

2. 沈黙 他人あるいは自分に利益にならないことは話さないこと。よけいな無駄話はしないこと。

⇒ SNS時代でも有効な事でしょう。

3. 規律 自分の持ち物はすべて置き場所を決めておくこと。仕事は、それぞれ時間を決めて行うこと。

⇒ 電子データも含めて、実は一番作業効率に影響します。

4. 決断 なすべきことをやろうと決心すること。決心したことは、必ずやり遂げること。

⇒ 一時期はやったGRIDですね。これが成果に大きく影響します。

5. 節約 他人や自分に役立つことにのみお金を使うこと。すなわち無駄遣いはしないこと。

⇒ ゲームの課金を含め、ネットでは一瞬にお金が減るので常に注意が必要かと。

6. 勤勉 時間を無駄にしないこと。いつも有益なことに時間を使うこと。無益な行動をすべてやめること。

⇒ 今はあらゆる娯楽が、安く手に届くことがあります。個人的には娯楽も目的をもって制限するのがよいと思います。

7. 誠実 だまして人に害を与えないこと。清く正しく思考すること。口にする言葉も、また同じ。

8. 正義 不正なことを行い、あるいは、自分の義務であることをやらないで、他人に損害を与えないこと。

⇒ SNSでもそうですし、現実社会での振る舞いも同様で鵜す。

9. 中庸 何事も極端でないこと。たとえ相手に不正を受け激怒するに値すると思っても、がまんしたほうがよいときはがまんすること。

⇒ ビジネスではもちろんですが、やはりネットのオルトファクト時代にこれが生きると思います。

  左右関係なく、特定の思想に染まり、相手を攻撃するのは道徳的ではないし、良い結果を生みません。

10. 清潔 身体、衣服、住居を不潔にしないこと。

⇒ 現代日本ではまず大丈夫と思いますが、人としてのルールで大切な事です。
11. 冷静 つまらないこと、ありがちな事故、避けられない事故などに心を取り乱さないこと。

⇒ 平静な心が、トラブルにも正しい対応を生み出します。

12. 純潔 性的営みは、健康のためか、子供を作るためにのみすること。性におぼれ、なまけものになったり、自分や他人の平和な生活を乱したり、信用をなくしたりしないこと。

⇒ 男女関係のトラブルはいつの世も絶えません。1もそうですが、何でも手に入る時代だからこそ注意が必要かと。
13. 謙譲 イエスおよびソクラテスを見習うこと。

⇒ 最近謙遜するという人をあまり見かけなくなった気がします。本当に実績がある人ほど謙遜する印象です。


 

ちなみにフランクリンはこれを “ウイークリーチャレンジシート”にて、毎週1つずつ「今週の課題」を決めて取り組んでいたそうです。

 

 

※ この記事は2009年11月の記事を更新したものです。

 

今回は『リファクタリング・ウェットウェア』の紹介をします。

 

 


【評価】(A~C)
 A++

【概要】
リファクタリングとは、ソフトウェア開発の用語で、中身を解析して、よりよいものに改良することです。

この本は脳=コンピュータというイメージで捉えて、いかに脳を効率よく使えるように改造するかという方法が書かれています。
まず、脳の構造とそれぞれの得意分野を紹介

そして、それらを活かしてより大きな成果を得られる方法を、具体的な方法を交えて紹介しています。

また、後半は脳の弱点を補う方法、効率的な学びの方法、集中のコントロール方法など脳の応用的な使い方が書かれています。

【感想】
以前にも書いたのですが、この本で書かれている内容が過去のタスク管理や人生哲学の本と一致していて、非常に驚きました

多くの自己啓発本で示している効率的な手法というのは、脳の構造をベースにしているんだと再認識しました。

(ブログの更新のために10年ぶりに読み返しましたが、面白くて読み込んでしまいました。)

 

逆に、この本を読めば他のライフハック手法の基礎を学べるとも言えます。

(内容はプログラマー向けですが、十分応用可能かと)

 

ボリュームのある本で密度が濃いため、とにかく役に立つ話が多かったという印象を受けました。

また多くの具体例や、読者の行動を促す指示が含まれていて、役に立つと思いました。

1点気になった点を上げれば、内容や具体例がプログラマー向けなので、人によっては実感がわきにくいかな思いました。
 
この本は、生産性の基礎力を向上させる非常によい本だと思います。
 
*その他のビジネス書の感想は、こちらをご覧ください。

※ この記事は2009年5月の記事を更新したものです。

 

