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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

公道に一・四五メートル接する土地の上に建築基準法が施行されるよりも前から存在した建築物が取り壊された場合に同土地の所有者のためにいわゆる接道要件を満たすべき内容の囲繞地通行権が認められないとされた事例

 

 

通行権確認等請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/平成8年(オ)第539号

【判決日付】      平成11年7月13日

【判示事項】      公道に一.四五メートル接する土地の上に建築基準法が施行されるよりも前から存在した建築物が取り壊された場合に同土地の所有者のためにいわゆる接道要件を満たすべき内容の囲繞地通行権が認められないとされた事例

【判決要旨】      公道に一.四五メートル接する甲土地の上に建築基準法が施行されるよりも前から存在した建築物が老朽化したために取り壊されたが、その当時、甲土地に隣接し右公道に接する乙土地は同法の規定が適用される建築物の敷地とされていたなど判示の事実関係の下においては、甲土地の所有者のために、乙土地について、同法43条1項本文所定のいわゆる接道要件を満たすべき内容の囲繞地通行権は、認められない。

【参照条文】      民法210

             建築基準法3-2

             建築基準法43-1

【掲載誌】        最高裁判所裁判集民事193号427頁

             裁判所時報1247号201頁

             判例タイムズ1010号235頁

             判例時報1687号75頁

 

 

民法

(公道に至るための他の土地の通行権)

第二百十条 他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。

2 池沼、河川、水路若しくは海を通らなければ公道に至ることができないとき、又は崖がけがあって土地と公道とに著しい高低差があるときも、前項と同様とする。

 

 

建築基準法

(適用の除外)

第三条 この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。

一 文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)の規定によつて国宝、重要文化財、重要有形民俗文化財、特別史跡名勝天然記念物又は史跡名勝天然記念物として指定され、又は仮指定された建築物

二 旧重要美術品等の保存に関する法律(昭和八年法律第四十三号)の規定によつて重要美術品等として認定された建築物

三 文化財保護法第百八十二条第二項の条例その他の条例の定めるところにより現状変更の規制及び保存のための措置が講じられている建築物(次号において「保存建築物」という。)であつて、特定行政庁が建築審査会の同意を得て指定したもの

四 第一号若しくは第二号に掲げる建築物又は保存建築物であつたものの原形を再現する建築物で、特定行政庁が建築審査会の同意を得てその原形の再現がやむを得ないと認めたもの

2 この法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用の際現に存する建築物若しくはその敷地又は現に建築、修繕若しくは模様替の工事中の建築物若しくはその敷地がこれらの規定に適合せず、又はこれらの規定に適合しない部分を有する場合においては、当該建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分に対しては、当該規定は、適用しない。

3 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分に対しては、適用しない。

一 この法律又はこれに基づく命令若しくは条例を改正する法令による改正(この法律に基づく命令又は条例を廃止すると同時に新たにこれに相当する命令又は条例を制定することを含む。)後のこの法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の適用の際当該規定に相当する従前の規定に違反している建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分

二 都市計画区域若しくは準都市計画区域の指定若しくは変更、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、田園住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域若しくは工業専用地域若しくは防火地域若しくは準防火地域に関する都市計画の決定若しくは変更、第四十二条第一項、第五十二条第二項第二号若しくは第三号若しくは第八項、第五十六条第一項第二号イ若しくは別表第三備考三の号の区域の指定若しくはその取消し又は第五十二条第一項第八号、第二項第三号若しくは第八項、第五十三条第一項第六号、第五十六条第一項第二号ニ若しくは別表第三(に)欄の五の項に掲げる数値の決定若しくは変更により、第四十三条第一項、第四十八条第一項から第十四項まで、第五十二条第一項、第二項、第七項若しくは第八項、第五十三条第一項から第三項まで、第五十四条第一項、第五十五条第一項、第五十六条第一項、第五十六条の二第一項若しくは第六十一条に規定する建築物、建築物の敷地若しくは建築物若しくはその敷地の部分に関する制限又は第四十三条第三項、第四十三条の二、第四十九条から第五十条まで若しくは第六十八条の九の規定に基づく条例に規定する建築物、建築物の敷地若しくは建築物若しくはその敷地の部分に関する制限に変更があつた場合における当該変更後の制限に相当する従前の制限に違反している建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分

三 工事の着手がこの法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用の後である増築、改築、移転、大規模の修繕又は大規模の模様替に係る建築物又はその敷地

四 前号に該当する建築物又はその敷地の部分

五 この法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に適合するに至つた建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分

 

(敷地等と道路との関係)

第四十三条 建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。

一 自動車のみの交通の用に供する道路

二 地区計画の区域(地区整備計画が定められている区域のうち都市計画法第十二条の十一の規定により建築物その他の工作物の敷地として併せて利用すべき区域として定められている区域に限る。)内の道路

2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。

一 その敷地が幅員四メートル以上の道(道路に該当するものを除き、避難及び通行の安全上必要な国土交通省令で定める基準に適合するものに限る。)に二メートル以上接する建築物のうち、利用者が少数であるものとしてその用途及び規模に関し国土交通省令で定める基準に適合するもので、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの

二 その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの

3 地方公共団体は、次の各号のいずれかに該当する建築物について、その用途、規模又は位置の特殊性により、第一項の規定によつては避難又は通行の安全の目的を十分に達成することが困難であると認めるときは、条例で、その敷地が接しなければならない道路の幅員、その敷地が道路に接する部分の長さその他その敷地又は建築物と道路との関係に関して必要な制限を付加することができる。

一 特殊建築物

二 階数が三以上である建築物

三 政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物

四 延べ面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合にあつては、その延べ面積の合計。次号、第四節、第七節及び別表第三において同じ。)が千平方メートルを超える建築物

五 その敷地が袋路状道路(その一端のみが他の道路に接続したものをいう。)にのみ接する建築物で、延べ面積が百五十平方メートルを超えるもの(一戸建ての住宅を除く。)

 

 

 

民事執行法197条1項2号に該当する事由があるとしてされた財産開示手続の実施決定に対する執行抗告において請求債権の不存在又は消滅を執行抗告の理由とすることの許否

 

 

              財産開示手続実施決定に対する執行抗告審の取消決定に対する許可抗告事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷決定/令和3年(許)第16号

【判決日付】      令和4年10月6日

【判示事項】      民事執行法197条1項2号に該当する事由があるとしてされた財産開示手続の実施決定に対する執行抗告において請求債権の不存在又は消滅を執行抗告の理由とすることの許否

【判決要旨】      民事執行法197条1項2号に該当する事由があるとしてされた財産開示手続の実施決定に対する執行抗告においては,債務名義の正本に表示された金銭債権である請求債権の不存在又は消滅を執行抗告の理由とすることはできない。

【参照条文】      民事執行法197-1

             民事執行法197-5

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集76巻6号1320頁

 

 

民事執行法

(実施決定)

第百九十七条 執行裁判所は、次の各号のいずれかに該当するときは、執行力のある債務名義の正本を有する金銭債権の債権者の申立てにより、債務者について、財産開示手続を実施する旨の決定をしなければならない。ただし、当該執行力のある債務名義の正本に基づく強制執行を開始することができないときは、この限りでない。

一 強制執行又は担保権の実行における配当等の手続(申立ての日より六月以上前に終了したものを除く。)において、申立人が当該金銭債権の完全な弁済を得ることができなかつたとき。

二 知れている財産に対する強制執行を実施しても、申立人が当該金銭債権の完全な弁済を得られないことの疎明があつたとき。

2 執行裁判所は、次の各号のいずれかに該当するときは、債務者の財産について一般の先取特権を有することを証する文書を提出した債権者の申立てにより、当該債務者について、財産開示手続を実施する旨の決定をしなければならない。

一 強制執行又は担保権の実行における配当等の手続(申立ての日より六月以上前に終了したものを除く。)において、申立人が当該先取特権の被担保債権の完全な弁済を得ることができなかつたとき。

二 知れている財産に対する担保権の実行を実施しても、申立人が前号の被担保債権の完全な弁済を得られないことの疎明があつたとき。

3 前二項の規定にかかわらず、債務者(債務者に法定代理人がある場合にあつては当該法定代理人、債務者が法人である場合にあつてはその代表者。第一号において同じ。)が前二項の申立ての日前三年以内に財産開示期日(財産を開示すべき期日をいう。以下同じ。)においてその財産について陳述をしたものであるときは、財産開示手続を実施する旨の決定をすることができない。ただし、次の各号に掲げる事由のいずれかがある場合は、この限りでない。

一 債務者が当該財産開示期日において一部の財産を開示しなかつたとき。

二 債務者が当該財産開示期日の後に新たに財産を取得したとき。

三 当該財産開示期日の後に債務者と使用者との雇用関係が終了したとき。

4 第一項又は第二項の決定がされたときは、当該決定(同項の決定にあつては、当該決定及び同項の文書の写し)を債務者に送達しなければならない。

5 第一項又は第二項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。

6 第一項又は第二項の決定は、確定しなければその効力を生じない。

 

 

 

 

       主   文

 

 原決定を破棄する。

 本件を東京高等裁判所に差し戻す。

 

       理   由

 

 抗告代理人延時潤一の抗告理由について

 1 本件は、執行力のある債務名義である養育費支払等契約公正証書(以下「本件執行証書」という。)の正本を有する金銭債権の債権者である抗告人が、民事執行法(以下「法」という。)197条1項2号に基づき、債務者である相手方について、財産開示手続の実施を申し立てた事案である。

 2 記録によれば、本件の経緯は次のとおりである。

 (1) 抗告人と相手方は、平成28年12月、本件執行証書により、相手方が支払義務を負う両者の間の子の監護費用に関する合意をし、離婚した。

 (2) 抗告人は、令和3年2月、本件執行証書について執行文の付与を受け、本件執行証書及び当該執行文の謄本が相手方に送達された。

 (3) 抗告人は、令和3年6月、本件執行証書に表示された子の監護費用に係る確定期限の定めのある金銭債権を請求債権として、本件申立てをした。

 (4) 原々審は、令和3年7月、本件申立ては理由があるとして、相手方について、財産開示手続の実施決定(原々決定)をした。

 (5) その後、相手方は、原々決定に対し、執行抗告をした上で、抗告人に対し、前記請求債権のうち確定期限が到来しているもの(以下「本件債権」という。)について弁済をした。

