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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

泥酔者は刑法第218条第1項の「病者」にあたるか

 

 

              保護者遺棄致死事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷/昭和43年(あ)第979号

【判決日付】      昭和43年11月7日

【判示事項】      泥酔者は刑法第218条第1項の「病者」にあたるか

【判決要旨】      高度の酩酊により身体の自由を失い、他人の扶助を要する状態にある者は、刑法第218条第1項の「病者」にあたる。

【参照条文】      刑法218-1

             刑法219

             刑法217                                       

【掲載誌】        最高裁判所裁判集刑事169号355頁

             判例タイムズ229号252頁

             判例時報541号83頁

 

 

刑法

第三十章 遺棄の罪

(遺棄)

第二百十七条 老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者を遺棄した者は、一年以下の懲役に処する。

(保護責任者遺棄等)

第二百十八条 老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する。

(遺棄等致死傷)

第二百十九条 前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

 

兵庫県・公立中学校教諭停職処分事件

 

 

公務員に対する懲戒処分取消等請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/平成31年(行ヒ)第97号

【判決日付】      令和2年7月6日

【判示事項】      市立中学校の柔道部の顧問である教諭が部員間のいじめにより受傷した被害生徒に対し受診に際して医師に自招事故による旨の虚偽の説明をするよう指示したこと等を理由とする停職6月の懲戒処分を違法とした原審の判断に違法があるとされた事例

【判決要旨】      市立中学校の柔道部の顧問である教諭が,①部員間で生じた暴力行為を伴ういじめにより受傷した被害生徒に対し,受診に際して医師に自招事故による旨の虚偽の説明をするよう指示したこと,②加害生徒の大会への出場を禁止する旨の校長の職務命令に従わず同生徒を出場させたこと,及び③同部のために卒業生等から寄贈され校内に設置されていた物品に係る校長からの繰り返しの撤去指示に長期間対応しなかったことを理由として,停職6月の懲戒処分がされた場合において,次の(1)~(3)など判示の事情の下では,当該処分が裁量権の範囲を逸脱した違法なものであるとした原審の判断には,懲戒権者の裁量権に関する法令の解釈適用を誤った違法がある。

             (1)上記①に係る当該教諭の行為は,被害生徒の心情への配慮を欠くものであって,いじめを受けている生徒の心配や不安,苦痛を取り除くことを最優先として適切かつ迅速に対処すること等を求めるいじめ防止対策推進法や兵庫県いじめ防止基本方針等に反するものであり,また,重い傷害を負った被害生徒に対し誤った診断や不適切な治療が行われるおそれを生じさせるものであった。

             (2)上記②に係る当該教諭の行為は,当該いじめにおける加害生徒の行為が重大な非行であるにもかかわらず,その重大性を踏まえた適切な対応をとることなく,柔道部の活動や加害生徒の利益等を優先させるものであった。

             (3)上記③に係る当該教諭の行為は,柔道部が優秀な成績を挙げるために,学校施設の管理に関する規律や校長の度重なる指示に反したものであった。

【参照条文】      地方公務員法29-1

             地方公務員法32

             地方公務員法33

             職員の懲戒の手続及び効果に関する条例(昭和38年兵庫県条例第31号)5

【掲載誌】        最高裁判所裁判集民事264号1頁

             裁判所時報1747号10頁

             判例タイムズ1480号123頁

             判例時報2472号3頁

 

 

 1 事案の概要

 原告は,兵庫県姫路市の市立中学校(以下「本件中学校」という。)の教諭であり,同校柔道部の顧問を務めていたが,①部員間で生じた暴力行為を伴ういじめの事実を把握しながら,受傷した被害生徒に対し,受診に際して医師に自招事故による旨の虚偽の説明をするよう指示したこと(以下「本件非違行為1」という。),②当該いじめの加害生徒を柔道の大会に出場させることを禁止する旨の校長の職務命令に従わず同生徒を出場させたこと(以下「本件非違行為2」という。),及び③柔道部のために卒業生等から寄贈され校内に設置されていた物品につき,校長からの繰り返しの撤去指示に長期間応じなかったこと(以下「本件非違行為3」という。)を理由として,兵庫県教育委員会(以下「県教委」という。)から停職6月の懲戒処分(以下「本件処分」という。)を受けた。本件は,原告が,本件処分は重きに失するなどと主張して,被告兵庫県を相手に,その取消しを求めるとともに,国賠法1条1項に基づく損害賠償を求める事案である。

 

 

地方公務員法

(懲戒)

第二十九条 職員が次の各号のいずれかに該当する場合には、当該職員に対し、懲戒処分として戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる。

一 この法律若しくは第五十七条に規定する特例を定めた法律又はこれらに基づく条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に違反した場合

二 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合

三 全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合

2 職員が、任命権者の要請に応じ当該地方公共団体の特別職に属する地方公務員、他の地方公共団体若しくは特定地方独立行政法人の地方公務員、国家公務員又は地方公社(地方住宅供給公社、地方道路公社及び土地開発公社をいう。)その他その業務が地方公共団体若しくは国の事務若しくは事業と密接な関連を有する法人のうち条例で定めるものに使用される者(以下この項において「特別職地方公務員等」という。)となるため退職し、引き続き特別職地方公務員等として在職した後、引き続いて当該退職を前提として職員として採用された場合(一の特別職地方公務員等として在職した後、引き続き一以上の特別職地方公務員等として在職し、引き続いて当該退職を前提として職員として採用された場合を含む。)において、当該退職までの引き続く職員としての在職期間(当該退職前に同様の退職(以下この項において「先の退職」という。)、特別職地方公務員等としての在職及び職員としての採用がある場合には、当該先の退職までの引き続く職員としての在職期間を含む。次項において「要請に応じた退職前の在職期間」という。)中に前項各号のいずれかに該当したときは、当該職員に対し同項に規定する懲戒処分を行うことができる。

