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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

傷害致死の原因たる暴行にあたるとされた事例

 

 

傷害致死被告事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷決定/昭和36年(あ)第2048号

【判決日付】      昭和39年1月28日

【判示事項】      傷害致死の原因たる暴行にあたるとされた事例

【判決要旨】      狭い4畳半の室内で被害者を脅かすために日本刀の抜き身を数回振り廻した行為は、同人に対する暴行というべきである。

【参照条文】      刑法205

             刑法208

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集18巻1号31頁

 

 

刑法

(傷害致死)

第二百五条 身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。

 

(暴行)

第二百八条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

 

 

民法550条所定の書面にあたるとされた事例

 

 

土地所有権移転登記手続請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/昭和53年(オ)第831号

【判決日付】      昭和53年11月30日

【判示事項】      民法550条所定の書面にあたるとされた事例

【判決要旨】      AがYを相手方として申し立てた財産処分禁止請求調停事件にXが利害関係人として参加して調停が成立し、調停調書に「Yは、その所有地のち約45坪(別紙図面記載のX所有部分)を除いた部分を処分しようとするときには、Aと約10日前に相談のうえでする」旨の条項が記載されたが、右調停調書においてX所有部分として約45坪の土地が除外されたのは、右調停に際し、YからXに対し右土地を贈与する合意が成立したためであるときは、右調停調書は、Y、X間の贈与について作成された民法550条所定の書面にあたる。

【参照条文】      民法550

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集32巻8号1601頁

 

 

民法

(書面によらない贈与の解除)

第五百五十条 書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。

 

 

 

大分県屋外広告物条例違反被告事件

 

 

大分県屋外広告物条例違反被告事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/昭和59年(あ)第1090号

【判決日付】      昭和62年3月3日

【判示事項】      大分県屋外広告物条例33条1号、4条1項3号を適用しても憲法21条1項に違反しないとされた事例

【判決要旨】      大分県屋外広告物条例で広告物の表示を禁止されている街路樹2本の各支柱に、政党の演説会開催の告知宣伝を内容とするいわゆるプラカード式ポスター各1枚を針金でくくりつけた所為につき、同条例33条1号、4条1項3号の各規定を適用してこれを処罰しても憲法21条1項に違反しない。(補足意見がある。)

【参照条文】      大分県屋外広告物条例(昭和39年大分県条例第71号)4-1

             大分県屋外広告物条例(昭和39年大分県条例第71号)33

             憲法21-1

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集41巻2号15頁

 

 

憲法

第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

② 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

 

代表取締役の権限濫用の行為と民法第93条

 

 

登記抹消等請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/昭和35年(オ)第1388号

【判決日付】      昭和38年9月5日

【判示事項】      代表取締役の権限濫用の行為と民法第93条

【判決要旨】      株式会社の代表取締役が自己の利益のため会社の代表者名義でなした法律行為は、相手方が右代表取締役の真意を知り、または、知りうべきものであつたときは、その効力を生じない。

【参照条文】      民法93

             商法261

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集17巻8号909頁

             最高裁判所裁判集民事67号451頁

【評釈論文】      法学(東北大)28巻4号116頁

             法学協会雑誌82巻4号95頁

             法曹時報16巻2号87頁

             法と政治15巻2号73頁

             民商法雑誌50巻4号56頁

 

 

民法

(心裡り留保)

第九十三条 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。

2 前項ただし書の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。

 

 

会社法

(競業及び利益相反取引の制限)

第三百五十六条 取締役は、次に掲げる場合には、株主総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。

一 取締役が自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引をしようとするとき。

二 取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするとき。

三 株式会社が取締役の債務を保証することその他取締役以外の者との間において株式会社と当該取締役との利益が相反する取引をしようとするとき。

2 民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項第二号又は第三号の取引については、適用しない。

 

 

