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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

主たる課税処分に係る第二次納税義務者又は右処分につき第二次納税義務を課されるおそれがある者は、いずれも右処分の取消訴訟の原告適格を有するものと解するのが相当であるとされた事例

 

 

              法人税更正処分等取消請求上告事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/平成元年(行ツ)第58号

【判決日付】      平成3年1月17日

【判示事項】      (1) 本件課税処分は訴外会社の精算結了の登記後になされているから、右処分は法人格の消滅した存在しない法人に対してなされたものであり、その内容において重大かつ明白な瑕疵があり無効であるとの納税者(右訴外会社の元代表清算人)の主張が排斥された事例

             (2) 法人税の更正処分は当該法人の本店所在地に宛て、納税者である右法人に対して送達すべきであるから、訴外会社の元代表清算人の住所に宛て、同人に対してなされた本件更正処分の送達は無効であるとの納税者(右訴外会社の元代表清算人)の主張が、右送達は適法であるとして排斥された事例

             (3) 主たる課税処分に係る第二次納税義務者又は右処分につき第二次納税義務を課されるおそれがある者は、いずれも右処分の取消訴訟の原告適格を有するものと解するのが相当であるとされた事例

【判決要旨】      (1)~(3) 省略

【掲載誌】        税務訴訟資料182号8頁

 

 

行政事件訴訟法

(原告適格)

第九条 処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者(処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなつた後においてもなお処分又は裁決の取消しによつて回復すべき法律上の利益を有する者を含む。)に限り、提起することができる。

2 裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たつては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとする。この場合において、当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たつては、当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌するものとし、当該利益の内容及び性質を考慮するに当たつては、当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする。

 

正当防衛・刑法36条における侵害の急迫性

 

 

兇器準備集合、暴力行為等処罰に関する法律違反被告事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷決定/昭和51年(あ)第671号

【判決日付】      昭和52年7月21日

【判示事項】      刑法36条における侵害の急迫性

【判決要旨】      刑法36条における侵害の急迫性は、当然又はほとんど確実に侵害が予期されただけで失われたものではないが、その機会を利用し積極的に相手に対して加害行為をする意思で侵害に臨んだときは失われることになる。

【参照条文】      刑法36

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集31巻4号747頁

 

 

刑法

(正当防衛)

第三十六条 急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。

2 防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。

 

租税債権の成立時期

 

 

              詐害行為取消並びに損害賠償請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/昭和41年(オ)第1241号

【判決日付】      昭和42年3月14日

【判示事項】      租税債権の成立時期

【判決要旨】     祖税債権は、法律の規定する課税要件事実の存在によつて当然に成立し、課税処分をまたない。

【参照条文】      法人税法

             国税通則法15

【掲載誌】        訟務月報13巻4号450頁

             最高裁判所裁判集民事86号551頁

             判例タイムズ206号99頁

             判例時報481号106頁

【評釈論文】      シュトイエル64号10頁

             別冊ジュリスト17号142頁

 

 

法人税法

(外国法人の課税所得の範囲)

第八条 外国法人に対しては、第百四十一条各号(課税標準)に掲げる外国法人の区分に応じ当該各号に定める国内源泉所得に係る所得について、各事業年度の所得に対する法人税を課する。

2 外国法人(人格のない社団等に限る。)の前項に規定する国内源泉所得に係る所得のうち収益事業から生じた所得以外の所得については、同項の規定にかかわらず、各事業年度の所得に対する法人税を課さない。

 

 

国税通則法

(納税義務の成立及びその納付すべき税額の確定)

第十五条 国税を納付する義務(源泉徴収等による国税については、これを徴収して国に納付する義務。以下「納税義務」という。)が成立する場合には、その成立と同時に特別の手続を要しないで納付すべき税額が確定する国税を除き、国税に関する法律の定める手続により、その国税についての納付すべき税額が確定されるものとする。

2 納税義務は、次の各号に掲げる国税(第一号から第十三号までにおいて、附帯税を除く。)については、当該各号に定める時(当該国税のうち政令で定めるものについては、政令で定める時)に成立する。

