別れの予感を
だれもが
だれかに
みせるための
うつりのよさを
大切に
日々を
切りとり
ハッシュタグ付けして
みせかけの
体裁のよい
人生をいきている
エフェクト満載の
きらきら人生は
だれかに
注目されるため
だれかに
評価してもらうため
だれかに
うらやましがられるため
だれか
だれか
だれか
判断基準は
自分ではなく
だれか
内ではなく
外にある
そして
わかりやすい
数字の中にある
あなたは
いったいだれなの
あなたは
どこにいるのかしら
知っている人ですら
まったく
知らない
ひととなり
まったく
別の人生を
魅せている
暑い暑い
一日の
余韻を
美しく
昇華してくれる
その声
いつの間にか
ちょっとずつ
夕暮れが
早く訪れるようになったことを
実感させてくれて
夏の終わりも
近いことを
告げている
気温が高くなる日は
これからも
あるけれど
どうしたって
秋の気配がまぎれこむ
子どものころの
夏休みは
入道雲の白と
日焼けした小麦色の肌に
かなかなの声
おばあちゃんちでの
大きくなったね儀式や
すいかのセレモニーがおわり
また
学校がはじまるんだという
そわそわ
もう学校は卒業したけれど
やっぱり
心は
少しざわざわ模様
世界が
わたしを
呼ぶ
わたしは
大きく息を吸って
答える
ここにいます
なぜそこにいるのだ
そこには
海がないではないか
海と山
それが
おまえの
居場所なはず
だだっぴろい
平野で
何をしているのか
海も山もなく
隠れる場所も
清める場所も
ないではないか
風はございます
かなり
強く
大きな力の
風はまあよい
しかし
もうすでに
風は
十分ではないか
過剰なものは
バランスを崩す
バランスが崩れれば
おのれを保つことも
難しかろう
確かに
おっしゃるとおりです
わたしは
バランスをとりたいのに
かなり偏っています
いや
偏っているからこそ
バランスをとりたいのかもしれません
もともと備わっている
多い要素を
無理に減らすことは
おのれを生きることにはならない
少ない要素を
増やすために
できることを
やりなさい
身近なところから
世界にも
広がっていくから
すまいって
むずかしい
住めば都
どこでも
都
されど
自分とご縁を
結んだ
土地は
自分の一部になる
自分は
土地の一部になる
だから
どうしたって
相性も必要
水が合うか
合わないか
土地にだって
選ぶ権利がある
その土地の
食べ物が
好きか
空氣が好きか
雨でも
風でも
そこにいたいと
思えるか
そのすまいで
何を
かなえるか
その土地で
何を
成すか
よく眠って
考えよう
感じよう
思い描こう
待ったはなし
はっけよい
のこった



