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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

第5章 成年被後見人等の取締役等の欠格事由からの削除等

旧法では、成年被後見人及び被保佐人(以下「成年被後見人等」)であることは、株式会社の取締役、監査役等の欠格事由とされていますが、成年後見制度の利用の促進に関する法律に基づく制度利用促進の政策の一環として、今回の改正で上記を欠格事由とすることをやめ、これに代わる規律をおくこととされました。

 

①成年被後見人等も取締役等に就任し得ることを前提に、以下の就任要件を規定(改正法第331条の2第1項、第2項)

成年被後見人が取締役等の就任するためには、成年後見人が法定代理人として就任の承諾をしなければならず、かつその承諾をなすことについて成年被後見人の同意(後見監督人がある場合はその同意も)を得なければならない。

被保佐人が取締役等に就任するには、保佐人の同意を得なければならい。

②成年被後見人又は被保佐人がした取締役等の資格に基づく行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない(同条第4項)

新設された規定自体はシンプルですが、行為能力に関する民法の規律との関係で、以下のような意味合いを含んでいます。

 

1)後見人は、被後見人の財産に関する法律行為について代理権を有するが(民法第859条第1項)、かかる代理によらず成年被後見人自身が法律行為をなすことは可能であり、その法律行為は取り消すことができる(民法第9条)。この民法の規律を取締役等の就任行為に持ち込むと、成年被後見人自身によって(成年後見人の代理によらず)なされた就任承諾は一旦有効でありながら後日取り消し得ることとなり、取り消されてしまうと、同人が代表取締役として行った第三者との取引行為や、同人が参加した取締役会決議の効力が覆されてしまうおそれがある。このような懸念を排除するため、取締役等の就任は成年後見人が代理して承諾しなければならないものとした(本人自身による就任承諾は無効である解釈を前提とする。)。

 

2)被保佐人の取締役等就任も、被保佐人の同意を要する行為と解され(民法第13条第1項第3号)、かかる同意を得ずになされた就任承諾は取り消し可能と解される(同第4項)。このため、取締役等の就任承諾に保佐人の同意を要するものとした(条文上明記されていないが、かかる同意がない就任承諾は無効であり、有効であるが後から取り消せるという規律を適用しないことを前提とする。)。

 

3)取締役等の就任行為は、民法上、成年被後見人の「行為を目的とする債務を生ずべき場合」(民法第859条第2項、第824条)に該当し、成年後見人が代理権を行使するに際して本人の同意を要する行為と解されるため、かかる同意の必要性を会社法上も明記した

 

4)上記の規律に従って就任した成年被後見人等による、取締役等としての職務執行行為が、民法の規律によって取り消し得ることとなると、法的安定性を害する。また、取締役等の職務執行の効果は株式会社に帰属するものであり、取り消しにより成年被後見人等の保護を図る必要性も低い。そのため、成年被後見人等の取締役等の資格に基づく行為を行為能力の制限によって取り消すことはできないものとした。

 

なお、職務執行における後見人等の関与の可否、取締役等としての責任についての考え方、取締役等を辞任する場合の規律などの論点がありますが、本稿では割愛します。

 

民事執行法上の競売手続により宅地または建物を買い受ける行為と宅地建物取引業法2条2号にいう宅地または建物の「売買」

 

最2小決平成16年12月10日刑集58巻9号1061頁 判タ1170号173頁 判時1881号138頁 

【判決要旨】 民事執行法上の競売手続により宅地または建物を買い受ける行為は、宅地建物取引業法2条2号にいう宅地または建物の「売買」に当たる。

【参照条文】 宅地建物取引業法2(用語の定義) 、12-1(無免許事業等の禁止)、79 (罰則)

       民事執行法第2章第2節第1款第2目(強制競売)

       民事執行法188

 

宅地建物取引業法

(用語の定義)

第二条 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号の定めるところによる。

一 宅地 建物の敷地に供せられる土地をいい、都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第八条第一項第一号の用途地域内のその他の土地で、道路、公園、河川その他政令で定める公共の用に供する施設の用に供せられているもの以外のものを含むものとする。

