Ψ(さい)のつづり -36ページ目
これがいいかも
あれがいいかも
そういっている間に
これも
あれも
だれかのもの
縁がなかったと
言うのは簡単だけど
ただ単に
チャンスの前髪を
つかみそこなっただけじゃないの
こうします
ああします
宣言しているけれど
本当の
一番の
願いは何か
自分で
わかっているの
そうやって
まよい
まどい
くるくるまわる
リスの輪っか
堂々巡り
振出しに戻る
悪循環は
わたしの中から
追い出す
戻ってきても
何度でも
けちらす
追い返す
さあ
一番の
願いを
短冊に
したためなさい
ひとつだけ
簡潔に
長文はだめよ
七夕はあす

天の川を
見上げて
猪八戒は
何を
思うのだろう
自分が
活躍していた
舞台は
夜空を彩る
美しい乳白色
雅に
天を流れる河
猪の腹から堕ちた
地上では
使える術も
見た目も
中途半端
というより
だいぶ
よろしくない
それでも
悪癖は
治らない
欲の根は深い
モーセの十戒は
いまもいきていて
天にも地にも
守るべき
ルールがあることを
教えてくれる
そして
いまこそいきる
織姫と彦星のお話とともに

あんず
案ずるな
あまずっぱい
あなたは
安心と
安全と
慈愛に
満ちている
まるで
この島のように
いつだって
優しさに満ち溢れ
いつだって
派手さはなくとも
きれいな色
だいだいとも違うし
オレンジとも違う
だんだん朱がかっていく
淡いみかん色
あんず大福は
失恋で開いた心の穴を
そっと
埋めてくれた
うれしいときも
しんどいときも
わたしの足をとめさせ
優しい味で
ほっと
一息つかせてくれた
ずんだのお団子とともに
氣取らない
あたたかさで
わたしを
包み込んでくれた
果物としてそのまま食べても
もちろんおいしいし
あんずジャムも美味
トップの座を狙わないし
あちこちでしゃばらない
けれど
いてくれるとほっとするのよ
あなたのたたずまい
多くを語らないけれど
心を打ち明けたくなる
その信頼感
あんず
案ずるな
あなたは
ずっと素晴らしい
これからも

わたしを
起こしたのは
だれ
夜空に輝く
月の引力
明け方に
美しく
ひときわ
輝きを増している
金星の香気
明るさも色も
変幻自在な
蠍の心臓
アンタレスの血
世界は
毎日
生まれ変わる
同じ夜明けは
二度とない
過去は過ぎ去り
いまを生き
未来は
この手で
創造する
わたしを
起こしたのは
わたしの中から
わたしを呼ぶ声
わたしが責任をもつ
わたしの小さな世界
そして
わたしのご先祖さま
龍神さま
日本
地球
宇宙

ぞうに
りぼんを
かけました
くるくるくる
加計呂麻島まで
駆けていけ
ぱおぱおぱおん
パッションフルーツ
マンゴー
ドラゴンフルーツ
グアバに島バナナ
たくさんあって
おいしいぞう
海もとってもきれい
だけど
飲んだら
しょっぱいぞう
あったかいから
ここに住むぞう
スズメバチが耳元に
飛んできて
ぶんぶん
りぼんをわけてくれたら
ぼくのおうちに案内するよ
いいよ
だけど
はさみがいるね
しおまねきに
切ってもらおう
ちょきちょき
蜂さんのおうちは
がじゅまるにあって
そこにりぼんをかけました
みんなが
こわがるから
かわいくしちゃおう
うーんちょっと無理があるけど
目立つからみんな近寄らないでね
そこへはぶがにょろにょろ
ぼくにもりぼんをちょうだい
ぼくのことも
みんながこわがるんだ
だから
かわいくしちゃおう
うーんだいぶ無理があるけど
まあいいか
ぼくも人間はこわいから
近寄らないでね
カエルやネズミがぼくのごはん


