ミンミンゼミが

 

もうちょっと

 

ぼくらの季節を

 

楽しもうと

 

過ぎゆく夏を

 

大声で盛り上げる

 

いつの間にか

 

ツクツクボウシが

 

そっとうまれて

 

つくつくと

 

合いの手を入れる

 

日暮れが近くなると

 

ヒグラシが

 

かなかな

 

夜には

 

ウマオイが

 

すいっちょん

 

秋のお知らせを

 

届けてくれる

 

一日だって

 

同じ日はない

 

運命の輪のように

 

季節は巡る

 

わたしたちを

 

乗せて

 

わたしたちにできるのは

 

みんなのように

 

命を輝かせること

 

それが

 

振り落とされないために

 

必要なこと

 

 

 

雨がたくさん降ってきて

 

外にいたら

 

雷鳴が轟き

 

稲妻が山に突き刺さった

 

でも

 

家に入ったら

 

雨にもぬれず

 

山のおかげで

 

風にもあたらず

 

雷鳴も

 

窓をとおして

 

ジェントルにきこえる

 

こんな風に

 

守られて

 

生きる幸せ

 

やもりのこども

 

網戸の内側で

 

大きくなあれ

 

 

 

 

 

 

わたしの頭の中を

 

図書館に例えれば

 

機能しているのは

 

おびただしい数の本のうち

 

わたしが読んだことがある本

 

くらいに

 

ほんのわずかに違いない

 

知らないことが

 

多すぎて

 

まごついてしまうけれど

 

少しでも

 

頭を使いたいから

 

氣になった本を毎日時間をとって

 

読んでみようと思った

 

名前はもともと知っているのに

 

その作家の本は

 

はじめて手にとった

 

本そのものが古いため

 

漢字が古い字体で

 

仮名遣いも違って

 

読めるかどうか

 

自信がなかったけれど

 

内容は深く

 

趣があって

 

栄養を吸収するように

 

読み始めたら止めるのが

 

難しくなった

 

戦後すぐの作品でも

 

いいまわしが

 

古風で

 

会話文も

 

美しい

 

まるで古典を読んでいるように

 

錯覚しそうになるけれど

 

さすがに

 

意味はわかるところが

 

ありがたい

 

ファウストや

 

狭き門も

 

とても好きだけれど

 

翻訳のフィルターを

 

通していない

 

日本語で書かれた本は

 

多くのことを

 

教えてくれる

 

どうして

 

いままで

 

そのことに

 

氣がつかなかったんだろう

 

これから

 

日々文豪に

 

直接教えを乞おう

 

書かれた文字のおかげで

 

時間を

 

超越して

 

作品はいまに残る

 

そして

 

文豪との

 

対話を

 

可能にしてくれる

 

 

 

 

 

 

 

 

昔は

 

潮が引いているときにだけ

 

こちらと

 

あちら

 

あちらと

 

こちらを

 

いったり

 

きたり

 

海を割った

 

モーセ氣分

 

だった

 

かどうかはわからないけれど

 

乾いていないから

 

潮干狩り氣分の方が

 

あてはまるかも

 

とにかく

 

お月さまの

 

おかげさまで

 

いったり

 

きたり

 

できたけれど

 

いまは

 

橋でいつだって

 

海が荒れていても

 

日が暮れても

 

いったりきたり

 

できてしまう

 

橋だって

 

こんなに

 

たくさんの

 

いったりきたりを

 

想定して

 

いなかっただろう

 

この橋渡るべからず

 

って

 

看板を

 

出したい氣分かも

 

しれない

 

島にも

 

橋にも

 

休みがほしい

 

 

 

 

 

 

寅の刻に

 

目が醒め

 

真夜中から

 

正午まで行われている

 

黒地蔵様の

 

縁日に向かう

 

まだ真っ暗な中

 

支度をはじめる

 

ほの明るくなると

 

ひぐらしが

 

一番乗りで

 

大合唱を披露する

 

鳥たちも

 

起きてきて

 

歌いだした

 

そのタイミングで

 

家を出る

 

まだ

 

夜明け前で

 

家々は眠っているけれど

 

お月さまは

 

シャープな

 

三日月姿で

 

明るくなりはじめた

 

空に

 

君臨する

 

まだまだ

 

涼しく

 

歩きやすい

 

だんだん

 

明るくなっていく

 

空は

 

希望の

 

光を

 

与えてくれる

 

ああ

 

こうやって

 

毎日早起きしたら

 

こんなに

 

素敵なのに

 

明日からの

 

わたしも

 

やっぱり

 

この時間は

 

布団にいるんだろう

 

はらぺこで

 

45分間歩き

 

卒塔婆を

 

お地蔵様のまえに

 

置かせていただき

 

持参した

 

お線香をたく

 

ご先祖様の

 

おかげで

 

いま

 

わたしは

 

幸せに

 

暮らしています

 

そのことに

 

感謝して

 

今日からの

 

一年間

 

日々を

 

大切に

 

過ごします

 

美しい朝を

 

ありがとうございます