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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成11年改正前)による健康管理手当の支給認定を受けた被爆者が国外に居住地を移転した場合における同手当の支給義務者

 

最高裁判所第3小法廷/平成16年(行ヒ)第145号

平成18年6月13日

在外(韓)被爆者の健康管理手当支給停止処分取消請求上告事件

【判示事項】    原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成11年法律第87号による改正前のもの)による健康管理手当の支給認定を受けた被爆者が国外に居住地を移転した場合における同手当の支給義務者

【判決要旨】    原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成11年法律第87号による改正前のもの)による健康管理手当の支給認定を受けた被爆者が日本国外に居住地を移転した場合,当該被爆者に対する同手当の支給義務は,従前支給義務を負っていた最後の居住地の都道府県(最後の居住地が広島市又は長崎市の場合は各市)が負い,国はその義務を負わない。

【参照条文】    原子爆弾被爆者の医療等に関する法律2

          原子爆弾被爆者の医療等に関する法律3-1

          原子爆弾被爆者の医療等に関する法律3-2

          原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律5

          原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律10-1

          原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律10-2

          原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律15

          原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成11年法律第87号による改正前のもの)1

          原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成11年法律第87号による改正前のもの)2-1

          原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成11年法律第87号による改正前のもの)2-2

          原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成11年法律第87号による改正前のもの)27

          原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成11年法律第87号による改正前のもの)42

          原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成11年法律第87号による改正前のもの)43-1

          原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成11年法律第87号による改正前のもの)49

          地方自治法(平成11年法律第87号による改正前のもの)148-1

          地方自治法(平成11年法律第87号による改正前のもの)148-2

          地方自治法(平成11年法律第87号による改正前のもの)232

          地方自治法(平成11年法律第87号による改正前のもの)別表第3-1

          地方自治法(平成6年法律第117号による改正前のもの)別表第3-1

【掲載誌】     訟務月報53巻10号2780頁

 

原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律

(被爆者健康手帳)

第二条 被爆者健康手帳の交付を受けようとする者は、その居住地(居住地を有しないときは、その現在地とする。)の都道府県知事に申請しなければならない。

2 被爆者健康手帳の交付を受けようとする者であって、国内に居住地及び現在地を有しないものは、前項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、その者が前条各号に規定する事由のいずれかに該当したとする当時現に所在していた場所を管轄する都道府県知事に申請することができる。

3 都道府県知事は、前二項の規定による申請に基づいて審査し、申請者が前条各号のいずれかに該当すると認めるときは、その者に被爆者健康手帳を交付するものとする。

4 前三項に定めるもののほか、被爆者健康手帳に関し必要な事項は、政令で定める。

 

(健康管理手当の支給)

第二十七条 都道府県知事は、被爆者であって、造血機能障害、肝臓機能障害その他の厚生労働省令で定める障害を伴う疾病(原子爆弾の放射能の影響によるものでないことが明らかであるものを除く。)にかかっているものに対し、健康管理手当を支給する。ただし、その者が医療特別手当、特別手当又は原子爆弾小頭症手当の支給を受けている場合は、この限りでない。

2 前項に規定する者は、健康管理手当の支給を受けようとするときは、同項に規定する要件に該当することについて、都道府県知事の認定を受けなければならない。

3 都道府県知事は、前項の認定を行う場合には、併せて当該疾病が継続すると認められる期間を定めるものとする。この場合においては、その期間は、第一項に規定する疾病の種類ごとに厚生労働大臣が定める期間内において定めるものとする。

4 健康管理手当は、月を単位として支給するものとし、その額は、一月につき、三万三千三百円とする。

5 健康管理手当の支給は、第二項の認定を受けた者が同項の認定の申請をした日の属する月の翌月から始め、その日から起算してその者につき第三項の規定により定められた期間が満了する日(その期間が満了する日前に第一項に規定する要件に該当しなくなった場合にあっては、その該当しなくなった日)の属する月で終わる。

 

(都道府県の支弁)