二 宅地建物取引業 宅地若しくは建物(建物の一部を含む。以下同じ。)の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行うものをいう。

三 宅地建物取引業者 第三条第一項の免許を受けて宅地建物取引業を営む者をいう。

四 宅地建物取引士 第二十二条の二第一項の宅地建物取引士証の交付を受けた者をいう。

 

民事執行法

(不動産執行の規定の準用)

第百八十八条 第四十四条の規定は不動産担保権の実行について、前章第二節第一款第二目(第八十一条を除く。)の規定は担保不動産競売について、同款第三目の規定は担保不動産収益執行について準用する。

 

航空機強取処罰法1条1項の罪に関する違憲(憲法37条2項、14条)の主張が実質法令違反の主張とされた事例

 

最高裁判所第3小法廷決定/昭和50年(あ)第977号

昭和50年12月5日

航空機の強取等の処罰に関する法律違反、強盗未遂等

【判示事項】  航空機強取処罰法1条1項の罪に関する違憲(憲法37条2項、14条)の主張が実質法令違反の主張とされた事例

【参照条文】    憲法37-2

          憲法37-14

【掲載誌】     最高裁判所裁判集刑事198号817頁

 

憲法

第三十七条 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。

② 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。

③ 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。

 

       主   文

 本件上告を棄却する。

 当審における未決勾留日数中120日を本刑に算入する。

 当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

 

借地上の建物の賃借人と地代の弁済についての利害関係の有無

 

 

              執行文付与に対する異議事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/昭和62年(オ)第1577号

【判決日付】      昭和63年7月1日

【判示事項】      借地上の建物の賃借人と地代の弁済についての利害関係の有無

【判決要旨】      借地上の建物の賃借人は、地代の弁済について法律上の利害関係を有する。

【参照条文】      民法474-2

【掲載誌】        最高裁判所裁判集民事154号245頁

             判例タイムズ680号118頁

             金融・商事判例804号3頁

             判例時報1287号63頁

             金融法務事情1204号32頁

 

民法

(第三者の弁済)

第四百七十四条 債務の弁済は、第三者もすることができる。

2 弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができない。ただし、債務者の意思に反することを債権者が知らなかったときは、この限りでない。

3 前項に規定する第三者は、債権者の意思に反して弁済をすることができない。ただし、その第三者が債務者の委託を受けて弁済をする場合において、そのことを債権者が知っていたときは、この限りでない。

4 前三項の規定は、その債務の性質が第三者の弁済を許さないとき、又は当事者が第三者の弁済を禁止し、若しくは制限する旨の意思表示をしたときは、適用しない。

 

法人税法37条6項が適用されるためには、譲渡資産の対価が時価に比して低いことを譲渡者が認識している必要はないとした事例

 

 

              法人税更正処分取消請求控訴事件

【事件番号】      大阪高等裁判所判決/昭和54年(行コ)第46号

【判決日付】      昭和56年2月5日

【判示事項】      法人税法37条6項が適用されるためには、譲渡資産の対価が時価に比して低いことを譲渡者が認識している必要はないとした事例

【判決要旨】      (1) 本来、資産の譲渡価額をいくらと定めるかは、取引当事者の自由であり、低額で譲渡することも、私的自治の範囲に属する。そして、税法上の所得金額は、現実の譲渡価額によって計算するのが原則である。

              それにもかかわらず、法人税法三七条六項(他に、類似の規定として所得税法五九条一項、相続税法七条)の規定がおかれたのは、低額譲渡は、時価との差額を贈与するのと実質的に同じであることから、低額譲渡の形式で相続回避を企図する弊害を防ぎ、公平な課税を期するにある。

