あんず
案ずるな
あまずっぱい
あなたは
安心と
安全と
慈愛に
満ちている
まるで
この島のように
いつだって
優しさに満ち溢れ
いつだって
派手さはなくとも
きれいな色
だいだいとも違うし
オレンジとも違う
だんだん朱がかっていく
淡いみかん色
あんず大福は
失恋で開いた心の穴を
そっと
埋めてくれた
うれしいときも
しんどいときも
わたしの足をとめさせ
優しい味で
ほっと
一息つかせてくれた
ずんだのお団子とともに
氣取らない
あたたかさで
わたしを
包み込んでくれた
果物としてそのまま食べても
もちろんおいしいし
あんずジャムも美味
トップの座を狙わないし
あちこちでしゃばらない
けれど
いてくれるとほっとするのよ
あなたのたたずまい
多くを語らないけれど
心を打ち明けたくなる
その信頼感
あんず
案ずるな
あなたは
ずっと素晴らしい
これからも