 3 原審は、要旨次のとおり判断した上で、本件債権は弁済により消滅したとして、原々決定を取り消し、本件申立てを却下した。

 債務名義の正本に表示された金銭債権である請求債権(以下、単に「請求債権」という。)が弁済によって消滅した場合には、もはや法197条1項2号に該当する事由があるとはいえなくなるから、当該事由の有無の判断において請求債権に対する弁済の事実を考慮することができないと解すべき根拠はない。また、財産開示手続に強制執行及び担保権の実行に関する規定を準用する法203条は、請求異議の訴えについて規定する法35条を準用していないから、上記事由があるとしてされた財産開示手続の実施決定に対する執行抗告において、債務者が請求債権の不存在又は消滅を主張することを許さない趣旨であるとは解されない。したがって、上記執行抗告においては、請求債権の不存在又は消滅を執行抗告の理由とすることができると解すべきである。

 4 しかしながら、原審の上記判断は是認することができない。その理由は、次のとおりである。

 法には、実体上の事由に基づいて強制執行の不許を求めるための手続として、請求異議の訴えが設けられているところ、請求債権の存否は請求異議の訴えによって判断されるべきものであって、執行裁判所が強制執行の手続においてその存否を考慮することは予定されておらず、このことは、強制執行の準備として行われる財産開示手続においても異ならないというべきである。そのため、執行力のある債務名義の正本を有する金銭債権の債権者から法197条1項2号に該当する事由があるとして財産開示手続の実施を求める申立てがあった場合には、執行裁判所は、請求債権の存否について考慮することなく、これが存するものとして当該事由の有無を判断すべきである。そして、債務者は、請求異議の訴え又は請求異議の訴えに係る執行停止の裁判の手続において請求債権の不存在又は消滅を主張し、法39条1項1号、7号等に掲げる文書を執行裁判所に提出することにより、財産開示手続の停止又は取消しを求めることができるのであり(法203条において準用する法39条1項及び40条1項)、法203条が法35条を準用していないことは、上記事由があるとしてされた財産開示手続の実施決定に対する執行抗告において、債務者が請求債権の不存在又は消滅を主張することができる根拠となるものではない。

 したがって、法197条1項2号に該当する事由があるとしてされた財産開示手続の実施決定に対する執行抗告においては、請求債権の不存在又は消滅を執行抗告の理由とすることはできないと解するのが相当である。

 5 以上と異なる見解の下に、本件申立てを却下した原審の判断には、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由があり、原決定は破棄を免れない。そして、更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻すこととする。

 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

 

大阪の店舗マネージャー職から東京営業部への本件配転命令につき、業務上の必要性は認められず、心臓病三種合併症に罹患した長女の介護に伴う控訴人らの不利益は軽視しがたく解消措置が講じられたとは認めがたいとして、権利濫用に当たり無効とされ、東京で勤務する義務のないことが確認された例

 

 

地位確認等請求控訴事件

【事件番号】      大阪高等裁判所判決/平成16年(ネ)第528号

【判決日付】      平成17年1月25日

【判示事項】      1 管理職としての職務遂行上の問題を理由とするマネージャーB職から店長A職への本件降格処分が無効といえないとして、降格処分を受ける前の地位にあることの確認、賃金差額請求を棄却した一審判決が維持された例

             2 採用時の経緯から、黙示にせよ勤務地限定合意の成立が認められるが、仮に認められないとしても、少なくとも被控訴人会社は控訴人に対し、勤務地が関西地区に限定されるよう、できる限り配慮すべき信義則上の義務を負っていたと解すべきとされた例

             3 大阪の店舗マネージャー職から東京営業部への本件配転命令につき、業務上の必要性は認められず、心臓病三種合併症に罹患した長女の介護に伴う控訴人らの不利益は軽視しがたく解消措置が講じられたとは認めがたいとして、権利濫用に当たり無効とされ、東京で勤務する義務のないことが確認された例

             4 仮処分決定により本件配転命令の効力を停止されたためになされた関連庫会社大阪部門への本件出向命令につき、その法的根拠自体を欠くか権利を濫用してなされたものとして無効とされ、当該会社大阪部門で勤務する義務のないことが確認された例

             5 本件配転命令および出向命令が人事権を濫用した不法行為に当たるとされ、慰謝料額として100万円が相当とされた例

             6 本件配転命令および出向命令が権利濫用に当たらないとして有効とした一審判決が、一部失当として変更された例

【掲載誌】        労働判例890号27頁

 

 

労働契約法

(出向)

第十四条 使用者が労働者に出向を命ずることができる場合において、当該出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、当該命令は、無効とする。

 

津市地鎮祭事件

 

 

行政処分取消等請求事件

【事件番号】      最高裁判所大法廷判決/昭和46年(行ツ)第69号

【判決日付】      昭和52年7月13日

【判示事項】      一、憲法における政教分離原則

             二、憲法20条3項にいう宗教的活動の意義

             三、市の主催により神式に則り挙行された市体育館の起工式が憲法20条3項にいう宗教的活動にあたらないとされた事例

【判決要旨】      一、憲法における政教分離原則は、国家が宗教的に中立であることを要求するものであるが、国家が宗教とのかかわり合いをもつことを全く許さないとするものではなく、宗教とのかかわり合いをもたらす行為の目的及び効果にかんがみ、そのかかわり合いが、わが国の社会的・文化的諸条件に照らし、信教の自由の保障の確保という制度の根本目的との関係で、相当とされる限度を超えるものと認められる場合にこれを許さないものとするものである。

