初めてが多い?熊本市電…そにょ① | ヘタレ車掌の戯言

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毎日惰性だけで生きているヘタレ車掌の日常です。

5月の撮り鉄旅も後半に突入した23日は、夕方まで熊本市内を徘徊していました。

 

まずは、ホテルからほど近い熊本市電辛島町電停の慶徳校前電停(A系統)・西辛島町電停(B系統)寄りの交差点で撮り鉄開始です。

※車両についてはこちらの記事も参照していただければ幸いです。

 

・・・それでは撮影順に・・・

 
熊本市1353 辛島町~西辛島町・慶徳校前間 20170523②
熊本市電1350型1353のB系統健軍町行き
1960年に350型353として導入、1967年にワンマン運転対応改造によって1350型となり1353に改番、1979年に冷房化されています。
 
熊本市1351 辛島町~西辛島町・慶徳校前間 20170523②
熊本市電1350型1351のA系統1351の健軍町行き

1960年に350型351として導入、1967年にワンマン運転対応改造によって1350型1351に改番、1979年に冷房化されています。

上の1353の健軍町行きと行先方向幕の色が違うのは、車両ごとの個体差ではなくB系統・A系統の区別によるものです。A系統とB系統は辛島町電停で合流して、共に健軍町電停に向かう訳ですが、両系統の合流する場所は辛島町電停や今回の撮り鉄場所よりも慶徳校前電停(A系統)・西辛島町電停(B系統)寄りにあります。

 

熊本市9204 辛島町~西辛島町・慶徳校前間 20170523②

熊本市電9200型9204のA系統健軍町行き

1993年導入の車両です。現在は“金氏高麗人参”の全面広告ラッピングが施されています。

 

熊本市9205 辛島町~西辛島町・慶徳校前間 20170523熊本市電9200型9205のB系統健軍町行き

1994年導入の車両です。現在は“明和不動産”の全面広告ラッピングが施されています。

 

熊本市1356 辛島町~西辛島町・慶徳校前間 20170523②

熊本市電1350型1356のA系統健軍町行き

1960年に350型356として導入、1967年にワンマン運転対応改造によって1350型1356に改番、1979年に冷房化されています。現在は“ほっかほっか亭”の全面広告ラッピングが施されています。この車両は、左右の前面窓が固定窓になっています。

 

こちらは25年前の1356

熊本市1356 健軍町~健軍派出所前間 19920226①

健軍町~健軍派出所前間にて1992年2月26日撮影

当時の系統は数字でした。カラーリング以外にも前面窓や車掌台跡など見比べてみてください。

 

熊本市8503 辛島町~西辛島町・慶徳校前間 20170523①

熊本市電8500型8503のA系統健軍町行き

現在は“ピザポケット”の全面広告ラッピングが施されています。赤と緑と白ってITALIAイタリア国旗をイメージしたのでしょうが、見ようによっちゃサンタさんXmas Treeクリスマスカラーにも・・・

 

熊本市9203 辛島町~西辛島町・慶徳校前間 20170523②

熊本市電9200型9203のA系統健軍町行き

1993年導入の車両です。現在は“フジバンビ(黒糖ドーナツ棒)”の全面広告ラッピングが施されています。

 

熊本市9703B 辛島町~西辛島町・慶徳校前間 20170523②

熊本市電9700型9703BのA系統健軍町行き

熊本市電9700型は1997年から導入された日本初の超低床型路面電車です。

熊本市交通局(熊本市電)では1994年以降、超低床型路面電車導入に向けて国内の車両メーカー複数社と協議を行うのですが、その過程で新潟鐵工所がドイツドイツの車両メーカーAEG(現・アドトランツ)との技術提携によるものを提示し、それを基に熊本市電での運行に合うように改良することで導入可能と判断して1996年に契約成立、翌1997年に導入に至りました。車体は新潟鐵工所製ですが、車体の部材などは輸入して組み立てており、そのスタイルはドイツドイツ国内に納入されたアドトランツ製の超低床型路面電車によく似ています。電装品や台 車は輸入したものを使用しています。

2車体となったのは電停の有効長から許容される範囲に収める必要からで、西鉄マーク西鉄電車から譲受した5000型以来の2車体連接車となりました。

台 車はカバーに覆われているためよく見えませんが、超低床(レール面からの床面高さ36㎝)とするため、車輪は左右の車輪を固定する車軸がなく、駆動方式はレール方向に主電動機を設置した直角カルダン式となっています。また、本来床下に設置される機器は屋上に設置されています。