朝日放送株式会社がインターネット利用者に提供するため開設したホームページ内の天気予報画像を消去してわいせつな画像等に置き換え、同会社の情報提供業務を妨害するとともに、わいせつな画像を不特定多数のインターネット利用者に閲覧させた事案につき、電子計算機損壊等業務妨害罪及びわいせつ図画公然陳列罪の成立が認められた事例

 

 

              電子計算機損壊等業務妨害、わいせつ図画公然陳列被告事件

【事件番号】      大阪地方裁判所判決/平成9年(わ)第2305号

【判決日付】      平成9年10月3日

【判示事項】      朝日放送株式会社がインターネット利用者に提供するため開設したホームページ内の天気予報画像を消去してわいせつな画像等に置き換え、同会社の情報提供業務を妨害するとともに、わいせつな画像を不特定多数のインターネット利用者に閲覧させた事案につき、電子計算機損壊等業務妨害罪及びわいせつ図画公然陳列罪の成立が認められた事例

【参照条文】      刑法234の2

             刑法175

【掲載誌】        判例タイムズ980号285頁

             刑事裁判資料273号215頁

 

 

刑法

(電子計算機損壊等業務妨害)

第二百三十四条の二 人の業務に使用する電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、若しくは人の業務に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、又はその他の方法により、電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせて、人の業務を妨害した者は、五年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

2 前項の罪の未遂は、罰する。

 

(わいせつ物頒布等)

第百七十五条 わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。

2 有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。

 

衆議院小選挙区選出議員の選挙区割りを定める公職選挙法(令和4年改正前)13条1項,別表第1の規定の合憲性

 

 

選挙無効請求事件

【事件番号】      最高裁判所大法廷判決/令和4年(行ツ)第130号

【判決日付】      令和5年1月25日

【判示事項】      衆議院小選挙区選出議員の選挙区割りを定める公職選挙法(令和4年法律第89号による改正前のもの)13条1項,別表第1の規定の合憲性

【判決要旨】      令和3年10月31日施行の衆議院議員総選挙当時において,公職選挙法(令和4年法律第89号による改正前のもの)13条1項,別表第1の定める衆議院小選挙区選出議員の選挙区割りは,憲法の投票価値の平等の要求に反する状態にあったということはできず,上記規定が憲法14条1項等に違反するものということはできない。

             (反対意見がある。)

【参照条文】      憲法14-1

             憲法15-1

             憲法15-3

             憲法43-1

             憲法44

             公職選挙法(令4法89号改正前)13-1

             公職選挙法(令4法89号改正前)別表第1

【掲載誌】        判例タイムズ1506号15頁

 

 

憲法

第十四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

② 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。

③ 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

第十五条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。

② すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。

③ 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。

④ すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

 

第四十三条 両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。

② 両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。

第四十四条 両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によつて差別してはならない。

 

 

公職選挙法

(衆議院議員の選挙区)

第十三条 衆議院(小選挙区選出)議員の選挙区は、別表第一で定め、各選挙区において選挙すべき議員の数は、一人とする。

2 衆議院(比例代表選出)議員の選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数は、別表第二で定める。

3 別表第一に掲げる行政区画その他の区域に変更があつても、衆議院(小選挙区選出)議員の選挙区は、なお従前の区域による。ただし、二以上の選挙区にわたつて市町村の境界変更があつたときは、この限りでない。

4 前項ただし書の場合において、当該市町村の境界変更に係る区域の新たに属することとなつた市町村が二以上の選挙区に分かれているときは、当該区域の選挙区の所属については、政令で定める。

5 衆議院(比例代表選出)議員の二以上の選挙区にわたつて市町村の廃置分合が行われたときは、第二項の規定にかかわらず、別表第一が最初に更正されるまでの間は、衆議院(比例代表選出)議員の選挙区は、なお従前の区域による。