             (2) 法人税法三七条六項によれば、低額譲渡の場合であっても時価との差額が当然に同条五項の寄付金の額に含まれるものとされるのではなく、時価との差額のうち「実質的に贈与したと認められる金額」が同条五項の寄付金の額に含まれるものとされるのであるが、「実質的に贈与したと認められる」ためには、当該取引に伴う経済的な効果が贈与と同視しうるものであれば足りるのであって、かならずしも譲渡者が贈与の意思を有していたことを必要とせず、したがって、時価との差額を認識していたことも必要としないと解するのが相当である。

              もとより、譲渡者が商取引に拙劣なため時価を下廻る価額でしか確認できず、そのため通常得べかりし利益を得ることができなかったときのように首肯できる理由がある場合は、実質的に贈与したとは認められず、譲渡者が時価を認識しながら差額を贈与する意思でことさらに低額で譲渡した場合は、その差額を実質的に贈与したものと認めるべきは当然である。株式会社が時価の二分の一以下で所有資産を譲渡したような場合は、その差額を認識しこれを贈与する意思を伴うことが必要であると思われるが、仮に右認識、意思を伴わなかったとしても、それだけの理由で法人税法三七条六項の規定の適用が排除されるものではない。

             (3)~(6) 省略

【参照条文】      法人税法37-6

【掲載誌】        行政事件裁判例集32巻2号194頁

             訟務月報27巻6号1156頁

             判例タイムズ459号110頁

             税務訴訟資料116号248頁

【評釈論文】      税経通信38巻15号224頁

 

法人税法

(寄附金の損金不算入)

第三十七条 内国法人が各事業年度において支出した寄附金の額(次項の規定の適用を受ける寄附金の額を除く。)の合計額のうち、その内国法人の当該事業年度終了の時の資本金の額及び資本準備金の額の合計額若しくは出資金の額又は当該事業年度の所得の金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額を超える部分の金額は、当該内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。

2 内国法人が各事業年度において当該内国法人との間に完全支配関係(法人による完全支配関係に限る。)がある他の内国法人に対して支出した寄附金の額(第二十五条の二(受贈益)の規定の適用がないものとした場合に当該他の内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入される同条第二項に規定する受贈益の額に対応するものに限る。)は、当該内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。

3 第一項の場合において、同項に規定する寄附金の額のうちに次の各号に掲げる寄附金の額があるときは、当該各号に掲げる寄附金の額の合計額は、同項に規定する寄附金の額の合計額に算入しない。

一 国又は地方公共団体(港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)の規定による港務局を含む。)に対する寄附金(その寄附をした者がその寄附によつて設けられた設備を専属的に利用することその他特別の利益がその寄附をした者に及ぶと認められるものを除く。)の額

二 公益社団法人、公益財団法人その他公益を目的とする事業を行う法人又は団体に対する寄附金(当該法人の設立のためにされる寄附金その他の当該法人の設立前においてされる寄附金で政令で定めるものを含む。)のうち、次に掲げる要件を満たすと認められるものとして政令で定めるところにより財務大臣が指定したものの額

イ 広く一般に募集されること。

ロ 教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に寄与するための支出で緊急を要するものに充てられることが確実であること。

4 第一項の場合において、同項に規定する寄附金の額のうちに、公共法人、公益法人等(別表第二に掲げる一般社団法人、一般財団法人及び労働者協同組合を除く。以下この項及び次項において同じ。)その他特別の法律により設立された法人のうち、教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するものとして政令で定めるものに対する当該法人の主たる目的である業務に関連する寄附金(出資に関する業務に充てられることが明らかなもの及び前項各号に規定する寄附金に該当するものを除く。)の額があるときは、当該寄附金の額の合計額(当該合計額が当該事業年度終了の時の資本金の額及び資本準備金の額の合計額若しくは出資金の額又は当該事業年度の所得の金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額を超える場合には、当該計算した金額に相当する金額)は、第一項に規定する寄附金の額の合計額に算入しない。ただし、公益法人等が支出した寄附金の額については、この限りでない。