一 所得税(次号に掲げるものを除く。) 暦年の終了の時

二 源泉徴収による所得税 利子、配当、給与、報酬、料金その他源泉徴収をすべきものとされている所得の支払の時

三 法人税及び地方法人税 事業年度の終了の時

四 相続税 相続又は遺贈(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を含む。)による財産の取得の時

五 贈与税 贈与(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を除く。)による財産の取得の時

六 地価税 課税時期(地価税法(平成三年法律第六十九号)第二条第四号(定義)に規定する課税時期をいう。)

七 消費税等 課税資産の譲渡等若しくは特定課税仕入れをした時又は課税物件の製造場(石油ガス税については石油ガスの充塡場とし、石油石炭税については原油、ガス状炭化水素又は石炭の採取場とする。)からの移出若しくは保税地域からの引取りの時

八 航空機燃料税 航空機燃料の航空機への積込みの時

九 電源開発促進税 販売電気の料金の支払を受ける権利の確定の時

十 自動車重量税 自動車検査証の交付若しくは返付の時又は届出軽自動車についての車両番号の指定の時

十一 国際観光旅客税 本邦からの出国の時

十二 印紙税 課税文書の作成の時

十三 登録免許税 登記、登録、特許、免許、許可、認可、認定、指定又は技能証明の時

十四 過少申告加算税、無申告加算税又は第六十八条第一項、第二項若しくは第四項(同条第一項又は第二項の重加算税に係る部分に限る。)(重加算税)の重加算税 法定申告期限の経過の時

十五 不納付加算税又は第六十八条第三項若しくは第四項(同条第三項の重加算税に係る部分に限る。)の重加算税 法定納期限の経過の時

3 納税義務の成立と同時に特別の手続を要しないで納付すべき税額が確定する国税は、次に掲げる国税とする。

一 所得税法第二編第五章第一節(予定納税)(同法第百六十六条(申告、納付及び還付)において準用する場合を含む。)の規定により納付すべき所得税(以下「予定納税に係る所得税」という。)

二 源泉徴収等による国税

三 自動車重量税

四 国際観光旅客税法第十八条第一項(国際観光旅客等による納付)の規定により納付すべき国際観光旅客税

五 印紙税(印紙税法(昭和四十二年法律第二十三号)第十一条(書式表示による申告及び納付の特例)及び第十二条(預貯金通帳等に係る申告及び納付等の特例)の規定の適用を受ける印紙税及び過怠税を除く。)

六 登録免許税

七 延滞税及び利子税

(国税についての納付すべき税額の確定の方式)

第十六条 国税についての納付すべき税額の確定の手続については、次の各号に掲げるいずれかの方式によるものとし、これらの方式の内容は、当該各号に掲げるところによる。

一 申告納税方式 納付すべき税額が納税者のする申告により確定することを原則とし、その申告がない場合又はその申告に係る税額の計算が国税に関する法律の規定に従つていなかつた場合その他当該税額が税務署長又は税関長の調査したところと異なる場合に限り、税務署長又は税関長の処分により確定する方式をいう。

二 賦課課税方式 納付すべき税額がもつぱら税務署長又は税関長の処分により確定する方式をいう。

2 国税(前条第三項各号に掲げるものを除く。)についての納付すべき税額の確定が前項各号に掲げる方式のうちいずれの方式によりされるかは、次に定めるところによる。

一 納税義務が成立する場合において、納税者が、国税に関する法律の規定により、納付すべき税額を申告すべきものとされている国税 申告納税方式

二 前号に掲げる国税以外の国税 賦課課税方式

 

 

段階的な賃料増額合意(賃料自動増額特約)がされたホテル事業を目的とする建物賃貸借における賃借人のした賃料減額請求の効力が認められなかった前訴の判決確定後、上記賃借人の承継人のした賃料減額請求により賃料が減額されたとして提起された賃料減額確認の後訴において、前訴の口頭弁論終結後に生じた事情のみを考慮すべきである旨の賃貸人の主張が排斥された事例

 

 

              賃料減額確認請求控訴事件

【事件番号】      東京高等裁判所判決/令和3年(ネ)第1558号

【判決日付】      令和3年11月4日

【判示事項】      1 段階的な賃料増額合意(賃料自動増額特約)がされたホテル事業を目的とする建物賃貸借における賃借人のした賃料減額請求の効力が認められなかった前訴の判決確定後、上記賃借人の承継人のした賃料減額請求により賃料が減額されたとして提起された賃料減額確認の後訴において、前訴の口頭弁論終結後に生じた事情のみを考慮すべきである旨の賃貸人の主張が排斥された事例