6 地方自治法第六条の二第一項の規定による都道府県の廃置分合があつても、衆議院(比例代表選出)議員の選挙区は、なお従前の区域による。

7 別表第二は、国勢調査(統計法(平成十九年法律第五十三号)第五条第二項本文の規定により十年ごとに行われる国勢調査に限る。以下この項において同じ。)の結果によつて、更正することを例とする。この場合において、各選挙区の議員数は、各選挙区の人口(最近の国勢調査の結果による日本国民の人口をいう。以下この項において同じ。)を比例代表基準除数(その除数で各選挙区の人口を除して得た数(一未満の端数が生じたときは、これを一に切り上げるものとする。)の合計数が第四条第一項に規定する衆議院比例代表選出議員の定数に相当する数と合致することとなる除数をいう。)で除して得た数(一未満の端数が生じたときは、これを一に切り上げるものとする。)とする。

 

 

朝日火災海上保険事件

 

 

              配転無効仮処分申請事件

【事件番号】      東京地方裁判所決定/平成3年(ヨ)第2315号

【判決日付】      平成4年6月23日

【判示事項】      一 本件配転は、組合の内外において会社に強く対抗する姿勢をとり続けてきた債権者を嫌悪し、これに対し不利益な取扱いをするという不当な動機・目的をもってなされたもので、権利濫用にあたり、無効であるとされた例

             二 右配転の無効確認仮処分申請につき、保全の必要性ありとされた例

             三 木更津営業所から米子営業所への配転命令につき、無効確認仮処分申請が認容された例

【掲載誌】        判例時報1439号151頁

             労働判例613号31頁

             労働経済判例速報1469号16頁

【評釈論文】      ジュリスト1039号139頁

             労働法律旬報1314号35頁

 

 

労働組合法

(不当労働行為)

第七条 使用者は、次の各号に掲げる行為をしてはならない。

一 労働者が労働組合の組合員であること、労働組合に加入し、若しくはこれを結成しようとしたこと若しくは労働組合の正当な行為をしたことの故をもつて、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること又は労働者が労働組合に加入せず、若しくは労働組合から脱退することを雇用条件とすること。ただし、労働組合が特定の工場事業場に雇用される労働者の過半数を代表する場合において、その労働者がその労働組合の組合員であることを雇用条件とする労働協約を締結することを妨げるものではない。

二 使用者が雇用する労働者の代表者と団体交渉をすることを正当な理由がなくて拒むこと。

三 労働者が労働組合を結成し、若しくは運営することを支配し、若しくはこれに介入すること、又は労働組合の運営のための経費の支払につき経理上の援助を与えること。ただし、労働者が労働時間中に時間又は賃金を失うことなく使用者と協議し、又は交渉することを使用者が許すことを妨げるものではなく、かつ、厚生資金又は経済上の不幸若しくは災厄を防止し、若しくは救済するための支出に実際に用いられる福利その他の基金に対する使用者の寄附及び最小限の広さの事務所の供与を除くものとする。

四 労働者が労働委員会に対し使用者がこの条の規定に違反した旨の申立てをしたこと若しくは中央労働委員会に対し第二十七条の十二第一項の規定による命令に対する再審査の申立てをしたこと又は労働委員会がこれらの申立てに係る調査若しくは審問をし、若しくは当事者に和解を勧め、若しくは労働関係調整法(昭和二十一年法律第二十五号)による労働争議の調整をする場合に労働者が証拠を提示し、若しくは発言をしたことを理由として、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱いをすること。

 

 

中部電力事件・株主代表訴訟における担保提供決定が抗告審において変更された事例

 

 