5 公益法人等がその収益事業に属する資産のうちからその収益事業以外の事業のために支出した金額(公益社団法人又は公益財団法人にあつては、その収益事業に属する資産のうちからその収益事業以外の事業で公益に関する事業として政令で定める事業に該当するもののために支出した金額)は、その収益事業に係る寄附金の額とみなして、第一項の規定を適用する。ただし、事実を隠蔽し、又は仮装して経理をすることにより支出した金額については、この限りでない。

6 内国法人が特定公益信託(公益信託ニ関スル法律(大正十一年法律第六十二号)第一条(公益信託)に規定する公益信託で信託の終了の時における信託財産がその信託財産に係る信託の委託者に帰属しないこと及びその信託事務の実施につき政令で定める要件を満たすものであることについて政令で定めるところにより証明がされたものをいう。)の信託財産とするために支出した金銭の額は、寄附金の額とみなして第一項、第四項、第九項及び第十項の規定を適用する。この場合において、第四項中「)の額」とあるのは、「)の額(第六項に規定する特定公益信託のうち、その目的が教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するものとして政令で定めるものの信託財産とするために支出した金銭の額を含む。)」とするほか、この項の規定の適用を受けるための手続に関し必要な事項は、政令で定める。

7 前各項に規定する寄附金の額は、寄附金、拠出金、見舞金その他いずれの名義をもつてするかを問わず、内国法人が金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与(広告宣伝及び見本品の費用その他これらに類する費用並びに交際費、接待費及び福利厚生費とされるべきものを除く。次項において同じ。)をした場合における当該金銭の額若しくは金銭以外の資産のその贈与の時における価額又は当該経済的な利益のその供与の時における価額によるものとする。

8 内国法人が資産の譲渡又は経済的な利益の供与をした場合において、その譲渡又は供与の対価の額が当該資産のその譲渡の時における価額又は当該経済的な利益のその供与の時における価額に比して低いときは、当該対価の額と当該価額との差額のうち実質的に贈与又は無償の供与をしたと認められる金額は、前項の寄附金の額に含まれるものとする。

9 第三項の規定は、確定申告書、修正申告書又は更正請求書に第一項に規定する寄附金の額の合計額に算入されない第三項各号に掲げる寄附金の額及び当該寄附金の明細を記載した書類の添付がある場合に限り、第四項の規定は、確定申告書、修正申告書又は更正請求書に第一項に規定する寄附金の額の合計額に算入されない第四項に規定する寄附金の額及び当該寄附金の明細を記載した書類の添付があり、かつ、当該書類に記載された寄附金が同項に規定する寄附金に該当することを証する書類として財務省令で定める書類を保存している場合に限り、適用する。この場合において、第三項又は第四項の規定により第一項に規定する寄附金の額の合計額に算入されない金額は、当該金額として記載された金額を限度とする。

10 税務署長は、第四項の規定により第一項に規定する寄附金の額の合計額に算入されないこととなる金額の全部又は一部につき前項に規定する財務省令で定める書類の保存がない場合においても、その書類の保存がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、その書類の保存がなかつた金額につき第四項の規定を適用することができる。

11 財務大臣は、第三項第二号の指定をしたときは、これを告示する。

12 第五項から前項までに定めるもののほか、第一項から第四項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 

 

 【判旨】

 そして、ここにいう時価とは、客観的な市場価格をいい、取引業者がこれを認識していたと否とを問わないものと解すべきである。ところで、法人税法三七条六項によれば、低額譲渡の場合であつても時価との差額が当然に同条五項の寄付金の額に含まれるものとされるのではなく、時価との差額のうち「実質的に贈与したと認められる金額」が同条五項の寄付金の額に含まれるものとされるのであるが、「実質的に贈与したと認められる」ためには、当該取引に伴う経済的な効果が贈与と同視しうるものであれば足りるのであつて、かならずしも譲渡者が贈与の意思を有していたことを必要とせず、したがつて、時価との差額を認識していたことも必要としないと解するのが相当である。もとより、例えば、譲渡者が商取引に拙劣なため時価を下回る価額でしか譲渡できずそのため通常得べかりし利益を得ることができなかつたときのように首肯できる理由がある場合は、実質的に贈与したとは認められず、譲渡者が時価を認識しながら差額を贈与する意思でことさらに低額で譲渡した場合は、その差額を実質的に贈与したものと認めるべきは当然である。株式会社が時価の二分の一以下で所有資産を譲渡したような場合は、その差額を認識しこれを贈与する意思を伴うことが普通であると思われるが、仮に右認識、意思を伴わなかつたとしても、それだけの理由で法人税法三七条六項の規定の適用が排除されるものではない。

