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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

兵庫県商工会連合会・退職勧奨・パワハラ

 

 

              損害賠償請求事件

【事件番号】      神戸地方裁判所姫路支部判決/平成23年(ワ)第650号

【判決日付】      平成24年10月29日

【判示事項】      1 退職勧奨は,労働者の自発的な退職意思を形成する本来の目的実現のために社会通念上相当と認められる程度を超えて,当該労働者に対して不当な心理的圧力を加えたり,または,その名誉感情を不当に害するような言辞を用いることによって,その自由な退職意思の形成を妨げることは許されず,そのようなことがされた場合には,不法行為を構成するとされた例

             2 原告Xが拒否の姿勢を明確にしているにもかかわらず繰り返し行われ,「自分で行き先を探してこい」,「管理職の構想から外れている」,「ラーメン屋でもしたらどうや」,「管理者としても不適格である」,「商工会の権威を失墜させている」等の言辞を用いて行われた本件退職勧奨が違法であるとされた例

             3 転籍命令は,業務上の必要性が存しない場合,または業務上の必要性が存する場合であっても,当該転籍命令が他の不当な動機・目的をもってなされたものであるとき,もしくは労働者に対し通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものであるとき等,特段の事情の存する場合には,権利の濫用として違法になるとされた例

             4 被告Y2が,転籍前に不法行為に当たる退職勧奨を行い,Xの単身赴任手当の支給に必要な手続きをとらない等,Xに対する嫌がらせとしかいいようがない言動がなされていることから,本件転籍命令が違法であるとされた例

             5 出向命令は,使用者の経営判断が合理的といえるかどうか,労働者が著しい不利益を受けるかどうか,出向命令の発令に至る手続きに不相当な点があるかどうか,違法・不当な動機・目的に基づくものであるかどうか等の諸事情を勘案して,権利を濫用したものといえるときには違法となるとされた例

             6 期間(5年),賃金(管理職手当不支給),通勤時間(片道約2時間半)において,Xには不利益があり,管理職手当不支給について被告Y1県連が事前に調査・把握しておらず,退職勧奨拒否後のXの職務を確保するための努力に疑問があり,Y1県連が出向直前に,Xに対して執拗な退職勧奨を行っていたことから,本件出向命令は違法であるとされた例

             7 長期間の療養休暇からの復帰後における総務課長としての職務遂行に不安があり,総務課長職での復職(ならし運転)が事務処理上困難であり,補助金によって運営されているD市商工会が復帰できるか分からないXに従前どおりの給与の支給を継続するのは困難であったと考えられるのであるから,本件降格に伴う減額措置は,給与規程にいう「前項の規定により,職員の号給を決定することが著しく不適当である」場合に当たるとして,減額措置は違法であるとはいえないとされた例

             8 Y1県連らが不法行為責任を負うのは,出向先である単位商工会の違法な給料減額措置に積極的に関与したり,事前に単位商工会において明白に違法な給料減額措置がなされることを把握しながら,これを漫然と放置したような場合に限られるとして,Y1県連およびY2の不法行為責任が否定された例

【掲載誌】        労働判例1066号28頁

 

 

労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律

第九章 職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して事業主の講ずべき措置等

(雇用管理上の措置等)

第三十条の二 事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

2 事業主は、労働者が前項の相談を行つたこと又は事業主による当該相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

3 厚生労働大臣は、前二項の規定に基づき事業主が講ずべき措置等に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(以下この条において「指針」という。)を定めるものとする。

4 厚生労働大臣は、指針を定めるに当たつては、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴くものとする。

5 厚生労働大臣は、指針を定めたときは、遅滞なく、これを公表するものとする。

6 前二項の規定は、指針の変更について準用する。

 

 

特許権の通常実施権者が,特許権者を被告として,特許権者の第三者に対する特許権侵害を理由とする損害賠償請求権が存在しないことの確認を求める訴えにつき,確認の利益を欠くとされた事例

 

 

              特許権侵害による損害賠償債務不存在確認等請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/平成31年(受)第619号

【判決日付】      令和2年9月7日

【判示事項】      特許権の通常実施権者が,特許権者を被告として,特許権者の第三者に対する特許権侵害を理由とする損害賠償請求権が存在しないことの確認を求める訴えにつき,確認の利益を欠くとされた事例

