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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

受送達者あての訴訟関係書類の交付を受けた同居者等と受送達者との間にその訴訟に関して事実上の利害関係の対立がある場合における上記書類の補充送達の効力

 

 

再審請求棄却決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷決定/平成18年(許)第39号

【判決日付】      平成19年3月20日

【判示事項】      1 受送達者あての訴訟関係書類の交付を受けた同居者等と受送達者との間にその訴訟に関して事実上の利害関係の対立がある場合における上記書類の補充送達の効力

             2 受送達者あての訴訟関係書類の交付を受けた同居者等がその訴訟に関して事実上の利害関係の対立がある受送達者に対して上記書類を交付しなかったため受送達者が訴訟が提起されていることを知らないまま判決がされた場合と民訴法338条1項3号の再審事由

【判決要旨】      1 受送達者あての訴訟関係書類の交付を受けた民訴法106条1項所定の同居者等と受送達者との間に,その訴訟に関して事実上の利害関係の対立があるにすぎない場合には,当該同居者等に対して上記書類を交付することによって,受送達者に対する補充送達の効力が生ずる。

             2 受送達者あての訴訟関係書類の交付を受けた民訴法106条1項所定の同居者等と受送達者との間に,その訴訟に関して事実上の利害関係の対立があるため,同居者等から受送達者に対して上記書類が速やかに交付されることを期待することができない場合において,当該同居者等から受送達者に対して上記書類が実際に交付されず,そのため,受送達者が訴訟が提起されていることを知らないまま判決がされたときには,民訴法338条1項3号の再審事由がある。

【参照条文】      民事訴訟法106-1

             民事訴訟法338-1

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集61巻2号586頁

 

 

民事訴訟法

(補充送達及び差置送達)

第百六条 就業場所以外の送達をすべき場所において送達を受けるべき者に出会わないときは、使用人その他の従業者又は同居者であって、書類の受領について相当のわきまえのあるものに書類を交付することができる。郵便の業務に従事する者が日本郵便株式会社の営業所において書類を交付すべきときも、同様とする。

2 就業場所(第百四条第一項前段の規定による届出に係る場所が就業場所である場合を含む。)において送達を受けるべき者に出会わない場合において、第百三条第二項の他人又はその法定代理人若しくは使用人その他の従業者であって、書類の受領について相当のわきまえのあるものが書類の交付を受けることを拒まないときは、これらの者に書類を交付することができる。

3 送達を受けるべき者又は第一項前段の規定により書類の交付を受けるべき者が正当な理由なくこれを受けることを拒んだときは、送達をすべき場所に書類を差し置くことができる。

 

(再審の事由)

第三百三十八条 次に掲げる事由がある場合には、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。ただし、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでない。

一 法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。

二 法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。

三 法定代理権、訴訟代理権又は代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと。

四 判決に関与した裁判官が事件について職務に関する罪を犯したこと。

五 刑事上罰すべき他人の行為により、自白をするに至ったこと又は判決に影響を及ぼすべき攻撃若しくは防御の方法を提出することを妨げられたこと。

六 判決の証拠となった文書その他の物件が偽造又は変造されたものであったこと。

七 証人、鑑定人、通訳人又は宣誓した当事者若しくは法定代理人の虚偽の陳述が判決の証拠となったこと。

八 判決の基礎となった民事若しくは刑事の判決その他の裁判又は行政処分が後の裁判又は行政処分により変更されたこと。

九 判決に影響を及ぼすべき重要な事項について判断の遺脱があったこと。

十 不服の申立てに係る判決が前に確定した判決と抵触すること。

2 前項第四号から第七号までに掲げる事由がある場合においては、罰すべき行為について、有罪の判決若しくは過料の裁判が確定したとき、又は証拠がないという理由以外の理由により有罪の確定判決若しくは過料の確定裁判を得ることができないときに限り、再審の訴えを提起することができる。

3 控訴審において事件につき本案判決をしたときは、第一審の判決に対し再審の訴えを提起することができない。

 

互いに主従の関係にない甲乙二棟の建物がその間の隔壁を除去する等の工事により一棟の丙建物となった場合と甲建物又は乙建物を目的として設定されていた抵当権の消長

 