第四十二条 次に掲げる費用は、都道府県の支弁とする。

一 医療特別手当、特別手当、原子爆弾小頭症手当、健康管理手当、保健手当、介護手当及び葬祭料の支給並びにこの法律又はこの法律に基づく命令の規定により都道府県知事が行う事務の処理に要する費用

二 第三十七条から第三十九条までの規定により都道府県が行う事業に要する費用

(国の負担等)

第四十三条 国は、政令で定めるところにより、前条の規定により都道府県が支弁する同条第一号に掲げる費用(介護手当に係るものを除く。)を当該都道府県に交付する。

2 国は、政令で定めるところにより、前条の規定により都道府県が支弁する同条第一号に掲げる費用のうち、介護手当の支給に要する費用についてはその十分の八を、介護手当に係る事務の処理に要する費用についてはその二分の一を負担する。

3 国は、予算の範囲内において、都道府県に対し、前条の規定により都道府県が支弁する同条第二号に掲げる費用の一部を補助することができる。

 

(広島市及び長崎市に関する特例)

第四十九条 この法律の規定(第六条、第五十一条及び第五十一条の二を除く。)中「都道府県知事」又は「都道府県」とあるのは、広島市又は長崎市については、「市長」又は「市」と読み替えるものとする。

 

地方自治法

第百四十八条 普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の事務を管理し及びこれを執行する。

 

(証紙による収入の方法等)

第二百三十一条の二 普通地方公共団体は、使用料又は手数料の徴収については、条例の定めるところにより、証紙による収入の方法によることができる。

2 証紙による収入の方法による場合においては、証紙の売りさばき代金をもつて歳入とする。

3 証紙による収入の方法によるものを除くほか、普通地方公共団体の歳入は、第二百三十五条の規定により金融機関が指定されている場合においては、政令の定めるところにより、口座振替の方法により、又は証券をもつて納付することができる。

4 前項の規定により納付された証券を支払の提示期間内又は有効期間内に提示し、支払の請求をした場合において、支払の拒絶があつたときは、当該歳入は、はじめから納付がなかつたものとみなす。この場合における当該証券の処分に関し必要な事項は、政令で定める。

5 証紙による収入の方法によるものを除くほか、普通地方公共団体の歳入については、第二百三十五条の規定により金融機関を指定していない市町村においては、政令の定めるところにより、納入義務者から証券の提供を受け、その証券の取立て及びその取り立てた金銭による納付の委託を受けることができる。

 

第2章 平成30年の改正概要

 

このような背景で制定された産業競争力強化法ですが、平成30年に改正が行われています。

 

平成30年は、日本国内において​情報通信技術(ICT)を活用し、新しい価値や仕組みを創造するX-Techが進展。フィンテック、リーガルテックなど様々な分野で新たなソリューションが登場していました。平成30年の情報通信白書によると、世界でもAI、IoT等の新たな情報技術の普及が進み、IoTデバイス数は2017年には約270億、2020年には約400億の予測されていました。

 

このような背景から、平成30年に生産性向上特別措置法を制定・産業競争力強化法等の一部改正が行われ、政府は事業再編の推進のための措置や、革新的な技術やビジネスモデルの実証を可能とするための措置(規制のサンドボックス制度)、中小企業の生産性向上のための先端設備等の設備投資の促進を支援する措置等を講じました。

 

出典:生産性向上特別措置法【生産性革命法】及び産業競争力強化法等の一部を改正する法律の概要

区分所有者の有するマンション駐車場の一部の専用使用権を消滅させる集会決議が無効とされた事例

 

 

              管理費等請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/平成8年(オ)第1362号

【判決日付】      平成10年11月20日

【判示事項】      一 区分所有者の有するマンション駐車場の一部の専用使用権を消滅させる集会決議が無効とされた事例

             二 区分所有者の有するマンション駐車場等の専用使用権を有償化する集会決議を無効とした原審の判断に違法があるとされた事例

【判決要旨】      一 区分所有者の有するマンション駐車場の一部の専用使用権を消滅させるとの集会決議が右区分所有者の承諾のないままされた場合において、右区分所有者が、分譲当初からマンションの1階店舗部分においてサウナ、理髪店等を営業しており、来客用及び自家用のために駐車場の専用使用権を取得したものであって、残った駐車場だけではその営業活動を継続するのに支障を生ずる可能性がないではなく、他の区分所有者は、同人らのための駐車場及び自転車置場がないことを前提としてマンションを購入したものであるなど判示の事実関係の下においては、右集会決議は、建物の区分所有等に関する法律31条1項後段の規定の類推適用により、効力を有しない。