【判決要旨】      特許権者であったYがXに対し特許権について通常実施権を許諾し,AがXから販売された機械装置を使用して製品を製造等した場合において,YのAに対する特許権侵害を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権の行使によりAが損害を被ったときに,XがAに対し事前の合意に基づきその損害を補償し,その補償額についてYに対し上記の許諾に係る契約の債務不履行に基づく損害賠償請求をすることがあるとしても,Xが,Yを被告として,YのAに対する上記不法行為に基づく損害賠償請求権が存在しないことの確認を求める訴えは,確認の利益を欠く。

【参照条文】      民事訴訟法134

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集74巻6号1599頁

 

 

民事訴訟法

(訴え提起の方式)

第百三十四条 訴えの提起は、訴状を裁判所に提出してしなければならない。

2 訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

一 当事者及び法定代理人

二 請求の趣旨及び原因

 

(証書真否確認の訴え)

第百三十四条の二 確認の訴えは、法律関係を証する書面の成立の真否を確定するためにも提起することができる。

 

 

 確認の訴えは,給付の訴えと異なり,確認の対象となり得るものが形式的には無限定であることから,訴えの利益(確認の利益)によってそれが許容される場合を限定する必要が大きい(中野貞一郎ほか編『新民事訴訟法講義〔第3版〕』〔平30〕163頁,新堂幸司『新民事訴訟法〔第5版〕』〔平23〕270頁等)。確認の利益は,確認判決を求める法律上の利益であり(最二小判昭和35年3月11日民集14巻3号418頁,最二小判平成30年12月21日民集72巻6号1368頁),原告の権利又は法的地位に危険・不安が現存し,かつ,これを除去する方法として原被告間で当該訴訟物について確認する判決をすることが有効適切である場合に認められる(新堂・前掲270頁,高橋宏志『重点講義民事訴訟法(上)〔第2版補訂版〕』〔平25〕363頁等)。

 

確認の利益は,①方法選択の適否(給付訴訟や形成訴訟でなく確認訴訟による必要性),②確認対象の適否,③即時確定の利益の各観点から判断されるところ,即時確定の利益とは,原告の権利又は法的地位に現実的な危険・不安が生じており,これを除去するために確認判決を得ることが必要かつ適切であることをいう(最三小判昭和30年12月26日民集9巻14号2082頁)。

 

複数の不動産を一括して分割の対象とする共有物の分割により不動産を取得した場合における地方税法73条の7第2号の3括弧書きに規定する「当該不動産の取得者の分割前の当該共有物に係る持分の割合を超える部分」の有無及び額の判断の方法

 

 

不動産取得税賦課処分取消請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/令和3年(行ヒ)第62号

【判決日付】      令和4年3月22日

【判示事項】      複数の不動産を一括して分割の対象とする共有物の分割により不動産を取得した場合における地方税法73条の7第2号の3括弧書きに規定する「当該不動産の取得者の分割前の当該共有物に係る持分の割合を超える部分」の有無及び額の判断の方法

【判決要旨】      複数の不動産を一括して分割の対象とする共有物の分割により不動産を取得した場合における地方税法73条の7第2号の3括弧書きに規定する「当該不動産の取得者の分割前の当該共有物に係る持分の割合を超える部分」の有無及び額については,分割の対象とされた個々の不動産ごとに,分割前の持分の割合に相当する価格と分割後に所有することとなった不動産の価格とを比較して判断すべきである。

【参照条文】      地方税法73の2-1

             地方税法73の7

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集76巻3号310頁

 

 

事案の概要

 原告は,他の共有者と複数の不動産を共有していたところ,これらを一括して分割の対象とする共有物の分割により,そのうちの一部の不動産につき,他の共有者の持分を取得して,これらを単独所有することとなった。本件は,上記の持分の取得(以下「本件各取得」という。)に対し不動産取得税の賦課決定処分(以下「本件各処分」という。)を受けたXが,Yを相手に,本件各処分の取消しを求める事案である。

 地方税法73条の2第1項は,不動産取得税は,不動産の取得に対し,当該不動産の取得者に課する旨を規定し,同法73条の7第2号の3(以下「本件規定」という。)は,共有物の分割による不動産の取得に対しては,その括弧書きに規定する「当該不動産の取得者の分割前の当該共有物に係る持分の割合を超える部分」(以下「持分超過部分」という。)の取得を除き,同税を課することができない旨を規定しているところ,原告は,本件各取得に対しては,本件規定により不動産取得税を課することができない旨を主張した。

 

