Ψ(さい)のつづり -58ページ目
時間というギフトをいただいた
庭の草を
サマーカットにして
ざくざくざく
本当は五分刈りにしたいけれど
でもすぐまた
伸びてくるから
根詰めない程度にね
ライオンじゃなければいいでしょう
人間や犬の毛なんて
月一カットでいいんだから
かわいいものだわ
カチカチの土が
ふわふわに
なるように
カットした草たちは
土の上にかけて
日よけをしてあげましょう
草も栄養になるから
敵みたいに引っこ抜かなくていい
くすりなんて
もってのほか
それから
おいしいクロワッサンを買いに行って
ランチにいただき
いい気分
そのまま
のりのりんどう
お片づけも
はじめたけれど
大量の写真や
お手紙を前に
途方に暮れて
日も暮れる
出直します
カラヤン聴いて
詩集を読んで
今日は少しはやく寝ましょう

百合を三本植えました
昨年の秋
百日紅の
苗木と一緒に
さるすべりは
そのときは
もうすっかり枯れ木のよう
つい最近まで
桜が咲いても
紫陽花や
無花果の若葉が
ちょっと顔をのぞかせても
まわりの草は
勢いよく
にょきにょきしても
枯れ木も枯れ木
かさかさのお肌
本当に根付かずに
枯れてしまったのかと
百合の球根も
一緒にしんみり
してしまったのかと
思ったけれど
春は
われわれを
見捨ててはいなかった
ひゃくひゃくつながりの
百合シスターズにも
百日紅にも
ぴちぴちの
若葉が
出てきました
その後の成長は
目を見張るものがあり
もうすっかりしっかり
一安心
たえなばたえねじゃなくってよ
だって
あなたたちは
みちびき犬の
いのちを
つないだ
存在なのだから
いつまでも
ながらへて
ああ
ながらへて
ながらへて
フォゲットミーノット
じゃないんだね
そうよ
直球じゃなくて
変化球なの

毎日が
大掃除の日
日々
生きていると
自分にも
おうちにも
埃が積もる
埃を掃わないと
誇りはもてない
それに
クローゼットの奥には
存在感を消すことで
長年生き延びてきた
まものたち
それらは
もはや
壁の一部としてしか
こちらも
認識していないため
あらためて
捨てる対象にすら
なっていない
ヴィンテージなら
価値が増して
ワインにも
味わいが深まる
しまいには
アンティークで
世の宝になるけれど
今のわたしには
もう必要がない
あれやこれやは
みんな
さよならしましょ
ありがとう
ありがとう
ありがとう

ブロッケン山に
今夜
集う者
めいめいの
目的のため
めいめいの
正義のため
めいめいの
自己実現のため
いつもはばらばらに
跋扈しているように見えて
一年に一度
集う
ヴァルプルギスの夜の
乱痴気騒ぎ
ファウストも
新米も
たどり着くことすら
かなわない
山頂までの
険しいみちのり
世迷いごとが
あふれかえり
常識が
非常識
最凶が
最強
されど
とどのつまり
すべてが劇中劇
あべこべ
油断大敵
最後には
ひっくり返る
運命だから
ブロッケンの
光の輪には
敵わない
すべてが
光を
美しく魅せるための
仕掛けなのだから

大仰に語ることばに
真実はない
後ろ向きな仲間意識
下向きの安心感
逃げ腰の助言
その場限りの口約束は
すべてほろびゆく
さだめ
されど
その傷は
だれかを
癒すため
その涙は
あなたの
傷をふさぎ
地に眠る
ものたちへ
届き
光の結晶となる
やがて
慈雨となり
海に注ぐ
その唇から
自ずと
溢れだすことばは
世界を
浄化し
目にみえない
ものたちへの
ギフトとなる
大いなる存在に
全面的な
信頼を寄せ
歩む
その姿は
希望そのもの
ひかりを放つ
その者へ
仕える喜びを
人々に
思い出させる
愛と
情熱をもって
生きる
歓びを