             二 区分所有者の有するマンション駐車場等の専用使用権を有償化するとの集会決議が右区分所有者の承諾のないままされた場合において、右区分所有者が管理費等をもって相応の経済的な負担をしてきた権利を更に有償化して使用料を徴収することは右区分所有者に不利益を与えるということのみから、集会決議により設定された使用料の額が社会通念上相当なものか否か等について検討することなく、右集会決議を無効であるとした原審の判断には、建物の区分所有等に関する法律31条1項後段にいう「特別の影響」の有無について、法令の解釈適用の誤り、審理不尽の違法がある。

【参照条文】      建物の区分所有等に関する法律1

             建物の区分所有等に関する法律18

             建物の区分所有等に関する法律21

             建物の区分所有等に関する法律31-1

             建物の区分所有等に関する法律第1章第2節 共用部分等

【掲載誌】        最高裁判所裁判集民事190号291頁

             裁判所時報1232号288頁

             判例タイムズ991号121頁

             判例時報1663号102頁

             金融法務事情1541号65頁

建物の区分所有等に関する法律

(共用部分の変更)

第十七条 共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。

2 前項の場合において、共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分の所有者の承諾を得なければならない。

(共用部分の管理)

第十八条 共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。

2 前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。

3 前条第二項の規定は、第一項本文の場合に準用する。

4 共用部分につき損害保険契約をすることは、共用部分の管理に関する事項とみなす。

 

(共用部分に関する規定の準用)

第二十一条 建物の敷地又は共用部分以外の附属施設(これらに関する権利を含む。)が区分所有者の共有に属する場合には、第十七条から第十九条までの規定は、その敷地又は附属施設に準用する。

 

(規約の設定、変更及び廃止)

第三十一条 規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。

2 前条第二項に規定する事項についての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の四分の一を超える者又はその議決権の四分の一を超える議決権を有する者が反対したときは、することができない。

 

本件は,原告が,商標登録(「FLAVAN」の欧文字と「フラバン」の片仮名文字とを二段に横書してなる商標)の出願をしたところ,商標法3条1項3号及び4条1項16号に該当するとして拒絶査定を受けたので,これを不服として審判請求をしたが,拒絶審決がされたため,同審決の取消しを求めた事案

 

 

行政訴訟事件

【事件番号】      知的財産高等裁判所/平成17年(行ケ)第10342号

【判決日付】      平成17年6月9日

【判示事項】      本件は,原告が,商標登録(「FLAVAN」の欧文字と「フラバン」の片仮名文字とを二段に横書してなる商標)の出願をしたところ,商標法3条1項3号及び4条1項16号に該当するとして拒絶査定を受けたので,これを不服として審判請求をしたが,拒絶審決がされたため,同審決の取消しを求めた事案について,本願商標は商標法4条1項16号の「商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがある商標」に該当し,商標登録を受けられないとした本件審決の判断に誤りはないとした事例

【掲載誌】        LLI/DB 判例秘書登載

【評釈論文】      別冊ジュリスト188号12頁

 

商標法

(商標登録の要件)

第三条 自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標については、次に掲げる商標を除き、商標登録を受けることができる。

一 その商品又は役務の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標

二 その商品又は役務について慣用されている商標

三 その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。第二十六条第一項第二号及び第三号において同じ。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格又はその役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標

四 ありふれた氏又は名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標

五 極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標

六 前各号に掲げるもののほか、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標

2 前項第三号から第五号までに該当する商標であつても、使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものについては、同項の規定にかかわらず、商標登録を受けることができる。

(商標登録を受けることができない商標)

