前回記事の続きです。
熊本市電1350型1354のA系統健軍町行き
1960年に350型354として導入、1967年にワンマン運転対応改造によって1350型1356に改番、1979年に冷房化されています。現在は健康食品の通販業者である“えがお”の全面広告ラッピングが施されています。
熊本市電1080型1085のB系統健軍町行き
1954年に180型185として導入、1968年ワンマン運転対応改造によって1080型1085に改番、1980年に冷房化されています。現在は“あんしん財団”の全面広告ラッピングが施されています。
熊本市電0800型0803B“COCORO”のA系統健軍町行き
2014年導入のこの編成は、熊本市電開業90周年記念事業の一環として、水戸岡鋭治氏が車体内外のデザインを担当し、“COCORO”という愛称が付けられています。他の2編成(2009年から運行開始)とはカラーリングのみならず、『笑っているような顔』をコンセプトに前照灯の位置や周囲のデザインを変更しています。現時点で熊本市電最新の車両です。
熊本市電1200型1203のA系統健軍町行き
1958年に200型203として導入、1966年にワンマン運転対応改造によって1200型1203に改番、1979年に冷房化されています。この1200型は、1978年以降冷房化されましたが、これは日本の路面電車初でした。但し、最初に冷房化された1202と1208は試作要素が強いため、1985年に廃車されて8500型に走行機器を供出しています。
熊本市電1090型1097のB系統健軍町行き
1955年に188型189として導入、1968年にワンマン運転対応改造によって1090型1097に改番、その後冷房化されています。現在は新栄住宅“アンピールマンション新水前寺”の全面広告ラッピングが施されています。
熊本市電1060型1063のB系統上熊本駅前行き
熊本市電1060型は1951年に160型として3両導入されました。当初は3扉車で、ワンマン運転対応改造に際して進行方向左側後端の側扉が撤去されています。ワンマン運転対応改造は1969年で、この改造時に1060型に形式変更されています。1063は1980年に冷房化されましたが、他の2両は冷房化されることなく1986年に廃車されています。
この1063は160型163として導入され、ワンマン運転対応改造によって1060型1063に改番されています。2003年の映画撮影時にかつての標準色(クリーム色にに紺色帯)となり、以降現在もそのカラーリングが継続されています。経年66年となり、熊本市電最古の車両であることから、出番は少ないようです。
熊本市電9200型9202のA系統健軍町行き
1992年導入の車両です。前照灯がHID灯ないしLED灯化されており、白色点灯になっています。現在は“眼鏡・補聴器の大宝堂”の全面広告ラッピングが施されています。
熊本市電1200型1204のA系統健軍町行き
1958年に200型204として導入、1966年にワンマン運転対応改造によって1200型1204に改番、1979年に冷房化されています。
熊本市電1090型1095のB系統健軍町行き
1957年に190型195として導入、1968年にワンマン運転対応改造によって1090型1095に改番、その後冷房化されています。現在は“J:COM九州”の全面広告ラッピングが施されています。
熊本市電1200型1201のA系統健軍町行き
1958年に200型201として導入、1966年にワンマン運転対応改造によって1200型1201に改番、1979年に冷房化されています。
熊本市電8200型8201のA系統健軍町行き
熊本市電8200型は、1982年に350型改め1350形以来22年ぶりの新造車として2両導入されました。
日本国内の営業用電車としては初めてのVVVF制御を採用しています。今や電車・電気機関車とも機器流用車を除けば当たり前となったVVVF制御ですが、現在に至る最新技術を実用化したのが路面電車というのは意外な感じもありますが、これは路面電車では一般の鉄道のような軌道回路(列車の有無の確認やATS装置、踏切制御などに用いる微弱電流)がなく、信号システムなどへの悪影響の心配がないということから都合がよかったようです。車体は直線的な普通鋼製で、熊本市電初の日本車輛製となっています。当初は2両連結運転を想定していたため、8201の健軍町方と8202の田崎橋・上熊本駅前方には折畳み式の密着連結器及び電気連結器が設置されていますが、ポイント操作に不具合があることが発覚したため、性能確認試運転以外で連結運転を実施したことはないようです。
これらの功績が評価され、1983年度鉄道友の会“ローレル賞”を受賞しています。ただ、2両が導入された後の増備はなく、以降1985年に一見よく似た機器流用の8500型が続いています。ご自慢のVVVF装置は経年による保守部品確保の観点からか2006年に当時最新型のものに交換されています。陽の目を見なかった連結器ですが、今なお撤去されることはなく畳まれているのがこの画像から確認できるかと思います。現在の熊本市電の標準カラーはこの8200型から採用されたのですが、この8201は“でんでん(云々じゃないですよw)nimoca”の全面広告ラッピングが施されています。
なぜタイトルに『初めてが多い』を入れたのか?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、
日本の路面電車初の冷房車(1200型)
日本国内初のVVVF制御車(8200型)
日本国内初の超低床型路面電車(9700型)
と、現在の路面電車であたり前となっているものが3つもここ熊本市電にあるから入れさせていただきました。
日本国内初のVVVF制御車8200型も撮れましたので移動します。
熊本市電8500型8504のB系統上熊本駅前行きに乗車します(次回以降に続きます)