Ψ(さい)のつづり -37ページ目
深く浅く
浅く浅く
深く
もぐったり
息継ぎをしたりを
繰り返しながら
水による
癒しと
安らぎを得る
何度も
何度も
繰り返すうちに
新しい
世界線に
乗り換える
内側に眠っていて
自分でも
気付いていなかった
傷の
癒しとともに
新たな扉が開き
過去に生きた自分と
過去に生きた祖先との
邂逅が待ち受けている
過去に生きた自分は
わたしの魂の一部
過去に生きた祖先とは
血が繋がっていて
DNAを引き継いでいるから
わたしの物理的な
からだに
しっかりと
食い込んでいて
わたしであり
わたしではない
けれども
いま生きているのは
わたしだから
どんなに危なっかしくても
主導権は
わたしにあって
わたしが
舵取りをしなければならない
いつも応援してくれて
ありがとう
支えてくれて
ありがとう
わたしは
羅針盤をもつ
探究者
針路を決めて
進んでいく
振り返らずに

わたしたちが
うまれて
名がついてからというもの
何万回も
何億回も
その名で
呼ばれる
幼い頃は
わたしは
ぼくは
の代わりに
名は
という話し方が
ほほえましいような
受け止め方を
されていたけれど
最近は大人になっても
なんとなく
その言い方が
許されている
甘えん坊みたいな雰囲気が
いつまで続くのか
続けられるのか
どこかで
区切りがくるのだろうけれど
自分の名に
愛着があるということは
幸せなこと
知り合って
とりあえず
名乗りあうことから
はじまり
どうやって
呼びあうかで
距離感がわかるように
名前を呼んだり
呼ばれたりすることで
お互いの関係を
確かめあったり
間合いをとったり
縮めようとしてみたり
水面に浮かぶ鴨の脚のように
なんだか
水面下で
いそがしい
昔は
戦ですら
やあやあ我こそは
と
名乗りあう
この國では
礼にはじまり礼におわる

変わらないと
分からない
かわることが
こわいのは
わかるけれど
かわらないと
わからないことがある
かわってみて
はじめて
過去の傷も
必要だったことが
わかり
自虐ではなく
笑い飛ばせるようになる
そうしたら
かさぶたがとれて
軽く柔らかな心で
新しい自分を
楽しめるようになる

わたしたちが
生きていけるのは
もちろん
あなたのおかげさま
広い広い宇宙を
みまわしたって
きっと
あなたのように
瑠璃色にきらめく星はない
わたしたちは
虹をくぐって
あなたの上に
おりてきた
わたしたちが
泣いたり
笑ったり
日々暮らしていけるのは
わたしたちを取り巻く
小さな世界を
あなたが
支えてくれているから
そして
美しい四季で
いつもいつも
癒してくれるから
おいしい水も
おいしい空気も
わたしたちが
生きていくために
欠かせない
すべての要素は
あなたを
瑠璃色にきらめく
星にしている愛

最後の炎を燃やして
夏が
秋に
主役の座を
譲る
たくさんいた蚊は
まだまだいるけれど
たくさんいた
蜂は少しずつ
活動を減らして
引退の準備をしている
季節のサイクルを
何度も
何度も
体験できる
人間は
なんて
幸せな
種族なんだろう
こうやって
巡る季節を
もっともっと長い間
廻ている
木々は
どっしりと
落ち着いていて
気候の変動に
一喜一憂したりしない
太陽は
休むことなく
世を照らし
夜には
月が日々
形を変えて
楽しませてくれるし
金星や木星のような惑星や
もっと遠くの
恒星の星々が
きちんと
姿をみせてくれるのだから
なんの心配もなければ
孤独もない
せっかく
動き回ることができる
足が与えられているのに
それがために
じっとできないのなら
それがために
思考が定まらないのなら
それは
葦ではなく
ただの
浮草