今までに読んだ心理学、スポーツ医学、瞑想方法などの本に、ストレスのコントロール方法がいくつか紹介されていました。

読んでいてわかったのが、アプローチの方法は違っても同じストレスを扱っているので共通点があるとことです。


■ストレス対策の共通点

1.ストレスは起こった事象でなく、反応によって決まる
2.反応は過去の経験から作られたもので、これは脳の神経回路で実現される
3.事象→反応を繰り返すことで神経伝達速度が強化され、ストレス反応として獲得される
4.1~3を作り変えるトレーニングをすることで、ストレス耐性を強化できる


ほとんどの本が基本的にこの考え方に沿って取っています。

そして、4の実現方法をそれぞれの本で紹介をしています。

 

ストレス対策は基礎はこの部分にあると思いました。

 

なお、この基礎をまとめたセミナーを2/17に開催します。(15日申し込み期間)

ストレスマネジメントに興味がある方は、ぜひご参加ください!

 

 


ちなみに、ストレス対策で役に立った本はこちらです!

 

⇒ スポーツ心理学の観点で書かれた本です。

  チェックリストや具体的なトレーニング方法が載っていて、本格的に学びたい人にお勧めです。

 

⇒ 瞑想の基礎を知りたいなと思って買った本です。

  とても分かりやすく素人の私でもすぐに実践できました。

  実際気持ちを穏やかにする効果があります。

 

⇒ 認知行動療法の基礎を学ぶ本です。

  特にアンガーマネジメントに興味がある方にはお勧めです。

 

⇒ ストレスというよりは、人生全般の指針の理解に役立つ本です。

  厚い本ですが、読むたびに発見があります。

 

⇒ 最近マイブームのシステマです。

  実際格闘技大会でシステマの選手が活躍しているのを見てファンになりました。

  呼吸法はすぐできて、しかも効果があります。

 

※ この記事は2012年6月の記事を更新したものです。

 

最近仕事が多忙な状況が続いています。
昨年から体調を崩しがちなので、メンタルケアには特に注意しています。

今回は以前読んだスポーツ心理学の本から、メンタルケアのポイントをいくつか紹介したいと思います。
 


ストレスフリーになる、忙しい時の4つの過ごし方
1.ストレスが多いときほど体を動かす
体を動かすことで、新陳代謝を高め、体内のストレス物質を減らすことが出来ます。
また、睡眠の質を向上させる効果もあります。

 

ウォーキング、体操、ストレッチなど簡単なものでよいので、ストレスが溜まっているときは毎日運動をしましょう


2.必ず定期的な休養の時間を取る
基本的には、土日は休みにするのが望ましいです。
もし、それが無理な場合は、早く帰る日を作るなど生活にメリハリをつけて、体を休ませます

3.ウェーブを作る
忙しいと集中する時間が長くなり、脳の緊張状態が続きます。
これを緩和する時間を作らないと、メンタルが回復しません
睡眠以外でも、気持ちを仕事から完全に離す時間や、緊張を解く時間を作る事が重要です。

ネットやPCを触らない等、仕事から完全に離れられる時間を意識的に作りましょう


4.能動的な休みと、受動的な休みの併用
休む場合は、運動や、外出など能動的にストレスを解消するものと、家で読書や音楽を聴くなどのゆっくりする時間を作る受動的なストレス解消物をうまく組み合わせます。
体の状態に合わせてこれらを併用することで、より回復が早くなります。

特にやる気が起きない、気持ちが疲れているときは、無理をして気持ちが上がるようなことはせず、穏やかに気持ちを休める時間を多くとることが、ストレスから回復するコツになります。

 


皆さんも自分なりの休みの過ごし方や、毎日の生活のリズムがあると思います。
そういった生活の改善の参考にしていただければと思います。

 

 

もっと詳しく知りたい方は、2/17にセミナーを開催しますので、ご検討ください。(明日15日が申込期限です!

ストレスやプレッシャー でお困りの方は、ぜひご参加ください。

少人数の対面形式で、個人に合わせた改善アドバイスをさせていただきます。