 本判決は,複数の不動産を一括して分割の対象とする共有物の分割(以下「一括分割」という。)により不動産を取得した場合における持分超過部分の有無及び額については,分割の対象とされた個々の不動産ごとに,分割前の持分の割合に相当する価格と分割後に所有することとなった不動産の価格とを比較して判断すべきであるとした上で,このような判断方法によれば,本件各取得の全部が持分超過部分の取得に当たることが明らかであるから,本件各取得に対しては本件規定により不動産取得税を課することができないとはいえないとして,本件上告を棄却した。

 

 

 

地方税法

(不動産取得税の納税義務者等)

第七十三条の二第1項 不動産取得税は、不動産の取得に対し、当該不動産所在の道府県において、当該不動産の取得者に課する。

 

 

(形式的な所有権の移転等に対する不動産取得税の非課税)

第七十三条の七 道府県は、次に掲げる不動産の取得に対しては、不動産取得税を課することができない。

一 相続(包括遺贈及び被相続人から相続人に対してなされた遺贈を含む。)による不動産の取得

二 法人の合併又は政令で定める分割による不動産の取得

二の二 法人が新たに法人を設立するために現物出資(現金出資をする場合における当該出資の額に相当する資産の譲渡を含む。)を行う場合(政令で定める場合に限る。)における不動産の取得

二の三 共有物の分割による不動産の取得(当該不動産の取得者の分割前の当該共有物に係る持分の割合を超える部分の取得を除く。)

二の四 会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第百八十三条(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号。以下この号において「更生特例法」という。)第百四条又は第二百七十三条において準用する場合を含む。)、更生特例法第百三条第一項(更生特例法第三百四十六条において準用する場合を含む。)又は更生特例法第二百七十二条(更生特例法第三百六十三条において準用する場合を含む。)の規定により更生計画において株式会社、協同組織金融機関(更生特例法第二条第二項に規定する協同組織金融機関をいう。以下この号において同じ。)又は相互会社(更生特例法第二条第六項に規定する相互会社をいう。以下この号において同じ。)から新株式会社、新協同組織金融機関又は新相互会社に移転すべき不動産を定めた場合における新株式会社、新協同組織金融機関又は新相互会社の当該不動産の取得

三 委託者から受託者に信託財産を移す場合における不動産の取得(当該信託財産の移転が第七十三条の二第二項本文の規定に該当する場合における不動産の取得を除く。)

四 信託の効力が生じた時から引き続き委託者のみが信託財産の元本の受益者である信託により受託者から当該受益者(次のいずれかに該当する者に限る。)に信託財産を移す場合における不動産の取得

イ 当該信託の効力が生じた時から引き続き委託者である者

ロ 当該信託の効力が生じた時における委託者から第一号に規定する相続をした者

ハ 当該信託の効力が生じた時における委託者が合併により消滅した場合における当該合併後存続する法人又は当該合併により設立された法人

ニ 当該信託の効力が生じた時における委託者が第二号に規定する政令で定める分割をした場合における当該分割により設立された法人又は当該分割により事業を承継した法人

四の二 資産の流動化に関する法律第二条第十三項に規定する特定目的信託で次に掲げる要件の全てを満たすものの原委託者(同法第二百二十四条に規定する原委託者をいい、当該特定目的信託の効力が生じた時から引き続き委託者である者に限る。)が、当該特定目的信託の信託財産に属する不動産(同法第二条第十六項に規定する受託信託会社等が、当該特定目的信託の効力が生じた時に当該原委託者から当該特定目的信託の信託財産として取得したものであつて、当該原委託者に賃貸したものに限る。)を当該特定目的信託に係る信託契約の終了の時に買い戻す場合における当該不動産の取得

イ 当該特定目的信託に係る信託契約において、資産の流動化に関する法律第二百三十条第一項第二号に規定する社債的受益権(ハにおいて「社債的受益権」という。)の定めがあること及び当該社債的受益権の元本の償還に関する事項として政令で定める事項を定めていること。

ロ 当該原委託者の信託した特定資産(資産の流動化に関する法律第二条第一項に規定する特定資産をいう。)が投資者の投資判断に重要な影響を及ぼすものとして政令で定める要件を満たすものであること。

ハ 当該特定目的信託の効力が生じた時から引き続き当該原委託者及び当該特定目的信託の社債的受益権を有する者のみが当該特定目的信託の信託財産の元本の受益者であること。

五 信託の受託者の変更があつた場合における新たな受託者による不動産の取得

五の二 相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)第四十六条第一項の規定による承認に基づき物納の許可があつた不動産をその物納の許可を受けた者に移す場合における不動産の取得