 

建物明渡請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/平成3年(オ)第2024号

【判決日付】      平成6年1月25日

【判示事項】      互いに主従の関係にない甲乙二棟の建物がその間の隔壁を除去する等の工事により一棟の丙建物となった場合と甲建物又は乙建物を目的として設定されていた抵当権の消長

【判決要旨】      互いに主従の関係にない甲乙二棟の建物がその間の隔壁を除去する等の工事により一棟の丙建物となった場合、甲建物又は乙建物を目的として設定されていた抵当権は、丙建物のうちの甲建物又は乙建物の価格の割合に応じた持分を目的とするものとして存続する。

【参照条文】      民法244

             民法247-2

             民法369

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集48巻1号18頁

 

 

民法

第二百四十四条 付合した動産について主従の区別をすることができないときは、各動産の所有者は、その付合の時における価格の割合に応じてその合成物を共有する。

 

(付合、混和又は加工の効果)

第二百四十七条 第二百四十二条から前条までの規定により物の所有権が消滅したときは、その物について存する他の権利も、消滅する。

2 前項に規定する場合において、物の所有者が、合成物、混和物又は加工物(以下この項において「合成物等」という。)の単独所有者となったときは、その物について存する他の権利は以後その合成物等について存し、物の所有者が合成物等の共有者となったときは、その物について存する他の権利は以後その持分について存する。

 

 

 

       主   文

 

 本件上告を棄却する。

 上告費用は上告人らの負担とする。

 

       理   由

 

 上告代理人矢野弦次郎、同中東孝、同大西淳二の上告理由一について

 互いに主従の関係にない甲、乙二棟の建物が、その間の隔壁を除去する等の工事により一棟の丙建物となった場合においても、これをもって、甲建物あるいは乙建物を目的として設定されていた抵当権が消滅することはなく、右抵当権は、丙建物のうちの甲建物又は乙建物の価格の割合に応じた持分を目的とするものとして存続すると解するのが相当である。けだし、右のような場合、甲建物又は乙建物の価値は、丙建物の価値の一部として存続しているものとみるべきであるから、不動産の価値を把握することを内容とする抵当権は、当然に消滅するものではなく、丙建物の価値の一部として存続している甲建物又は乙建物の価値に相当する各建物の価格の割合に応じた持分の上に存続するものと考えるべきだからである。これと同旨の原審の判断は正当である。論旨は、独自の見解に立って原判決を論難するものにすぎず、採用することができない。

 同二について

 所論の点に関する原審の事実認定は、原判決挙示の証拠関係に照らして首肯するに足り、右事実関係の下において、上告人Aは、旧建物(一)及び(二)間の隔壁を除去する等の工事によりこれが本件建物となった後に所有者から右建物を貸借してその引渡しを受けたとしても、旧建物(一)及び(二)を目的として設定され登記された抵当権の権利者に対し、自らの本件建物の貸借及びその引渡しが右各抵当権の設定及び登記に先立つものである旨主張することは信義別上許されないとした原審の判断は、正当として是認することができる。原判決に所論の違法はない。論旨は、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、又は独自の見解に立って原判決を論難するものにすぎず、採用することができない。

 よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

    最高裁判所第三小法廷

 

生命保険契約に付加された災害割増特約についての約款に基づき災害死亡保険金の支払を請求する場合における偶発的な事故についての主張立証責任


    保険金請求事件
【事件番号】    最高裁判所第2小法廷判決/平成10年(オ)第897号
【判決日付】    平成13年4月20日
【判示事項】    生命保険契約に付加された災害割増特約についての約款に基づき災害死亡保険金の支払を請求する場合における偶発的な事故についての主張立証責任
【判決要旨】    生命保険契約に付加された災害割増特約における災害死亡保険金の支払事由を不慮の事故による死亡とする約款に基づき、保険者に対して災害死亡保険金の支払を請求する者は、発生した事故が偶発的な事故であることについて主張、立証すべき責任を負う。
          (補足意見がある。)
【参照条文】    商法第三編第一〇章保険
          民法91
          民事訴訟法第2編第3章第1節総則
【掲載誌】     最高裁判所民事判例集55巻3号682頁
          裁判所時報1290号265頁