担保提供決定に対する即時抗告申立事件

【事件番号】      名古屋高等裁判所決定/平成7年(ラ)第49号

【判決日付】      平成7年11月15日

【判示事項】      株主代表訴訟における担保提供決定が抗告審において変更された事例

【判決要旨】      電力会社の原子力発電所の建設計画の維持のため六〇億円の支出と漁協に対する二億円の支出が違法であるとする取締役に対する株主による損害賠償を求める株主代表訴訟において、右六〇億円の損害賠償請求に関する訴えについては「悪意」に出たものとして担保の堤供を命ずるのが相当であるが、右二億円の損害賠償請求に関する訴えについては不当訴訟であるとは断定できないし、株主代表訴訟制度の目的を逸脱ないし濫用するものとは認められず担保の提供を命ずることはできない。

【参照条文】      商法106-2

             商法267-5

             商法267-6

【掲載誌】        判例タイムズ892号121頁

             金融・商事判例983号10頁

             商事法務資料版141号191頁

 

 

会社法

(株主による責任追及等の訴え)

第八百四十七条 六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)は、株式会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、発起人、設立時取締役、設立時監査役、役員等(第四百二十三条第一項に規定する役員等をいう。)若しくは清算人(以下この節において「発起人等」という。)の責任を追及する訴え、第百二条の二第一項、第二百十二条第一項若しくは第二百八十五条第一項の規定による支払を求める訴え、第百二十条第三項の利益の返還を求める訴え又は第二百十三条の二第一項若しくは第二百八十六条の二第一項の規定による支払若しくは給付を求める訴え(以下この節において「責任追及等の訴え」という。)の提起を請求することができる。ただし、責任追及等の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。

2 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。

3 株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該請求をした株主は、株式会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。

4 株式会社は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しない場合において、当該請求をした株主又は同項の発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及等の訴えを提起しない理由を書面その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。

5 第一項及び第三項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項の株主は、株式会社のために、直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。

 

(責任追及等の訴えに係る訴訟費用等)

第八百四十七条の四 第八百四十七条第三項若しくは第五項、第八百四十七条の二第六項若しくは第八項又は前条第七項若しくは第九項の責任追及等の訴えは、訴訟の目的の価額の算定については、財産権上の請求でない請求に係る訴えとみなす。

2 株主等(株主、適格旧株主又は最終完全親会社等の株主をいう。以下この節において同じ。)が責任追及等の訴えを提起したときは、裁判所は、被告の申立てにより、当該株主等に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。

3 被告が前項の申立てをするには、責任追及等の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。

船舶所有者の代理店として船舶の運行業務を行なう者が船舶所有者の依頼によりその航海継続に必要な費用を立替支払つた場合右償還請求権は商法第842条第6号の債権に当たるか(積極)

 

 

船舶運行仮処分申請事件

【事件番号】      横浜地方裁判所川崎支部決定/昭和43年(ヨ)第374号

【判決日付】      昭和43年12月27日

【判示事項】      1、船舶所有者の代理店として船舶の運行業務を行なう者が船舶所有者の依頼によりその航海継続に必要な費用を立替支払つた場合右償還請求権は商法第842条第6号の債権に当たるか(積極)

             2、任意競売により差し押えられた船舶の運行許可を求める仮処分申請を却下した事例

【参照条文】      商法842

             民事訴訟法719

             民事訴訟法760

【掲載誌】        下級裁判所民事裁判例集19巻11~12号851頁

 

 

商法

(船舶先取特権)

第八百四十二条 次に掲げる債権を有する者は、船舶及びその属具について先取特権を有する。

一 船舶の運航に直接関連して生じた人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権

二 救助料に係る債権又は船舶の負担に属する共同海損の分担に基づく債権

三 国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)若しくは国税徴収の例によって徴収することのできる請求権であって船舶の入港、港湾の利用その他船舶の航海に関して生じたもの又は水先料若しくは引き船料に係る債権

四 航海を継続するために必要な費用に係る債権

五 雇用契約によって生じた船長その他の船員の債権

 

 

民事保全法

(仮処分命令の必要性等)

第二十三条 係争物に関する仮処分命令は、その現状の変更により、債権者が権利を実行することができなくなるおそれがあるとき、又は権利を実行するのに著しい困難を生ずるおそれがあるときに発することができる。