六 建物の区分所有等に関する法律第二条第三項の専有部分の取得に伴わない同条第四項の共用部分である家屋の取得(当該家屋の建築による取得を除く。)

七 保険業法の規定によつて会社がその保険契約の全部の移転契約に基づいて不動産を移転する場合における不動産の取得

八 譲渡により担保の目的となつている財産(以下この節において「譲渡担保財産」という。)により担保される債権の消滅により当該譲渡担保財産の設定の日から二年以内に譲渡担保財産の権利者(以下この節において「譲渡担保権者」という。)から譲渡担保財産の設定者(設定者が更迭した場合における新設定者を除く。以下この節において同じ。)に当該譲渡担保財産を移転する場合における不動産の取得

九 生産森林組合がその組合員となる資格を有する者から現物出資を受ける場合における土地の取得

十 削除

十一 沖縄振興開発金融公庫が沖縄振興開発金融公庫法(昭和四十七年法律第三十一号)第十九条第一項第三号に規定する業務で政令で定めるものを行う場合における不動産の取得

十二 独立行政法人住宅金融支援機構又は沖縄振興開発金融公庫の貸付金の回収に関連する不動産の取得(独立行政法人住宅金融支援機構又は沖縄振興開発金融公庫が建築中の住宅を取得し、建築工事を完了した住宅の取得を含む。)

十三 独立行政法人都市再生機構、独立行政法人中小企業基盤整備機構、地方住宅供給公社又は土地開発公社がその譲渡した不動産を当該不動産に係る譲渡契約の解除又は買戻し特約により取得する場合における当該不動産の取得

十四 農業協同組合又は農業協同組合連合会が農業協同組合法第七十条第一項の規定により権利を承継する場合における不動産の取得

十五 漁業協同組合、漁業生産組合若しくは漁業協同組合連合会又は水産加工業協同組合若しくは水産加工業協同組合連合会が水産業協同組合法第九十一条の二第一項(同法第百条第五項において準用する場合を含む。)の規定により権利を承継する場合における不動産の取得

十六 森林組合又は森林組合連合会が森林組合法(昭和五十三年法律第三十六号)第百八条の三第一項の規定により権利を承継する場合における不動産の取得

十七 農業共済組合が農業保険法第七十三条第二項の規定により権利を承継する場合における不動産の取得

十八 削除

十九 預金保険法第二条第十三項に規定する承継銀行(同法附則第十五条の二第三項の規定により承継銀行とみなされる同項に規定する承継協定銀行を含む。)が同法第九十一条第一項又は第二項の規定による同条第一項第二号に掲げる決定を受けて行う同法第二条第十二項に規定する被管理金融機関からの同条第十三項に規定する事業の譲受け等による不動産(同法第九十三条第二項の規定により当該承継銀行が保有する資産として適当であることの確認がされたものに限る。)の取得

二十 預金保険法第百二十六条の三十四第三項第五号に規定する特定承継金融機関等(同法附則第十五条の二第三項の規定により特定承継銀行とみなされる同項に規定する承継協定銀行を含む。)が同法第百二十六条の三十四第一項又は第二項の規定による同条第一項第二号に掲げる決定を受けて行う同法第百二十六条の三第二項に規定する特別監視金融機関等からの同法第百二十六条の三十四第一項に規定する特定事業譲受け等による不動産の取得

二十一 保険業法第二百六十条第六項に規定する承継保険会社が、保険契約者保護機構の同法第二百七十条の三の二第六項の規定による同項第二号の決定を受けて行う同法第二百六十条第二項に規定する破綻保険会社からの保険契約の移転による不動産の取得

 

捜査機関への申告内容に虚偽が含まれていた事案につき刑法42条1項の自首が成立しないとされた事例

 

 

              殺人,窃盗,住居侵入,会社法違反被告事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷決定/令和元年(あ)第1843号

【判決日付】      令和2年12月7日

【判示事項】      捜査機関への申告内容に虚偽が含まれていた事案につき刑法42条1項の自首が成立しないとされた事例

【判決要旨】      被告人が,自宅で,被害者をその嘱託を受けることなく殺害した後,嘱託を受けて被害者を殺害した旨の虚偽の事実を記載したメモを遺体のそばに置いた状態で,自宅の外から警察署に電話をかけ,自宅に遺体があり,そのそばにあるメモを見れば経緯が分かる旨伝えるとともに,自宅の住所を告げ,その後,警察署において,司法警察員に対し,嘱託を受けて被害者を殺害した旨の虚偽の供述をしたという本件事実関係の下においては,刑法42条1項の自首は成立しない。