3 定年前再任用短時間勤務職員(第二十二条の四第一項の規定により採用された職員に限る。以下この項において同じ。)が、条例年齢以上退職者となつた日までの引き続く職員としての在職期間(要請に応じた退職前の在職期間を含む。)又は第二十二条の四第一項の規定によりかつて採用されて定年前再任用短時間勤務職員として在職していた期間中に第一項各号のいずれかに該当したときは、当該職員に対し同項に規定する懲戒処分を行うことができる。

4 職員の懲戒の手続及び効果は、法律に特別の定めがある場合を除くほか、条例で定めなければならない。

 

(法令等及び上司の職務上の命令に従う義務)

第三十二条 職員は、その職務を遂行するに当つて、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。

 

(信用失墜行為の禁止)

第三十三条 職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。

 

 

増額再更正処分があつた場合の当初更正処分の取消を求める訴えの利益

 

 

所得税更正処分等取消請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/昭和53年(行ツ)第55号

【判決日付】      昭和55年11月20日

【判示事項】      1、増額再更正処分があつた場合の当初更正処分の取消を求める訴えの利益(消極)

             2、資産所得合算課税制度の合憲性

【判決要旨】      <省略>

【参照条文】      国税通則法24

             国税通則法26

             行政事件訴訟法

             所得税法(昭和50年法律第13号による改正前のもの)96

             所得税法(昭和50年法律第13号による改正前のもの)97

             所得税法(昭和50年法律第13号による改正前のもの)98

             所得税法(昭和50年法律第13号による改正前のもの)99

             所得税法(昭和50年法律第13号による改正前のもの)100

             所得税法(昭和50年法律第13号による改正前のもの)101

【掲載誌】        訟務月報27巻3号597頁

             最高裁判所裁判集民事131号135頁

             判例タイムズ442号91頁

             金融・商事判例614号43頁

             判例時報1001号31頁

             税務訴訟資料115号619頁

 

 

国税通則法

(更正)

第二十四条 税務署長は、納税申告書の提出があつた場合において、その納税申告書に記載された課税標準等又は税額等の計算が国税に関する法律の規定に従つていなかつたとき、その他当該課税標準等又は税額等がその調査したところと異なるときは、その調査により、当該申告書に係る課税標準等又は税額等を更正する。

 

(再更正)

第二十六条 税務署長は、前二条又はこの条の規定による更正又は決定をした後、その更正又は決定をした課税標準等又は税額等が過大又は過少であることを知つたときは、その調査により、当該更正又は決定に係る課税標準等又は税額等を更正する。

 

 

行政事件訴訟法

(原告適格)

第九条 処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者(処分又は裁決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなつた後においてもなお処分又は裁決の取消しによつて回復すべき法律上の利益を有する者を含む。)に限り、提起することができる。

2 裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たつては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとする。この場合において、当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たつては、当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌するものとし、当該利益の内容及び性質を考慮するに当たつては、当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする。

 

 

 

 

       主   文

 

 本件上告を棄却する。

 上告費用は上告人らの負担とする。

 

       理   由

 

 上告代理人鍵尾丞治の上告理由第一点について

 本件において、本件更正処分がされたのちこれを増額する再更正処分がされたことにより、当初の更正処分の取消を求める訴の利益が失われたとしてこれを却下すべきものとした原審の判断は正当であり、論旨は理由がない。

 同第二点について

 憲法上租税に関する事項は法律又は法律に基づいて定められるところに委ねられていると解すべきところ(憲法八四条)、所論は、ひつきよう、特定の法律における具体的な税額計算の定めに関する立法政策上の適不適を争うものにすぎず、違憲の問題を生ずるものでないことは、当裁判所昭和二八年(オ)第六一六号同三〇年三月二三日大法廷判決(民集九巻三号三三六頁)の趣旨に徴し、明らかである。論旨は、採用することができない。

 同第三点及び第四点について

 所論の点に関する原審の判断は正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。論旨は、いずれも採用することができない。

 よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

   (中村治朗 団藤重光 藤崎萬里 本山 亨 谷口正孝)

 

 上告代理人鍵尾丞治の上告理由

第一点 法令違反

 一、原判決は、上告人らが本訴において、再更正のほか当初更正の取消を求めている点につき、再更正が行なわれた場合には、当初更正の取消を求める訴の利益がないとして、その部分を却下した第一審判決を維持した。

 二、然しながら、更正も再更正も、いずれも別個独立な行政処分であり増額再更正は、当初更正の効果を全面的に失なわせて、改めて新規に納税義務の範囲を確定するものではなく、その効果は増差額に関する部分についてのみ生ずるのである。

 このことは、国税通則法の規定からも窺知することができる。即ち同法は、更正・再更正の関係について見解のわかれるところを立法的に解決しているが、同法二九条は「・・・・・・既に確定した納付すべき税額を増加させるものは、既に確定した納付すべき税額に係る部分の国税についての納税義務に影響を及ぼさ

 

 

 

法学教室 2023年9月号(No.516) ◆特集 会社法理論の進展と実務の動向

 

有斐閣

2023年08月28日 発売

定価  1,650円(本体 1,500円)

 

きびしい残暑が続きますが、朝晩の空気の中に、あるいは、空の色合いの中に、秋の気配を感じるようになりました。2023年度も折り返しを迎えます。

 

