魚は魚としてうまれ

 

魚として歩む

 

群れ

 

食べ

 

食べられ

 

数で勝負する

 

鳥は鳥としてうまれ

 

鳥として歩む

 

本分を果たし

 

さえずり

 

つがい

 

あるものは

 

捕食される

 

獅子は獅子としてうまれ

 

獅子として歩む

 

百獣の王として

 

君臨し

 

威厳をもって

 

動物界を支配する

 

それなのに

 

どうして

 

人間は

 

魚や

 

鳥や

 

獅子になりたがるんだろう

 

本分を超えて

 

泳いだり

 

飛んだり

 

世界の頂点に

 

昇りつめようとする

 

でも

 

それが

 

人間であり

 

創造性を発揮する

 

カイロス

 

イカロスにならず

 

謙虚であれば

 

世界を塗り替えられる

 

それこそ

 

人間の

 

醍醐味

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木は

 

大地に根を張り

 

何があろうと

 

同じ場所にいて

 

太陽との関わりに合わせて

 

樹形をつくり上げていく

 

毎年毎年

 

四季を味わい

 

何十年

 

何百年と

 

生きていくけれど

 

一日一日を

 

決して

 

おろそかにしない

 

わたしも

 

日々を

 

ぼんやりしないで

 

きっぱりと生きられるよう

 

その木の氣を

 

おすそわけしていただく

 

そして

 

その木の上で唄う鳥から

 

美しい声を

 

学ぶ

 

 

 

 

 

 

読みおえて

 

幸せな

 

氣持ちに

 

なれる本は

 

稀有な輝きに

 

満ちていて

 

別れを惜しみながら

 

卒業していく

 

学生時代のように

 

内側に

 

希望の火を灯してくれる

 

背筋を伸ばして

 

新たな一歩を

 

わたしも

 

踏み出そう

 

いま

 

この美しく広い世界で

 

 

 

あおげばとうとし

 

いまどきは

 

歌われないみたいだけれど

 

今日は

 

エンドレスで

 

流れています

 

わたしの頭の中で

 

あなたはたぶん

 

14か15歳で

 

うちにきてから12年半になる

 

ひなまつりには

 

すでに

 

体調が悪かった

 

なぜか沈んでいられず

 

浮いてしまう

 

あなたは

 

すぐにでも

 

虹の橋を渡りそうだったけれど

 

持ち直して

 

底に沈んでいられるようになった

 

もう

 

めしいていたから

 

ごはんを食べるのが難しかったけれど

 

食欲は旺盛で

 

本能でごはんを狙って

 

突進していた

 

もしかしたら

 

もしかするかと

 

思い始めた矢先

 

あなたは文字通り

 

倒れてしまった

 

水底でひっくり返って

 

口を開いていたあなたは

 

金魚がヒレで

 

ぺしぺししても

 

何の反応もなかった

 

とうとう

 

おかくれになってしまった

 

と思っていたら

 

急に

 

いなくなって

 

別の場所にいたから

 

本当に

 

驚いて

 

あなたは

 

もしかして

 

不死身なのかもしれないと思った

 

逆さまで水底にひっくり返っているかと思えば

 

水槽の隅にもたれる形で

 

縦になって水面に口をだしたり

 

驚異的な生命力で

 

意識を失ったり

 

回復して場所を移動したり

 

繰り返しながら

 

半日持ち堪えた

 

昨日の夜

 

もう寝るねと

 

声をかけたら

 

底でひっくり返っていたあなたは

 

くねくねして返事をしてくれたけれど

 

もう移動する力は残っていなかった

 

今朝になってみたら

 

そのままの場所で

 

少し

 

もよもよが積もったようになっていた

 

底にいたまま

 

水面に浮かずに

 

おかくれになる魚を

 

はじめてみたから

 

もしかしたら

 

まだ

 

と思ったりもしたけれど

 

あなたは

 

もうかたくなっていた

 

さくらの近くの土に

 

あなたをいれたけれど

 

あなたは

 

美しいままだった

 

というより

 

死化粧を施されたみたいに

 

きれいだった

 

どんな状況でも

 

へこたれず

 

生命をまっとうするあなたは

 

まちがいなく

 

わたしに

 

ギフトをくれた

 

そして

 

生命を燃やし尽くした

 

最高に強いあなたは

 

天にも祝福され

 

きれいな姿かたちで天に召された

 

水槽の底に

 

いつもいたあなたがいないのは

 

こんなにも

 

さみしいけれど

 

天晴

 

いざ

 

さらば

 

 

 

 

 

雨はやがて

 

あがる

 

ずっとずっと

 

あがらなければ

 

ノアの箱舟

 

桜を元氣づけたり

 

土をやわらかくしたり

 

緑を濃くしたり

 

寒さを緩ませたりしながら

 

雨によって

 

季節は進んでいく

 

ずっと降りっぱなしだと

 

卒業式もままならないから

 

きちんと

 

止み間もつくりながら

 

春の

 

背中をそっと押す