【参照条文】      刑法42-1

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集74巻9号757頁

 

 

刑法

(自首等)

第四十二条 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。

2 告訴がなければ公訴を提起することができない罪について、告訴をすることができる者に対して自己の犯罪事実を告げ、その措置にゆだねたときも、前項と同様とする。

 

(殺人)

第百九十九条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

 

(自殺関与及び同意殺人)

第二百二条 人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、六月以上七年以下の懲役又は禁錮に処する。

 

『不公正な取引方法と私法理論: EU法との比較法的考察』 2020/4/6

Antonios Karaiskos (原名), アントニオス カライスコス (著)

 

消費者取引において事業者が行う「不公正な取引行為」について包括的な規律が存在しない日本における法規制のあり方について、ヨーロッパ私法の進展を踏まえ、比較法的に考察を試みる。この分析から不公正な取引方法を包括的に規律する立法規範やその具体的内容を実務的視点も交え検討する。

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価格:   ¥5,720(税込)

 

著者について

カライスコス アントニオス(京都大学大学院法学研究科准教授)

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

カライスコス,アントニオス

京都大学大学院法学研究科准教授。日本消費者法学会理事。適格消費者団体・特定適格消費者団体「特定非営利活動法人消費者支援機構関西」理事。Member of the Scientific Board of Mediterranea International Centre for Human Rights Research(Italy)。略歴:アテネ大学法学部卒業。アテネ大学大学院法学研究科修了(修士(法学))。早稲田大学大学院法学研究科博士後期課程修了(博士(法学))。京都学園大学法学部専任講師、立正大学法学部専任講師、関西大学法学部准教授を経て現職。元ギリシャ共和国弁護士。タマサート大学法学部(タイ)客員准教授、スオール・オルソラ・ベニンカーサ大学法学部(イタリア)客員准教授、ウィーン大学法学部(オーストリア)客員准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

出版社 ‏ : ‎ 法律文化社 (2020/4/6)

発売日 ‏ : ‎ 2020/4/6

言語 ‏ : ‎ 日本語

単行本 ‏ : ‎ 253ページ

 

 

コメント

日本の消費者法の縦割り行政に疑問を持ち、読みました。

兵庫県姫路市→茨城県かすみがうら市への配転命令が無効とされた事例

ネスレ日本事件

 

 

              配転命令無効確認等請求控訴

【事件番号】      大阪高等裁判所判決/平成17年(ネ)第1771号

【判決日付】      平成18年4月14日

【判示事項】      (1) 控訴人Y社は被控訴人X1らの個別の同意なしに転勤を命じる権限を有し,本件配転命令には業務上の必要性があるが,X1らに対して,通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるもので,配転命令権の濫用に当たり,無効であるとして,X1らに霞ヶ浦工場に勤務する義務のないことを確認し,配転命令後の賃金支払いを命じた一審判決が維持された例

           (2) 本件配転命令によりX1が霞ヶ浦工場に転勤することになれば,転身赴任の場合には,非定型精神病に罹患している妻はX1と共に生活するという回復のための目標を失うことになり,また家事分担について自ら行わなければならないと考えることによる心配が,妻の精神的安定に影響を及ぼすおそれはかなり大きいし,家族帯同で転居した場合であっても,全く知らない土地に住むことによる不安感や現在の主治医との信頼関係が消滅することは病状悪化に結びつく可能性があるなどとして,本件配転命令がX1に与える不利益は非常に大きいものであったとされた例

             (3) 夜間に母の監視や介助および何かあった場合の援助等をしていたX2が本件配転命令による転勤として単身赴任をした場合には,X2が行っていた夜間の見守りや介助等は妻が行わなければならなくなるが,妻は昼間にもそれらを行っており,一日中見守り行為および各種の補助を行うことは実際上不可能であり,他方,母が老齢であって,新たな土地で新たな生活に慣れることは一般的に難しいことを考慮すると,X2と同行して転居することは,かなり困難であったとして,本件配転命令がX2に与える不利益も相当程度大きいとされた例