第四条 次に掲げる商標については、前条の規定にかかわらず、商標登録を受けることができない。

一 国旗、菊花紋章、勲章、褒章又は外国の国旗と同一又は類似の商標

二 パリ条約(千九百年十二月十四日にブラッセルで、千九百十一年六月二日にワシントンで、千九百二十五年十一月六日にヘーグで、千九百三十四年六月二日にロンドンで、千九百五十八年十月三十一日にリスボンで及び千九百六十七年七月十四日にストックホルムで改正された工業所有権の保護に関する千八百八十三年三月二十日のパリ条約をいう。以下同じ。)の同盟国、世界貿易機関の加盟国又は商標法条約の締約国の国の紋章その他の記章(パリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国又は商標法条約の締約国の国旗を除く。)であつて、経済産業大臣が指定するものと同一又は類似の商標

三 国際連合その他の国際機関(ロにおいて「国際機関」という。)を表示する標章であつて経済産業大臣が指定するものと同一又は類似の商標(次に掲げるものを除く。)

イ 自己の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似するものであつて、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの

ロ 国際機関の略称を表示する標章と同一又は類似の標章からなる商標であつて、その国際機関と関係があるとの誤認を生ずるおそれがない商品又は役務について使用をするもの

四 赤十字の標章及び名称等の使用の制限に関する法律(昭和二十二年法律第百五十九号)第一条の標章若しくは名称又は武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(平成十六年法律第百十二号)第百五十八条第一項の特殊標章と同一又は類似の商標

五 日本国又はパリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国若しくは商標法条約の締約国の政府又は地方公共団体の監督用又は証明用の印章又は記号のうち経済産業大臣が指定するものと同一又は類似の標章を有する商標であつて、その印章又は記号が用いられている商品又は役務と同一又は類似の商品又は役務について使用をするもの

六 国若しくは地方公共団体若しくはこれらの機関、公益に関する団体であつて営利を目的としないもの又は公益に関する事業であつて営利を目的としないものを表示する標章であつて著名なものと同一又は類似の商標

七 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標

八 他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を含む商標(その他人の承諾を得ているものを除く。)

九 政府若しくは地方公共団体(以下「政府等」という。)が開設する博覧会若しくは政府等以外の者が開設する博覧会であつて特許庁長官の定める基準に適合するもの又は外国でその政府等若しくはその許可を受けた者が開設する国際的な博覧会の賞と同一又は類似の標章を有する商標(その賞を受けた者が商標の一部としてその標章の使用をするものを除く。)

十 他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であつて、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの

十一 当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標又はこれに類似する商標であつて、その商標登録に係る指定商品若しくは指定役務(第六条第一項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定により指定した商品又は役務をいう。以下同じ。)又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの

十二 他人の登録防護標章(防護標章登録を受けている標章をいう。以下同じ。)と同一の商標であつて、その防護標章登録に係る指定商品又は指定役務について使用をするもの

十三 削除

十四 種苗法(平成十年法律第八十三号)第十八条第一項の規定による品種登録を受けた品種の名称と同一又は類似の商標であつて、その品種の種苗又はこれに類似する商品若しくは役務について使用をするもの

十五 他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標(第十号から前号までに掲げるものを除く。)

十六 商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがある商標

十七 日本国のぶどう酒若しくは蒸留酒の産地のうち特許庁長官が指定するものを表示する標章又は世界貿易機関の加盟国のぶどう酒若しくは蒸留酒の産地を表示する標章のうち当該加盟国において当該産地以外の地域を産地とするぶどう酒若しくは蒸留酒について使用をすることが禁止されているものを有する商標であつて、当該産地以外の地域を産地とするぶどう酒又は蒸留酒について使用をするもの

十八 商品等(商品若しくは商品の包装又は役務をいう。第二十六条第一項第五号において同じ。)が当然に備える特徴のうち政令で定めるもののみからなる商標

十九 他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であつて、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。以下同じ。)をもつて使用をするもの(前各号に掲げるものを除く。)