今月号の特集は、「会社法理論の進展と実務の動向」。実務との接点が多く、裁判例も数多い会社法は、理論の進展も早い分野と言えるでしょう。2~3年に一度の改訂を重ねる教科書であっても、その動向をとらえ、反映させ続けることは困難です。一方で、その「動きの早さ」こそが、会社法の魅力のひとつでもあり、学習の醍醐味でもあるはずです。ぜひ、本特集で教科書の隙間を補い、「会社法のいま」を体感してください。

 

 

◆特集 会社法理論の進展と実務の動向

Ⅰ 株式の相続――株式の準共有を中心に…仲 卓真……10

 

Ⅱ 買収防衛策の展開とその適法性…松中 学……16

 

Ⅲ 取締役選任決議の取消し・無効と瑕疵の連鎖…福島洋尚……21

 

Ⅳ 取締役会の監督機能…行岡睦彦……26

 

Ⅴ 取締役の第三者に対する責任…髙橋陽一……32

 

Ⅵ 組織再編行為における対価の不公正と法的救済方法…笠原武朗……37

 

 

コメント

特に「Ⅱ 買収防衛策の展開とその適法性…松中 学教授」の裁判例の要約が秀逸でした。

 

 

 

集合住宅でのペット飼育禁止を定めた管理組合の規約はそれなりに合理性のあるものであり、管理組合が右規約に基づき飼い主に対しペットの飼育禁止を求めることは権利の濫用とはならない

 

 

ペット飼育禁止請求事件

【事件番号】      東京地方裁判所判決/平成7年(ワ)第19640号

【判決日付】      平成10年1月29日

【判示事項】      集合住宅でのペット飼育禁止を定めた管理組合の規約はそれなりに合理性のあるものであり、管理組合が右規約に基づき飼い主に対しペットの飼育禁止を求めることは権利の濫用とはならない

【参照条文】      民法1-3

             建物の区分所有等に関する法律31

【掲載誌】        判例タイムズ984号177頁

 

 

民法

(基本原則)

第一条 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。

2 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。

3 権利の濫用は、これを許さない。

 

 

建物の区分所有等に関する法律

(規約の設定、変更及び廃止)

第三十一条 規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。

2 前条第二項に規定する事項についての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の四分の一を超える者又はその議決権の四分の一を超える議決権を有する者が反対したときは、することができない。

 

 

 

 

 

商品先物取引会社事件・分離保管義務違反等により行政処分を受け破綻した商品先物取引会社の行った商品先物取引について違法が認められた当該会社が損害賠償義務を負う場合の改正前商法266条ノ3に基づく代表取締役ないし取締役の責任の有無

 

 

損害賠償請求事件(甲事件)、損害賠償請求事件(乙事件)、損害賠償請求事件(丙事件)

【事件番号】      東京地方裁判所判決/平成16年(ワ)第9012号、平成16年(ワ)第18258号、平成17年(ワ)第8823号

【判決日付】      平成19年5月23日

【判示事項】      分離保管義務違反等により行政処分を受け破綻した商品先物取引会社の行った商品先物取引について違法が認められた当該会社が損害賠償義務を負う場合の改正前商法266条ノ3に基づく代表取締役ないし取締役の責任の有無

【判決要旨】      取締役の監視義務の履行を実効あらしめ、かつ、その範囲を適正化する観点から、個々の取締役の職務執行を監督すべき取締役会が、個々の取締役の違法な職務執行をチェックしこれを是正する基本的な体制を構築すべき職責を有しており、これを前提に、会社の業務執行に関する全般的な監督権限を有する代表取締役と当該業務執行を担当する取締役が、その職務として、内部管理体制を構築し、かつ、そのような管理体制に基づき、個々の取締役の違法な職務執行を監督監視すべき一次的な職責を担っていると解すべきであり、その他の取締役については、取締役会において上程された事項ないし別途知り得た事項に限って、監督監視すべき義務を負うと解すべきであるところ、代表取締役については、原則として、その職務は会社の業務執行全般に及ぶと解するのが相当であり、業務や権限について、特定範囲に限定されていたと認められるような場合を除いて、当該代表取締役は、会社の業務全般について監督監視すべき義務を負い、その場合には、全く関知し得ない状態において行われたなどの特段の事情のない限り、任務懈怠について、故意または重過失を免れないというべきである。

【参照条文】      改正前商法266の3

             改正前商法254-3

             民法644

             改正前商法254の3

【掲載誌】        金融・商事判例1268号22頁

【評釈論文】      金融・商事判例1283号9頁

 

 

会社法

(役員等の第三者に対する損害賠償責任)

第四百二十九条 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。

2 次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。

一 取締役及び執行役 次に掲げる行為

イ 株式、新株予約権、社債若しくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該株式会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録

ロ 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書並びに臨時計算書類に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録

ハ 虚偽の登記

ニ 虚偽の公告(第四百四十条第三項に規定する措置を含む。)

二 会計参与 計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに会計参与報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録

三 監査役、監査等委員及び監査委員 監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録

四 会計監査人 会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録

 

(忠実義務)

第三百五十五条 取締役は、法令及び定款並びに株主総会の決議を遵守し、株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない。

 

(株式会社と役員等との関係)

第三百三十条 株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。

 

 

民法

(受任者の注意義務)

第六百四十四条 受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。

 

 

商品先物取引法

(顧客財産の分離保管等)

第二百十条 商品先物取引業者は、商品先物取引業により生じた債務の弁済を確保するため、次の各号に掲げる財産については、その保全のため、当該各号に定める措置を講じなければならない。