             (4) X1らが配転によって生じる不利益について,配転命令後の個別面談においては具体的な資料をつけて主張せず,面談後に書面送付によって明らかにした点につき,控訴人は一律に配転命令後に事情聴取するという方法を取り,その際に転勤が困難である事情の申告期限を決めて通知したわけでなく,また異動期限および異動できない場合の申出期限を表明しているのであるから,その期限内に書面でなされたX1らの申出・主張が信義則に反すると解すべき理由はないとされ,使用者側で転勤を困難とする事情を裏付ける資料を提出するよう求めたにもかかわらず,相当期間内に労働者がその資料を提出しないような場合に初めて信義則が問題になるとされた例

【掲載誌】        労働判例915号60頁

             労働経済判例速報1935号12頁

 

盗犯等の防止及び処分に関する法律第3条にいう「此等ノ罪」に従犯が含まれるか

 

 

常習累犯窃盗被告事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/昭和42年(あ)第2279号

【判決日付】      昭和43年3月29日

【判示事項】      1、盗犯等の防止及び処分に関する法律第3条にいう「此等ノ罪」に従犯が含まれるか

             2、同法第3条に該当する常習累犯窃盗犯行の1罪として起訴された数個の窃盗犯行の中間に同種の窃盗罪の確定判決が存在する場合の措置

【判決要旨】      1、盗犯等の防止及び処分に関する法律第3条にいう「此等ノ罪」には、同法第2条に掲記された刑法各条の罪の従犯が含まれる。

             2、同法第3条に該当する常習累犯窃盗の1罪として起訴された数個の窃盗犯行の中間に同種態様の犯行による窃盗罪の確定判決が存在し、起訴事実中右確定判決前の窃盗犯行は右確定判決にかかる窃盗犯行と共に常習累犯窃盗の1罪を構成すべきものと認められる場合、右確定判決前の犯行については、既に確定判決を経たものとして、免訴とすべきである。

【参照条文】      盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律3

             刑事訴訟法337

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集22巻3号153頁

 

 

 常習一罪の中間に別罪の確定裁判があつても、その常習一罪が分断されないことにつき既に判例である(最2小決昭和39・7・9刑集18巻6号375頁)が、本件の事案は常習累犯窃盗として起訴された数個の犯行の中間に、同種犯行による単純窃盗の確定判決が存在したというものである。

本判決は判文のとおり、右確定判決を経た単純窃盗も常習累犯窃盗に該当するのとみるべきであるとし、本件起訴事実中右確定判決前の犯行については、既に確定判決を経たものとして免訴とすべきものとした。

確定判決の効力は当該判決のあつた事件についていわゆる単一性および同一性の範囲内のすべてに及ぶものであり、その場合現実に起訴処断された事実、罪名にとらわれず客観的に一罪となる範囲を確定すべきものとする通説・判例の立場からは当然の結論といえるであろう。

 

 

 

盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律

第二条 常習トシテ左ノ各号ノ方法ニ依リ刑法第二百三十五条、第二百三十六条、第二百三十八条若ハ第二百三十九条ノ罪又ハ其ノ未遂罪ヲ犯シタル者ニ対シ竊盗ヲ以テ論ズベキトキハ三年以上、強盗ヲ以テ論ズベキトキハ七年以上ノ有期懲役ニ処ス

一 兇器ヲ携帯シテ犯シタルトキ

二 二人以上現場ニ於テ共同シテ犯シタルトキ

三 門戸牆壁等ヲ踰越損壊シ又ハ鎖鑰ヲ開キ人ノ住居又ハ人ノ看守スル邸宅、建造物若ハ艦船ニ侵入シテ犯シタルトキ

四 夜間人ノ住居又ハ人ノ看守スル邸宅、建造物若ハ艦船ニ侵入シテ犯シタルトキ

 

第三条 常習トシテ前条ニ掲ゲタル刑法各条ノ罪又ハ其ノ未遂罪ヲ犯シタル者ニシテ其ノ行為前十年内ニ此等ノ罪又ハ此等ノ罪ト他ノ罪トノ併合罪ニ付三回以上六月ノ懲役以上ノ刑ノ執行ヲ受ケ又ハ其ノ執行ノ免除ヲ得タルモノニ対シ刑ヲ科スベキトキハ前条ノ例ニ依ル

 

 

刑事訴訟法

第三百三十七条 左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。

一 確定判決を経たとき。

二 犯罪後の法令により刑が廃止されたとき。

三 大赦があつたとき。

四 時効が完成したとき。

 

 