 (川添萬夫 菊地 博 大須賀欣一)

第4章 会社の支店の所在地における登記を廃止

旧法では、支店を有する会社は、本店所在地の登記所とは別に、支店所在地の登記所においても一定の事項を登記する必要がありましたが、インターネット登記情報提供の普及により、支店において会社の登記情報を取得するニーズがなくなっていることから、支店所在地における登記が廃止されます(旧法第930条~第932条の削除)。登記のシステム改修スケジュール等に鑑み、施行日は改正法交付日から3年6ヶ月以内の範囲で指定されることとなっています(改正附則第1条但書)。

土地開発公社と市との間で相当額を超える価格で土地売買契約の締結及び売買代金の支出をすることの住民訴訟(地方自治法242条の2第1項)の差止請求が認められた事例

 

大阪高判平成9年10月20日判タ966号199頁

【判示事項】 土地開発公社と市との間で相当額を超える価格で土地売買契約の締結及び売買代金の支出をすることの差止請求が認められた事例

【参照条文】 地方自治法242の2-1

       公有地の拡大の推進に関する法律17 (土地開発公社の業務の範囲)

 

地方自治法

(住民訴訟)

第二百四十二条の二 普通地方公共団体の住民は、前条第一項の規定による請求をした場合において、同条第五項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第九項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第五項の規定による監査若しくは勧告を同条第六項の期間内に行わないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第九項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第一項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもつて次に掲げる請求をすることができる。

一 当該執行機関又は職員に対する当該行為の全部又は一部の差止めの請求

二 行政処分たる当該行為の取消し又は無効確認の請求

三 当該執行機関又は職員に対する当該怠る事実の違法確認の請求

四 当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方に損害賠償又は不当利得返還の請求をすることを当該普通地方公共団体の執行機関又は職員に対して求める請求。ただし、当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方が第二百四十三条の二の八第三項の規定による賠償の命令の対象となる者である場合には、当該賠償の命令をすることを求める請求

2 前項の規定による訴訟は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間内に提起しなければならない。

一 監査委員の監査の結果又は勧告に不服がある場合 当該監査の結果又は当該勧告の内容の通知があつた日から三十日以内

二 監査委員の勧告を受けた議会、長その他の執行機関又は職員の措置に不服がある場合 当該措置に係る監査委員の通知があつた日から三十日以内

三 監査委員が請求をした日から六十日を経過しても監査又は勧告を行わない場合 当該六十日を経過した日から三十日以内

四 監査委員の勧告を受けた議会、長その他の執行機関又は職員が措置を講じない場合 当該勧告に示された期間を経過した日から三十日以内

3 前項の期間は、不変期間とする。

4 第一項の規定による訴訟が係属しているときは、当該普通地方公共団体の他の住民は、別訴をもつて同一の請求をすることができない。

5 第一項の規定による訴訟は、当該普通地方公共団体の事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。

6 第一項第一号の規定による請求に基づく差止めは、当該行為を差し止めることによつて人の生命又は身体に対する重大な危害の発生の防止その他公共の福祉を著しく阻害するおそれがあるときは、することができない。

7 第一項第四号の規定による訴訟が提起された場合には、当該職員又は当該行為若しくは怠る事実の相手方に対して、当該普通地方公共団体の執行機関又は職員は、遅滞なく、その訴訟の告知をしなければならない。