保険法
(保険者の免責)
第五十一条 死亡保険契約の保険者は、次に掲げる場合には、保険給付を行う責任を負わない。ただし、第三号に掲げる場合には、被保険者を故意に死亡させた保険金受取人以外の保険金受取人に対する責任については、この限りでない。
一 被保険者が自殺をしたとき。
二 保険契約者が被保険者を故意に死亡させたとき(前号に掲げる場合を除く。)。
三 保険金受取人が被保険者を故意に死亡させたとき(前二号に掲げる場合を除く。)。
四 戦争その他の変乱によって被保険者が死亡したとき。


 

明治大学事件・入学選抜試験の答案と刑法一五九条一項にいう事実証明に関する文書

 

 

有印私文書偽造、同行使被告事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷決定/平成5年(あ)第498号

【判決日付】      平成6年11月29日

【判示事項】      入学選抜試験の答案と刑法一五九条一項にいう事実証明に関する文書

【判決要旨】      入学選抜試験の答案は、刑法一五九条一項にいう事実証明に関する文書に当たる。

【参照条文】      刑法159-1

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集48巻7号453頁

 

 

刑法

(私文書偽造等)

第百五十九条 行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

2 他人が押印し又は署名した権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を変造した者も、前項と同様とする。

3 前二項に規定するもののほか、権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を偽造し、又は変造した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

 

地方公共団体の職員が暴行等を理由とする懲戒処分の停職期間中に同僚等に対して行った同処分に関する働き掛けを理由とする停職6月の懲戒処分が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法なものであるとした原審の判断に違法があるとされた事例

 

 

懲戒処分取消等請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/令和3年(行ヒ)第164号

【判決日付】      令和4年6月14日

【判示事項】      地方公共団体の職員が暴行等を理由とする懲戒処分の停職期間中に同僚等に対して行った同処分に関する働き掛けを理由とする停職6月の懲戒処分が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法なものであるとした原審の判断に違法があるとされた事例

【掲載誌】        LLI/DB 判例秘書登載

【評釈論文】      判例秘書ジャーナルHJ100153

             ジュリスト1574号4頁

             銀行法務21 888号68頁

 

 

地方公務員法

(分限及び懲戒の基準)

第二十七条 全て職員の分限及び懲戒については、公正でなければならない。

2 職員は、この法律で定める事由による場合でなければ、その意に反して、降任され、又は免職されず、この法律又は条例で定める事由による場合でなければ、その意に反して、休職され、又は降給されることがない。

3 職員は、この法律で定める事由による場合でなければ、懲戒処分を受けることがない。

 

社会保険診療報酬支払基金が保険医療機関からの診療報酬請求に対して行う減点措置は、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるか(消極)

 

 

              行政処分取消請求上告事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷/昭和52年(行ツ)第69号

【判決日付】      昭和53年4月4日

【判示事項】      社会保険診療報酬支払基金が保険医療機関からの診療報酬請求に対して行う減点措置は、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるか(消極)

【判決要旨】      社会保険診療報酬支払基金が保険医療機関からの診療報酬請求に対して行ういわゆる減点の措置は、法律上、保険医療機関の診療報酬請求権その他の権利義務になんらの不利益な効果を及ぼすものでないから、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらないと解すべきである。

【参照条文】      社会保険診療報酬支払基金法13-1

             行政事件訴訟法

【掲載誌】        訟務月報24巻5号981頁

             最高裁判所裁判集民事123号501頁

             判例時報887号58頁

 

 

社会保険診療報酬支払基金法

第三章 業務

第十五条 基金は、第一条の目的を達成するため、次の業務を行う。

一 各保険者(国民健康保険法の定めるところにより都道府県が当該都道府県内の市町村とともに行う国民健康保険にあつては、市町村。第六号及び第七号を除き、以下この項において同じ。)から、毎月、その保険者が過去三箇月において最高額の費用を要した月の診療報酬の政令で定める月数分に相当する金額の委託を受けること。

