昨年十月に

 

金木犀が

 

二回満開を迎えて

 

驚いていた

 

わたしに

 

千二百歳の

 

キンモクセイが

 

教えてくれた

 

ずっと

 

二回の

 

満開で

 

生きてきたよ

 

と

 

しかも

 

九月に

 

その

 

白く

 

たおやかなお花と

 

福々しい香りは

 

例年よりも

 

はやく

 

落ち込んだ

 

わたしの

 

心を

 

そっと

 

撫でてくれた

 

 

 

 

 

 

台風が

 

きていても

 

きていなくても

 

たくさんの

 

雨が

 

空から降ってきて

 

ごしごし

 

洗って

 

じゃぶじゃぶ

 

流して

 

よごれを落とす

 

とことん

 

祓い清められた

 

状態で

 

ようやく

 

世界が

 

新しく

 

うまれかわる

 

箱舟の

 

用意が

 

できたかどうか

 

ひとりひとりの

 

こころに

 

問われる

 

 

あなたは

 

うまれてから七年間

 

地面の中にいて

 

人目に触れず

 

土のなかで

 

ひっそりと

 

暮らしている

 

土の中では

 

当たり前に快適で

 

鳥さんや人間に

 

おびえることなく

 

地に足

 

だけではなく

 

からだ全体でついた

 

暮らしができるでしょう

 

そうやって

 

時が満ちて

 

お日さまのもとへ

 

出ていく日を

 

待ち望んでいるのかしら

 

湿った土の中の暮らしを

 

ずっとしたいと

 

思っているのかしら

 

とにかく

 

出ていく日に

 

あなたの

 

残りの時間は決まる

 

安全に生き延びて7日間

 

ぼんやりしていたら

 

もっと短い

 

7年間に比べたら

 

本当に短くて

 

あっけないけれど

 

最初の7年間は

 

最後の7日間のためにあるから

 

あなたは

 

ちゃんと朝から晩まで

 

力のかぎり

 

羽を震わせる

 

暑い日にうまれても

 

嵐の日にうまれても

 

わたしたちは

 

ただ

 

命の奇跡を

 

目の当たりにして

 

音のプレゼントを

 

ありがたく

 

頂戴する

 

 

 

 

 

今年は

 

きっちりと

 

涼しい9月が来ていたけれど

 

行く夏を

 

惜しむ声にも

 

ちゃんと

 

応えてくださり

 

暑い日も

 

きちんとあるから

 

蝉さんも

 

現役活躍中

 

アオスジアゲハも

 

ちゃんと

 

大雨をどこかで

 

やりすごして

 

ひと安心

 

こうやって

 

季節を

 

くくってくださり

 

ありがとうございます

 

菊理姫さま

 

 

 

 

小さなお魚たちは

 

目立たないように

 

ひっそりと

 

暮らしている 

 

のかと思いきや

 

意外と

 

きれいに

 

着飾っていらっしゃる

 

そりゃそうよね

 

せっかく

 

うまれて

 

来たんだもの

 

泳ぎ方

 

ちゃんと鍛えて

 

楽しまなきゃ