2 国若しくは地方公共団体若しくはこれらの機関、公益に関する団体であつて営利を目的としないもの又は公益に関する事業であつて営利を目的としないものを行つている者が前項第六号の商標について商標登録出願をするときは、同号の規定は、適用しない。

3 第一項第八号、第十号、第十五号、第十七号又は第十九号に該当する商標であつても、商標登録出願の時に当該各号に該当しないものについては、これらの規定は、適用しない。

 

メーデー皇居外苑使用不許可事件

 

 最高裁判所大法廷判決/昭和27年(オ)第1150号

昭和28年12月23日

皇居外苑使用不許可処分取消請求事件

【判示事項】    メーデーのための皇居外苑使用不許可処分の取消を求める訴の、5月1日後の法律上の利益

【判決要旨】    メーデーのたの皇居外苑使用不許可処分の取消を求める訴は、5月1日の経過により、判決を求める法律上の地益を喪失したものといわなければならない。

【掲載誌】     最高裁判所民事判例集7巻13号1561頁

          行政事件裁判例集4巻12号3288頁

          裁判所時報149号3頁

          判例タイムズ37号43頁

          判例時報17号19頁

第1章 産業競争力強化法とは

1.産業競争力強化法制定の背景

かつては国内総生産第2位の地位を築いていた日本。平成22年に中国にその座を明け渡して以降、第3位の地位となっています。

産業競争力強化法が制定された背景には、1991年のバブル崩壊以降の長期的な経済停滞がありました。バブル時代の過剰な投資に対する反省から産業界は投資に消極的になり、それが「失われた20年」と呼ばれる低成長時代をもたらす原因となりました。

そこで、産業を活性化させるために構想されたのが、第二次安倍内閣(2012~2014年)におけるアベノミクスです。

アベノミクスとは、「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「投資を喚起する成長戦略」という「三本の矢」で日本経済の再興を図ろうという経済政策です。その中の第三の矢にあたる「投資を喚起する成長戦略」を実行するために策定されたのが産業競争力強化法です。

 

政府は日本の産業競争力を高めるため平成25年に産業競争力強化法を制定し、以降この法律は2度の改正を行っています。

 

 

アベノミクスの一環として2013年(平成25年)に制定された産業競争力強化法は2018年(平成30年)の改正を経て、2021年(令和3年)に「産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律」(令和3年6月16日法律第70号)によって再び改正され、2021年6月、8月に改正法が施行されました。

 

産業競争力強化法は、安倍総理の政策である「成長戦略」の推進をするために2013年(平成25年)に成立、2014年(平成26年)に施行された法律で、企業の創業期から成長期、成熟期、そして停滞期まで、あらゆる事業の発展段階に合わせた支援策が用意されています。

 

産業競争力強化法が制定された平成25年(2013年)は国内総生産(GDP)において、世界第2位の座を中国に奪われるなど、世界経済における日本のプレゼンスが低下していることが問題となっており、要因は「過小投資」、「過剰規制」、「過当競争」の3つの「過」にあるとされていました。

 

この問題を解決し、日本の経済成長を回復する目的で産業競争力強化法が制定されました。

 

2 産業競争力強化法で解決を目指す日本経済の3つの「過」の問題

日本経済発展を阻害する3つの「過」の当時の状況と、その課題を解決すべく制定された産業競争力強化法の解決策について、以下に詳しく解説します。

 

①過少投資

1990年代後半以降のバブル崩壊以降デフレが深刻化し、期待成長率が伸びなくなったため企業は設備投資を控えざるを得ない状況になりました。加えて2008年9月のリーマンショックによる世界的な金融危機、2011年3月に発生した東日本大震災及び福島第一原子力発電所の事故等の影響を受けて民間設備投資の水準は大幅に落ち込みました。

一方で、多額の内部留保を蓄積している企業が多いことから産業競争力が強化されて設備投資が活発になれば日本経済の再興が期待できるといえます。

これを受け、産業競争力強化法で「ベンチャー企業の成長支援」「先端設備投資の促進 」などを制定、税制措置を講じ、民間に留まる資金(巨額の内部留保)を動かすことによる投資の活性化を目指しました。

 