8 前項の訴訟告知があつたときは、第一項第四号の規定による訴訟が終了した日から六月を経過するまでの間は、当該訴訟に係る損害賠償又は不当利得返還の請求権の時効は、完成しない。

9 民法第百五十三条第二項の規定は、前項の規定による時効の完成猶予について準用する。

10 第一項に規定する違法な行為又は怠る事実については、民事保全法(平成元年法律第九十一号)に規定する仮処分をすることができない。

11 第二項から前項までに定めるもののほか、第一項の規定による訴訟については、行政事件訴訟法第四十三条の規定の適用があるものとする。

12 第一項の規定による訴訟を提起した者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、弁護士、弁護士法人又は弁護士・外国法事務弁護士共同法人に報酬を支払うべきときは、当該普通地方公共団体に対し、その報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払を請求することができる。

 

公有地の拡大の推進に関する法律

(業務の範囲)

第十七条 土地開発公社は、第十条第一項の目的を達成するため、次に掲げる業務の全部又は一部を行うものとする。

一 次に掲げる土地の取得、造成その他の管理及び処分を行うこと。

イ 第四条第一項又は第五条第一項に規定する土地

ロ 道路、公園、緑地その他の公共施設又は公用施設の用に供する土地

ハ 公営企業の用に供する土地

ニ 都市計画法第四条第七項に規定する市街地開発事業その他政令で定める事業の用に供する土地

ホ イからニまでに掲げるもののほか、地域の秩序ある整備を図るために必要な土地として政令で定める土地

二 住宅用地の造成事業その他土地の造成に係る公営企業に相当する事業で政令で定めるものを行うこと。

三 前二号の業務に附帯する業務を行うこと。

2 土地開発公社は、前項の業務のほか、当該業務の遂行に支障のない範囲内において、次に掲げる業務を行なうことができる。

一 前項第一号の土地の造成(一団の土地に係るものに限る。)又は同項第二号の事業の実施とあわせて整備されるべき公共施設又は公用施設の整備で地方公共団体の委託に基づくもの及び当該業務に附帯する業務を行なうこと。

二 国、地方公共団体その他公共的団体の委託に基づき、土地の取得のあつせん、調査、測量その他これらに類する業務を行なうこと。

3 土地開発公社は、第一項第一号ニに掲げる土地の取得については、地方公共団体の要請をまつて行うものとする。

4 土地開発公社は、その所有する土地を第一項第一号ニに掲げる土地として処分しようとするときは、関係地方公共団体に協議しなければならない。ただし、前項の要請に従つて処分する場合は、この限りでない。

5 第三項の要請及び前項の協議に関し必要な事項は、政令で定める。

 

あへん法第4条違反の罪の既遂

 

最高裁判所第3小法廷決定/昭和31年(あ)第1319号

昭和33年6月17日

あへん法違反被告事件

【判示事項】    あへん法第4条違反の罪の既遂

【判決要旨】  あへん法にいうけし栽培者でないのに、けしの種を畑に播いて、これを発芽生育せしめた以上、その後において、あへんを採取することなく、右けしを引き抜いたとしても、同法第4条違反の罪の既遂をもって処断すべきものである。

【参照条文】    あへん法

【掲載誌】     最高裁判所刑事判例集12巻10号2129頁

 

あへん法

(けしの栽培の禁止)

第四条 けし栽培者でなければ、けしを栽培してはならない。

 

社会保険診療報酬支払基金の診療担当者に対する診療報酬支払義務


取立命令に基く取立請求事件
【事件番号】    最高裁判所第1小法廷判決/昭和43年(オ)第1311号
【判決日付】    昭和48年12月20日
【判示事項】    一、社会保険診療報酬支払基金の診療担当者に対する診療報酬支払義務
          二、国民健康保険法四五条五項所定の権限を有する国民健康保険団体連合会の療養取扱機関に対する療養給付等の費用の支払義務
【判決要旨】    一、社会保険診療報酬支払基金は、保険者から診療報酬の請求に対する審査及び支払に関する事務の委託を受けたときは、診療担当者に対し、みずから審査したところに従い、自己の名において診療報酬を支払う義務を負う。
          ニ、国民健康保険法45条5項により審査及び支払に関する事務の委託を受けた国民健康保険団体連合会は、療養取扱機関に対し、みずから審査したところに従い、自己の名において療養給付等の費用を支払う義務を負う。
【参照条文】    健康保険法43の9-5
          国民健康保険法45-5
          社会保険療養報酬支払基金法13
【掲載誌】     最高裁判所民事判例集27巻11号1594頁
 