一 商品市場における取引に関し、委託者から預託を受けた金銭、有価証券その他の物及び委託者の計算に属する金銭、有価証券その他の物(主務省令で定めるものを除く。第三百四条、第三百六条第一項及び第三百十一条第一項において「委託者資産」という。)の価額に相当する財産(第三百条第三号及び第三百九条において「保全対象財産」という。) 委託者保護基金(第二百七十条に規定する委託者保護基金をいう。)に預託すること、商品先物取引業者の固有財産から分離して信託会社等に信託することその他の主務省令で定める措置

二 外国商品市場取引及び店頭商品デリバティブ取引に関し、委託者等から預託を受けた金銭、有価証券その他の物及び委託者等の計算に属する金銭、有価証券その他の物(主務省令で定めるものを除く。)の価額に相当する財産 商品先物取引業者の固有財産から分離して信託会社等に信託することその他の主務省令で定める措置

 

 

 

 

東京予防接種嘉禍事件・厚生大臣において禁忌該当者に予防接種を実施させないための充分な措置をとることを怠った過失があるとされた事例

 

 

損害賠償請求控訴・同附帯控訴事件

【事件番号】      東京高等裁判所判決/昭和59年(ネ)第1517号、昭和60年(ネ)第2887号

【判決日付】      平成4年12月18日

【判示事項】      一 予防接種被害を理由とする国家賠償請求と損失補償請求とを選択的に併合審理することが適法とされた事例

             二 予防接種被害者は憲法二九条三項に基づき国に損失補償を請求することはできない

             三 厚生大臣において禁忌該当者に予防接種を実施させないための充分な措置をとることを怠った過失があるとされた事例

【参照条文】      行政事件訴訟法7

             行政事件訴訟法13

             民事訴訟法132

             民事訴訟法227

             民事訴訟法232

             憲法29-3

             国家賠償法1-1

             予防接種法(昭51法69号改正前)2

             予防接種法5

             予防接種法6の2

             予防接種法9

【掲載誌】        高等裁判所民事判例集45巻3号212頁

             訟務月報40巻1号1頁

             東京高等裁判所判決時報民事43巻1~12号85頁

             判例タイムズ807号78頁

 

 

事案の概要

 本件は、予防接種(種痘、インフルエンザ・ワクチン等)により後遺障害を負った被害児又は死亡した被害児の家族(X)ら159名が国(Y)に対し、集団的に安全配慮義務違反に基づく損害賠償、厚生大臣等の過失に基づく国家賠償、憲法29条3項等に基づく損失補償を選択的に請求した訴訟である。

 

 

憲法

第二十九条 財産権は、これを侵してはならない。

② 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。

③ 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

 

 

行政事件訴訟法

六条 この法律において「機関訴訟」とは、国又は公共団体の機関相互間における権限の存否又はその行使に関する紛争についての訴訟をいう。

(この法律に定めがない事項)

第七条 行政事件訴訟に関し、この法律に定めがない事項については、民事訴訟の例による。

 

(関連請求に係る訴訟の移送)

第十三条 取消訴訟と次の各号の一に該当する請求(以下「関連請求」という。)に係る訴訟とが各別の裁判所に係属する場合において、相当と認めるときは、関連請求に係る訴訟の係属する裁判所は、申立てにより又は職権で、その訴訟を取消訴訟の係属する裁判所に移送することができる。ただし、取消訴訟又は関連請求に係る訴訟の係属する裁判所が高等裁判所であるときは、この限りでない。

一 当該処分又は裁決に関連する原状回復又は損害賠償の請求

二 当該処分とともに一個の手続を構成する他の処分の取消しの請求

三 当該処分に係る裁決の取消しの請求

四 当該裁決に係る処分の取消しの請求

五 当該処分又は裁決の取消しを求める他の請求

六 その他当該処分又は裁決の取消しの請求と関連する請求

 

 

国家賠償法

第一条 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。

② 前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。

 

 

民事訴訟法

(共同訴訟の要件)

第三十八条 訴訟の目的である権利又は義務が数人について共通であるとき、又は同一の事実上及び法律上の原因に基づくときは、その数人は、共同訴訟人として訴え、又は訴えられることができる。訴訟の目的である権利又は義務が同種であって事実上及び法律上同種の原因に基づくときも、同様とする。

 

(口頭弁論の併合等)

第百五十二条 裁判所は、口頭弁論の制限、分離若しくは併合を命じ、又はその命令を取り消すことができる。

2 裁判所は、当事者を異にする事件について口頭弁論の併合を命じた場合において、その前に尋問をした証人について、尋問の機会がなかった当事者が尋問の申出をしたときは、その尋問をしなければならない。

 

 

分離課税の規定により異なった課税標準により算出された税額を合計する場合であっても、課税処分の取消訴訟における実体上の審判の対象は課税処分によって確定された税額の適否であるから、当該課税処分によって確定された税額が租税法規によって客観的に定まる税額を上回る場合には、その限度において違法なものとして取消しを免れないとされた事例

 

 

              所得税更正処分等取消請求上告事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/昭和63年(行ツ)第184号

【判決日付】      平成5年5月28日

【判示事項】      一 分離課税の規定により異なった課税標準により算出された税額を合計する場合であっても、課税処分の取消訴訟における実体上の審判の対象は課税処分によって確定された税額の適否であるから、当該課税処分によって確定された税額が租税法規によって客観的に定まる税額を上回る場合には、その限度において違法なものとして取消しを免れないとされた事例

             二 課税処分取消訴訟において、税額の適否を判断する上で、「納付すべき税額」とは、昭和五一年分所得税の特別減税のための臨時措置法一一条及び一二条一項に基づく特別減税の適用がある場合には、同規定による特別減税額を控除した後の税額であるとされた事例