②過剰規制

戦後の日本が築き上げた規制依存型経済システムは高度成長期には機能していました。しかし、生産規制、販売規制、環境規制、免許制、参入規制等の過剰規制は、東西冷戦構造の崩壊を契機とした90年代以降の世界市場の構造変化への対応力を極度に低下させました。

 

安倍総理は過剰な規制こそ、日本の成長を疎外している要因であるとし、「規制改革実施計画」を立てて、様々な分野での規制撤廃に尽力しました。

 

産業競争力強化法においても、企業実証特例制度(新規事業チャレンジする事業者に対して、規制の特例措置を事業者単位で認める制度)やグレーゾーン解消制度(現行の規制の適用範囲が不明確な分野において、 具体的な事業計画に即して、あらかじめ規制の適用の有無を確認することができる制度)を制定し、積極的な規制改革の推進を可能にする環境を整備しました。

 

③過当競争

グローバル競争が激しくなる中、欧米やアジア諸国ではM&A等の事業再編が活発化しているため、寡占化と企業規模の巨大化が進んでいます。

これに対して日本では、国内企業同士での過当競争が続き、日本企業の収益性を低下させる原因となっています。

 

平成25年に閣議決定された「日本再興戦略」でも、「国内の過当競争を解消し、思い切った投資によりイノベー ションを起こし、収益力を飛躍的に高めることなどを通じて、例えば技術でもビジネスでも世界で勝ち抜く製造業の復活を目指す。このため、事業再編や事業組替を促進し、経営資源や労働移動の円滑化を支援する。」と明記されています。

 

産業競争力強化法においては、事業再編等に取り組む事業者に対し、税制優遇措置や会社法の特例措置等が講じられました。

 

 

出典:産業競争力強化法の概要と国会論議の整理 ~期待される産業競争力強化法の効果的な運用~

 

 

地震の被災会社が企業再建を理由としてした整理解雇につき、その対象者選定が著しく客観性を欠くとして無効とした事例

 

新潟地方裁判所判決/昭和40年(ワ)第153号

昭和44年10月7日

解雇無効確認等請求事件

【判示事項】    1、企業の整備、再建計画に基づく整理解雇が無効とされる場合

2、地震の被災会社が企業再建を理由としてした整理解雇につき、その対象者選定が著しく客観性を欠くとして無効とした事例

3、被解雇者の他で得た収入が民法第536条第2項ただし書に該当しないとされた事例

【判決要旨】    1、企業の整備、再建計画の樹立およびその内容決定等は元来経営者の専権に属するものというべきであるから、一般に会社の経営が困難に陥ったときに企業の整備、再建計画に基づいて余剰とされた人員を解雇することは、それがたとえ従業員の責めに帰すべからざる事由による場合であっても原則として許容されるところであり、ただ、その解雇手続が労働協約に違反する場合、解雇が不当労働行為となる場合、あるいは解雇権の行使が権利濫用に当たる場合に限って解雇が無効となるにすぎない。

2、地震の被災による損失を原因とし、会社再建をその理由としてした整理解雇につき、企業の存立維持のためにはやむをえなかったものと認められるが、整理の1環として希望退職を募ってこれを円滑に遂行することもなく、また解雇基準が合理性を欠く等その対象者の選定に著しく客観性を欠くもので権利の濫用として無効であるとした事例

3、省略

【掲載誌】     労働関係民事裁判例集20巻5号1257頁

日本法人がドイツに居住する日本人に対して契約上の金銭債務の履行を求める訴訟につき日本の国際裁判管轄が否定された事例

 

 

預託金請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/平成5年(オ)第1660号

【判決日付】      平成9年11月11日

【判示事項】      日本法人がドイツに居住する日本人に対して契約上の金銭債務の履行を求める訴訟につき日本の国際裁判管轄が否定された事例

【判決要旨】      ドイツから自動車等を輸入している日本法人甲がドイツに居住する日本人乙に対して契約上の金銭債務の履行を求める訴訟について、右契約が、ドイツ国内で締結され、甲が乙に同国内における種々の業務を委託することを目的とするものであり、右契約において日本国内の地を債務の履行場所とすること又は準拠法を日本法とすることが明示的に合意されていたわけではなく、乙が二〇年以上にわたりドイツ国内に生活上及び営業上の本拠を置いており、乙の防御のための証拠方法も同国内に集中しているなど判示の事実関係の下においては、日本の国際裁判管轄を否定すべきである。