国民健康保険法
(保険医療機関等の診療報酬)
第四十五条 市町村及び組合は、療養の給付に関する費用を保険医療機関等に支払うものとし、保険医療機関等が療養の給付に関し市町村又は組合に請求することができる費用の額は、療養の給付に要する費用の額から、当該療養の給付に関し被保険者(第五十七条に規定する場合にあつては、当該被保険者の属する世帯の世帯主又は組合員)が当該保険医療機関等に対して支払わなければならない一部負担金に相当する額を控除した額とする。
2 前項の療養の給付に要する費用の額の算定については、健康保険法第七十六条第二項の規定による厚生労働大臣の定めの例による。
3 市町村及び組合は、都道府県知事の認可を受け、保険医療機関等との契約により、当該保険医療機関等において行われる療養の給付に関する第一項の療養の給付に要する費用の額につき、前項の規定により算定される額の範囲内において、別段の定めをすることができる。
4 市町村及び組合は、保険医療機関等から療養の給付に関する費用の請求があつたときは、第四十条に規定する準則並びに第二項に規定する額の算定方法及び前項の定めに照らして審査した上、支払うものとする。
5 市町村及び組合は、前項の規定による審査及び支払に関する事務を都道府県の区域を区域とする国民健康保険団体連合会(加入している都道府県、市町村及び組合の数がその区域内の都道府県、市町村及び組合の総数の三分の二に達しないものを除く。)又は社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)による社会保険診療報酬支払基金(以下「支払基金」という。)に委託することができる。
6 国民健康保険団体連合会は、前項の規定及び健康保険法第七十六条第五項の規定による委託を受けて行う診療報酬請求書の審査に関する事務のうち厚生労働大臣の定める診療報酬請求書の審査に係るものを、一般社団法人又は一般財団法人であつて、審査に関する組織その他の事項につき厚生労働省令で定める要件に該当し、当該事務を適正かつ確実に実施することができると認められるものとして厚生労働大臣が指定するものに委託することができる。
7 前項の規定により厚生労働大臣の定める診療報酬請求書の審査に係る事務の委託を受けた者は、当該診療報酬請求書の審査を厚生労働省令で定める要件に該当する者に行わせなければならない。
8 前各項に規定するもののほか、保険医療機関等の療養の給付に関する費用の請求に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。


 

委任者が受任者との間でした自己の死後の事務を含めた法律行為等の委任契約と委任者の死亡による契約の終了

 

 

寄託金返還等請求、同附帯事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/平成4年(オ)第67号

【判決日付】      平成4年9月22日

【判示事項】      委任者が受任者との間でした自己の死後の事務を含めた法律行為等の委任契約と委任者の死亡による契約の終了

【判決要旨】      委任者が、受任者に対し、入院中の諸費用の病院への支払、自己の死後の葬式を含む法要の施行とその費用の支払、入院中に世話になった家政婦や友人に対する応分の謝礼金の支払を依頼する委任契約は、当然委任者の死亡によっても右契約を終了させない旨の合意を包含する趣旨のものであり、民法653条の法意は右合意の効力を否定するものではない。

【参照条文】      民法653

【掲載誌】        金融法務事情1358号55頁

 

民法

(委任の終了事由)

第六百五十三条 委任は、次に掲げる事由によって終了する。

一 委任者又は受任者の死亡

二 委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと。

三 受任者が後見開始の審判を受けたこと。