わたし

 

あるぱか

 

あるぱかあるよ

 

アルパカ

 

ぱかぱか

 

がけも

 

へっちゃら

 

白や

 

茶色の

 

100パーセント

 

天然素材

 

アルパカ毛の

 

お洋服

 

びっくりするほど

 

暖かい

 

心癒される

 

なめらかな

 

さわり心地

 

ちくちくしない

 

しないよちくちく

 

しあわせは

 

独り占め

 

しないこと

 

 

 

世界にまたひとつ

 

虹がかかる

 

大地にまたひとつ

 

煙があがる

 

海峡にまたひとつ

 

渦ができる

 

夜空に飛び交う

 

こうもりもいなくなり

 

またひとつ

 

星が流れる

 

秋空のとんぼも

 

見かけなくなり

 

またひとつ

 

サイレンの音が

 

通り過ぎる

 

木々が剪定され

 

飛ぶ虫の

 

居場所がなくなり

 

所在無げに

 

あたりを飛び交う

 

雲間から

 

光の柱がおり

 

天と地をつなぐ

 

まるでワームホールのように

 

軽やかに

 

とてつもなく

 

美しく

 

滑らかに

 

 

さまざまな淡い

 

グラデーションで

 

色づく木々

 

山々は

 

美しい

 

ヴェールを

 

纏って

 

風にゆれながら

 

おいでおいでをする

 

寒くなって

 

木々が

 

葉っぱを落とす前に

 

会いにおいで

 

山の神も

 

待っています

 

今年も

 

豊かな実りを

 

ありがとう

 

感謝して

 

おいしく

 

いただきます

 

 

 

 

 

 

ああ

 

絵が描けたら

 

このこころを

 

キャンバスにのびのびと

 

色鮮やかに

 

表現するのに

 

ああ

 

彫刻ができたら

 

このたましいを

 

石にまざまざと

 

目に見えるように彫って

 

あらわすのに

 

どちらの

 

能力も

 

宇宙のかなたに

 

置いてきてしまった

 

わたしは

 

ことのはを

 

つむいで

 

ことのはで

 

世界を

 

彩り

 

うそ

 

いつわりのない

 

ほんものを

 

愛して

 

表現しよう

 

 

 

 

そらは

 

冴えわたり

 

雲も芸術作品

 

こんなにも

 

世界は美しく

 

太陽の熱が

 

じんわりとあたたかい

 

季節は駆け足で進み

 

暦は巡る

 

追いつこうと

 

光のある

 

人々の歩みは

 

はやくなるのに

 

光のない人々の

 

仕事は

 

より

 

おそくなり

 

言い訳の砦を

 

張り巡らせ

 

自分のためだけに

 

最低限の

 

仕事をする

 

ホリデーや

 

ケーキや

 

何やかやの

 

ふわふわ甘いものが善で

 

仕事は苦くて

 

悪であるかのように

 

そうこうするうちに

 

気付いたら

 

春になり

 

夏になり

 

夏休みをにんじんにするころには

 

ありがたい仕事は

 

目の前から

 

消え失せているんだろう