【判決要旨】      課税処分の取消訴訟における実体上の審判の対象は当該課税処分によって確定された税額の適否であるから、当該課税処分によって確定された税額(ただし、審査請求に対する裁決によりその一部が取り消されたときは取消し後の税額)が租税法規によって客観的に定まる税額を上回る場合には、当該課税処分はその上回る限度において違法となるものというべきである。

【参照条文】      行政訴訟通則4

             租税特別措置法(昭和五七年法律第八号による改正前のもの)28の4

             国税通則法

             昭和五一年分所得税の特別減税のための臨時措置法5-1

             昭和五一年分所得税の特別減税のための臨時措置法11

             昭和五一年分所得税の特別減税のための臨時措置法12-1

【掲載誌】        訟務月報40巻4号876頁

             税務訴訟資料195号598頁

 

 

租税特別措置法

(土地の譲渡等に係る事業所得等の課税の特例)

第二十八条の四 個人が、他の者(当該個人が非居住者である場合の所得税法第百六十一条第一項第一号に規定する事業場等を含む。)から取得をした土地(国内にあるものに限る。以下この条において同じ。)又は土地の上に存する権利(以下この条において「土地等」という。)で事業所得又は雑所得の基因となるもののうち、その年一月一日において所有期間が五年以下であるもの(その年中に取得をした土地等で政令で定めるものを含む。)の譲渡(地上権又は賃借権の設定その他契約により他人(当該個人が非居住者である場合の同号に規定する事業場等を含む。)に土地を長期間使用させる行為で政令で定めるもの(次項及び第三項第一号において「賃借権の設定等」という。)及び土地等の売買又は交換の代理又は媒介に関し報酬を受ける行為その他の行為で土地等の譲渡に準ずるものとして政令で定めるものを含む。以下この条において「土地の譲渡等」という。)をした場合には、当該土地の譲渡等による事業所得及び雑所得については、同法第二十二条及び第八十九条並びに第百六十五条の規定にかかわらず、他の所得と区分し、その年中の当該土地の譲渡等に係る事業所得の金額及び雑所得の金額として政令で定めるところにより計算した金額(以下この条において「土地等に係る事業所得等の金額」という。)に対し、次に掲げる金額のうちいずれか多い金額に相当する所得税を課する。

一 土地等に係る事業所得等の金額(第五項第二号の規定により読み替えられた所得税法第七十二条から第八十七条までの規定の適用がある場合には、その適用後の金額。次号において「土地等に係る課税事業所得等の金額」という。)の百分の四十に相当する金額

二 土地等に係る課税事業所得等の金額につきこの項の規定の適用がないものとした場合に算出される所得税の額として政令で定めるところにより計算した金額の百分の百十に相当する金額

2 前項に規定する所有期間とは、当該個人がその譲渡(賃借権の設定等を含む。)をした土地等をその取得をした日の翌日から引き続き所有していた期間として政令で定める期間をいう。

3 第一項の規定は、次に掲げる土地等の譲渡に該当することにつき財務省令で定めるところにより証明がされたものについては、適用しない。

一 国、地方公共団体その他これらに準ずる法人に対する土地等の譲渡(賃借権の設定等を含む。以下この項において同じ。)で政令で定めるもの

二 独立行政法人都市再生機構、土地開発公社その他これらに準ずる法人で宅地若しくは住宅の供給又は土地の先行取得の業務を行うことを目的とするものとして政令で定めるものに対する土地等の譲渡で、当該譲渡に係る土地等が当該業務を行うために直接必要であると認められるもの(政令で定める法人に対する土地等の譲渡で当該譲渡に係る土地等の面積が千平方メートル以上である場合には、第四号イに掲げる要件に該当する譲渡に限るものとし、土地開発公社に対する土地等の譲渡である場合には、政令で定める土地等の譲渡を除く。)

三 土地等の譲渡で第三十三条の四第一項に規定する収用交換等によるもの(当該収用交換等のうち政令で定めるものによる土地等の譲渡で当該譲渡に係る土地等の面積が千平方メートル以上である場合には、次号イに掲げる要件に該当する譲渡に限るものとし、前二号に掲げる譲渡に該当するものを除く。)

四 都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第二十九条第一項の許可(同法第四条第二項に規定する都市計画区域内において行われる同条第十二項に規定する開発行為に係るものに限る。以下この項において「開発許可」という。)を受けた個人(開発許可に基づく地位を承継した個人を含む。)が造成した一団の宅地(その面積が千平方メートル以上のものに限る。)の全部又は一部の当該個人による譲渡で、次に掲げる要件(当該譲渡が政令で定める譲渡に該当する場合には、イ及びロに掲げる要件)に該当するもの

イ 当該譲渡に係る対価の額が当該譲渡に係る適正な対価の額として政令で定める金額以下であること。

ロ 当該譲渡に係る宅地の造成が当該開発許可の内容に適合していること。

ハ 当該譲渡が公募の方法により行われたものであること。

五 その宅地の造成につき開発許可を要しない場合において個人が造成した一団の宅地(その面積が千平方メートル以上のものに限る。)の全部又は一部の当該個人による譲渡で、次に掲げる要件(当該譲渡が政令で定める譲渡に該当する場合には、イ及び前号イに掲げる要件)に該当するもの

イ 当該譲渡に係る宅地の造成が優良な宅地の供給に寄与するものであることについて政令で定めるところにより都道府県知事の認定を受けて行われ、かつ、その造成が当該認定の内容に適合していること。

ロ 当該譲渡が前号イ及びハに掲げる要件に該当するものであること。

六 個人が自己の計算により新築した住宅又は政令で定める請負の方法により新築した住宅(その新築が優良な住宅の供給に寄与するものであることについて政令で定めるところにより都道府県知事の認定を受けたものに限る。)の敷地の用に供された一団の宅地(その面積が千平方メートル以上のものに限る。)の全部又は一部の当該個人による譲渡で、第四号イ及びハに掲げる要件に該当するもの(前二号に掲げる譲渡に該当するものを除く。)