【参照条文】      民事訴訟法1編1章

             民事訴訟法

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集51巻10号4055頁

 

民事訴訟法

(財産権上の訴え等についての管轄)

第五条 次の各号に掲げる訴えは、それぞれ当該各号に定める地を管轄する裁判所に提起することができる。

一 財産権上の訴え

 

義務履行地

二 手形又は小切手による金銭の支払の請求を目的とする訴え

 

手形又は小切手の支払地

三 船員に対する財産権上の訴え

 

船舶の船籍の所在地

四 日本国内に住所(法人にあっては、事務所又は営業所。以下この号において同じ。)がない者又は住所が知れない者に対する財産権上の訴え

 

請求若しくはその担保の目的又は差し押さえることができる被告の財産の所在地

五 事務所又は営業所を有する者に対する訴えでその事務所又は営業所における業務に関するもの

 

当該事務所又は営業所の所在地

六 船舶所有者その他船舶を利用する者に対する船舶又は航海に関する訴え

 

船舶の船籍の所在地

七 船舶債権その他船舶を担保とする債権に基づく訴え

 

船舶の所在地

八 会社その他の社団又は財団に関する訴えで次に掲げるもの
イ 会社その他の社団からの社員若しくは社員であった者に対する訴え、社員からの社員若しくは社員であった者に対する訴え又は社員であった者からの社員に対する訴えで、社員としての資格に基づくもの
ロ 社団又は財団からの役員又は役員であった者に対する訴えで役員としての資格に基づくもの
ハ 会社からの発起人若しくは発起人であった者又は検査役若しくは検査役であった者に対する訴えで発起人又は検査役としての資格に基づくもの
ニ 会社その他の社団の債権者からの社員又は社員であった者に対する訴えで社員としての資格に基づくもの

 

社団又は財団の普通裁判籍の所在地

九 不法行為に関する訴え

 

不法行為があった地

十 船舶の衝突その他海上の事故に基づく損害賠償の訴え

 

損害を受けた船舶が最初に到達した地

十一 海難救助に関する訴え

 

海難救助があった地又は救助された船舶が最初に到達した地

十二 不動産に関する訴え

 

不動産の所在地

十三 登記又は登録に関する訴え

 

登記又は登録をすべき地

十四 相続権若しくは遺留分に関する訴え又は遺贈その他死亡によって効力を生ずべき行為に関する訴え

 

相続開始の時における被相続人の普通裁判籍の所在地

十五 相続債権その他相続財産の負担に関する訴えで前号に掲げる訴えに該当しないもの

 

同号に定める地

 

 

七生養護学校事件・1審原告らは,養護学校の教員又は生徒の保護者等であり,1審被告都議らが都議会の質問で,養護学校の性教育が不適切であると判断し,保健室に保管されていた性教育教材を視察し,教員らを批判し,1審被告都教委が都議らの質問に対し,性教育が不適切である答弁をし,教員らを厳重注意し配置換え等をした行為及び被告新聞社が同学校の性教育を「過激な性教育」とする記事を掲載したこと等につき,損害賠償及び謝罪広告掲載等を,1審被告らに求めた事案である。

 

 

              各損害賠償等請求控訴事件

【事件番号】      東京高等裁判所判決/平成21年(ネ)第2622号

【判決日付】      平成23年9月16日

【判示事項】      1審原告らは,養護学校の教員又は生徒の保護者等であり,1審被告東京都議会議員らが東京都議会の質問で,養護学校の性教育が不適切であると判断し,保健室に保管されていた性教育教材を視察し,教員らを批判し,1審被告都教委が都議らの質問に対し,性教育が不適切である答弁をし,教員らを厳重注意し配置換え等をした行為及び被告新聞社が同学校の性教育を「過激な性教育」とする記事を掲載したこと等につき,損害賠償及び謝罪広告掲載等を,1審被告らに求めた事案である。