二 診療担当者の提出する診療報酬請求書に対して、厚生労働大臣の定めるところにより算定したる金額を支払うこと。

三 診療担当者の提出する診療報酬請求書の審査(その審査について不服の申出があつた場合の再審査を含む。以下同じ。)を行うこと。

四 前二号に準じ、訪問看護療養費又は家族訪問看護療養費の支払及び審査を行うこと。

五 保険者から委託された医療保険各法等による保険給付の支給に関する事務(前各号に掲げるものを除く。)を行うこと。

六 保険者から委託された健康保険法(大正十一年法律第七十号)第二百五条の四第一項第二号、船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)第百五十三条の十第一項第二号、私立学校教職員共済法(昭和二十八年法律第二百四十五号)第四十七条の三第一項第二号、国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)第百十四条の二第一項第二号、国民健康保険法第百十三条の三第一項第一号、地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)第百四十四条の三十三第一項第二号又は高齢者の医療の確保に関する法律第百六十五条の二第一項第一号に掲げる情報の収集又は整理に関する事務を行うこと。

七 保険者から委託された健康保険法第二百五条の四第一項第三号、船員保険法第百五十三条の十第一項第三号、私立学校教職員共済法第四十七条の三第一項第三号、国家公務員共済組合法第百十四条の二第一項第三号、国民健康保険法第百十三条の三第一項第二号、地方公務員等共済組合法第百四十四条の三十三第一項第三号又は高齢者の医療の確保に関する法律第百六十五条の二第一項第二号に掲げる情報の利用又は提供に関する事務を行うこと。

八 診療報酬請求書及び特定健康診査等(高齢者の医療の確保に関する法律第十八条第二項第一号に規定する特定健康診査等をいう。)に関する記録に係る情報その他の国民の保健医療の向上及び福祉の増進並びに医療費適正化に資する情報の収集、整理及び分析並びにその結果の活用の促進に関する事務を行うこと。

九 前各号の業務に附帯する業務

十 前各号に掲げるもののほか、第一条の目的を達成するために必要な業務

2 基金は、前項に定める業務のほか、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第五十三条第三項、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第十九条の二十第三項(同法第二十一条の二、第二十一条の五の三十及び第二十四条の二十一並びに母子保健法(昭和四十年法律第百四十一号)第二十条第七項において準用する場合を含む。)、戦傷病者特別援護法(昭和三十八年法律第百六十八号)第十五条第三項(第二十条第三項において準用する場合を含む。)、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成六年法律第百十七号)第十五条第三項若しくは第二十条第一項、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第四十条第五項、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(平成十五年法律第百十号)第八十四条第三項、石綿による健康被害の救済に関する法律(平成十八年法律第四号)第十四条第一項、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)第七十三条第三項又は難病の患者に対する医療等に関する法律(平成二十六年法律第五十号)第二十五条第三項の規定により医療機関の請求することのできる診療報酬の額又は被爆者一般疾病医療機関若しくは保険医療機関等若しくは生活保護指定医療機関に支払うべき額の決定について意見を求められたときは、意見を述べ、また、生活保護法第五十三条第四項、戦傷病者特別援護法第十五条第四項(第二十条第三項において準用する場合を含む。)、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律第十五条第四項若しくは第二十条第二項、児童福祉法第十九条の二十第四項(同法第二十一条の二、第二十一条の五の三十及び第二十四条の二十一並びに母子保健法第二十条第七項において準用する場合を含む。)、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第四十条第六項、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律第八十四条第四項、石綿による健康被害の救済に関する法律第十四条第二項、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第七十三条第四項又は難病の患者に対する医療等に関する法律第二十五条第四項の規定により医療機関に対する診療報酬又は一般疾病医療費若しくは医療費に相当する額の支払に関する事務を委託されたときは、その支払に必要な事務を行うことができる。防衛省の職員の給与等に関する法律(昭和二十七年法律第二百六十六号)第二十二条第三項の規定により、療養を担当する者が国に対して請求することができる診療報酬の額の審査に関する事務及びその診療報酬の支払に関する事務を委託されたとき、並びに精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号)第二十九条の七又は麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)第五十八条の十五の規定により、これらの条に規定する審査、額の算定又は診療報酬の支払に関する事務を委託されたときにおいても、同様とする。