七 次に掲げる一団の宅地(その面積が千平方メートル未満のものに限る。)の全部又は一部の当該個人による譲渡で、当該譲渡に係る対価の額が当該譲渡に係る適正な対価の額として政令で定める金額以下であるもの

イ 当該個人が造成した一団の宅地でその造成が優良な宅地の供給に寄与するものであることについて政令で定めるところにより市町村長又は特別区の区長(その造成が開発許可を受けたものである場合には、当該許可をした者)の認定を受けたもの

ロ 一団の宅地で、当該個人が自己の計算により新築した住宅又は政令で定める請負の方法により新築した住宅(その新築が優良な住宅の供給に寄与するものであることについて政令で定めるところにより市町村長又は特別区の区長の認定を受けたものに限る。)の敷地の用に供されたもの(イに掲げる宅地に該当するものを除く。)

八 宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第二条第三号に規定する宅地建物取引業者である個人の行う土地等(住宅の敷地の用に供されているもので政令で定めるものに限る。)の譲渡でその取得後政令で定める期間内に行われるもののうち土地等の売買の代理又は媒介に関し報酬を受ける行為に類するものとして政令で定めるもの

4 第一項及び前項に定めるもののほか、同項第四号ハの公募の方法に関する事項その他第一項及び前項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

5 第一項の規定の適用がある場合には、次に定めるところによる。

一 所得税法第二条第一項第三十号から第三十四号の四までの規定の適用については、同項第三十号の規定中「山林所得金額」とあるのは、「山林所得金額並びに租税特別措置法第二十八条の四第一項(土地の譲渡等に係る事業所得等の課税の特例)に規定する土地等に係る事業所得等の金額(以下「土地等に係る事業所得等の金額」という。)」とする。

二 所得税法第四十四条の二第二項、第六十九条、第七十条、第七十一条及び第七十二条から第八十七条までの規定の適用については、これらの規定中「総所得金額」とあるのは、「総所得金額、土地等に係る事業所得等の金額」とする。

三 所得税法第九十二条、第九十五条及び第百六十五条の六の規定の適用については、同法第九十二条第一項中「前節(税率)」とあるのは「前節(税率)及び租税特別措置法第二十八条の四第一項(土地の譲渡等に係る事業所得等の課税の特例)」と、「課税総所得金額」とあるのは「課税総所得金額及び租税特別措置法第二十八条の四第一項に規定する土地等に係る課税事業所得等の金額の合計額」と、同条第二項中「課税総所得金額に係る所得税額」とあるのは「課税総所得金額に係る所得税額、同項に規定する土地等に係る課税事業所得等の金額に係る所得税額」と、同法第九十五条及び第百六十五条の六中「その年分の所得税の額」とあるのは「その年分の所得税の額及び租税特別措置法第二十八条の四第一項(土地の譲渡等に係る事業所得等の課税の特例)の規定による所得税の額」とする。

四 前三号に定めるもののほか、所得税法第二編第五章の規定による申請又は申告に関する特例その他第一項の規定の適用がある場合における所得税に関する法令の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

6 第一項の規定は、個人が平成十年一月一日から令和八年三月三十一日までの間にした土地の譲渡等については、適用しない。

 

 

国税通則法

(定義)

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 国税 国が課する税のうち関税、とん税、特別とん税、森林環境税及び特別法人事業税以外のものをいう。

二 源泉徴収等による国税 源泉徴収に係る所得税及び国際観光旅客税法(平成三十年法律第十六号)第二条第一項第七号(定義)に規定する特別徴収に係る国際観光旅客税(これらの税に係る附帯税を除く。)をいう。

三 消費税等 消費税、酒税、たばこ税、揮発油税、地方揮発油税、石油ガス税及び石油石炭税をいう。

四 附帯税 国税のうち延滞税、利子税、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税及び重加算税をいう。

五 納税者 国税に関する法律の規定により国税(源泉徴収等による国税を除く。)を納める義務がある者(国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)に規定する第二次納税義務者及び国税の保証人を除く。)及び源泉徴収等による国税を徴収して国に納付しなければならない者をいう。

六 納税申告書 申告納税方式による国税に関し国税に関する法律の規定により次に掲げるいずれかの事項その他当該事項に関し必要な事項を記載した申告書をいい、国税に関する法律の規定による国税の還付金(以下「還付金」という。)の還付を受けるための申告書でこれらのいずれかの事項を記載したものを含むものとする。

イ 課税標準(国税に関する法律に課税標準額又は課税標準数量の定めがある国税については、課税標準額又は課税標準数量。以下同じ。)

ロ 課税標準から控除する金額

ハ 次に掲げる金額(以下「純損失等の金額」という。)

(1) 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)に規定する純損失の金額又は雑損失の金額でその年以前において生じたもののうち、同法の規定により翌年以後の年分の所得の金額の計算上順次繰り越して控除し、又は前年分の所得に係る還付金の額の計算の基礎とすることができるもの

(2) 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)に規定する欠損金額でその事業年度以前において生じたもの(同法第五十七条第二項(欠損金の繰越し)の規定により欠損金額とみなされたものを含む。)のうち、同法の規定により翌事業年度以後の事業年度分の所得の金額の計算上順次繰り越して控除し、又は前事業年度以前の事業年度分の所得に係る還付金の額の計算の基礎とすることができるもの

(3) 相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)第二十一条の十二(相続時精算課税に係る贈与税の特別控除)の規定により同条の規定の適用を受けて控除した金額がある場合における当該金額の合計額を二千五百万円から控除した残額