             二、憲法20条3項にいう宗教的活動とは、国及びその機関の活動で宗教とのかかわり合いをもつすべての行為を指すものではなく、当該行為の目的が宗教的意義をもち、その効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になるような行為をいう。

             三、市の主催により神式に則り挙行された市体育館の起工式は、宗教とかかわり合いをもつものではあるが、その目的が建築着工に際し土地の平安堅固、工事の無事安全を願い、社会の一般的慣習に従った儀礼を行うという専ら世俗的なものと認められ、その効果が神道を援助、助長、促進し又は他の宗教に圧迫、干渉を加えるものとは認められない、判示の事情のもとにおいては、憲法20条3項にいう宗教的活動にはあたらない。

【参照条文】      憲法20

             憲法89

             憲法20-3

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集31巻4号533頁

 

 

憲法

第二十条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

② 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。

③ 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

 

第八十九条 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

 

証人が証言を拒む場合と刑訴第321条第1項第2号の適用


    団体等規正令違反犯人蔵匿被告事件
【事件番号】    最高裁判所大法廷判決/昭和26年(あ)第2357号
【判決日付】    昭和27年4月9日
【判示事項】    1、団体等規正令第10条第3項による法務総裁の出頭要求の効力に関する裁判所の審判権限
          2、刑訴第321条第1項第2号の法意
          3、証人が証言を拒む場合と刑訴第321条第1項第2号の適用
【判決要旨】    1、団体等規正令第10条第3項による法務総裁の出頭要求に応じない罪に関する裁判において、裁判所は、その出頭要求無効の主張に対しては審判の権限を有しない。
          2、刑訴第321条第1項第2号の規定に供述者が供述することができないときとしてその事由を掲記しているのは、その記述者を裁判所において証人として尋問することを妨げるべき障碍事由を示したもので、これと同様またはそれ以上の事由の存する場合において同条所定の書面に証拠能力を認めることを妨げるものではない。
          3、証人が証言を拒む場合には、刑訴第321条第1項第2号により、その検察官の面前における供述録取書面を証拠とすることを妨げない。
【参照条文】    団体等規正令(昭和24年政令64号)10-3
          団体等規正令13
          刑事訴訟法321-1
          刑事訴訟法146
          刑事訴訟法147
【掲載誌】     最高裁判所刑事判例集6巻4号584頁


刑事訴訟法
第三百二十一条 被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。
一 裁判官の面前(第百五十七条の六第一項及び第二項に規定する方法による場合を含む。)における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は供述者が公判準備若しくは公判期日において前の供述と異なつた供述をしたとき。
二 検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異なつた供述をしたとき。ただし、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。
三 前二号に掲げる書面以外の書面については、供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、かつ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。ただし、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限る。
② 被告人以外の者の公判準備若しくは公判期日における供述を録取した書面又は裁判所若しくは裁判官の検証の結果を記載した書面は、前項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
③ 検察官、検察事務官又は司法警察職員の検証の結果を記載した書面は、その供述者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときは、第一項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
④ 鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人の作成したものについても、前項と同様である。

第百四十六条 何人も、自己が刑事訴追を受け、又は有罪判決を受ける虞のある証言を拒むことができる。
第百四十七条 何人も、左に掲げる者が刑事訴追を受け、又は有罪判決を受ける虞のある証言を拒むことができる。
一 自己の配偶者、三親等内の血族若しくは二親等内の姻族又は自己とこれらの親族関係があつた者
二 自己の後見人、後見監督人又は保佐人
三 自己を後見人、後見監督人又は保佐人とする者

 

全国消費実態調査の調査票情報を記録した準文書が民訴法231条において準用する同法220条4号ロ所定の「その提出により……公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの」に当たるとされた事例

 

 

              文書提出命令申立て一部認容決定に対する許可抗告事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷決定/平成25年(行フ)第2号

【判決日付】      平成25年4月19日

【判示事項】      全国消費実態調査の調査票情報を記録した準文書が民訴法231条において準用する同法220条4号ロ所定の「その提出により……公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの」に当たるとされた事例

【判決要旨】      全国消費実態調査の調査票情報を記録した準文書は,個人の特定に係る事項が一定の範囲で除外されていても,次の(1)~(3)など判示の事情の下においては,民訴法231条において準用する同法220条4号ロ所定の「その提出により……公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの」に当たる。

             (1) 基幹統計調査である全国消費実態調査においては,被調査者の任意の協力による真実に合致した正確な報告が行われることが極めて重要であり,調査票情報の十全な保護を図ることによって被調査者の当該統計制度に係る情報保護に対する信頼を確保することが強く要請される。

             (2) 上記準文書に記録された情報は,被調査者の家族構成や居住状況等に加え,月ごとの収入や日々の支出等の家計の状況,年間収入,貯蓄現在高や借入金残高等の資産の状況など,個人及びその家族の消費生活や経済状態等の委細にわたる極めて詳細かつ具体的な情報であって,金額等の数値もその大半が細目にわたり報告の内容のまま記録されている。

             (3) 上記準文書が訴訟において提出されると,被調査者との関係等を通じて被調査者に係る上記(2)の情報の一部を知る者などの第三者において,被調査者を特定してこれらの情報全体の委細を知るに至る可能性がある。

             (補足意見がある。)