3 基金は、前二項に定める業務の遂行に支障のない範囲内で、国、都道府県、市町村又は独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。以下同じ。)の委託を受けて、国、都道府県、市町村又は独立行政法人が行う医療に関する給付であつて厚生労働大臣の定めるものについて医療機関が請求することができる費用の額の審査及び支払に関する事務を行うことができる。

4 基金は、前三項の業務を行う場合には、定款の定めるところにより、保険者、国、都道府県、市町村若しくは独立行政法人又は厚生労働大臣若しくは都道府県知事とそれぞれ契約を締結するものとする。

5 基金は、第一項第八号に掲げる業務の運営に関する事項を定めるに当たつては、当該業務に関し専門的な知識及び経験を有する者の意見を聴かなければならない。

6 基金は、第一項第十号に掲げる業務を行おうとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。

 

 

行政事件訴訟法

(抗告訴訟)

第三条 この法律において「抗告訴訟」とは、行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟をいう。

2 この法律において「処分の取消しの訴え」とは、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(次項に規定する裁決、決定その他の行為を除く。以下単に「処分」という。)の取消しを求める訴訟をいう。

3 この法律において「裁決の取消しの訴え」とは、審査請求その他の不服申立て(以下単に「審査請求」という。)に対する行政庁の裁決、決定その他の行為(以下単に「裁決」という。)の取消しを求める訴訟をいう。

4 この法律において「無効等確認の訴え」とは、処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無の確認を求める訴訟をいう。

5 この法律において「不作為の違法確認の訴え」とは、行政庁が法令に基づく申請に対し、相当の期間内に何らかの処分又は裁決をすべきであるにかかわらず、これをしないことについての違法の確認を求める訴訟をいう。

6 この法律において「義務付けの訴え」とは、次に掲げる場合において、行政庁がその処分又は裁決をすべき旨を命ずることを求める訴訟をいう。

一 行政庁が一定の処分をすべきであるにかかわらずこれがされないとき(次号に掲げる場合を除く。)。

二 行政庁に対し一定の処分又は裁決を求める旨の法令に基づく申請又は審査請求がされた場合において、当該行政庁がその処分又は裁決をすべきであるにかかわらずこれがされないとき。

7 この法律において「差止めの訴え」とは、行政庁が一定の処分又は裁決をすべきでないにかかわらずこれがされようとしている場合において、行政庁がその処分又は裁決をしてはならない旨を命ずることを求める訴訟をいう。

 

権利能力なき社団の資産たる不動産についての登記方法

 

 

              所有権移転登記請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/昭和45年(オ)第232号

【判決日付】      昭和47年6月2日

【判示事項】      1、権利能力なき社団の資産たる不動産についての登記方法

             2、権利能力なき社団の資産たる不動産につき登記簿上所有名義人となつていた代表者が交替した場合における親代表者の旧代表者に対する登記請求権

             3、控訴審に係属中、訴訟承継を生じた場合における控訴審判決の主文

【判決要旨】      1、権利能力なき社団の資産たる不動産については、社団の代表者が、社団の構成員の受託者たる地位において、個人の名義で所有権の登記をすることができるにすぎず、社団を権利者とする登記をし、または社団の代表者である旨の肩書を付した代表者個人名義の登記をすることは、許されないものと解すべきである。

             2、権利能力なき社団の資産たる不動産につき、登記簿上所有名義人となつた代表者がその地位を失い、これに代る新代表者が選任されたときは、新代表者は、旧代表者に対して、当該不動産につき自己の個人名義に所有権移転登記手続をすることを求めることができる。

             3、控訴審に訴訟が係属中に当事者の一方が死亡し訴訟承継を生じた場合には、控訴裁判所において第一審判決の判断を正当とし控訴を棄却するときでも、主文において、第一審判決の主文を新当事者に相応する主文に改める旨を明らかにすべきものである。

【参照条文】      民法43

             民法177

             不動産登記法26

             不動産登記法36

             民事訴訟法46

             不動産登記法110の3

             民事訴訟法384

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集26巻5号957頁

 

 

民法

(不動産に関する物権の変動の対抗要件)

第百七十七条 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

 

 

不動産登記法

(申請の却下)

第二十五条 登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、登記の申請を却下しなければならない。ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、登記官が定めた相当の期間内に、申請人がこれを補正したときは、この限りでない。

