Ψ(さい)のつづり -9ページ目
海がみえると
どうして
こんなに
氣分があがるんだろう
海がみえると
どうして
はやあし
かけあしになって
海に近づきたくなるんだろう
さっさと靴を脱ぎ捨て
海に足をつける
海の水は
まだまだひゃっこい
でも
すぐに慣れて
波とたわむれる
波が引くときの力が
思ったよりも大きくて
海の方へ引き寄せられる
サーフィンや
ウィンドサーフィンを
楽しむ人たちとともに
ゆっくりと
海にかまってもらう
砂浜のカラスも
練り歩き
落ちていた
餌をみつけて
飛び立つ
子どもたちは
もう水着で
砂遊び
雨明けの
優しい海

一本の木から
神仏像を彫り出す
その作業は
神様仏様との
共同創造
その精緻さ
まるで目の前に
いらっしゃる
お姿に
圧倒される
どの像にも
魂がこもっていて
何百年も
何千年も
そのまま
輝きが
維持されるどころか
増していく
祈りもこめられ
さらに積もっていく

まだうす暗い
夜明けのころ
鳥の声で
目覚める
まだまだ
朝はひんやりとして
布団の中で
聴き入る
ウグイスの合唱と
カラスのモーニングコールと
おそらくコジュケイのうた声
ヒヒョヒヒヒョヒ
までで
わたしの
鳥の声聴き分け能力は
尽きる
あれ
今朝はホウホウって
くぐもった声が
きこえる氣がする
もしかしたら
フクロウ
ずっと会いたかった
フクロウ
でも
確信が持てないまま
耳を傾けているうちに
またうとうとと
眠ってしまう
夜明けが
だいぶ早くなったから
うまれた
贅沢な
時間
夢かうつつか
うつつか夢か

太陽が
まぶしく輝く
世界が
それだけで
ハッピーになる
洗濯物が
きれいに乾き
鳥たちも
うれしそうに
さえずる
リスたちも
木々の間を活発に
跳びまわり
わさわさと
枝がしなる
新緑が
色を増し
山全体が
にっこりと
ほほえむ
そんなこの時を
ただただ
あじわう

きみはいつも
不機嫌そうだね
でもそれは
不機嫌なのを隠して
ご機嫌なふりをしたり
いつも
いい子でいるより
よっぽどいい
自分を
少しでも
良く見せようと
ふるまっていたら
ますます
ご機嫌ナナメに
なっていくから
そして
少しでも
自分の
機嫌をとるように
あちこち
出かけていっては
食べてみたり
するけれど
自分との
付き合い方を
学んでいく
途中だから
それは
勉強代だね
本当はなにがしたいか
わからないまま
器用に
あれこれこなすより
暗い顔をした
自分と
とことん
向き合った方がいい
それは
贅沢な時間