             2 上記1の後訴において、約定賃料が承継人主張の基準日において不相当となったとは認められないとされた事例

【判決要旨】      1 段階的な賃料増額合意(賃料自動増額特約)がされたホテル事業を目的とする建物賃貸借における賃借人のした賃料減額請求の効力が認められなかった前訴の判決(東京高判平27.9.9本誌2050号62頁以下)確定後、上記賃借人の承継人のした賃料減額請求により賃料が減額されたとして承継人が提起した賃料減額確認の後訴において、前訴確定判決の既判力が及ぶこと、または信義則に反することを理由に前訴の口頭弁論終結後に生じた事情のみを考慮すべきである旨の賃貸人の主張は採用できない。

             2 上記1の後訴における賃料減額請求の当否および相当賃料額を判断するにあたっては、借地借家法32条1項本文所定の各事由だけでなく、契約当事者が本件約定賃料額決定の要素とした事情その他諸般の事情を考慮した上で、承継人主張の本件基準日(平成30年12月1日)における本件約定賃料額が不相当となったか否かを判断すべきところ、契約当事者が本件約定賃料額を決定するにあたって何よりも重視した要素は、①本件建物の賃貸事業益でA会館建設費も捻出するという賃貸借条件に関する基本的な方針に沿うこと、②賃貸借契約終了時点までに預かり敷金相当額の信託勘定内での積立が可能となるように賃料を設定すること、③賃貸借事業の年度ごとの資金繰りが確保できることにあったと考えられ、本件約定賃料が減額された場合、上記の各要請を確保することがかなり困難な状況に陥るおそれがあり、同項本文所定の事由についても、本件基準日において本件約定賃料額を維持することが衡平に反することになると認められるべき事情があるとはいえないから、本件約定賃料額が不相当となったとは認められない。

【参照条文】      民事訴訟法114

             借地借家法32

【掲載誌】        金融・商事判例1638号13頁

             金融法務事情2185号47頁

 

 

民事訴訟法

(既判力の範囲)

第百十四条 確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。

2 相殺のために主張した請求の成立又は不成立の判断は、相殺をもって対抗した額について既判力を有する。

 

 

借地借家法

(借賃増減請求権)

第三十二条 建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。

2 建物の借賃の増額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の建物の借賃を支払うことをもって足りる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払った額に不足があるときは、その不足額に年一割の割合による支払期後の利息を付してこれを支払わなければならない。

3 建物の借賃の減額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、減額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の建物の借賃の支払を請求することができる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払を受けた額が正当とされた建物の借賃の額を超えるときは、その超過額に年一割の割合による受領の時からの利息を付してこれを返還しなければならない。

 

 

車道の第2車線の中央分離帯寄りの位置で歩行又は一時的に佇立していた歩行者が交通事故に遭遇した保険事故に係る保険金請求について、重大な過失に起因する旨の免責事由の適用の有無が争点となった場合に、免責事由を認めた原判決を、控訴審において重大な過失があるとはいえないとして取り消し保険金請求を認容した事例

 

 

保険金請求控訴事件

【事件番号】      福岡高等裁判所判決/令和2年(ネ)第143号

【判決日付】      令和2年8月27日

【判示事項】      車道の第2車線の中央分離帯寄りの位置で歩行又は一時的に佇立していた歩行者が交通事故に遭遇した保険事故に係る保険金請求について、重大な過失に起因する旨の免責事由の適用の有無が争点となった場合に、免責事由を認めた原判決を、控訴審において重大な過失があるとはいえないとして取り消し保険金請求を認容した事例

【参照条文】      保険法17-1

【掲載誌】        判例時報2505号56頁

 

 

保険法

(保険者の免責)

第十七条 保険者は、保険契約者又は被保険者の故意又は重大な過失によって生じた損害をてん補する責任を負わない。戦争その他の変乱によって生じた損害についても、同様とする。

