Ψ(さい)のつづり -6ページ目
ふるふると
古い
価値観を
ふるいにかけたら
いまの
時代に
必要な
ものの見方だけ
のこるかしら
自由?
もちろん残るだろうけれど
何をしてもいいなんていう
自由はない
安全?
もちろん残るだろうけれど
みんなと同じことをするのが
安全なんて時代は
とうにおわった
多様性?
いまの流行ワードかもしれないわね
これを言っておけば
安心っていう意味じゃなくて
ホンモノなら
残るんじゃないかな
希望?
それももちろん残るよね
パンドラのはこにだって
ちゃんと残っていたんだから
もちろん
でも
誰かが
与えてくれるんじゃなくて
自分で生み出して
まわりに
広げていくもの
さあて
他には
何が残っているかしら

大きな
世界の
ひろいひろい空に
星々が浮かんでいる
昼間はお日さまと
ときどきお月さま
それ以外は見えないけれど
それは
舞台に立つと
スポットライトをあびて
観客がよく見えないのと同じで
星々からは
きっと
わたしたちが
くっきり
はっきり
見えるに違いない
夜には
だいたい
寝てしまうわたしたちは
昼間にあちこち
動き回るし
さぞかしちょこまか
落ち着きがないことだろう
そこで生まれる
ドラマは
おもしろいかしら
そうだといいな
思いっ切り
息を吸い込んで
にっこり笑って
腕を広げ
空を
抱きしめる

信じられないくらい
美しい空
絵に描いたような
雲がうかび
風もいまは
穏やか
だがじきに
今日も強風に
なるだろう
ここに
渡って
寒さをしのいでいる
白鳥も
この
冷たい強風には
首をすくめ
顔を
背中の羽に隠し
じっとしているより他ない
沼は凍らない気温
それなのに
しんしんと雪の降るときよりも
寒さが凍みる
この
寂寥感は
なんだろう
旅につぐ旅が
生まれついた
約束なら
もう少し
慣れても
いいはずなのに
ほら
寒さが
精一杯暴れまわっているのは
春はすぐそこだから
春にまた
渡れるよう
鍛えてくれている

エアーポケットに
すとんと
落っこちるように
氣分が突然下がることもある
そういうときは
自分に少し
あまあまになってもいい
甘い甘い
カステラを食べたり
金平糖を食べたり
昼寝すると余計に落ち込んだり
マッサージや美容院に行くと
話すことで消耗したりもするので
それはやめて
いい香りをたいたり
お花を買ってきたり
してみよう
また
やる氣が
出てきたらいいけれど
すぐに出てこなくても
急かさないで
しばらく
様子をみてみよう
じんわり
じんわり
自分の中の
エネルギーが
たまってくるまで
氣長に

ストックの香りが好き
ちょっとふにゃっとした
お花からは
想像もできない
凛とした
澄んだ
香りがする
たくさん吸い込もうとしても
一応いいわよ
と香りを
わけてくれるけれど
ときどき嗅いだ方が
そのたびに
新鮮な
感動を味わえる
あまり
日持ちもしない
ほんの束の間の
香り
香水やアロマオイルにしたら
絶対に違う香りに
なってしまうはずだから
生のお花だけの特権


