契約相手がDocusignの場合どうなるか?【弁護士ドットコム】 | 投資は自己責任で

投資は自己責任で

〜 中長期保有前提で成長株中心の”ゆるい投資”を行っています。
  目先の株価を予測したり占ったりすることには、興味がありません。

「自社がクラウドサインを採用しているとして、契約を結ぶ相手がDocusignなど他の電子署名を使っている場合はどうなるの?」という素朴な疑問を見かけます。

結論から言うと、契約をクラウドサインで結ぼうがDocusignで結ぼうが、契約のPDFファイルが標準的な仕様で作られている限り、統合的な管理は可能。つまり、保存する電子契約管理システムや文書管理システムにクラウドサインで締結したものとDocusignやHelloSignで締結したものが混在しても、管理上の問題は生じないということです。

立会人型電子署名(クラウド型、事業者署名型とも呼ばれる)の場合、基本的に、相手がDocusignで作成したものを送信してきたら、決裁して返信するだけです。ある程度の規模の会社だと、電子契約管理のシステムでその契約書を回覧して社内決裁を取って、最終的な決裁を得て返信すればよいでしょう。会社によって仕組みは異なっても、自社がクラウドサインを採用しているからといって、クラウドサイン以外は受け付けないなんてシステムにする企業はないでしょう。おそらく、弁護士ドットコムにDocusignやAdobeSignの契約書を送っても、普通に返してくれるはずですw。逆にそうしたシステムにしておかないと、将来的に困るでしょうね。
無論、標準的な仕様のファイルであっても、二要素認証がなされない電子署名とか、怪しい認証局を採用しているとか、自社の基準に合わない場合は、電子契約をしないという判断はありえますが、有名どころの電子署名で比較的ライトな契約を結ぶケースで問題になることはないでしょう。

以下の弁護士ドットコムが運営するサイト「サインのリ・デザイン」に詳しい記事があります。
□電子契約サービスを比較する際の3つのポイント
https://www.cloudsign.jp/media/20200923-hikaku-3points/

「うちは海外との取引が多いからDocusign一択」とか「電子契約はクラウドサインに統一している」とかいった意見を見かけますが、あまり詳しくない人たちの意見のように思います。
そもそも、日本より普及が進んでいるアメリカではDocusignが多いものの、AdobeのAdobeSignや、DropBoxのHelloSignなど、数十社の電子署名事業者が存在しているようです。こうした状況だと、自社で採用している電子署名とは違う署名が施された契約が送付されてくることは日常茶飯でしょうけど、自社と相手先の採用する電子署名が違ってトラブルになったという話を、自分は聞いたことがありません。

ところで、日本ではクラウドサインのシェアが80%と言われていますが、日本での導入企業が多いので、システム改修のノウハウのみならず、社内規程の変更の仕方とか、社内業務フローの見直し方とか、日本特有の商習慣への対応ノウハウが蓄積されていることが、クラウドサインの強みです。

しかしながら、日本でトップシェアだからといって、電子署名ビジネスでクラウドサインが「総取り」できるわけではありません。例えば、自社の既存のシステムがDocusignとの親和性が高い場合や、外資系で親会社がDocusignを利用している場合だと、Docusignを採用すべき企業はあるでしょう。ただ、そうした場合でも、相手から送られたクラウドサインやAdobeSignの契約書でも問題なく使える(管理できる)仕組みにしておくべきだし、そうした社内システムを構築するのは、さほど難しくないはずです。

電子署名市場は今後、急速に拡大していきます。1社総取りが困難なビジネスですから、安売り競争とかでシェアを無理に伸ばすのは無意味に思います。
どの電子署名企業も成長のチャンスは大きいと思いますが、顧客企業が導入しやすいよう、いかに自社のサービスを良いものにできるかの勝負となるでしょう。
 

AD