Ψ(さい)のつづり -27ページ目
まだうす暗い
夜明けのころ
鳥の声で
目覚める
まだまだ
朝はひんやりとして
布団の中で
聴き入る
ウグイスの合唱と
カラスのモーニングコールと
おそらくコジュケイのうた声
ヒヒョヒヒヒョヒ
までで
わたしの
鳥の声聴き分け能力は
尽きる
あれ
今朝はホウホウって
くぐもった声が
きこえる氣がする
もしかしたら
フクロウ
ずっと会いたかった
フクロウ
でも
確信が持てないまま
耳を傾けているうちに
またうとうとと
眠ってしまう
夜明けが
だいぶ早くなったから
うまれた
贅沢な
時間
夢かうつつか
うつつか夢か

太陽が
まぶしく輝く
世界が
それだけで
ハッピーになる
洗濯物が
きれいに乾き
鳥たちも
うれしそうに
さえずる
リスたちも
木々の間を活発に
跳びまわり
わさわさと
枝がしなる
新緑が
色を増し
山全体が
にっこりと
ほほえむ
そんなこの時を
ただただ
あじわう

きみはいつも
不機嫌そうだね
でもそれは
不機嫌なのを隠して
ご機嫌なふりをしたり
いつも
いい子でいるより
よっぽどいい
自分を
少しでも
良く見せようと
ふるまっていたら
ますます
ご機嫌ナナメに
なっていくから
そして
少しでも
自分の
機嫌をとるように
あちこち
出かけていっては
食べてみたり
するけれど
自分との
付き合い方を
学んでいく
途中だから
それは
勉強代だね
本当はなにがしたいか
わからないまま
器用に
あれこれこなすより
暗い顔をした
自分と
とことん
向き合った方がいい
それは
贅沢な時間

新たな展開に向けて
誤ったり
謝ったり
しながら
わくわくしたり
笑ったり
日常の中に潜む
この実を見つけて
進んでいこう
わたしの
新しい
物語が
ここから
はじまるのだから
大きな
この実を
収穫して
後ろを振り返らず
新しい世界を
進んでいく
食いしん坊の
わたしのまま

街の中で歩く
ここには来たことがある
そうピンとくるとき
わたしは
どのあたりを
知覚して
そう思っているんだろう
街の景色の全体像を
なんとなく把握して
立体的に
立ち上がる
匂いや
場の雰囲気を
記憶のどこかへ
織り込んでいるんだろう
そう思うと
なんと複雑な
作業を
頭の中はしてくれていることか
大きな大きな
世界の
片隅で
変わっていくものも
多い中
日々思い出すこともなく
確実に
しまいこまれている
無限の記憶と
それにまつわる
いまは薄まった感情に
どんな
一瞬
一瞬も
わたしが
わたしでいる要素に
なっているんだと
改めて
氣付かされる
生まれる前から
ここに生まれることは
決まっていて
どこを歩いて
どこに行って
どんな経験をするか
すべては
決まっているのかもしれない
その糧を生かすかどうかは
自分次第だけど
世界を
動かしているであろう
仕組みの
代えのきかない
一人として
世界にうたうことが
できているんだろうか