2 仮の地位を定める仮処分命令は、争いがある権利関係について債権者に生ずる著しい損害又は急迫の危険を避けるためこれを必要とするときに発することができる。

3 第二十条第二項の規定は、仮処分命令について準用する。

4 第二項の仮処分命令は、口頭弁論又は債務者が立ち会うことができる審尋の期日を経なければ、これを発することができない。ただし、その期日を経ることにより仮処分命令の申立ての目的を達することができない事情があるときは、この限りでない。

 

 

 

納税告知処分により納付した源泉徴収に係る所得税本税の返還請求が、国税通則法56条1項所定の誤納金還付請求に当たり、右請求権の消滅時効期間は同法74条1項に従い納付の日から5年であるとした判断が維持された事例

 

 

              所得税賦課徴収処分不存在確認請求上告事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷/昭和52年(行ツ)第89号

【判決日付】      昭和53年2月10日

【判示事項】      1 納税告知処分により納付した源泉徴収に係る所得税本税の返還請求が、国税通則法56条1項所定の誤納金還付請求に当たり、右請求権の消滅時効期間は同法74条1項に従い納付の日から5年であるとした判断が維持された事例

             2 法人税再更正処分と源泉徴収に係る所得税の加算税賦課決定処分とが同一の事由に基づいてされた場合、右再更正処分を取り消す確定判決は、右加算税賦課決定処分の効力又は加算税納税義務に何らの影響を及ぼさないとの判断が維持された事例

【判決要旨】      (1)(2) 省略

【参照条文】      国税通則法56-1

             国税通則法74-1

             民法167-1

             民法703

             行政事件訴訟法33-1

             民事訴訟法199-1

【掲載誌】        訟務月報24巻10号2108頁

             税務訴訟資料97号159頁

 

 

国税通則法

(還付)

第五十六条 国税局長、税務署長又は税関長は、還付金又は国税に係る過誤納金(以下「還付金等」という。)があるときは、遅滞なく、金銭で還付しなければならない。

2 国税局長は、必要があると認めるときは、その管轄区域内の地域を所轄する税務署長からその還付すべき還付金等について還付の引継ぎを受けることができる。

 

(還付金等の消滅時効)

第七十四条 還付金等に係る国に対する請求権は、その請求をすることができる日から五年間行使しないことによつて、時効により消滅する。

2 第七十二条第二項及び第三項(国税の徴収権の消滅時効の絶対的効力等)の規定は、前項の場合について準用する。

 

 

民法

(債権等の消滅時効)

第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。

二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

2 債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から二十年間行使しないときは、時効によって消滅する。

3 前二項の規定は、始期付権利又は停止条件付権利の目的物を占有する第三者のために、その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げない。ただし、権利者は、その時効を更新するため、いつでも占有者の承認を求めることができる。

 

(不当利得の返還義務)

第七百三条 法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。

 

 

行政事件訴訟法

第三十三条 処分又は裁決を取り消す判決は、その事件について、処分又は裁決をした行政庁その他の関係行政庁を拘束する。

2 申請を却下し若しくは棄却した処分又は審査請求を却下し若しくは棄却した裁決が判決により取り消されたときは、その処分又は裁決をした行政庁は、判決の趣旨に従い、改めて申請に対する処分又は審査請求に対する裁決をしなければならない。

3 前項の規定は、申請に基づいてした処分又は審査請求を認容した裁決が判決により手続に違法があることを理由として取り消された場合に準用する。

4 第一項の規定は、執行停止の決定に準用する。

 

 

民事訴訟法

(判決書)

第二百五十三条 判決書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

一 主文

二 事実

三 理由

四 口頭弁論の終結の日

五 当事者及び法定代理人

六 裁判所

2 事実の記載においては、請求を明らかにし、かつ、主文が正当であることを示すのに必要な主張を摘示しなければならない。