Ψ(さい)のつづり -10ページ目
葉っぱの陰に
隠れて
暮らしていた
ひとりぼっちの
めだかは
そろそろ
仲間に
会いたいと
葉っぱに
乗って
ぴちぴちぴち
跳ねて外を眺めていたら
カエルが
ぴょんぴょん
跳んできて
背中に乗せてもらった
途中で
息が苦しくなって
近くの水に飛び込んだ
ほっと一息ついていたら
自分そっくりのメダカが
やってきて
きみは
ぼくに
似ているね
と話しかけてきた
本当にそっくりで
おもわず
ぼくはひとりぼっちだから
きみの
仲間に入れてほしい
とお願いしたら
じゃあ
一緒に行こうと
言ってくれた
その瞬間
新しい世界が
ぼくの前に拓けた
一緒に泳いでいった先は
同じ池の反対側だったけれど
めでたや
めだか

どこにでも
連れて行ってくれて
どこにでも
迎えにきてくれて
渋滞の抜け道も
すいすいすい
お手のもの
まるで人力車のように
小回りがきく
これからは
空を飛んだっていい
目的地へ
ひとっとび
そういう
お抱え運転手がほしい
自動運転の技が
ほぼ出来上がっている
いまでは
車そのものが
呼んだら
きてくれるのでもいい
腕時計に話すと
きてくれるし
話し相手にもなる
昔あった
ドラマみたいに

2026年の
半分がおわり
折返し地点
つみとがけがれを
祓い清めるための
大祓式に参加する
わたしは
この半年
きちんと
やるべきことを
やってきたのだろうか
やらなくても
いいことに
時間をとられなかっただろうか
いま
ここに
いられることを
きちんと
感謝してきただろうか
からだに
湿疹ができ
よくならないことの
意味を
受け止めてきただろうか
自問自答も
祝詞の奏上も
この身をとおって
空に昇っていく
身もこころも
清らかに
次に迎える
半年に
打って出る

朝早くに
ゴミをだし
家を出て
電車に乗る
電車は
どこかで
緊急停止するのが
最近のお約束
だからといって
多少の遅れで済むのも
お約束
なんといっても
やっと
ゴッホに会える日
チケットが
あっても
なくても
とりあえず
ぎゅうぎゅう
人だらけで
遠巻きに
絵を拝見する
目玉の
カフェテラスは
行列に並べば
いつか
最前列で
写真が撮れる
まさに
サイン会の
アイドル並み
近くにいる
ご本人は
どことなく
困り顔で
その様子を
見守る
じゃがいもを
植えたり
掘ったり
食べたりする
木靴の人々も
さぞ
驚きの
熱狂ぶり
あなたの絵は
苦悩も
苦労も
昇華されて
力をくれる
わたしは
とても
しあわせな
氣持ちに
なった
時代を超えて
あなたの目を通して
描かれた
お花や
景色や
人々は
ずっと
ずっと
生きつづけて
いくのだから
あなたは
神のごとく
永遠の
いのちを
それらに
与えたもうた

お山のてっぺんには
ちょっと
元氣のない木があって
葉っぱが少なくて
パトロールには
もってこい
入れ替わり
立ち替わり
からすが
やってきて
羽を休めつつ
下界をチェック
ちょっと
弱っている
木だから
ふらふら
ぐらぐらするけれど
眺めは最高
お山の大将


