先日、次世代DVD規格への統一化が破談になったというニュースを
目にした。今、次世代DVD規格は、電機だけでなくコンピューターや
映画業界を巻き込み、2つの陣営が主導権争いを繰り広げている。
ソニー・パナソニック中心の陣営 vs 東芝・NEC中心の陣営
今月はじめくらいにソニーの進めるブルーレイに収束するかのような
報道が流れたが、結局は譲れない点があり振り出しに戻ったらしい。
別に取り立てて興味のある話ではなかったが、この報道を見ていて
VHS vs ベータの主導権争いを思い出した。ベータはソニーが推進
していた規格で、当時は日本ビクターのVHSと主導権争いをしていた。
自分が小学生のころはまだベータをレンタルビデオ店で借りれた時代
だったが、今となっては皆無。つまりソニーが負けたのだ。
今回もこのまま両者が統合がされず、それぞれで製品化したとしても
十年後にははっきりと勝敗がついているのではないだろうか。そして
その規格はVHS同様、消費者によって決められる。同じことが出来る
ならば2つはいらない、と言うのが消費者だからだ。
これまでも様々な標準化の争いが起こっては、一方が消えていくか、
その立場を縮小されていった。
Excel vs Lotus1-2-3
Internet Explorer vs Netscape Navigator
しかし実はその消費者を動かすのは、他でもない供給者達である。
Microsoftは、PCに自社製品をバンドルして販売することで、自社の
製品の市場シェアを高めた。これは事実上、消費者は選ばされた形
になるのだが。。
今回の次世代DVDでも供給者側が、どちらかを選ばざるを得ない
状況を作り出せれば、あっという間にシェアを広げる可能性がある。
そしてその動きとして僕が注目したのが、ソニーのPlayStation3だ。
こちらもつい先日、ロスで開催されたE3でお披露目されたばかりだが、
このPS3のソフトにはブルーレイが使われるとのこと。
つまりPS3が市場に出て一気に消費者を掴んでしまえば、ブルーレイ
が主導権を握ると言うふうに現在は見ている。
DVDがここまで普及したのは、多少なりともPS2でDVD再生が可能に
なったことが影響していると思う。今回もPS3という武器によりソニーが
市場を押さえるのか、注目はしていきたい。
ただ、個人的にはDVD以上の容量が必要なのか?と本音は思っている。
ビデオは標準で最大2時間だったため、たまにタイタニックなど長い映画
は1本で収まらない。確かにいいシーンでビデオを入れ替えるというのは
なんとも味けない。また、レザーディスクは、LPレコード並みのサイズで
普及しなかった。(買わなくて良かった・・・)
しかし、DVDはタイタニックもダンスウィズウルブスも収録可能であるし
サイズもCDと同じ、既に5.1Chで映画並みの音響も実現している。
PS3のブルーレイディスクでのゲームでは、映画のようなグラフィックを
再現できるとのことだが、消費者がお茶の間でそれを必要と感じるには
少し時間がかかるのではないだろうか。
現にソニーは、確かDVDレコーダー全盛期のころ、PSX・すご録よりも
前にブルーレイ搭載の録画機を発売、失敗しフライングとなった。
とはいえ、ハリウッドの映画会社やAppleまでが絡んでくるというわけで
それだけ大きなことなんだろう。。今後の動向を見て行きたい。