一 申請に係る不動産の所在地が当該申請を受けた登記所の管轄に属しないとき。

二 申請が登記事項(他の法令の規定により登記記録として登記すべき事項を含む。)以外の事項の登記を目的とするとき。

三 申請に係る登記が既に登記されているとき。

四 申請の権限を有しない者の申請によるとき。

五 申請情報又はその提供の方法がこの法律に基づく命令又はその他の法令の規定により定められた方式に適合しないとき。

六 申請情報の内容である不動産又は登記の目的である権利が登記記録と合致しないとき。

七 申請情報の内容である登記義務者(第六十五条、第七十七条、第八十九条第一項(同条第二項(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)及び第九十五条第二項において準用する場合を含む。)、第九十三条(第九十五条第二項において準用する場合を含む。)又は第百十条前段の場合にあっては、登記名義人)の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と合致しないとき。

八 申請情報の内容が第六十一条に規定する登記原因を証する情報の内容と合致しないとき。

九 第二十二条本文若しくは第六十一条の規定又はこの法律に基づく命令若しくはその他の法令の規定により申請情報と併せて提供しなければならないものとされている情報が提供されないとき。

十 第二十三条第一項に規定する期間内に同項の申出がないとき。

十一 表示に関する登記の申請に係る不動産の表示が第二十九条の規定による登記官の調査の結果と合致しないとき。

十二 登録免許税を納付しないとき。

十三 前各号に掲げる場合のほか、登記すべきものでないときとして政令で定めるとき。

 

(権利に関する登記の登記事項)

第五十九条 権利に関する登記の登記事項は、次のとおりとする。

一 登記の目的

二 申請の受付の年月日及び受付番号

三 登記原因及びその日付

四 登記に係る権利の権利者の氏名又は名称及び住所並びに登記名義人が二人以上であるときは当該権利の登記名義人ごとの持分

五 登記の目的である権利の消滅に関する定めがあるときは、その定め

六 共有物分割禁止の定め(共有物若しくは所有権以外の財産権について民法(明治二十九年法律第八十九号)第二百五十六条第一項ただし書(同法第二百六十四条において準用する場合を含む。)若しくは第九百八条第二項の規定により分割をしない旨の契約をした場合若しくは同条第一項の規定により被相続人が遺言で共有物若しくは所有権以外の財産権について分割を禁止した場合における共有物若しくは所有権以外の財産権の分割を禁止する定め又は同条第四項の規定により家庭裁判所が遺産である共有物若しくは所有権以外の財産権についてした分割を禁止する審判をいう。第六十五条において同じ。)があるときは、その定め

七 民法第四百二十三条その他の法令の規定により他人に代わって登記を申請した者(以下「代位者」という。)があるときは、当該代位者の氏名又は名称及び住所並びに代位原因

八 第二号に掲げるもののほか、権利の順位を明らかにするために必要な事項として法務省令で定めるもの

(共同申請)

第六十条 権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。

 

 

民事訴訟法

(法人でない社団等の当事者能力)

第二十九条 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものは、その名において訴え、又は訴えられることができる。

 

(控訴棄却)

第三百二条 控訴裁判所は、第一審判決を相当とするときは、控訴を棄却しなければならない。

2 第一審判決がその理由によれば不当である場合においても、他の理由により正当であるときは、控訴を棄却しなければならない。

 

 

民法一九二条にいう「過失ナキ」ことの立証責任

 

 

              船舶引渡請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/昭和39年(オ)第550号

【判決日付】      昭和41年6月9日

【判示事項】      民法一九二条にいう「過失ナキ」ことの立証責任

【判決要旨】      民法第一九二条により動産の上に行使する権利を取得したことを主張する占有者は、同条にいう「過失ナキ」ことを立証する責任を負わない。

【参照条文】      民法192

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集20巻5号1011頁

 

 

民法

(即時取得)

第百九十二条 取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。

 

 

窃盗罪の成立に必要な不正領得の意思があるとされた事例

 

 

窃盗、道路交通法違反被告事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷決定/昭和55年(あ)第1081号

