Ψ(さい)のつづり -5ページ目
七ひきの
子ヤギならぬ
七ひきの
ちいきねこ
ここにあり
地域の人たちみんなが
なんとなく
氣にかけていて
地域のなかで
暮らしているにゃんこ
繁殖はできないように
あらかじめケアして
ごはんを
あげたい人はあげるけれど
ちいきねこだけでなく
たぬきもご相伴にあずかることがあっても
驚くなかれ
いろいろなお家の
お庭に出没し
自由に暮らす
ちいきねこ
がけ登りも
屋根への
二メートルジャンプも
お手のもの
あなたたちのことは
きっと
みんなが大好き
あなたたちが
わたしたちを
どう思っているのかは
わからないし
決して
触れるほどに
なつくことはないけれど
きっと
悪からぬ
者たちくらいには
思ってくれているんだろう
おはよう
おやすみ
またきてね
ひさしぶり
元氣にしてた
ごきげんよう
いまではもう
この地域の一部
わたしの家に
なくてはならない
存在

わたしの殻は
特別
ヒノキでつくられた
よい香りの殻で
わたしは
そこから
美しい空を見上げ
わたしは
その中で
自分を取り戻した
でも
わたしは
殻の尊さを
わかっていながら
あまり大切にせず
殻を美しく保つ努力もしてこなかった
何もしなくても
きれいに見えたから
ぼんやり
怠けていたんだと
いまに
なって氣づく
あなたを
失う
いまになって
カタツムリの殻なら一緒に
動けるのに
わたしの殻は
連れていけないから
新しい
殻の主に
大切にしてもらってね
さようなら
わたしを守ってくれて
ありがとう
愛しているわ
美しい
紀州檜のおうち

エアコンをつけない夏を
過ごそうとしていたのは
ますます
絶好調な
ガビチョウに
触発されたのかも
しれない
曲のレパートリーの多いガビちゃんや
上達したウグイスのうたや
こぶしのきいたミンミンゼミの
なじみのド演歌を
ききながら
夏を
とことん
味わいたかった
ところが
熱帯うまれじゃない
わたしは
獅子座入りした
太陽に
あっさりと
白旗あげて
クーラー人間に変身
みんなの声は
締め切った窓の向こうから
少しボリュームダウンで楽しむ
ガビちゃんは
外来種の
悪者ということになっているけれど
渡り鳥ではない
ガビちゃんを
野生化させたのは
この島の
誰かさん
自分の故郷ではない
島で
飼い鳥が
野生化するには
きっと楽ではない
道のりがあったはず
ガビちゃんの
底抜けに明るい
歌声には
そんな困難も
笑い飛ばして
この世の春ならぬ
盛夏を
謳歌する
力強さがある
他の鳥さんたちと
もちろん
仲良くしてほしいけれど
ガビちゃん
天晴

あなたの絵は
確か
世界史の資料に載っていた
記憶があり
出かける前に
開いてみたら
夜警でした
白黒の絵もあったように
思ったのですが
美術の教科書だったのかもしれません
美術が大の苦手なわたしの
手もとには
教科書は残っていないので
確かめられませんが
直接絵と対面できるというのに
いいえ
だからこそ
特に前提知識はいりませんね
あなたの絵は
精巧で
緻密な
銅版画が主で
絵が反転するのは
当たり前ですが
おもしろいです
しかも
あなたの絵をまねて
というか
インスピレーションを得て
多くの画家が似た構図で
絵を描いていて
それがまた
おもしろく
ずっと後の
葛飾北斎も
あなたの絵をみたことが
あったら
いいのに
と思いました
なんたって
あなたの書斎の学者が
かの有名なファウストの
挿絵になったということは
時代を超えて
芸術家も
影響しあっていると
いうことですね

子どもの頃に
行きたいなと思った
はじめての異国は
オランダでした
もちろん
風車とチューリップ
木靴とあの
すてきな民族衣装と被り物
のイメージで
まさにそのイメージの絵が描いてある
バウムクーヘンを先日いただきました
とてもおいしかったので
買いに行こうと調べたら
それは実はドイツのものだったので
驚きました
大陸って
複雑ですね
とにかく
日本とオランダは
昔から縁が深いように思います
いま
上野では
ゴッホ展も
レンブラント展もおこなわれていて
灼熱の空もオランダの
国旗のように
くっきり
はっきりしていました
決して
涼みにいったわけではなく
あなたの絵をみたくて
意を決して
出かけました
それにしても
駅前に美術館があるなんて
本当に素敵なことですね