ニ 納付すべき税額

ホ 還付金の額に相当する税額

ヘ ニの税額の計算上控除する金額又は還付金の額の計算の基礎となる税額

七 法定申告期限 国税に関する法律の規定により納税申告書を提出すべき期限をいう。

八 法定納期限 国税に関する法律の規定により国税を納付すべき期限(次に掲げる国税については、それぞれ次に定める期限又は日)をいう。この場合において、第三十八条第二項(繰上請求)に規定する繰上げに係る期限及び所得税法若しくは相続税法の規定による延納(以下「延納」という。)、第四十七条第一項(納税の猶予の通知等)に規定する納税の猶予又は徴収若しくは滞納処分に関する猶予に係る期限は、当該国税を納付すべき期限に含まれないものとする。

イ 第三十五条第二項(申告納税方式による国税等の納付)の規定により納付すべき国税 その国税の額をその国税に係る期限内申告書に記載された納付すべき税額とみなして国税に関する法律の規定を適用した場合におけるその国税を納付すべき期限

ロ 国税に関する法律の規定により国税を納付すべき期限とされている日後に納税の告知がされた国税(ハ又はニに掲げる国税に該当するものを除く。) 当該期限

ハ 国税に関する法律の規定により一定の事実が生じた場合に直ちに徴収するものとされている賦課課税方式による国税 当該事実が生じた日

ニ 附帯税 その納付又は徴収の基因となる国税を納付すべき期限(当該国税がイからハまでに掲げる国税に該当する場合には、それぞれ当該国税に係るイからハまでに掲げる期限(地価税に係る過少申告加算税、無申告加算税及び第三十五条第三項に規定する重加算税については、先に到来する期限)又は日)

九 課税期間 国税に関する法律の規定により国税の課税標準の計算の基礎となる期間(課税資産の譲渡等(消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第二条第一項第九号(定義)に規定する課税資産の譲渡等をいい、同項第八号の二に規定する特定資産の譲渡等に該当するものを除く。第十五条第二項第七号(納税義務の成立及びその納付すべき税額の確定)において同じ。)及び特定課税仕入れ(同法第五条第一項(納税義務者)に規定する特定課税仕入れをいう。同号において同じ。)に課される消費税(以下「課税資産の譲渡等に係る消費税」という。)については、同法第十九条(課税期間)に規定する課税期間)をいう。

十 強制換価手続 滞納処分(その例による処分を含む。)、強制執行、担保権の実行としての競売、企業担保権の実行手続及び破産手続をいう。

 

 

 

 

       主   文

 

 原判決中、上告人の昭和五一年分の所得税に係る再更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分の取消請求に関する部分を破棄し、第一審判決中右部分を次のとおり変更する。

 被上告人が上告人に対して昭和五五年二月五日付けでした昭和五一年分の所得税に係る再更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分中、納付すべき税額二二一万七四〇〇円及び過少申告加算税額九万七四〇〇円を超える部分を取り消す。

 前項の処分に関する上告人のその余の請求を棄却する。

 上告人のその余の上告を棄却する。

 第一項の破棄部分に関する訴訟の総費用はこれを一〇分し、その一を被上告人の、その余の上告人の負担とし、前項に関する上告費用は上告人の負担とする。

 

       理   由

 

 一 上告代理人高橋敬、同羽柴修の上告理由第二について

 原審の適法に確定した事実関係によれば、上告人の昭和五一年分の所得税について、(1) 上告人は被上告人に対し、昭和五二年三月一四日付けで、事業所得金額を一七四万円、分離課税に係る長期譲渡所得金額を一三七万九〇五五円、納付すべき税額(昭和五一年分所得税の特別減税のための臨時措置法に基づく特別減税の額を控除した後の額、以下同じ)を二六万七六〇〇円とする確定申告をした、(2) 被上告人は上告人に対し、昭和五五年二月五日付けで、事業所得金額を六八三万四〇〇一円、分離課税に係る土地の譲渡等による事業所得金額を四四三万八一九七円、納付すべき税額を二七一万六〇〇〇円とする再更正処分及び過少申告加算税額を一二万二四〇〇円とする過少申告加算税の賦課決定処分をした、(3)本件再更正処分等に対する上告人の審査請求に対し、国税不服審判所長は、昭和五七年一月二七日付けで、事業所得金額を一一二二万二二八七円、納付すべき税額を二四二万三二〇〇円、過少申告加算税額を一〇万七七〇〇円とし、本件再更正処分中右納付すべき税額を超える部分及び本件賦課決定処分中右過少申告加算税額を超える部分をそれぞれ取り消す旨の裁決をした、(4)上告人には、昭和五一年分の所得として、事業所得金額一〇二九万〇四〇二円、分離課税に係る土地の譲渡等による事業所得金額三五万五六〇一円が存在する、というのである。

 右事実関係の下において、原審は、上告人の事業所得金額一〇二九万〇四〇二円は本件再更正処分における事業所得金額六八三万四〇〇一円を上回るから本件再更正処分は適法であり、本件再更正処分においては分離課税に係る土地の譲渡等による事業所得金額が認められているが、同金額は裁決において取り消されているから本件訴えにおいては右の点の課税関係は審判の対象とはされていないものと判断し、本件再更正処分及び本件賦課決定処分(ただし、いずれも裁決による一部取消し後のもの、以下同じ)のうち右確定申告額を超える部分の取消しを求める上告人の請求を棄却すべきものとした。