【参照条文】      民事訴訟法220

             民事訴訟法231

             統計法(平19法53号改正前)2

             統計法2-4

             統計法2-11

【掲載誌】        最高裁判所裁判集民事243号385頁

             裁判所時報1578号157頁

             判例タイムズ1392号64頁

             判例時報2194号13頁

 

 

民事訴訟法

(文書提出義務)

第二百二十条 次に掲げる場合には、文書の所持者は、その提出を拒むことができない。

一 当事者が訴訟において引用した文書を自ら所持するとき。

二 挙証者が文書の所持者に対しその引渡し又は閲覧を求めることができるとき。

三 文書が挙証者の利益のために作成され、又は挙証者と文書の所持者との間の法律関係について作成されたとき。

四 前三号に掲げる場合のほか、文書が次に掲げるもののいずれにも該当しないとき。

イ 文書の所持者又は文書の所持者と第百九十六条各号に掲げる関係を有する者についての同条に規定する事項が記載されている文書

ロ 公務員の職務上の秘密に関する文書でその提出により公共の利益を害し、又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの

ハ 第百九十七条第一項第二号に規定する事実又は同項第三号に規定する事項で、黙秘の義務が免除されていないものが記載されている文書

ニ 専ら文書の所持者の利用に供するための文書(国又は地方公共団体が所持する文書にあっては、公務員が組織的に用いるものを除く。)

ホ 刑事事件に係る訴訟に関する書類若しくは少年の保護事件の記録又はこれらの事件において押収されている文書

 

(文書に準ずる物件への準用)

第二百三十一条 この節の規定は、図面、写真、録音テープ、ビデオテープその他の情報を表すために作成された物件で文書でないものについて準用する。

 

 

統計法

(定義)

第二条 この法律において「行政機関」とは、法律の規定に基づき内閣に置かれる機関若しくは内閣の所轄の下に置かれる機関、宮内庁、内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項若しくは第二項に規定する機関又は国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項に規定する機関をいう。

2 この法律において「独立行政法人等」とは、次に掲げる法人をいう。

一 独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。次号において同じ。)

二 法律により直接に設立された法人、特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人(独立行政法人を除く。)又は特別の法律により設立され、かつ、その設立に関し行政庁の認可を要する法人のうち、政令で定めるもの

3 この法律において「公的統計」とは、行政機関、地方公共団体又は独立行政法人等(以下「行政機関等」という。)が作成する統計をいう。

4 この法律において「基幹統計」とは、次の各号のいずれかに該当する統計をいう。

一 第五条第一項に規定する国勢統計

二 第六条第一項に規定する国民経済計算

三 行政機関が作成し、又は作成すべき統計であって、次のいずれかに該当するものとして総務大臣が指定するもの

イ 全国的な政策を企画立案し、又はこれを実施する上において特に重要な統計

ロ 民間における意思決定又は研究活動のために広く利用されると見込まれる統計

ハ 国際条約又は国際機関が作成する計画において作成が求められている統計その他国際比較を行う上において特に重要な統計

5 この法律において「統計調査」とは、行政機関等が統計の作成を目的として個人又は法人その他の団体に対し事実の報告を求めることにより行う調査をいう。ただし、次に掲げるものを除く。

一 行政機関等がその内部において行うもの

二 この法律及びこれに基づく命令以外の法律又は政令において、行政機関等に対し、報告を求めることが規定されているもの

三 政令で定める行政機関等が政令で定める事務に関して行うもの

6 この法律において「基幹統計調査」とは、基幹統計の作成を目的とする統計調査をいう。

7 この法律において「一般統計調査」とは、行政機関が行う統計調査のうち基幹統計調査以外のものをいう。

8 この法律において「事業所母集団データベース」とは、事業所に関する情報の集合物であって、それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。

9 この法律において「統計基準」とは、公的統計の作成に際し、その統一性又は総合性を確保するための技術的な基準をいう。

10 この法律において「行政記録情報」とは、行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した情報であって、当該行政機関の職員が組織的に利用するものとして、当該行政機関が保有しているもののうち、行政文書(行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)第二条第二項に規定する行政文書をいう。)に記録されているもの(基幹統計調査及び一般統計調査に係る調査票情報、事業所母集団データベースに記録されている情報並びに匿名データを除く。)をいう。

11 この法律において「調査票情報」とは、統計調査によって集められた情報のうち、文書、図画又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)に記録されているものをいう。

12 この法律において「匿名データ」とは、一般の利用に供することを目的として調査票情報を特定の個人又は法人その他の団体の識別(他の情報との照合による識別を含む。)ができないように加工したものをいう。

 

長期譲渡所得に係る損益通算を認めないこととした平成16年改正後の租税特別措置法31条の規定をその施行日より前に個人が行う土地等又は建物等の譲渡について適用するものとしている平成16年法律第14号附則27条1項と憲法84条h23

 

 

              通知処分取消請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/平成21年(行ツ)第73号

【判決日付】      平成23年9月22日

【判示事項】      長期譲渡所得に係る損益通算を認めないこととした平成16年法律第14号による改正後の租税特別措置法31条の規定をその施行日より前に個人が行う土地等又は建物等の譲渡について適用するものとしている平成16年法律第14号附則27条1項と憲法84条