父母以外の第三者で事実上子を監護してきたものが上記第三者と子との面会交流について定める審判を申し立てることの許否


子の監護に関する処分(面会交流)申立て却下審判に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件
【事件番号】    最高裁判所第1小法廷決定/令和2年(許)第4号
【判決日付】    令和3年3月29日
【判示事項】    父母以外の第三者で事実上子を監護してきたものが上記第三者と子との面会交流について定める審判を申し立てることの許否
【判決要旨】    父母以外の第三者は,事実上子を監護してきた者であっても,家庭裁判所に対し,家事事件手続法別表第2の3の項所定の子の監護に関する処分として上記第三者と子との面会交流について定める審判を申し立てることはできない。
【参照条文】    民法766
          家事事件手続法39
          家事事件手続法別表第2の3の項
【掲載誌】     最高裁判所裁判集民事265号113頁
          裁判所時報1765号4頁
          判例タイムズ1500号84頁
          判例時報2535号29頁


民法
(離婚後の子の監護に関する事項の定め等)
第七百六十六条 父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。
2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、同項の事項を定める。
3 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前二項の規定による定めを変更し、その他子の監護について相当な処分を命ずることができる。
4 前三項の規定によっては、監護の範囲外では、父母の権利義務に変更を生じない。


家事事件手続法
(審判事項)
第三十九条 家庭裁判所は、この編に定めるところにより、別表第一及び別表第二に掲げる事項並びに同編に定める事項について、審判をする。

別表第二(第三条の八、第三条の十―第三条の十二、第二十条、第二十五条、第三十九条、第四十条、第六十六条―第七十一条、第八十二条、第八十九条、第九十条、第九十二条、第百五十条、第百六十三条、第百六十八条、第百八十二条、第百九十条、第百九十一条、第百九十七条、第二百三十三条、第二百四十条、第二百四十五条、第二百五十二条、第二百六十八条、第二百七十二条、第二百八十六条、第二百八十七条、附則第五条関係)

事項
根拠となる法律の規定
婚姻等

夫婦間の協力扶助に関する処分
民法第七百五十二条

婚姻費用の分担に関する処分
民法第七百六十条

子の監護に関する処分
民法第七百六十六条第二項及び第三項(これらの規定を同法第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)


 

相続税の課税価格に算入される不動産の価額を財産評価基本通達の定める方法により評価した価額を上回る価額によるものとすることが租税法上の一般原則としての平等原則に違反しないとされた事例(財産評価基本通達総則6項適用事案)

 

 

相続税更正処分等取消請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/令和2年(行ヒ)第283号

【判決日付】      令和4年4月19日

【判示事項】      1 相続税の課税価格に算入される財産の価額を財産評価基本通達の定める方法により評価した価額を上回る価額によるものとすることが租税法上の一般原則としての平等原則に違反しない場合

             2 相続税の課税価格に算入される不動産の価額を財産評価基本通達の定める方法により評価した価額を上回る価額によるものとすることが租税法上の一般原則としての平等原則に違反しないとされた事例

【判決要旨】      1 相続税の課税価格に算入される財産の価額について,財産評価基本通達の定める方法による画一的な評価を行うことが実質的な租税負担の公平に反するというべき事情がある場合には,当該財産の価額を上記通達の定める方法により評価した価額を上回る価額によるものとすることは租税法上の一般原則としての平等原則に違反しない。

             2 相続税の課税価格に算入される不動産の価額を財産評価基本通達の定める方法により評価した価額を上回る価額によるものとすることは,次の(1),(2)など判示の事情の下においては,租税法上の一般原則としての平等原則に違反しない。

             (1)当該不動産は,被相続人が購入資金を借り入れた上で購入したものであるところ,上記の購入及び借入れが行われなければ被相続人の相続に係る課税価格の合計額は6億円を超えるものであったにもかかわらず,これが行われたことにより,当該不動産の価額を上記通達の定める方法により評価すると,課税価格の合計額は2826万1000円にとどまり,基礎控除の結果,相続税の総額が0円になる。

             (2)被相続人及び共同相続人であるXらは,上記(1)の購入及び借入れが近い将来発生することが予想される被相続人からの相続においてXらの相続税の負担を減じ又は免れさせるものであることを知り,かつ,これを期待して,あえて当該購入及び借入れを企画して実行した。

【参照条文】      相続税法22

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集76巻4号411頁

 

 

 相続税法22条は,相続税の課税価格に算入される財産の価額は原則として当該財産の取得の時における時価による旨を規定するところ,財産評価基本通達(以下「評価通達」という。)1(2)は,時価は評価通達の定めによって評価した価額によるとする一方,評価通達6は,評価通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は国税庁長官の指示を受けて評価する旨を定める。

 

 

相続税法

(評価の原則)

