いくつになっても

 

何回やっても

 

別れの時は

 

さみしいもんだ

 

いろんなことが

 

すべて

 

セロファンに

 

包まれて

 

少し焦点がぼやけて

 

つやっとした

 

きれいな

 

思い出にみえる

 

本当は

 

そんなことはなくっても

 

すべて水に流せば

 

区切りがつくんだ

 

いいことも

 

そうでないことも

 

理不尽なことも

 

ありがたかったことも

 

すべて

 

流れ流れて

 

自分とは

 

無関係なことになる

 

変わっていく

 

代わっていく

 

どっちも

 

いいこと

 

しがみついていたら

 

手や

 

足が

 

がちがちに

 

こわばってしまう

 

落ち着いて

 

いるときに

 

きれいに

 

別れるのが

 

一番いい

 

 

 

 

蜂くんと

 

ともに

 

暑い夏を

 

過ごした

 

蜂くんは

 

暑ければ

 

暑いほど

 

活発に

 

その金色の身体を

 

脱力させて

 

あちらこちらに

 

とびまわった

 

何かを手に入れ

 

巣に持ち帰り

 

また飛び立つ

 

働き蜂っていうことばのとおり

 

いや

 

それ以上の

 

働きぶりだった

 

でも

 

人間の働きバチとは違い

 

日が暮れるころには

 

ちゃんと巣に帰り

 

大きな身体には小さすぎる巣に

 

びっしりくっついて

 

お休みしていた

 

秋がきて

 

急に蜂くんは大人しくなった

 

巣をみると

 

ぎっしりの蜂くんが

 

何をするでもなく

 

飛び立つでもなく

 

ただもぞりもぞりと

 

存在していた

 

嵐のあと

 

巣をみたら

 

巣は壊れることなく

 

ちゃんとあって

 

蜂くんだけが

 

ちりぢりに

 

そこらへんの葉っぱに

 

団子になっていた

 

でもちゃんと生きていた

 

季節は冬に向かい

 

気温はどんどん下がり

 

寒い日が続いたあと

 

暖かい日がきて

 

蜂くんは

 

日の当たるところで

 

あきらかに

 

あったか~い

 

 

いかつい仮面に

 

似合わない

 

日向ぼっこをしていた

 

また寒くなり

 

暖かい日がきて

 

似合わない日向ぼっこを

 

しているはずの

 

蜂くんをさがしたら

 

跡形もなく

 

消えていた

 

いや

 

巣は残っていた

 

からっぽの空き家となって

 

あんなにたくさんいた

 

蜂くんは

 

消えた

 

まさに

 

消えたんだ

 

どこへいくとも告げず

 

かといって

 

死骸も残さず

 

きれい

 

さっぱり

 

消えてみせたんだ

 

巣もすでに

 

ぼろぼろで

 

土に還ろうとしはじめている

 

寒くて朽ちる前に

 

暖かい日に

 

消えるとは

 

想定外で

 

美しい

 

さりぎわ

 

 

からだよ

 

ありがとう

 

脚が太いとか

 

顔がいまいちだとか

 

なんだかんだと

 

なんくせつけたり

 

ないものねだりを

 

してきたけれど

 

そんなことは

 

意にも介さず

 

いままで

 

寒い日も

 

暑い日も

 

わたしを支えてくれて

 

本当に

 

ありがとう

 

暑い日に

 

冷たいものを飲んで

 

お腹をびっくりさせたり

 

西アフリカで

 

一週間も

 

お風呂に入れず

 

髪の毛がぐちゃぐちゃになって

 

ようやく入れた

 

一週間ぶりが

 

シャワーの行水だったり

 

なんだか

 

ずいぶん

 

ひどいことも

 

してきました

 

ごめんなさい

 

脚なんてほっといたって

 

細くなっていくし

 

顔もだんだん変わっていく

 

でもね

 

だれがなんといおうと

 

良い方に変わっていっている

 

だって

 

わたしは

 

アクエリアスピープル

 

 

 

 

 

 

 

 

 

束ねる

 

自分の意識を

 

思考を

 

木々を束ねながら

 

余計な雑念を

 

ふりはらう

 

庭いっぱいの緑から

 

空氣がおいしい

 

水を外で触っても

 

寒くない

 

おそらく今年最後の日

 

草を敷き詰めた

 

土は

 

水分を保持し

 

ふかふかして

 

やわらかい

 

よく肥えた土を掘り起こし

 

届いたクリスマスローズを

 

鉢に植える

 

寒さに強く

 

夏に休む

 

貴重な花を

 

はじめて

 

お迎えしたから

 

まだ

 

付き合い方が

 

よくわかっていない

 

とりあえず

 

家に入れたが

 

暖かすぎるかもしれない

 

土の中から

 

だんごむしが

 

春になったかと

 

もぞもぞ

 

出てきたから

 

庭の日当たりの悪い場所に

 

寝かしておいた

 

シクラメンが復活して

 

葉をつけたから

 

掘り起こして

 

鉢に植える

 

こちらは

 

暖かい部屋が

 

お似合い

 

赤い花を待とう

 

コーヒーの木は

 

ひとまわり大きな鉢へ

 

お引越し

 

ようやく根っこが

 

のびのびできる

 

白い埃虫に

 

これで

 

打ち克とう

 

 

 

 

 

 

かつて住んでいた

 

いまはもうない

 

お家のお庭に

 

鳥小屋があって

 

金鶏が

 

暮らしていた

 

キンケイの男子は

 

クジャクもびっくりの

 

とても

 

美しい羽根を持っていて

 

ゴージャスな兜をかぶっている武士のよう

 

それが

 

キンケイの女子に

 

対する

 

アピールポイント

 

なのだけれど

 

キンケイ男子はみんな同じ模様だから

 

結局のところ

 

最後は

 

どこが決め手なんだろう

 

毛ヅヤかしら

 

目ヂカラかしら

 

とはいえ

 

だいたいは

 

つがいで

 

飼われているから

 

よっぽどの

 

へなちょこでなければ

 

手近なところで

 

よしとするしか

 

ないのかもね