【判決要旨】      所得税に係る長期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額につき他の各種所得の金額から控除する損益通算を認めないこととした平成16年4月1日施行に係る平成16年法律第14号による改正後の租税特別措置法31条の規定を,同年1月1日以後に個人が行う同条1項所定の土地等又は建物等の譲渡について適用するものとしている平成16年法律第14号附則27条1項の規定は,憲法84条の趣旨に反しない。

【参照条文】      憲法84

             租税特別措置法(平16法14号改正前)31-1

             租税特別措置法(平16法14号改正前)31-2

             租税特別措置法(平16法14号改正前)31-4

             租税特別措置法(平16法14号改正前)31-5

             租税特別措置法31-1

             租税特別措置法31-3

             所得税法69-1

             所得税法等の一部を改正する法律附則27-1

             国税通則法15-2

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集65巻6号2756頁

             裁判所時報1540号321頁

 

 

憲法

第八十四条 あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。

 

 

租税特別措置法

(長期譲渡所得の課税の特例)

第三十一条 個人が、その有する土地若しくは土地の上に存する権利(以下第三十二条までにおいて「土地等」という。)又は建物及びその附属設備若しくは構築物(以下同条までにおいて「建物等」という。)で、その年一月一日において所有期間が五年を超えるものの譲渡(建物又は構築物の所有を目的とする地上権又は賃借権の設定その他契約により他人(当該個人が非居住者である場合の所得税法第百六十一条第一項第一号に規定する事業場等を含む。)に土地を長期間使用させる行為で政令で定めるもの(第三十三条から第三十七条の六まで及び第三十七条の八において「譲渡所得の基因となる不動産等の貸付け」という。)を含む。以下第三十二条までにおいて同じ。)をした場合には、当該譲渡による譲渡所得については、同法第二十二条及び第八十九条並びに第百六十五条の規定にかかわらず、他の所得と区分し、その年中の当該譲渡に係る譲渡所得の金額(同法第三十三条第三項に規定する譲渡所得の特別控除額の控除をしないで計算した金額とし、第三十二条第一項に規定する短期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、同項後段の規定にかかわらず、当該計算した金額を限度として当該損失の金額を控除した後の金額とする。以下この項及び第三十一条の四において「長期譲渡所得の金額」という。)に対し、長期譲渡所得の金額(第三項第三号の規定により読み替えられた同法第七十二条から第八十七条までの規定の適用がある場合には、その適用後の金額。以下第三十一条の三までにおいて「課税長期譲渡所得金額」という。)の百分の十五に相当する金額に相当する所得税を課する。この場合において、長期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、同法その他所得税に関する法令の規定の適用については、当該損失の金額は生じなかつたものとみなす。

2 前項に規定する所有期間とは、当該個人がその譲渡をした土地等又は建物等をその取得(建設を含む。)をした日の翌日から引き続き所有していた期間として政令で定める期間をいう。

3 第一項の規定の適用がある場合には、次に定めるところによる。

一 所得税法第二条第一項第三十号から第三十四号の四までの規定の適用については、同項第三十号中「山林所得金額」とあるのは、「山林所得金額並びに租税特別措置法第三十一条第一項(長期譲渡所得の課税の特例)(同法第三十一条の二(優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例)又は第三十一条の三(居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例)の規定により適用される場合を含む。以下同じ。)に規定する長期譲渡所得の金額(以下「長期譲渡所得の金額」という。)」とする。

二 所得税法第六十九条の規定の適用については、同条第一項中「譲渡所得の金額」とあるのは「譲渡所得の金額(租税特別措置法第三十一条第一項(長期譲渡所得の課税の特例)に規定する譲渡による譲渡所得がないものとして計算した金額とする。)」と、「各種所得の金額」とあるのは「各種所得の金額(長期譲渡所得の金額を除く。)」とする。

三 所得税法第七十一条及び第七十二条から第八十七条までの規定の適用については、これらの規定中「総所得金額」とあるのは、「総所得金額、長期譲渡所得の金額」とする。

四 所得税法第九十二条、第九十五条及び第百六十五条の六の規定の適用については、同法第九十二条第一項中「前節(税率)」とあるのは「前節(税率)及び租税特別措置法第三十一条第一項(長期譲渡所得の課税の特例)」と、「課税総所得金額」とあるのは「課税総所得金額及び租税特別措置法第三十一条第一項に規定する課税長期譲渡所得金額の合計額」と、同条第二項中「課税総所得金額に係る所得税額」とあるのは「課税総所得金額に係る所得税額、同項に規定する課税長期譲渡所得金額に係る所得税額」と、同法第九十五条及び第百六十五条の六中「その年分の所得税の額」とあるのは「その年分の所得税の額及び租税特別措置法第三十一条第一項(長期譲渡所得の課税の特例)の規定による所得税の額」とする。

五 前各号に定めるもののほか、所得税法第二編第五章の規定による申請又は申告に関する特例その他第一項の規定の適用がある場合における所得税に関する法令の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

 

 

所得税法

(損益通算)

第六十九条 総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額を計算する場合において、不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、政令で定める順序により、これを他の各種所得の金額から控除する。