2 責任保険契約(損害保険契約のうち、被保険者が損害賠償の責任を負うことによって生ずることのある損害をてん補するものをいう。以下同じ。)に関する前項の規定の適用については、同項中「故意又は重大な過失」とあるのは、「故意」とする。

 

 

内縁の夫婦による共有不動産の共同使用と一方の死亡後に他方が右不動産を単独で使用する旨の合意の推認

 

 

 

              不当利得返還請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/平成6年(オ)第1900号

【判決日付】      平成10年2月26日

【判示事項】      内縁の夫婦による共有不動産の共同使用と一方の死亡後に他方が右不動産を単独で使用する旨の合意の推認

【判決要旨】      内縁の夫婦がその共有する不動産を居住又は共同事業のために共同で使用してきたときは、特段の事情のない限り、両者の間において、その一方が死亡した後は他方が右不動産を単独で使用する旨の合意が成立していたものと推認される。

【参照条文】      民法249

             民法703

             民法第4編第2章第1節 婚姻の成立

             民事訴訟法247

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集52巻1号255頁

 

 

民法

(共有物の使用)

第二百四十九条 各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。

2 共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し、自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う。

3 共有者は、善良な管理者の注意をもって、共有物の使用をしなければならない。

 

(不当利得の返還義務)

第七百三条 法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。

 

 

民事訴訟法

(自由心証主義)

第二百四十七条 裁判所は、判決をするに当たり、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果をしん酌して、自由な心証により、事実についての主張を真実と認めるべきか否かを判断する。

 

約款で暴力団員からの貯金の新規預入申込みを拒絶する旨定めている銀行の担当者に暴力団員であるのに暴力団員でないことを表明,確約して口座開設等を申し込み,通帳等の交付を受けた行為が,詐欺罪に当たるとされた事例

 

 

詐欺被告事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷決定/平成24年(あ)第1595号

【判決日付】      平成26年4月7日

【判示事項】      約款で暴力団員からの貯金の新規預入申込みを拒絶する旨定めている銀行の担当者に暴力団員であるのに暴力団員でないことを表明,確約して口座開設等を申し込み,通帳等の交付を受けた行為が,詐欺罪に当たるとされた事例

【判決要旨】      暴力団員であるのに暴力団員でないことを表明,確約して銀行の担当者に口座開設等を申し込み,通帳等の交付を受けた行為は,当該銀行において,政府指針を踏まえて暴力団員からの貯金の新規預入申込みを拒絶する旨の約款を定め,申込者に対し暴力団員でないことを確認していたなどの本件事実関係(判文参照)の下では,刑法246条1項の詐欺罪に当たる。

【参照条文】      刑法246-1

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集68巻4号715頁

 

 

刑法

(詐欺)

第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

 

捜査官が被害者や被疑者に被害・犯行状況を再現させた結果を記録した実況見分調書等で実質上の要証事実が再現されたとおりの犯罪事実の存在であると解される書証の証拠能力

 

 

大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反,器物損壊被告事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷決定/平成17年(あ)第684号

【判決日付】      平成17年9月27日

【判示事項】      捜査官が被害者や被疑者に被害・犯行状況を再現させた結果を記録した実況見分調書等で実質上の要証事実が再現されたとおりの犯罪事実の存在であると解される書証の証拠能力

【判決要旨】      捜査官が被害者や被疑者に被害・犯行状況を再現させた結果を記録した実況見分調書等で,実質上の要証事実が再現されたとおりの犯罪事実の存在であると解される書証が刑訴法326条の同意を得ずに証拠能力を具備するためには,同法321条3項所定の要件が満たされるほか,再現者の供述録取部分については,再現者が被告人以外の者である場合には同法321条1項2号ないし3号所定の要件が,再現者が被告人である場合には同法322条1項所定の要件が,写真部分については,署名押印の要件を除き供述録取部分と同様の要件が満たされる必要がある。

【参照条文】      刑事訴訟法321-1

             刑事訴訟法321-3

             刑事訴訟法322-1

             刑事訴訟法326

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集59巻7号753頁

 

 

刑事訴訟法

第三百二十一条 被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。

一 裁判官の面前(第百五十七条の六第一項及び第二項に規定する方法による場合を含む。)における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は供述者が公判準備若しくは公判期日において前の供述と異なつた供述をしたとき。