車内はセミクロスシート配置となっていますが、これは台 車の車輪を避けるためタイヤハウスの部分での通路確保のためにこのようになっています。

カラーリングは従来の熊本市電とは一線を画したものとなり、ホワイトベースに側面のみ上端と下端部分にグラデーションのかかった水色を配した編成(9701編成のみ)と水色がない編成(9701編成以外)があります。2001年までに5編成10両が導入されています。9703Bは1999年導入の編成で、座席などのデザインはJR九州JR九州でおなじみの水戸岡鋭治によるものです。この編成を含めた9700型4編成(9702編成~9705編成)はリース会社が車両を購入・所有し、熊本市交通局がそれを賃借するというリース車両となっています。9700型は1998年度鉄道友の会“ローレル賞”を受賞しています。

 

熊本市8501 辛島町~西辛島町・慶徳校前間 20170523

熊本市電8500型8501のB系統健軍町行き

1985年に導入された車両で、電装品・台 車は1200型1206(1959年導入)から流用しています。

現在は“杉養蜂園”の全面広告ラッピングが施されています。

 

熊本市1094 辛島町~西辛島町・慶徳校前間 20170523①

熊本市電1090型1094のA系統健軍町行き

1957年に190型194として導入、1968年にワンマン運転対応改造によって1090型1094に改番、その後冷房化されています。現在は“リクルートタウンワーク”の全面広告ラッピングが施されています。

この1090型以前の形式では室内灯が昭和末期まで白熱灯でした。

 

熊本市5014B 辛島町~西辛島町・慶徳校前 20170523①

熊本市電5000型5014BのB系統上熊本駅前行き

1957年製造の元西鉄マーク西鉄電車福岡市内線1001形1014Bで、1978年に熊本市電入りしています。西鉄マーク西鉄電車福岡市内線1001形は1954年から1964年にかけて製造された2車体連接車で、製造時期や製造メーカーによるによる仕様違いで、1001形(1954年と1957年製造のカルダン駆動車15編成)、1101形(1954年製造のカルダン駆動車5編成…1001形とはメーカー違いで車体細部に差異)、1201形(1962年製造のつりかけ駆動車9編成)、1301形(1964年製造のつりかけ駆動車6編成)に細分されます。福岡市内線縮小→全廃(1978年)によって筑豊電気鉄道広島電鉄及び熊本市交通局(熊本市電)に譲渡されることになります。、その中で、他の2社に譲渡されたのは比較的後期製造の車両が多く、熊本市電入りしたのは初期型とも言える1001形の4編成です。形式が5000型なのは昭和50年代の導入を意味していて、車号は西鉄マーク西鉄電車福岡市内線時代の千位を5に変えただけなので、トップナンバーが5010A・5010Bであり、他社に譲渡された1013Bと譲渡されなかった1013Aと1012A・1012B(いずれも西鉄電車福岡市内線の車号)を由来とすべき5012編成と5013編成は欠番となっています。

熊本市電では2車体による輸送力に着目して1976年と1978年に譲受し、入線後早くも1979年に全車冷房化されています。1999年以降、9700型0800型導入による代替で2009年までに3編成が廃車されている一方で、唯一残された5014の編成は2002年以降、西鉄マーク西鉄電車福岡市内線時代のカラーリングとなるのですが、2009年以降故障によって長らく休車となっていました。その後2016年に修理の上復活すると熊本市交通局から発表のされ、西鉄マーク西鉄電車筑紫工場内の西鉄テクニカルサービスの手によって今年3月に8年ぶりの復活が実現しました。復活にあたってはほぼ更新修繕同様の工事内容となりましたが、営業に関する部分と安全に関する部分以外は最新車両に合わせるのではなく、休車前の姿を維持する方向で改修されています。今年で経年60年となりますが、更新修理を担当した西鉄テクニカルサービスからは、60年の前の車両としては驚くほど状態がいいとのコメントもありました。

復活後は平日朝ラッシュ時のB系統1往復のみと、せっかく多額の費用をかけて復活させたのにもったいない使い方だと思っていましたが、5月以降は夕方も上熊本駅前電停~健軍町電停~A系統1往復~健軍町電停~上熊本駅前電停の運用が追加されています。貴重な電車なので今後も末永く運用されることを期待します。

 

画像の枚数が多いので、この後は次回以降の記事に続きます。