2 前項の場合において、同項に規定する損失の金額のうちに第六十二条第一項(生活に通常必要でない資産の災害による損失)に規定する資産に係る所得の金額(以下この項において「生活に通常必要でない資産に係る所得の金額」という。)の計算上生じた損失の金額があるときは、当該損失の金額のうち政令で定めるものは政令で定めるところにより他の生活に通常必要でない資産に係る所得の金額から控除するものとし、当該政令で定めるもの以外のもの及び当該控除をしてもなお控除しきれないものは生じなかつたものとみなす。

 

 

国税通則法

(納税義務の成立及びその納付すべき税額の確定)

第十五条 国税を納付する義務(源泉徴収等による国税については、これを徴収して国に納付する義務。以下「納税義務」という。)が成立する場合には、その成立と同時に特別の手続を要しないで納付すべき税額が確定する国税を除き、国税に関する法律の定める手続により、その国税についての納付すべき税額が確定されるものとする。

2 納税義務は、次の各号に掲げる国税(第一号から第十三号までにおいて、附帯税を除く。)については、当該各号に定める時(当該国税のうち政令で定めるものについては、政令で定める時)に成立する。

一 所得税(次号に掲げるものを除く。) 暦年の終了の時

二 源泉徴収による所得税 利子、配当、給与、報酬、料金その他源泉徴収をすべきものとされている所得の支払の時

三 法人税及び地方法人税 事業年度の終了の時

四 相続税 相続又は遺贈(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を含む。)による財産の取得の時

五 贈与税 贈与(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を除く。)による財産の取得の時

六 地価税 課税時期(地価税法(平成三年法律第六十九号)第二条第四号(定義)に規定する課税時期をいう。)

七 消費税等 課税資産の譲渡等若しくは特定課税仕入れをした時又は課税物件の製造場(石油ガス税については石油ガスの充塡場とし、石油石炭税については原油、ガス状炭化水素又は石炭の採取場とする。)からの移出若しくは保税地域からの引取りの時

八 航空機燃料税 航空機燃料の航空機への積込みの時

九 電源開発促進税 販売電気の料金の支払を受ける権利の確定の時

十 自動車重量税 自動車検査証の交付若しくは返付の時又は届出軽自動車についての車両番号の指定の時

十一 国際観光旅客税 本邦からの出国の時

十二 印紙税 課税文書の作成の時

十三 登録免許税 登記、登録、特許、免許、許可、認可、認定、指定又は技能証明の時

十四 過少申告加算税、無申告加算税又は第六十八条第一項、第二項若しくは第四項(同条第一項又は第二項の重加算税に係る部分に限る。)(重加算税)の重加算税 法定申告期限の経過の時

十五 不納付加算税又は第六十八条第三項若しくは第四項(同条第三項の重加算税に係る部分に限る。)の重加算税 法定納期限の経過の時

3 納税義務の成立と同時に特別の手続を要しないで納付すべき税額が確定する国税は、次に掲げる国税とする。

一 所得税法第二編第五章第一節(予定納税)(同法第百六十六条(申告、納付及び還付)において準用する場合を含む。)の規定により納付すべき所得税(以下「予定納税に係る所得税」という。)

二 源泉徴収等による国税

三 自動車重量税

四 国際観光旅客税法第十八条第一項(国際観光旅客等による納付)の規定により納付すべき国際観光旅客税

五 印紙税(印紙税法(昭和四十二年法律第二十三号)第十一条(書式表示による申告及び納付の特例)及び第十二条(預貯金通帳等に係る申告及び納付等の特例)の規定の適用を受ける印紙税及び過怠税を除く。)

六 登録免許税

七 延滞税及び利子税

 

 

 

 

 

 

 

 

福岡県大牟田市・電気ガス税事件

 

 

損害賠償請求事件

【事件番号】      福岡地方裁判所判決/昭和50年(ワ)第329号

【判決日付】      昭和55年6月5日

【判示事項】      地方公共団体が条例を制定して徴収する電気ガス税について、国が地方税法により特定産業用電気の消費について非課税としても、憲法に違反するものではないとされた事例

【参照条文】      憲法14

             憲法92

             地方税法489

             国家賠償法

【掲載誌】        訟務月報26巻9号1572頁

             判例タイムズ417号51頁

             判例時報966号3頁

 

 

憲法

第十四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

② 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。

③ 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

 

第九十二条 地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。

 

 

地方税法

(公益等に因る課税免除及び不均一課税)

第六条 地方団体は、公益上その他の事由に因り課税を不適当とする場合においては、課税をしないことができる。

2 地方団体は、公益上その他の事由に因り必要がある場合においては、不均一の課税をすることができる。

(受益に因る不均一課税及び一部課税)

第七条 地方団体は、その一部に対して特に利益がある事件に関しては、不均一の課税をし、又はその一部に課税をすることができる。

 

 

国家賠償法

第一条 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。

② 前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。

 

 

イトマン事件・商社の代表取締役社長が行った巨額の融資につき特別背任罪における加害目的が認められた事例

 

 

業務上横領,商法違反被告事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷決定/平成14年(あ)第1431号

【判決日付】      平成17年10月7日

【判示事項】      商社の代表取締役社長が行った巨額の融資につき特別背任罪における加害目的が認められた事例

【判決要旨】      商社の代表取締役社長がその任務に違背して巨額の融資を行った場合において,融資実行の動機は同社の利益よりも自己らの利益を図ることにあり,同社に損害を加えることの認識,認容もあったなど判示の事実関係の下では,特別背任罪における図利目的はもとより加害目的をも認めることができる。