【判決日付】      昭和55年10月30日

【判示事項】      窃盗罪の成立に必要な不正領得の意思があるとされた事例

【判決要旨】      他人所有の普通乗用自動車を、数時間にわたつて完全に自己の支配下に置く意図のもとに、駐車場から所有者に無断で乗り出し、その後約4時間余りの間乗り廻していたなどの事情があるときは、たとえ、使用後に元の場所に戻しておくつもりであつたとしても、右自動車に対する不正領得の意思があつたということができる。

【参照条文】      刑法235

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集34巻5号357頁

 

 

刑法

(窃盗)

第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 

 

男性看護師・育児休業・医療法人稲門会(いわくら病院)事件

 

 

損害賠償請求控訴事件

【事件番号】      大阪高等裁判所判決/平成25年(ネ)第3095号

【判決日付】      平成26年7月18日

【判示事項】      1 3か月間の育児休業を取得した男性看護師である原告Xについて,翌年度の職能給の昇給を行わなかったことは育児介護休業法10条に定める不利益取扱いに該当しないとした一審判決を変更し,被告Yの就業規則の不昇給規定を根拠に昇給させなかったことは,不法行為法上違法と判断され,平成23年度,24年度の給与および賞与差額8万9040円の請求が認められた例(退職金については損害なし)

             2 Yの育児休業規定9条3項(「昇給については,育児休業中は本人給のみの昇給とします」)に基づく職能給の不昇給は,Y病院の人事評価制度のあり方に照らしても合理性を欠き,育児休業取得者に無視できない経済的不利益を与えるものであって,育児休業の取得を抑制する働きをするものであるから,育児介護休業法10条に禁止する不利益取扱いに当たり,かつ,同法が労働者に保障した育児休業取得の権利を抑制し,ひいては同法が労働者に同権利を保障した趣旨を実質的に失わせるものであるといわざるを得ず,公序に反し,無効というべきであるとされた例

             3 Xは,平成22年度に育児休業を取得し3か月以上不就労期間が生じたことを理由として昇格試験受験に必要な標準期間に同年度が算入されなかったため,24年度の昇格試験の受験機会を与えられず,同年度の昇進の機会を失ったことによって精神的苦痛を受けたと認めるのが相当であるとして,不法行為に基づく慰謝料の請求を一部認容(15万円)した一審判断が維持された例

【掲載誌】        労働判例1104号71頁

             労働経済判例速報2224号3頁

 

 

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律

(育児休業期間)

第九条 育児休業申出をした労働者がその期間中は育児休業をすることができる期間(以下「育児休業期間」という。)は、育児休業開始予定日とされた日から育児休業終了予定日とされた日(第七条第三項の規定により当該育児休業終了予定日が変更された場合にあっては、その変更後の育児休業終了予定日とされた日。次項において同じ。)までの間とする。

2 次の各号に掲げるいずれかの事情が生じた場合には、育児休業期間は、前項の規定にかかわらず、当該事情が生じた日(第三号に掲げる事情が生じた場合にあっては、その前日)に終了する。

一 育児休業終了予定日とされた日の前日までに、子の死亡その他の労働者が育児休業申出に係る子を養育しないこととなった事由として厚生労働省令で定める事由が生じたこと。

二 育児休業終了予定日とされた日の前日までに、育児休業申出に係る子が一歳(第五条第三項の規定による申出により育児休業をしている場合にあっては一歳六か月、同条第四項の規定による申出により育児休業をしている場合にあっては二歳)に達したこと。

三 育児休業終了予定日とされた日までに、育児休業申出をした労働者について、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第六十五条第一項若しくは第二項の規定により休業する期間、第九条の五第一項に規定する出生時育児休業期間、第十五条第一項に規定する介護休業期間又は新たな育児休業期間が始まったこと。

3 前条第四項後段の規定は、前項第一号の厚生労働省令で定める事由が生じた場合について準用する。

 

(不利益取扱いの禁止)

第十条 事業主は、労働者が育児休業申出等(育児休業申出及び出生時育児休業申出をいう。以下同じ。)をし、若しくは育児休業をしたこと又は第九条の五第二項の規定による申出若しくは同条第四項の同意をしなかったことその他の同条第二項から第五項までの規定に関する事由であって厚生労働省令で定めるものを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。