二 検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異なつた供述をしたとき。ただし、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。

三 前二号に掲げる書面以外の書面については、供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、かつ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。ただし、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限る。

② 被告人以外の者の公判準備若しくは公判期日における供述を録取した書面又は裁判所若しくは裁判官の検証の結果を記載した書面は、前項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。

③ 検察官、検察事務官又は司法警察職員の検証の結果を記載した書面は、その供述者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときは、第一項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。

④ 鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人の作成したものについても、前項と同様である。

第三百二十二条 被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。但し、被告人に不利益な事実の承認を内容とする書面は、その承認が自白でない場合においても、第三百十九条の規定に準じ、任意にされたものでない疑があると認めるときは、これを証拠とすることができない。

② 被告人の公判準備又は公判期日における供述を録取した書面は、その供述が任意にされたものであると認めるときに限り、これを証拠とすることができる。

 

第三百二十六条 検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第三百二十一条乃至前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。

② 被告人が出頭しないでも証拠調を行うことができる場合において、被告人が出頭しないときは、前項の同意があつたものとみなす。但し、代理人又は弁護人が出頭したときは、この限りでない。

 

第一種市街地再開発事業の施行地区内の宅地の借地権者に対する権利変換に関する処分の取消訴訟と右宅地の所有者の原告適格

 

 

権利変換処分取消請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/平成2年(行ツ)第115号

【判決日付】      平成5年12月17日

【判示事項】      第一種市街地再開発事業の施行地区内の宅地の借地権者に対する権利変換に関する処分の取消訴訟と右宅地の所有者の原告適格

【判決要旨】      第一種市街地再開発事業の施行地区内の宅地の所有者は、その宅地上の借地権者に対する権利変換に関する処分につき、右借地権の不存在を主張して取消訴訟を提起することができる。

【参照条文】      行政事件訴訟法

             都市再開発法86

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集47巻10号5530頁

 

 

 

行政事件訴訟法

(原告適格)

第九条 処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者(処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなつた後においてもなお処分又は裁決の取消しによつて回復すべき法律上の利益を有する者を含む。)に限り、提起することができる。

2 裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たつては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとする。この場合において、当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たつては、当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌するものとし、当該利益の内容及び性質を考慮するに当たつては、当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする。

 

 

都市再開発法

(権利変換の処分)

第八十六条 施行者は、権利変換計画若しくはその変更の認可を受けたとき、又は権利変換計画について第七十二条第四項の政令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告し、及び関係権利者に関係事項を書面で通知しなければならない。

2 権利変換に関する処分は、前項の通知をすることによつて行なう。

3 権利変換に関する処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三章の規定は、適用しない。

 

 

 

社員が2名の合同会社においては、1名の社員の意思に基づき訴えをもって他の社員の除名を請求することができる

 

 

社員除名請求事件

【事件番号】      東京地方裁判所判決/令和2年(ワ)第28629号

【判決日付】      令和3年11月29日

【判示事項】      1 社員が2名の合同会社においては、1名の社員の意思に基づき訴えをもって他の社員の除名を請求することができる

             2 合同会社の社員の除名が認められた事例

【判決要旨】      1 社員が2名の合同会社においては、このうち1名の社員の意思に基づき訴えをもって他の社員の除名を請求することができる。

             2 本件の事実関係の下では、合同会社の社員の除名事由である会社法859条3号の「業務を執行するに当たって不正の行為をしたこと」が認められる。

【参照条文】      会社法859

【掲載誌】        金融・商事判例1641号50頁

             LLI/DB 判例秘書登載

【評釈論文】      銀行法務21 886号68頁

             龍谷法学55巻3号1233頁

 

 

会社法

(持分会社の社員の除名の訴え)

第八百五十九条 持分会社の社員(以下この条及び第八百六十一条第一号において「対象社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象社員の除名を請求することができる。

一 出資の義務を履行しないこと。

二 第五百九十四条第一項(第五百九十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反したこと。

三 業務を執行するに当たって不正の行為をし、又は業務を執行する権利がないのに業務の執行に関与したこと。

四 持分会社を代表するに当たって不正の行為をし、又は代表権がないのに持分会社を代表して行為をしたこと。

五 前各号に掲げるもののほか、重要な義務を尽くさないこと。