【参照条文】      商法(平成2年法律第64号による改正前のもの)486-1

             刑法247

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集59巻8号779頁

 

 

会社法

(株式会社と役員等との関係)

第三百三十条 株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。

 

(取締役等の特別背任罪)

第九百六十条 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 発起人

二 設立時取締役又は設立時監査役

三 取締役、会計参与、監査役又は執行役

四 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、監査役又は執行役の職務を代行する者

五 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項又は第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役の職務を行うべき者

六 支配人

七 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人

八 検査役

2 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は清算株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該清算株式会社に財産上の損害を加えたときも、前項と同様とする。

一 清算株式会社の清算人

二 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算株式会社の清算人の職務を代行する者

三 第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定により選任された一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者

四 清算人代理

五 監督委員

六 調査委員

 

 

 

『高齢者法: 長寿社会の法の基礎 (シリーズ超高齢社会のデザイン)』 2019/8/30

樋口 範雄 (編集), 関 ふ佐子 (編集)

 

 

 

内容(「BOOK」データベースより)

医療、介護、住まい、経済的基盤、財産管理、相続、虐待、裁判―高齢者をめぐる法的課題を整理し、その解決方法に重要な視点を提示する。高齢者法の全体像を示す1冊。

 

著者について

樋口範雄:武蔵野大学法学部特任教授/東京大学名誉教授

関 ふ佐子: 横浜国立大学大学院国際社会科学研究院教授

 

出版社 ‏ : ‎ 東京大学出版会 (2019/8/30)

発売日 ‏ : ‎ 2019/8/30

単行本 ‏ : ‎ 282ページ

 

東京大学高齢社会総合研究機構(IOG)が中核になって推進する

大学院教育プログラム(GLAFS)のエッセンス

 

医療・介護・福祉、住まい、経済的基盤、財産管理、家族・相続、虐待・犯罪、裁判制度――高齢者をめぐる法的課題を広範囲にわたって整理し、その解決方法に重要な視角を提供するとともに、高齢者法の具体像を解説する。高齢者の抱える問題に対処するための法的プランニングにも役立つ一冊。

 

 

【本書「はじめに」より】

「高齢者法」と銘打つ本はすでにあるものの、わが国の高齢化の進展は速く、かつ法制度もそれを追いかけるべく改正されるために(近くは、相続法の改正など)、すでにある書物は必然的に陳腐化する。そこで、高齢者に関わるさまざまな法的課題について、現状において最新のデータを提示する教科書がほしいと考えた。何人もの協力でできあがったのがこの書物である。

 

目次を見ればわかるように、医療・介護・福祉、住まい、経済的基盤、財産管理、家族・相続、虐待・犯罪、裁判制度など、高齢者が直面する課題は多様である。これらに対するに、伝統的な法的観点は、高齢者に関する紛争が起きて裁判で争われるような事象に限定されやすい。従来の法的観点自体を再検討する必要がある。そしてもっと広い視野で、高齢社会が提示する課題に真正面から立ち向かわねばならない。

 

そういう意味で本書をまず読んでいただきたいのは、法律分野の研究者、実務家、学生などである。だが、高齢社会の問題は法律家だけで解決できないものであるから、法律以外でも、ジェロントロジー(広い意味での老年学)研究や高齢者問題に関わるさまざまな人たちにこの書物を手にとってもらいたいと願っている。

 

 

コメント

社会保障法、民法、刑事政策まで、幅広い。

アメリカでは、弁護士の専門分野の1つである。

 

【主要目次】

第1章 高齢者法の意義(関ふ佐子)

第1節 高齢者法とは

第2節 高齢者法の意義

第3節 高齢者の人間像

第4節 高齢者法の法理念

第5節 高齢者特有の横断的な法的課題

 

第2章 高齢者の医療・介護・福祉(小野太一・樋口範雄・川久保寛)

第1節 それぞれの制度の基本的仕組み

第2節 高齢者医療と法的課題

第3節 介護・福祉に関する法的課題

 

第3章 高齢者の住まい(松井孝太・原田啓一郞)

第1節 様々な選択肢

第2節 高齢者と住まいに関する法的問題

 

第4章 高齢者と経済的基盤(中嶋邦夫・中田裕子・関ふ佐子)

第1節 高齢者の経済的基盤――主要なもの

第2節 リバース・モーゲージ

第3節 経済的基盤をめぐる法的課題

 

第5章 高齢者の財産管理(西森利樹・中田裕子)

第1節 高齢者と財産管理――本人保護と自己決定の尊重

第2節 成年後見制度

第3節 信託による財産管理

 

第6章 高齢者と家族・相続(牛嶋勉・宮本誠子)

第1節 高齢者と家族に関する法律問題

第2節 相続

第3節 遺言

第4節 遺留分

第5節 遺産分割

第6節 贈与

第7節 民法(相続関係)等の改正の成立

第8節 高齢者の税に関する問題

第9節 相続税が抱える問題

第10節 高齢者の離婚・再婚と法的問題

 

第7章 高齢者と虐待・犯罪(高橋脩一)

第1節 高齢者虐待に対する法的取り組みとその問題点

第2節 高齢者と犯罪

 

第8章 超高齢社会・高齢者と裁判(西上治)

第1節 裁判制度の機能

第2節 超高齢社会における政策形成

第3節 高齢者と裁判における配慮