Ψ(さい)のつづり -7ページ目
ぽっかりと開いた
落とし穴に
思いがけず
おっこちたら
どろまみれになって
足も痛いし
しばらく
じめじめとした
土にうずくまって
じっとしていた
そこには
名も知らぬ
地を這う虫
蜘蛛や
みみずなど
そこで暮らしてきたものたちがいて
落っこちてきた
ガリバーみたいな
わたしから
ちょっと
迷惑そうに
身を隠した
わたしは
なんで自分だけが
こんな目にあって
こんなところに
いなきゃいけないの
そう思っていたけれど
それは
もともとそこにいる
ものにとっては
急に
降ってきて
地面を覆っておいて
なんですか
こちらが迷惑しています
っていう話
ごめんなさい
お邪魔しました
って
立ち上がって
這い上がる
だって
穴の形に
切り取られた空は
手を伸ばしても
遠すぎて
届かない
とてつもなく
氣高く
美しい
わたしは
その高みに
ほんの少しずつでもいい
近づきたいから

自分のものって何だろう
自分で買ったもの
特に
自分で働いたお金で買ったものは
きっと自分のものだろう
じゃあ
いただいたものはどうだろう
いただいたものも
やっぱり
手に入れた以上
自分のものってことなんだろう
でも子どもは
親のものじゃない
お腹を痛めようと
育てるのに多額の費用をかけようと
それは当たり前に
自分のものにはならないし
自分の思い通りにも
なるはずがない
自分でお金を出したって
にゃんこも
わんこも
自分のものじゃない
ただ
その命に責任をもつだけ
だから
もしかしたら
なにもかも
自分のものじゃないのかもしれない
そんな氣もしてくる
でも
自分のものじゃなくても
天からの
預かりもののように
大切に守り
責任をもって
面倒をみることはできる
もしかしたら
それが
自分のものっていうことの
本当の意味なのかもしれない

もうすぐ
夏の土用に入る
その前に
南天の
鉢植えを
地植えにし
草をとったり
庭を整える
バッタが身重で
草につかまり
じっとしている
その草は
武士の情けで
刈り取らず
周りを風通しよくしておく
虫の羽音と
真夏の太陽
ひまわりまわる
太陽もとめて
ややうつむき加減で

声高らかに
ガビチョウが
歌う
底抜けに明るく
湿度も
暑さも
大歓迎
ますます
元氣で
弱虫を
吹き飛ばす
セミだって
大合唱するさ
7年間待ったのだから
羽を
震わせ
世界を震わせる
からすは
真っ黒の
自慢のマントを
本心では
いまは
脱ぎたいけれど
からすは食わねど高楊枝
くわえる口も閉じにくい
行水でなんとかしのぎ
夜を待つ
暑い暑いという輩は
みんなの生きざまから
学べばいい

ほしいお花の
イメージができていて
お花屋さんにいったけれど
そのとおりの
お花がないときもある
同じ種類のお花で別の色
別の種類のお花で同じような色
どちらにも
変更はできるけれど
なんとなく
しっくりこない
譲れないのか
頭がかたいのか
とにかく
他のお花屋さんに
いってみる
そこでも
惜しくも
違う系
次のお花屋さんも
違う
まあ
今日はそういう日なんだろう
いさぎよく
あきらめて
明日
また
出直そう