原審は,1審原告らの請求を一部認容したため,1審被告ら(都教委を除く)及び1審原告らが控訴した。

控訴裁判所は,原判決は相当であるとして,各控訴をいずれも棄却した事例

【掲載誌】        LLI/DB 判例秘書登載

第8章 特許料等の料金体系見直し(引き上げ)

 

特許料等の料金体系見直しは、特許特別会計の収支悪化への対応と考えられます。審査負担の増大や手続きのデジタル化等による利用者の利便性向上のために、料金体系の見直しがされました。

 

 

本改正の影響を受ける企業

それでは、今回の改正の影響を受けるのはどのような企業でしょうか。次項で見ていきましょう。

 

知的財産権関連の出願を行う全企業

新型コロナウイルスの対応策については、知的財産権関連の出願を行う多くの企業が影響を受け得ることになります。審判手続きのオンライン化は、審判に関わる多くの企業に影響を及ぼします。

 

特許料納付期間経過後の割増特許料免除規定も、多くの出願企業に影響します。もちろん、パンデミックによって全ての企業が所定期間内に特許料を納付できなくなったわけではありませんが、企業活動の制約や緊急事態宣言、まん延防止等重点措置などによって納付作業が遅延する可能性はどの企業にもあります。特許料等の金額見直しもまた、多くの企業に影響します。以下の表のとおり、全体的に値上げとなる予定です。

 

改定前   改定後

第1年から第3年             毎年2,100円+請求項の数×200円 毎年4,300円+請求項の数×300円

第4年から第6年             毎年6,400円+請求項の数×500円 毎年1万300円+請求項の数×800円

第7年から第9年             毎年1万9,300円+請求項の数×1,500円    毎年2万4,800円+請求項の数×1,900円

第10年から第25年         毎年5万5,400円+請求項の数×4,300円    毎年5万9,400円+請求項の数×4,600円

スクロールできます

参考:令和3年特許法等改正に伴う料金改定のお知らせ | 特許庁

 

海外からの模倣品被害を受ける企業

厳密には特許法ではありませんが、意匠法・商標法の改正によって海外からの模倣品持ち込みが権利の侵害として位置づけられたことにより、海外からの模倣品被害に苦しむ企業が差止めや損害賠償請求などの対策がとりやすくなります。また、税関における水際差止めが増えることも予想されます。

 

もともと事業者による輸入は違法でしたが、これを「個人の私的利用のために持ち込んだ」と見せかけることによる事実上の模倣品輸入が絶えませんでした。ECサイト経由の個人輸入が増加していることを踏まえると、現行法では権利保護に大きな課題があったのです。しかし、今回の法改正によって、このような模倣品被害を解決することが期待されます。

 

特許ライセンス契約に関わる企業

訂正手続きにおける通常実施権者の承諾要件撤廃は、特許ライセンス契約を締結する企業、特に特許権を有する企業に大きな影響を及ぼします。

 

特許権を取得した後も、競合企業や取引先企業などから「無効である」との主張を受け、対応を迫られることがあります。特許権の範囲を変更して対応するとしても、従来はそのライセンス契約を締結する相手方に訂正の承諾を得る必要がありましたが、承諾撤廃という形で訂正手続きが簡素化されたことで、特許権の範囲縮小などの対応が行いやすくなりました。

 

 

改正による業務への影響は?

特許法の改正により、知的財産権関連の審判手続きがオンライン化されます。出願の手間・時間が軽減されるため、ほかの業務に時間を充てられるようになるでしょう。

 

また、模倣品の販売や輸入がより厳しく規制されることで、正規品に対するニーズが増え、販売数が増加することも期待できます。店舗やスタッフの増加が必要になるかもしれません。

 

しかし、その一方で、特許権を有する商品・サービスの優位性が減る可能性があります。特許権を取得してPRするだけでは継続する競争力を獲得できなくなり、新しい商品・サービスの開発サイクルを早める必要性が生じるかもしれません。