第二十二条 この章で特別の定めのあるものを除くほか、相続、遺贈又は贈与により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における時価により、当該財産の価額から控除すべき債務の金額は、その時の現況による。

 

 

平成8年改正前の優生保護法の優生条項に基づき強制不妊手術をされたことを理由とする国に対する国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求権に対する民法(平成29年改正前)724条後段の除斥期間の適用の可否


国家賠償請求控訴事件
【事件番号】    東京高等裁判所判決/令和2年(ネ)第2936号
【判決日付】    令和4年3月11日
【判示事項】    平成8年法律第105号による改正前の優生保護法の優生条項に基づき強制不妊手術をされたことを理由とする国に対する国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求権に対する民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条後段の除斥期間の適用の可否
【掲載誌】     LLI/DB 判例秘書登載


1 事案の概要
  本件は、平成8年法律第105号による改正前の優生保護法(以下「旧優生保護法」という。)に基づいて強制不妊手術である優生手術を受けさせられたと主張する控訴人が、被控訴人に対し、国家賠償法(以下「国賠法」という。)1条1項に基づき、慰謝料の支払を求めるとともに、社会的評価を回復させるための謝罪広告の掲載を求める事案である。
  一審の東京地判令2.6.30判例秘書L07530906は、控訴人に施された優生手術は対象疾患に罹患しているとの誤った判断に基づくもので違法であったとして、控訴人に損害賠償請求権の発生を認めたものの、除斥期間の適用により、同損害賠償請求権は既に消滅したとして、控訴人の請求を棄却した。
  これに対して、控訴人は、控訴審において、(1)国賠法1条1項に基づく損害賠償請求権の請求原因として、ア 控訴人に対する優生手術の実施の違法性、イ 旧優生保護法の制定、優生政策の推進及び優生手術の実施を先行行為とする作為義務違反、ウ 特別の賠償立法に係る立法不作為を主張し、このうちアとイを主位的主張、ウを予備的主張とし、(2)謝罪広告の請求と併せて、これらを主位的請求とし、また、(1)の損害賠償請求が認容されることを解除条件として、被控訴人が控訴人に適切な補償を受けさせないことは違法であることの確認を求める旨の訴えを予備的に追加した。
  控訴審における争点は、本件優生手術の違憲性・違法性及び民法(平成29年法律第44号による改正前のもの。以下特記する場合を除き同じ。)724条後段の規定の適用関係(争点1)、優生保護法の制定、優生政策の推進及び本件優生手術の実施を先行行為とする作為義務違反の有無(争点2)、特別の賠償立法に係る立法義務違反の有無(争点3)、控訴人の被った損害額(争点4)、謝罪広告の必要性(争点5)、違法確認の訴えの予備的追加の当否(争点6)であり、このうち、最大の争点は、争点1に関する除斥期間の適用の可否であった。

2 本判決の判断
  本判決は、争点1について、一審が優生保護法の違憲性について判断しなかったのに対し、旧優生保護法の優生条項(旧優生保護法の目的(1条)並びに4条による優生手術及び12条による優生手術に係る規定をいう。)は、憲法13条及び14条1項に違反することは明らかであると判示し、優生条項に基づいて本件優生手術を受けたと認められる控訴人に対し、被控訴人は、国賠法1条1項に基づく損害賠償責任を負うと判示した。
  そして、最大の争点である、除斥期間の適用の可否について、民法724条後段の除斥期間の起算点は、加害行為時である本件優生手術時(昭和32年2月又は3月頃)であるとし、控訴人による本件訴訟提起の時点では、上記起算点から既に20年が経過していたことになるとしつつも、被害者による権利行使を民法724条後段規定の期間の経過によって排斥することが著しく正義・公平の理念に反するような特段の事情がある場合には、条理上、その効果を制限するべきであるとして、本件において、かかる特段の事情を認定した上で、控訴人が、自己の受けた被害が被控訴人による不法行為であることを客観的に認識し得た時から相当期間が経過するまで(一時金支給法の施行日である平成31年4月24日から5年間が経過するまで)は、民法724条後段の効果は生じないものと解するのが相当であると判示した。
  また、争点4については、控訴人に対する慰謝料としては1500万円(請求額は3000万円)が相当であると判断し、争点5については、本件においては、本判決において控訴人の受けた優生手術が違法であると判断されたことや、相当額の慰謝料が認容されたことを踏まえ、謝罪広告の掲載の必要性までは認められないとしてこれを排斥した。