こわい夢をみて

 

目が覚めると

 

しばらくはぼんやり

 

夢とうつつの境目に

 

つま先で立ちながら

 

あちらの

 

世界にひっぱられないよう

 

重心をそうっと

 

こちら側に移して

 

ようやくかかとをつける

 

あがっていた

 

息も落ち着き

 

親の部屋に行く

 

夜中に親の部屋を開けるのは

 

なんだか

 

勇気がいる

 

どうしてだろう

 

みてはいけない

 

秘め事の余韻があるから

 

親は同じ布団に

 

寝ていたり

 

いなかったり

 

こわい夢をみたの

 

うん

 

いつもの決まったやりとりのあと

 

わたしは

 

母の布団にもぐりこむ

 

母は決まって

 

カルピスをつくってくれた

 

わたしはそれを飲んだら

 

すぐに眠りに落ちた

 

子どもがみんな

 

こわい夢をみるわけじゃないと

 

知るのは

 

もっと

 

もっと

 

ずっと後になってからで

 

さらに

 

もっと

 

もっと

 

後になって

 

夢は

 

わたしへの

 

ギフトで

 

覚えていない

 

記憶や傷を

 

癒す

 

プロセスだったと

 

知る