 【判示事項一】しかしながら、原審の右判断は是認することができない。すなわち、課税処分の取消訴訟における実体上の審判の対象は当該課税処分によって確定された税額の適否であるから、当該課税処分によって確定された税額(ただし、審査請求に対する裁決によりその一部が取り消されたときは取消し後の税額)が租税法規によって客観的に定まる税額を上回る場合には、当該課税処分はその上回る限度において違法となるものというべきである。これを本件についてみるのに、本件再更正処分は上告人の納付すべき税額を二四二万三二〇〇円と確定したものであるところ、これに対して、前記事実関係の下において、【判示事項二】上告人の昭和五一年分の所得(事業所得金額一〇二九万〇四〇二円及び分離課税に係る土地の譲渡等の事業所得金額三五万五六〇一円)に対して客観的に定まる納付すべき税額は二二一万七四〇〇円(編注・上記金額は、前記特別減税の額を控除した金額である。)であることが明らかであるから、本件再更正処分中、右納付すべき税額を超える部分は違法なものとして取消しを免れない。同様に、本件賦課決定処分は上告人の過少申告加算税額を一〇万七七〇〇円と確定しものであるところ、右事実関係の下で、上告人について客観的に定まる過少申告加算税額は九万七四〇〇円であることが明らかであるから、本件賦課決定処分中、右過少申告加算税額を超える部分は違法なものとして取消しを免れないこととなる。以上と異なる原審の判断には課税処分の取消訴訟における審判の対象について法令の解釈適用を誤った違法があり、右の違法は判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、論旨は理由がある。

 したがって、原判決中、本件再更正処分及び本件賦課決定処分の取消請求に関する部分はこの点において破棄を免れず、第一審判決中同部分を右の趣旨に変更すべきである。

 二 その余の上告理由について

 所論(昭和五一年分についてのその余の論旨及び同五二年分についての論旨)の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。論旨は採用することができない。よって、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇八条、三九六条、三八六条、三八四条、九六条、八九条、九二条を適用し、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判官 可部恒雄 貞家克己 園部逸夫 佐藤庄市郎)

 

上告理由〈略〉

捜査段階の9泊10日にわたる宿泊を伴う取調べが、任意捜査として許容される限界を越えた違法なものであるとされた事例

 

 

殺人被告事件

【事件番号】      東京高等裁判所判決/平成11年(う)第2156号

【判決日付】      平成14年9月4日

【判示事項】      一 捜査段階の九泊一〇日にわたる宿泊を伴う取調べが、任意捜査として許容される限界を越えた違法なものであるとされた事例

             二 違法な取調べ中に獲得された上申書及びこれに引き続く逮捕・勾留中に獲得された検察官調書の証拠能力が否定された事例

             三 証拠能力が否定された自白を除いても、なお情況証拠から被告人が犯人であると断定できるとされた事例

【参照条文】      刑事訴訟法197-1

             刑事訴訟法317

【掲載誌】        東京高等裁判所判決時報刑事53巻83頁

             判例時報1808号144頁

 

 

刑事訴訟法

第百九十七条 捜査については、その目的を達するため必要な取調をすることができる。但し、強制の処分は、この法律に特別の定のある場合でなければ、これをすることができない。

② 捜査については、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。

③ 検察官、検察事務官又は司法警察員は、差押え又は記録命令付差押えをするため必要があるときは、電気通信を行うための設備を他人の通信の用に供する事業を営む者又は自己の業務のために不特定若しくは多数の者の通信を媒介することのできる電気通信を行うための設備を設置している者に対し、その業務上記録している電気通信の送信元、送信先、通信日時その他の通信履歴の電磁的記録のうち必要なものを特定し、三十日を超えない期間を定めて、これを消去しないよう、書面で求めることができる。この場合において、当該電磁的記録について差押え又は記録命令付差押えをする必要がないと認めるに至つたときは、当該求めを取り消さなければならない。

④ 前項の規定により消去しないよう求める期間については、特に必要があるときは、三十日を超えない範囲内で延長することができる。ただし、消去しないよう求める期間は、通じて六十日を超えることができない。

⑤ 第二項又は第三項の規定による求めを行う場合において、必要があるときは、みだりにこれらに関する事項を漏らさないよう求めることができる。

 

第三百十七条 事実の認定は、証拠による。

 

 

白山比め神社御鎮座二千百年式年大祭奉賛会損害賠償請求事件

 

 

白山比め神社御鎮座二千百年式年大祭奉賛会損害賠償請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/平成20年(行ツ)第202号

【判決日付】      平成22年7月22日

【判示事項】      神社の鎮座2100年を記念する大祭に係る諸事業の奉賛を目的とする団体の発会式に地元の市長が出席して祝辞を述べた行為が,憲法20条3項に違反しないとされた事例

【判決要旨】      神社の鎮座2100年を記念する大祭に係る諸事業の奉賛を目的とする団体の発会式に地元の市長が出席して祝辞を述べた行為は,地元にとって,上記神社が重要な観光資源としての側面を有し,上記大祭が観光上重要な行事であったこと,上記団体はこのような性質を有する行事としての大祭に係る諸事業の奉賛を目的とするもので,その事業自体が観光振興的な意義を相応に有していたこと,上記発会式は,市内の一般の施設で行われ,その式次第は一般的な団体設立の式典等におけるものと変わらず,宗教的儀式を伴うものではなかったこと,上記市長は上記発会式に来賓として招かれて出席したもので,その祝辞の内容が一般の儀礼的な祝辞の範囲を超えて宗教的な意味合いを有するものであったともうかがわれないことなど判示の事情の下においては,憲法20条3項に違反しない。

【参照条文】      憲法20

【掲載誌】        最高裁判所裁判集民事234号337頁

             裁判所時報1512号246頁

             判例タイムズ1330号81頁

             判例時報2087号26頁

 

 

憲法

第二十条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

② 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。

③ 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。