受送達者あての訴訟関係書類の交付を受けた同居者等と受送達者との間にその訴訟に関して事実上の利害関係の対立がある場合における上記書類の補充送達の効力
再審請求棄却決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
【事件番号】 最高裁判所第3小法廷決定/平成18年(許)第39号
【判決日付】 平成19年3月20日
【判示事項】 1 受送達者あての訴訟関係書類の交付を受けた同居者等と受送達者との間にその訴訟に関して事実上の利害関係の対立がある場合における上記書類の補充送達の効力
2 受送達者あての訴訟関係書類の交付を受けた同居者等がその訴訟に関して事実上の利害関係の対立がある受送達者に対して上記書類を交付しなかったため受送達者が訴訟が提起されていることを知らないまま判決がされた場合と民訴法338条1項3号の再審事由
【判決要旨】 1 受送達者あての訴訟関係書類の交付を受けた民訴法106条1項所定の同居者等と受送達者との間に,その訴訟に関して事実上の利害関係の対立があるにすぎない場合には,当該同居者等に対して上記書類を交付することによって,受送達者に対する補充送達の効力が生ずる。
2 受送達者あての訴訟関係書類の交付を受けた民訴法106条1項所定の同居者等と受送達者との間に,その訴訟に関して事実上の利害関係の対立があるため,同居者等から受送達者に対して上記書類が速やかに交付されることを期待することができない場合において,当該同居者等から受送達者に対して上記書類が実際に交付されず,そのため,受送達者が訴訟が提起されていることを知らないまま判決がされたときには,民訴法338条1項3号の再審事由がある。
【参照条文】 民事訴訟法106-1
民事訴訟法338-1
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集61巻2号586頁
民事訴訟法
(補充送達及び差置送達)
第百六条 就業場所以外の送達をすべき場所において送達を受けるべき者に出会わないときは、使用人その他の従業者又は同居者であって、書類の受領について相当のわきまえのあるものに書類を交付することができる。郵便の業務に従事する者が日本郵便株式会社の営業所において書類を交付すべきときも、同様とする。
2 就業場所(第百四条第一項前段の規定による届出に係る場所が就業場所である場合を含む。)において送達を受けるべき者に出会わない場合において、第百三条第二項の他人又はその法定代理人若しくは使用人その他の従業者であって、書類の受領について相当のわきまえのあるものが書類の交付を受けることを拒まないときは、これらの者に書類を交付することができる。
3 送達を受けるべき者又は第一項前段の規定により書類の交付を受けるべき者が正当な理由なくこれを受けることを拒んだときは、送達をすべき場所に書類を差し置くことができる。
(再審の事由)
第三百三十八条 次に掲げる事由がある場合には、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。ただし、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでない。
一 法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。
二 法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。
三 法定代理権、訴訟代理権又は代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと。
四 判決に関与した裁判官が事件について職務に関する罪を犯したこと。
五 刑事上罰すべき他人の行為により、自白をするに至ったこと又は判決に影響を及ぼすべき攻撃若しくは防御の方法を提出することを妨げられたこと。
六 判決の証拠となった文書その他の物件が偽造又は変造されたものであったこと。
七 証人、鑑定人、通訳人又は宣誓した当事者若しくは法定代理人の虚偽の陳述が判決の証拠となったこと。
八 判決の基礎となった民事若しくは刑事の判決その他の裁判又は行政処分が後の裁判又は行政処分により変更されたこと。
九 判決に影響を及ぼすべき重要な事項について判断の遺脱があったこと。
十 不服の申立てに係る判決が前に確定した判決と抵触すること。
2 前項第四号から第七号までに掲げる事由がある場合においては、罰すべき行為について、有罪の判決若しくは過料の裁判が確定したとき、又は証拠がないという理由以外の理由により有罪の確定判決若しくは過料の確定裁判を得ることができないときに限り、再審の訴えを提起することができる。
3 控訴審において事件につき本案判決をしたときは、第一審の判決に対し再審の訴えを提起することができない。